JPH0592048U - ラックピニオン式ステアリング装置の支持構造 - Google Patents

ラックピニオン式ステアリング装置の支持構造

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JPH0592048U
JPH0592048U JP4067892U JP4067892U JPH0592048U JP H0592048 U JPH0592048 U JP H0592048U JP 4067892 U JP4067892 U JP 4067892U JP 4067892 U JP4067892 U JP 4067892U JP H0592048 U JPH0592048 U JP H0592048U
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flange
hole
bush
rack
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JP4067892U
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裕司 北田
文義 小野
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Koyo Seiko Co Ltd
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Koyo Seiko Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 第1分割体16と第2分割体17とに分割された
ブッシュ12が、ラック4を支持するハウジング5に形成
された通孔11に圧入され、そのブッシュ12に挿通される
ボルト13が車体に連結される。各分割体16、17は筒状金
属部材16a、17aと、この金属部材16a、17aの外周面
に接着される筒状弾性部材16b、17bとを有する。各弾
性部材16b、17bの外周面が通孔11の内周面に押し付け
られ、各金属部材16a、17aの相対向する端部は通孔11
内で互いに当接する。両金属部材16a、17aはボルト頭
部側の押付面13a ′と車体側支持面14a ′との間に挟み
込まれる。各弾性部材のフランジ16b′、17b′は、ハ
ウジング5と各金属部材のフランジ16a′、17a′との
間に挟み込まれる。 【効果】 ラックの軸心と車体側支持面との距離の公差
を、ステアリング装置の車体への組み込み時と走行時に
おいて一定値以内にできる。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、操舵用車輪に連動するラックをハウジングにより支持するラックピ ニオン式ステアリング装置を、ブッシュを介して車体により支持する構造に関す る。
【0002】
【従来の技術】
図5は、従来のラックピニオン式ステアリング装置101の支持構造を示し、 操舵用車輪に連動するラック104を支持するハウジング105に複数の張り出 し部105aが形成され、各張り出し部105aに通孔111が形成され、この 通孔111にブッシュ112が圧入され、このブッシュ112に挿通されるボル ト113が、車体側の部材114に溶着されたナット115にねじ合わされてい る。これにより、ハウジング105と車体とが連結されている。
【0003】 そして、ステアリング装置101から車体に振動が伝達されないように、その ブッシュ112は筒状の金属部材116と、この金属部材116の外周に加流接 着された筒状のゴム部材117とで構成され、そのゴム部材117の外周面が前 記通孔111の内周面に押し付けられている。その金属部材116は、ボルト頭 部113aの底面と車体側部材114の図中上面に挟み込まれることで車体に固 定されている。そのゴム部材117の両端にはフランジ117a、117bが形 成され、このフランジ117a、117bによりハウジングの張り出し部105 aが挟み込まれることで、ブッシュ112の軸方向に沿うハウジング105の変 位が防止されている。また、その金属部材116の図中下端にはフランジ116 aが形成され、このフランジ116aとハウジングの張り出し部105aとの間 にゴム部材117の図中下端側のフランジ117bが挟み込まれている。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】
ラック104の軸心と車体側部材114との距離Aの公差が大きいと、そのラ ック104に連動する操舵用車輪のホイールアライメントを適正に設定すること ができない。そのため、その距離Aの公差は一定値以内であることが要求される 。その距離Aは、ラック104の軸心とハウジング105の張り出し部105a の底面との距離Bと、張り出し部105aの底面と車体側部材114の図中上面 との距離Cとの和であることから、その距離Aの公差を一定値以内にするには、 その距離Bと距離Cの各公差を一定値以内にする必要がある。
【0005】 その距離Bの公差は、ステアリング装置101自体の製作精度により定まるた め、比較的容易に一定値以内とすることができる。
【0006】 しかし、その距離Cの調整は上記従来の支持構造では困難で長時間を要する。 すなわち、上記従来の支持構造では、ブッシュ112を通孔111に圧入する際 、金属部材116の図中下端にはフランジ116aが形成されているので、ブッ シュ112は通孔111に図中下方側から図中上方に向けて圧入される。この圧 入途中においては、ゴム部材117の図中上端側のフランジ117aは通孔11 1内に押し込まれてしまう。そのため、ゴム部材117の図中下端側のフランジ 117bが張り出し部105aの底面に当接しても、その上端側のフランジ11 7aは通孔111内に押し込まれたままで、通孔111の外部に突出しない。そ の上端側のフランジ117を通孔111の外部に突出させるためには、その下端 側のフランジ117bが張り出し部105aの底面に当接した後も、さらにブッ シュ112を通孔111内に圧入する必要がある。そうすると、そのゴム部材1 17の下端側のフランジ117bが張り出し部105aの底面と車体側部材11 4の図中上面との間に挟み込まれてブッシュの軸方向に沿い大きく変形すること から、前記距離Cが小さくなり過ぎて公差が一定値よりも大きくなる。そのため 、その距離Cの公差を一定値以内にするには、ゴム部材117の上端のフランジ 117aを通孔111の外部に突出させた後に、ブッシュ112を圧入方向と反 対方向(図中下方)に変位させ、距離Cの調整を行なう必要がある。しかし、ゴ ム部材117aは通孔111の内周面に強く押し付けられているため、その距離 Cの調整は困難で長時間を要する。
【0007】 また、上記従来の構造では、ゴム部材117の上端のフランジ117aとボル ト113の頭部113aの底面との間に隙間δがある。そのような隙間δがある と、ゴム部材117の上端側のフランジ117bの弾性に基づきハウジング10 5の軸方向変位を阻止するバネ系のバネ定数と、下端側のフランジ117aの弾 性に基づきハウジング105の軸方向変位を阻止するバネ系のバネ定数とが異な ったものになる。そうすると、車両の組立時において前記距離Aの公差を一定値 にしても、車両の走行中にハウジング105がブッシュ112の軸方向に沿って 振動すると、ハウジング105がゴム部材117に対しブッシュ112の軸方向 に沿って変位し、その距離Aの公差が大きくなってしまい、ホイールアライメン トを適正に維持できなくなるという問題がある。
【0008】 本考案は上記従来技術の問題を解決することのできるラックピニオン式ステア リング装置の支持構造を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本件第1考案の特徴とするところは、操舵用車輪に連動するラックを支持する ハウジングに通孔が形成され、その通孔にブッシュが圧入され、そのブッシュに 挿通されるボルトが車体に連結されるラックピニオン式ステアリング装置の支持 構造において、そのブッシュは軸方向一方側の第1分割体と他方側の第2分割体 とに2分割され、各分割体は筒状の金属部材と、この金属部材の外周面に接着さ れる筒状の弾性部材とを有し、各弾性部材の外周面が前記通孔の内周面に押し付 けられ、各金属部材の通孔外の端部にフランジが形成され、各金属部材の相対向 する側の端部は前記通孔内で互いに当接し、両金属部材は前記ボルトの頭部側の 押付面と車体側の支持面との間に挟み込まれ、各弾性部材の通孔外の端部にフラ ンジが形成され、一方の弾性部材のフランジはハウジングと一方の金属部材のフ ランジとの間に挟み込まれ、他方の弾性部材のフランジはハウジングと他方の金 属部材のフランジとの間に挟み込まれる点にある。
【0010】 本件第2考案の特徴とするところは、操舵用車輪に連動するラックを支持する ハウジングに通孔が形成され、その通孔にブッシュが圧入され、そのブッシュに 挿通されるボルトが車体に連結されるラックピニオン式ステアリング装置の支持 構造において、そのブッシュは筒状の内側金属部材と、この内側金属部材の外周 面に接着される筒状の弾性部材と、この弾性部材の外周面に接着される筒状の外 側金属部材とを有し、その外側金属部材の外周面が前記通孔の内周面に押し付け られ、その内側金属部材はボルトの頭部側の押付面と車体側の支持面との間に挟 み込まれ、その内側金属部材の両端にフランジが形成され、この内側金属部材の 両端のフランジの間に弾性部材が挟み込まれ、その弾性部材の両端にフランジが 形成され、この弾性部材の一端側のフランジは内側金属部材の一端側のフランジ と外側金属部材との間に挟み込まれ、他端側のフランジは内側金属部材の他端側 のフランジと外側金属部材との間に挟み込まれ、その外側金属部材の一端にフラ ンジが形成され、この外側金属部材のフランジは前記ハウジングに当接する点に ある。
【0011】
【作用】
本件第1考案の構成によりラックピニオン式ステアリング装置を支持するには 、まず、ブッシュを構成する第1分割体をハウジングに形成した通孔に軸方向一 方側から圧入すると共に第2分割体をその通孔に軸方向他方側から圧入する。こ れにより、各分割体の弾性部材の外周面を通孔の内周面に押し付け、また、各分 割体の金属部材の相対向する端部を通孔内で互いに当接させる。次に、ボルトを ブッシュに挿入すると共に車体に連結し、そのボルトの頭部側の押付面と車体側 の支持面との間に両金属部材を挟み込む。これにより、各弾性部材の通孔外の端 部に形成されたフランジを、車体に固定された金属部材の通孔外の端部に形成さ れたフランジとハウジングとの間に挟み込み、その弾性部材のフランジの弾性に 基づくバネ系によりハウジングがブッシュの軸方向に沿い変位するのを防止する 。すなわち、各弾性部材の端部に形成されたフランジを通孔内に押し込むことな く、ステアリング装置をブッシュを介し車体により支持することができる。よっ て、各弾性部材の通孔外の端部に形成されたフランジが従来のように大きくブッ シュの軸方向に沿って変形してしまうことはなく、ラックの軸心と車体側部材と の距離の公差を容易に一定値以内にすることができる。
【0012】 また、一方の弾性部材に形成されたフランジは、一方の金属部材のフランジと ハウジングとの間に挟み込まれ、他方の弾性部材に形成されたフランジは、他方 の金属部材のフランジとハウジングとの間に挟み込まれる。よって、一方の弾性 部材に形成されたフランジとボルト頭部側の押付面との間や、他方の弾性部材に 形成されたフランジと車体側支持面との間に隙間が存在する場合に比べ、ハウジ ングがブッシュの軸方向に沿い変位するのを阻止する一方のバネ系のバネ定数と 他方のバネ系のバネ定数との差が小さくなる。また、一方の弾性部材のフランジ と一方の金属部材のフランジとが離反可能で、他方の弾性部材のフランジと他方 の金属部材のフランジとが離反不能であると、車両の走行によりハウジングがブ ッシュの軸方向に沿い振動した場合、そのハウジングの変位を阻止する一方のバ ネ系のバネ定数と他方のバネ系のバネ定数とが異なったものになる。そのため、 各弾性部材に形成されたフランジを、それぞれ金属部材のフランジに離反不能に 接着するのが好ましい。これにより、車両の走行中にハウジングが振動した場合 でも、その両バネ系のバネ定数に差が生じるのを防止できる。これにより、車両 の走行時にハウジングが振動しても、ラックの軸心と車体側部材との距離の公差 を一定値以内に維持できる。
【0013】 本件第2考案の構成によりラックピニオン式ステアリング装置を支持するには 、まず、ブッシュをハウジングに形成した通孔に圧入し、外側金属部材の外周面 を通孔の内周面に押し付け、また、外側金属部材の一端部に形成されたフランジ をハウジングに当接させる。次に、ボルトをブッシュに挿入すると共に車体に連 結し、そのボルトの頭部側の押付面と車体側の支持面との間に内側金属部材を挟 み込む。これにより、ハウジングと一体化された外側金属部材と内側金属部材の 各端に形成されたフランジとの間に弾性部材の端部に形成されたフランジを挟み 込み、その弾性部材のフランジの弾性に基づくバネ系によりハウジングがブッシ ュの軸方向に沿い変位するのを防止する。これにより、弾性部材の端部に形成さ れたフランジを通孔内に押し込むことなく、ステアリング装置を車体により支持 することができる。よって、弾性部材の端部に形成されたフランジが従来のよう に大きくブッシュの軸方向に沿い変形してしまうことはなく、ラックの軸心と車 体側部材との距離の公差を容易に一定値以内にすることができる。
【0014】 さらに、外側金属部材の一端のフランジの外径を、弾性部材の一端のフランジ の外径および内側金属部材の一端のフランジの外径よりも大きくすれば、その外 側金属部材の一端のフランジにブッシュの通孔内への圧入力を作用させることが できる。これにより、ブッシュを通孔に圧入する際に弾性部材に軸方向力が作用 することはなく、弾性部材のフランジの変形を完全になくすことができ、ラック の軸心と車体側部材との距離の公差をより一層容易に一定値以内にすることがで きる。
【0015】 また、弾性部材の一端側に形成されたフランジは、内側金属部材の一端側に形 成されたフランジとハウジングに一体化された外側金属部材との間に挟み込まれ 、弾性部材の他端側に形成されたフランジは、内側金属部材の他端側に形成され たフランジとハウジングに一体化された外側金属部材との間に挟み込まれる。よ って、弾性部材の一端側に形成されたフランジと車体側の支持面との間や、弾性 部材の他端側に形成されたフランジとボルト頭部側の押付面との間に隙間が存在 する場合に比べ、ハウジングがブッシュの軸方向に沿い変位するのを阻止する一 方のバネ系のバネ定数と他方のバネ系のバネ定数との差が小さくなる。また、一 方の弾性部材のフランジと一方の金属部材のフランジとが離反可能で、他方の弾 性部材のフランジと他方の金属部材のフランジとが離反不能であると、車両の走 行によりハウジングがブッシュの軸方向に沿い振動した場合、そのハウジングの 変位を阻止する一方のバネ系のバネ定数と他方のバネ系のバネ定数とが異なった ものになる。そのため、弾性部材の各端に形成されたフランジを、それぞれ内側 金属部材に形成されたフランジに離反不能に接着するのが好ましい。これにより 、車両の走行中にハウジングが振動した場合でも、その両バネ系のバネ定数に差 が生じるのを防止できる。これにより車両の走行時にハウジングが振動しても、 ラックの軸心と車体側部材との距離の公差を一定値以内に維持できる。
【0016】
【実施例】
以下、図面を参照して本考案の実施例を説明する。
【0017】 図1及び図4に示すラックピニオン式ステアリング装置1は本件第1考案の実 施例を示し、ハンドル2の回転操作により回転するピニオン3と、このピニオン 3に噛み合うラック4と、このラック4を覆うハウジング5とを備えている。そ のラック4の各端にはボールジョイント7、8を介してタイロッド9、10が連 結され、各タイロッド9、10が操舵用車輪(図示省略)にナックルアームを介 して連結される。これにより、ハンドル2の操作によりピニオン3が回転すると 、ラックバー4が車両幅方向に移動し、このラックバー4の車両幅方向への移動 がタイロッド9、10を介して操舵用車輪に伝達されることで車両の操舵がなさ れる。
【0018】 上記ステアリング装置1を車体により支持するため、ハウジング5に複数の張 り出し部5aが形成され、各張り出し部5aに、車両の幅方向に直角な方向に沿 って通孔11が形成され、この通孔11に筒状のブッシュ12が圧入され、この ブッシュ12に挿通されるボルト13が、車体側部材14に溶着されたナット1 5にねじ合わされている。これにより、ハウジング5と車体とが連結される。
【0019】 そのブッシュ12は、軸方向一方側の第1分割体16と他方側の第2分割体1 7とに2分割されている。各分割体16、17は筒状の金属部材16a、17a と、各金属部材16a、17aの外周面に加硫接着された筒状のゴム部材(弾性 部材)16b、17bとを有し、各ゴム部材16b、17bの外周面が前記通孔 11の内周面に押し付けられている。各金属部材16a、17aの通孔11外の 端部にはフランジ16a′、17a′が形成されている。各金属部材16a、1 7aの相対向する端部は通孔11内で互いに当接する。両金属部材16a、17 aは、ボルト頭部13aの下面(押付面)13a′と車体側部材14の図中上面 (支持面)14a′とに挟み込まれることで車体に対し固定されている。また、 各ゴム部材16b、17bの通孔11外の端部にはフランジ16b′、17b′ が形成されている。一方のゴム部材16bのフランジ16b′は、ハウジングの 張り出し部5aと一方の金属部材16aのフランジ16a′との間に挟み込まれ ると共に、その金属部材16aのフランジ16a′に加硫接着されている。他方 の弾性部材17bのフランジ17b′は、ハウジングの張り出し部5aと他方の 金属部材17aのフランジ17a′との間に挟み込まれると共に、その金属部材 17aのフランジ17a′に加硫接着されている。
【0020】 上記構成によれば、ステアリング装置1を支持するには、まず、第1分割体1 6を張り出し部5aに形成した通孔11に軸方向一方側(図中上方側)から圧入 すると共に第2分割体17を通孔11に軸方向他方側(図中下方側)から圧入す る。これにより、各分割体16、17のゴム部材16b、17bの外周面を通孔 11の内周面に押し付け、また、各分割体16、17の金属部材16a、17a の相対向する端部を通孔11内で互いに当接させる。次に、ボルト13をブッシ ュ12に挿入すると共にナット15にねじ込み、ボルト頭部側の押付面13a′ と車体側の支持面14a′との間に両金属部材16a、17aを挟み込む。
【0021】 これにより、各金属部材16a、17aを車体に対し固定し、各ゴム部材16 b、17bの通孔11外の端部に形成されたフランジ16b′、17b′を、張 り出し部5aと金属部材16a、17aの通孔11外の端部に形成されたフラン ジ16a′、17a′との間に挟み込むことができるので、その各ゴム部材16 b、17bにより路面から操舵用車輪を介し伝達される振動が車体に伝達される のを防止でき、また、各ゴム部材16b、17bのフランジ16b′、17b′ によりハウジング5がブッシュ12の軸方向に沿い変位するのを阻止することが できる。
【0022】 すなわち、各分割体16、17を通孔11に圧入する際に、各ゴム部材16b 、17bのフランジ16b′、17b′を通孔11内に押し込むことなく、ブッ シュ12を介しステアリング装置1を車体により支持することができる。よって 、ブッシュ12を通孔に圧入する際に、各ゴム部材16b、17bのフランジ1 6b′、17b′が従来のようにブッシュの軸方向に沿い大きく変形してしまう ことはない。よって、張り出し部5aの底面と車体側の支持面14a′との距離 Cを僅かに調整するだけで、あるいは全く調整することなく、ラック4の軸心と 車体側部材14との距離Aの公差を一定値以内にすることができる。
【0023】 また、一方のゴム部材16bに形成されたフランジ16b′は、一方の金属部 材16aのフランジ16a′と張り出し部5aとの間に挟み込まれ、他方のゴム 部材17bに形成されたフランジ17b′は、他方の金属部材17aのフランジ 17a′と張り出し部5aとの間に挟み込まれる。よって、一方のゴム部材16 bに形成されたフランジ16b′とボルト頭部側の押付面13a′との間や、他 方のゴム部材17bに形成されたフランジ17b′と車体側支持面14a′との 間に隙間が存在することはない。よって、ハウジング5がブッシュ12の軸方向 に沿い変位するのを阻止する一方のゴム部材16bに形成されたフランジ16b ′の弾性に基づくバネ系のバネ定数と、他方のゴム部材17bに形成されたフラ ンジ17b′の弾性に基づくバネ系のバネ定数との差は小さい。さらに、各ゴム 部材16b、17bに形成されたフランジ16b′は、それぞれ金属部材16a 、17aのフランジ16a′、17a′に離反不能に加硫接着されているので、 車両の走行中にハウジング5がブッシュ12の軸方向に沿って振動した場合でも 、その両バネ系のバネ定数に差が生じるのを防止できる。これにより、車両の走 行時にハウジング5が振動しても、ラック4の軸心と車体側の支持面14a′と の距離Aの公差を一定値以内に維持できる。
【0024】 図2は本件第2考案の第1実施例を示し、上記本件第1考案の実施例のブッシ ュ12とは異なる構成のブッシュ30を備えている。他は上記実施例と同様で、 同様部分は同一符号で示して相違点のみを説明する。
【0025】 そのブッシュ30は、筒状の内側金属部材31と、この内側金属部材31の外 周面に加硫接着される筒状のゴム部材(弾性部材)32と、このゴム部材32の 外周面に加硫接着される筒状の外側金属部材33とを有する。その外側金属部材 33の外周面が、ハウジングの張り出し部5aの通孔11の内周面に押し付けら れている。その内側金属部材31は、ボルト頭部側の押付面13a′と車体側の 支持面14a′とに挟み込まれることで車体に対し固定されている。また、その 内側金属部材31の両端にフランジ31a、31bが形成され、この両フランジ 31a、31bの間にゴム部材32が挟み込まれている。そのゴム部材32の両 端にフランジ32a、32bが形成され、一端側のフランジ32aは内側金属部 材31の一端側のフランジ31aと外側金属部材33との間に挟み込まれ、他端 側のフランジ32bは内側金属部材31の他端側のフランジ31bと外側金属部 材33との間に挟み込まれている。また、ゴム部材32の各フランジ32a、3 2bは、内側金属部材31の各フランジ31a、31bと外側金属部材33とに 加硫接着されている。また、内側金属部材31の他端側のフランジ31bの外径 と、ゴム部材32の他端側のフランジ32bの外径とは、通孔11の内径以下と されている。その外側金属部材33の一端にはフランジ33aが形成され、この フランジ33aは張り出し部5aに当接する。また、外側金属部材33の一端側 のフランジ33aの外径は、内側金属部材31の一端側のフランジ31aの外径 及びゴム部材32の一端側のフランジ32aの外径よりも大きくされている。
【0026】 上記構成によりステアリング装置1を支持するには、まず、ブッシュ30を張 り出し部5aに形成した通孔11に圧入し、外側金属部材33の外周面を通孔1 1の内周面に押し付け、また、外側金属部材33の一端部に形成されたフランジ 33aを張り出し部5aに当接させる。次に、ボルト13をブッシュ12に挿入 すると共にナット15にねじ込み、そのボルト頭部側の押付面13a′と車体側 支持面14a′との間に内側金属部材31を挟み込む。これにより、内側金属部 材31は車体に固定され、外側金属部材33は通孔11に圧入されることでハウ ジング5と一体化される。そして、ゴム部材32の端部に形成されたフランジ3 2a、32bは、内側金属部材31の各端に形成されたフランジ31a、31b と外側金属部材33との間に挟みこまれるので、そのゴム部材32により、路面 から操舵用車輪を介し伝達される振動が車体に伝達されるのを防止でき、また、 そのゴム部材32の端部に形成されたフランジ32a、32bの弾性に基づくバ ネ系により、ハウジング5がブッシュ12の軸方向に沿い変位するのを阻止でき る。
【0027】 これにより、ゴム部材32の端部に形成されたフランジ32a、32bを通孔 11内に押し込むことなく、ステアリング装置を車体により支持することができ る。よって、ゴム部材32の端部に形成されたフランジ32a、32bが従来の ようにブッシュの軸方向に沿い大きく変形してしまうことはない。よって、張り 出し部5aの底面と車体側の支持面14a′との距離Cを僅かに調整するだけで 、あるいは全く調整することなく、ラック4の軸心と車体側部材14との距離A の公差を一定値以内にすることができる。
【0028】 さらに、外側金属部材33の一端のフランジ33aの外径が、弾性部材32の 一端側のフランジ32aの外径および内側金属部材31の一端側のフランジ31 aの外径よりも大きいので、その外側金属部材33の一端のフランジ33aにブ ッシュ12の通孔11内への圧入力を作用させることができる。これにより、ブ ッシュ12を通孔11に圧入する際にゴム部材32のフランジ32aに圧入力が 作用することはなく、そのフランジ32aの圧入時における変形を完全になくす ことができ、張り出し部5aの底面と車体側の支持面14a′との距離Cを調整 をすることなく、ブッシュ30を通孔11に圧入して外側金属部材33の一端の フランジ33aを張り出し部5aの底面に当接させるだけで、ラック4の軸心と 車体側部材14との距離Aの公差を一定値以内にすることができる。
【0029】 また、ゴム部材32の一端側に形成されたフランジ32aは、内側金属部材3 1の一端側に形成されたフランジ31aとハウジング5に一体化された外側金属 部材33との間に挟み込まれ、ゴム部材32の他端側に形成されたフランジ32 bは、内側金属部材31の他端側に形成されたフランジ31aとハウジング5に 一体化された外側金属部材33との間に挟み込まれる。よって、ゴム部材32の 一端側に形成されたフランジ32aと車体側の支持面14a′との間や、ゴム部 材32の他端側に形成されたフランジ32bとボルト頭部側の押付面13a′と の間に隙間が存在することはない。よって、ハウジング5がブッシュ30の軸方 向に沿い変位するのを阻止するゴム部材32の一端のフランジ32aの弾性に基 づくバネ系のバネ定数と、他端のフランジ32bの弾性に基づく他方のバネ系の バネ定数との差が小さくなる。さらに、ゴム部材32の各端に形成されたフラン ジ32a、32bを、それぞれ内側金属部材31に形成されたフランジ31a、 31bに離反不能に加硫接着しているので、車両の走行中にハウジング5がブッ シュ30の軸方向に沿って振動した場合でも、その両バネ系のバネ定数に差が生 じるのを防止できる。これにより車両の走行時にハウジング5が振動しても、ラ ック4の軸心と車体側支持面14a′との距離Aの公差を一定値以内に維持でき る。
【0030】 図3は本件第2考案の第2実施例を示し、上記第1実施例との相違は、ゴム部 材32′の一端側のフランジ32a′の厚みを大きくしている。このようにフラ ンジ32a′の厚さを変化させることで、そのフランジ32a′の弾性に基づく バネ系のバネ定数を調節することができる。また、張り出し部5aの底面におい て通孔11の周囲に凹部40を形成し、この凹部40に外側金属部材33′の一 端側のフランジ33a′を当接させている。他は第1実施例と同様であって同様 の効果を奏する。
【0031】 なお、本考案は上記実施例に限定されるものではない。例えば、本件第2考案 の実施例において、内側金属部材31の一端側のフランジ31aの外径と、ゴム 部材32の一端側のフランジ32aの外径とを通孔11の内径以下としてもよい 。
【0032】
【考案の効果】
本考案のラックピニオンステアリング装置の支持構造によれば、ステアリング 装置の車体への組み込み時においてラックの軸心と車体側支持面との距離の公差 を容易に一定値以内にすることができると共に、その公差が車両の走行中におい て変動するのを防止でき、操舵用車輪のホイールアライメントを適正に維持でき る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本件第1考案の実施例のステアリング装置の断
面図(図4のI−I線断面図)
【図2】本件第2考案の第1実施例のステアリング装置
の要部の断面図
【図3】本件第2考案の第2実施例のステアリング装置
の要部の断面図
【図4】本考案の実施例のステアリング装置の構成説明
【図5】従来のステアリング装置の断面図
【符号の説明】
4 ラック 5 ハウジング 11 通孔 12 ブッシュ 13 ボルト 14 車体側部材 16 第1分割体 17 第2分割体 16a、17a 金属部材 16b、17b、 ゴム部材 16a′、17a′、16b′、17b′ フランジ 30 ブッシュ 31 内側金属部材 32 ゴム部材 33 外側金属部材 31a、31b、32a、32b、33a フランジ

Claims (2)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 操舵用車輪に連動するラックを支持する
    ハウジングに通孔が形成され、その通孔にブッシュが圧
    入され、そのブッシュに挿通されるボルトが車体に連結
    されるラックピニオン式ステアリング装置の支持構造に
    おいて、そのブッシュは軸方向一方側の第1分割体と他
    方側の第2分割体とに2分割され、各分割体は筒状の金
    属部材と、この金属部材の外周面に接着される筒状の弾
    性部材とを有し、各弾性部材の外周面が前記通孔の内周
    面に押し付けられ、各金属部材の通孔外の端部にフラン
    ジが形成され、各金属部材の相対向する側の端部は前記
    通孔内で互いに当接し、両金属部材は前記ボルトの頭部
    側の押付面と車体側の支持面との間に挟み込まれ、各弾
    性部材の通孔外の端部にフランジが形成され、一方の弾
    性部材のフランジはハウジングと一方の金属部材のフラ
    ンジとの間に挟み込まれ、他方の弾性部材のフランジは
    ハウジングと他方の金属部材のフランジとの間に挟み込
    まれることを特徴とするラックピニオン式ステアリング
    装置の支持構造。
  2. 【請求項2】 操舵用車輪に連動するラックを支持する
    ハウジングに通孔が形成され、その通孔にブッシュが圧
    入され、そのブッシュに挿通されるボルトが車体に連結
    されるラックピニオン式ステアリング装置の支持構造に
    おいて、そのブッシュは筒状の内側金属部材と、この内
    側金属部材の外周面に接着される筒状の弾性部材と、こ
    の弾性部材の外周面に接着される筒状の外側金属部材と
    を有し、その外側金属部材の外周面が前記通孔の内周面
    に押し付けられ、その内側金属部材はボルトの頭部側の
    押付面と車体側の支持面との間に挟み込まれ、その内側
    金属部材の両端にフランジが形成され、この内側金属部
    材の両端のフランジの間に弾性部材が挟み込まれ、その
    弾性部材の両端にフランジが形成され、この弾性部材の
    一端側のフランジは内側金属部材の一端側のフランジと
    外側金属部材との間に挟み込まれ、他端側のフランジは
    内側金属部材の他端側のフランジと外側金属部材との間
    に挟み込まれ、その外側金属部材の一端にフランジが形
    成され、この外側金属部材のフランジは前記ハウジング
    に当接することを特徴とするラックピニオン式ステアリ
    ング装置の支持構造。
JP4067892U 1992-05-20 1992-05-20 ラックピニオン式ステアリング装置の支持構造 Pending JPH0592048U (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010274835A (ja) * 2009-05-29 2010-12-09 Daihatsu Motor Co Ltd 車両用ステアリング操作装置
KR20200011085A (ko) * 2018-07-24 2020-02-03 주식회사 만도 스티어 바이 와이어식 조향장치

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JP2010274835A (ja) * 2009-05-29 2010-12-09 Daihatsu Motor Co Ltd 車両用ステアリング操作装置
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