JP4045770B2 - サスペンションクロスメンバー取付用ブッシュ、及びサスペンションクロスメンバーの取付構造 - Google Patents
サスペンションクロスメンバー取付用ブッシュ、及びサスペンションクロスメンバーの取付構造 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、サスペンションクロスメンバー取付用ブッシュ及びサスペンションクロスメンバーの取付構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
サスペンションアーム等の部品を車体に取付けるのに使用されるブッシュとして、例えば特開2000−145854に記載された様に、円筒状のアウター部材、その内部に挿入され車体側に設けられたボルトが貫通可能な円筒状のインナー部材、及びそれらの間に設けられた弾性体とからなるブッシュを2分割構造とし、2つのブッシュをサスペンションアームに設けられた圧入部にインナー部材同士が当接するまで両側から圧入し、ボルトをインナー部材に貫通させて、車体に共締め固定するものが知られている。ブッシュの圧入は、圧入部分にブッシュをあてがい、アウター部材から径方向外側に延出させたアウターフランジ部分を圧入治具により圧入方向に押圧することにより行われる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の構造においては、部品寸法精度のバラツキによって、アウター部材の外径が圧入部分の内径に比して相対的に大きくなった場合に、圧入抵抗が大きくなり圧入時にアウターフランジの変形を招く恐れがある。例えば上記の様なブッシュを車体下面に複数箇所にて取付けられるサスペンションクロスメンバー(以下、クロスメンバーと称する)の取付部分に用いる場合、ブッシュはクロスメンバーにアウターフランジが全面に亘って当接するまで圧入されることになるが、圧入時にアウターフランジが押圧方向に変形すると、ブッシュ本体における所定の圧入長さが得られていない状態でブッシュの圧入が完了してしまうことになる。
【0004】
上記の様な不完全なブッシュの圧入は、ブッシュを車体に固定した際に、ブッシュの弾性体が不必要に軸方向に変形した状態で車体とクロスメンバーの間に介在することになったり、また上記取付部分にそれぞれ圧入される各ブッシュの間でその弾性体の変形にバラツキが生じる原因となり、予め設定したブッシュの特性が得られず、車両の操安性や乗心地に悪影響を与える。
【0005】
特に、サスペンションクロスメンバー用として使用されるブッシュは、操安性や乗心地のニーズを満足するために、ブッシュをその弾性体が軸方向に所定量圧縮された状態(軸方向に所定の予圧縮を持った状態)で車体とサスペンションクロスメンバーとの間に介在させる場合がある。この様な場合、予圧縮の付与は、締結部材の締め込みによってブッシュの弾性体を圧縮させた状態でクロスメンバーを車体に固定することにより行われるのであるが、上記の様なブッシュの不完全な圧入は、締結部材を締め込んでブッシュを車体に固定した際に、設定どおりの予圧縮量が得られない、或いは各ブッシュの間での予圧縮量のバラツキが大きくなる、といった問題を生じ、操安性や乗心地において狙いどおりの特性が得られないこととなる。
【0006】
本発明は上記の点に鑑みてなされたもので、サスペンションクロスメンバーを車体に複数個所にて固定するのに使用されるブッシュにおいて、サスペンションクロスメンバーに圧入される際の変形を防止することにより、ブッシュの変形による不完全な圧入を確実に防止して狙いどおりの特性をブッシュに発揮させる状態でサスペンションクロスメンバーを車体に取付けることを可能とし、設定どおりの車両の操安性及び乗心地を確保することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の構成は、車体の下面に取付けられるサスペンションクロスメンバーを貫通する取付穴に、その上下方向両側から圧入可能であり、上記サスペンションクロスメンバーの上記取付穴の貫通方向長さの半分以下の軸方向長さを有する略円筒形状のアウター本体と、上記アウター本体の軸方向一端部において上記アウター本体から周方向外側に延設され、圧入治具が当接する治具当接部と、周方向に沿ってビード状に上記アウター本体と連続する様に形成された複数の補強部とを有するアウターフランジと、を有するアウター部材と、上記サスペンションクロスメンバーの上記取付穴の貫通方向長さの半分よりも長い軸方向長さと上記アウター本体の内径よりも小さい外径とを有する略円筒形状のインナー本体と、上記インナー本体の軸方向一端部において上記インナー本体から周方向外側に延設されるとともに上記アウター本体の内径よりも大きい外径を有するインナーフランジと、上記サスペンションクロスメンバーを車体に共締め固定する締結部材が上記軸方向に貫通可能な貫通孔と、を有し、上記インナーフランジと上記アウターフランジが上記軸方向で同じ側に位置する様に上記アウター部材の内側に略同心状に挿入されたインナー部材と、上記インナー部材と上記アウター部材との間で、上記インナー本体、上記インナーフランジ、上記アウター本体、及び上記アウターフランジに亘って設けられ、一対の上記アウター部材を上記インナー部材とともにそれぞれ、該インナー部材におけるインナーフランジ側の一端部とは反対側の軸方向他端部を先端側として、上記サスペンションクロスメンバーの取付穴に上下両側から上記アウターフランジが上記サスペンションクロスメンバーに接するまで圧入した状態において、上記締結部材による締結前の実質的に弾性変形の無い状態のときに一対の上記インナー部材の軸方向他端部の間に所定の離間距離を生じさせ、かつ上記締結部材による締め付けによって一対の上記インナー部材が上記アウター部材に対して上記軸方向で互いに近接する方向に上記他端部同士が接するまで変位する様に、上記インナー部材と上記アウター部材との間で弾性変形可能な弾性体と、を有し、上記アウターフランジの補強部は、上記アウター本体の中心軸を含む断面を該アウターフランジが上記アウター本体の上方に位置するように見て、該アウター本体から上方に向かって径方向外側に傾斜し且つ該アウター本体と連続するアウターフランジ傾斜面を有しており、上記インナーフランジが、上記アウターフランジ傾斜面と対向するとともに上記アウターフランジ傾斜面と略平行をなすインナーフランジ傾斜面を有するサスペンションクロスメンバー取付用ブッシュである。
【0008】
この様な構成により、ブッシュをクロスメンバーの取付穴に上下から圧入する際に、アウターフランジの変形が補強部によって防止される。従って、ブッシュが適切な状態で各取付穴に上下から圧入され、圧入後にインナー部材の端部同士の間に非常に高い精度で所定の離間距離が生じるため、ブッシュの車体への固定に当たりインナー部材同士が当接するまで締結部材を締め込むという作業により、インナー部材同士の間に生じている離間距離に相当する狙いどおりの軸方向の予圧縮を高い精度でブッシュに生じさせた状態で、クロスメンバーを車体に固定することが出来る。
【0009】
また、補強部の形状を、ブッシュの特性の精度向上に利用することが出来る。つまり、ブッシュを車体に固定した状態において、上記各傾斜面がほぼ平行に対向しつつ弾性体が上下方向の予圧縮を生じるため、各取付部分の間での弾性体の変形のバラツキ、すなわち予圧縮量のバラツキが生じにくいものとなる。
【0010】
本発明の第2の構成は、上記治具当接部が、上記アウターフランジにおける周方向で上記補強部の間に設けられ、上記ブッシュの中心軸を含む断面視で上記アウター本体と略90度の角度をなして上記アウター本体と連続する平面部である。
【0011】
この様な構成により、圧入に当たり上記平面部に圧入治具を当接させることでアウターフランジのアウター本体に近い部分を圧入治具が押圧することになる。従って、上記補強部の効果と相俟って、圧入時のアウターフランジの変形を確実に防止することが出来る。 本発明の第3の構成は、上面と下面とからブッシュが圧入されるブッシュ取付穴を有し、上記ブッシュ取付穴の上面と下面に圧入された本発明の第1又は第2の構成によるブッシュを対応する締結部材によって車体に共締め固定することにより、上記ブッシュを介して車体の下面に取付けられる、サスペンションクロスメンバーの取付構造であって、上記ブッシュ取付穴において上面に圧入された上記ブッシュと下面に圧入された上記ブッシュのインナー部材の上記軸方向他端部同士が接触した状態で、上記締結部材により車体に固定されていることを特徴とする、サスペンションクロスメンバーの取付構造である。
【0012】
この様な構成により、上記第1又は第2の構成による作用効果を奏するサスペンションクロスメンバーの取付構造を提供出来る。
【0013】
【発明の効果】
本発明によれば、サスペンションクロスメンバーを車体に複数個所にて固定するのに使用されるブッシュにおいて、サスペンションクロスメンバーに圧入される際の変形を防止することにより、ブッシュの変形による不完全な圧入を確実に防止するとともに、該ブッシュにおける弾性体の変形のバラツキ、すなわち予圧縮量のバラツキが生じにくいものとして、狙いどおりの特性をブッシュに発揮させる状態でサスペンションクロスメンバーを車体に取付けることを可能とし、設定どおりの車両の操安性及び乗心地を確保することが出来る。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の好ましい実施形態を、図面を参照しながら説明する。
【0015】
図1は、本発明によるブッシュ2を用いて車体に取付けられるフロントサスペンションクロスメンバー1(以下、クロスメンバーと称する)の上面図である。クロスメンバー1は、閉断面構造を有するフレームから図示の様に枠状に構成されており、4個所のブッシュ取付穴11乃至14にブッシュ2が圧入されている。図1には、上面側のブッシュのみ図示しているが、下面にも対応してブッシュが圧入されている。一方、図示しない車体には上記4個所のブッシュの位置に対応した4個所の位置にボルトが突設されており、クロスメンバー1は、ブッシュ取付穴11乃至14に圧入されたブッシュ2をそれぞれ上記ボルト及びナットにより共締め固定することにより、車体に固定される。
【0016】
上記クロスメンバー1のブッシュ取付穴11乃至14に圧入されるブッシュ2は、圧入前の状態では軸方向の中央で分割された、いわゆる2分割タイプとされている。すなわち、2つのブッシュ2がクロスメンバー1の各ブッシュ取付穴11乃至14の上面及び下面にそれぞれ圧入される。
【0017】
図2乃至図4を参照しながら、ブッシュ2の構成を説明する。
【0018】
ブッシュ2は、図2に示す様に、上面視で略環状の形状を有する。また、図2のA−A矢視断面図である図3、及び図2のB−B矢視断面図である図4にその軸方向に沿った断面を示す様に、略円筒状の部分を有する金属製アウター部材21、アウター部材21の外形より小さい外径部分を有し内部にクロスメンバー取付用のボルトが貫通可能な貫通孔224を持つ略円筒状の部分を有する金属製のインナー部材22、及びアウター部材21とインナー部材22の間に配置されそれぞれに接着された弾性体23、からなる。
【0019】
アウター部材21は、図3及び図4に示す様に、インナー部材22の外径より大きい径を持つ円筒状のアウター本体211と、アウター本体211の軸方向一端部に径方向外側に向かって延出されたアウターフランジ212からなり、アウター部材21の軸方向長さは、このブッシュ2が圧入されるブッシュ取付穴部分11乃至14のクロスメンバー厚さの半分より短く設定されている。アウターフランジ212には更に、フランジの周方向に部分的にビード状の補強部213が形成されている。
【0020】
具体的には、補強部213は、図2においてその稜線を破線にて示す様に、アウターフランジの周方向に沿って等間隔に4個所設けられるとともに、図3に示す様にアウターフランジ212の上記軸方向一端部の方向に突出する様にフランジを変形させて形成された内側傾斜面214及び外側傾斜面215をそれぞれ有する。内側傾斜面214は、図3に示す様に、ブッシュ2の中心軸を含む断面視でアウター本体211と90度より大きい角度をなす。また、図4に示す様に、周方向に沿った4個所の補強部213の間の、アウター本体21と略垂直をなす平面部が、後で詳述する治具当接部216となる。この治具当接部216は、図4に示す様に、ブッシュ2の中心軸を含む断面視でアウター本体211とほぼ90度の角度をなす。
【0021】
インナー部材22は、図3及び図4に示す様に、その内部にクロスメンバー取付用のボルト42が貫通可能で軸方向に略一定の断面を持つ貫通孔224を有するとともに、円筒状のインナー本体221とインナー本体221の軸方向一端部に設けられ周方向外側に向かって延出し、アウター本体21の内径よりも大きい外径を持つインナーフランジ222からなり、アウター部材21の内側に、インナーフランジ222とアウターフランジ212とが軸方向で同じ側に位置する様に同心状に挿入されている。インナーフランジ222における、インナー本体に対して軸方向他端側の面には、インナー本体221に対して所定の角度を持ちインナー本体221に連続する傾斜面223が周方向に連続して形成されており、上記インナーフランジの傾斜面223は、アウターフランジ212に設けられた内側傾斜面214とほぼ平行となるように設定されている。また、インナー部材22の軸方向長さは、このブッシュが圧入されるブッシュ取付穴部分のクロスメンバー厚さの半分より長く設定されている。
【0022】
上記のインナー部材22とアウター部材21の間には弾性体23が配設されている。弾性体23はゴム製のもので、図3及び図4に示す様に、略円筒状の弾性体本体231と、弾性体の軸方向一端部に形成された延出部232からなる。また、弾性体23はインナー部材22及びアウター部材21との密着面全体に亘って接着剤によりそれぞれに接着されており、延出部232においても、その径方向内側面が、インナー本体221外面からインナーフランジ傾斜面223に亘って密着し、かつ径方向外側面が、アウター本体211内面からアウターフランジ212に形成された補強部213に亘り密着する。また、図2に示す様に、延出部232にはアウターフランジにおける補強部213以外の領域つまり上記治具当接部216を残して、補強部213を覆う部分が設けられており、その部分においても、弾性体23はアウターフランジ212に接着される。それで、弾性体23のアウター部材21に対する耐剥離性が保たれる。
【0023】
ブッシュ2のクロスメンバー1への圧入、及びクロスメンバー1の車体への取付けについて、ブッシュ取付穴11を例に、図5乃至図7を参照しながら説明する。
【0024】
ブッシュ2は、クロスメンバー1に設けられたブッシュ取付穴11乃至14に、その上面及び下面からそれぞれ圧入される。一例として取付穴11について説明すると、図2のB−B矢視断面に相当する断面図である図5に示す様にクロスメンバー1に設けられた取付穴11にその上面と下面(図5は上面側のみ示す)から圧入治具5により圧入される。そして、図2のA−A矢視断面に相当する断面図である図6に示す様にブッシュ2の圧入が完了したクロスメンバー1を、車体3に固定されたボルト42がブッシュ2の貫通孔224を貫通する様に位置させた後、各支持部のボルト42にナット41を締結して共締め固定することにより、図2のA−A矢視断面に相当する断面図である図7に示す状態でクロスメンバー1が車体3に固定される。また、車体3に固定される前に、クロスメンバーには、図示しないサスペンションアーム、それらに支持されるホイールハブ、コイルダンパー、及びスタビライザー等が予め組付けられる。
【0025】
各ブッシュ2を各ブッシュ取付穴11乃至14に圧入するにあたっては、図5に示す様に、アウターフランジ212に形成された治具当接部216に治具5を当接させ、治具5によりアウターフランジ212がクロスメンバー1の上面或いは下面に当接するまで圧入方向にブッシュ2を押圧することにより行う。
【0026】
従って、補強部213の間におけるブッシュ2の中心軸に比較的近いアウターフランジ部を治具5が押圧することになるため、補強部213の作用と相俟って、ブッシュ圧入時の圧入抵抗によるアウター部材21の変形、具体的にはアウター本体211とアウターフランジ212との接続部付近の変形が防止される。
【0027】
ここで、ブッシュ2がクロスメンバー1に圧入された後車体に固定される前の状態では、図6に示すように、両インナー部材の間に、間隔Lが存在する。この間隔Lは、補強部213及び治具当接部216によって圧入時のアウターフランジ212の変形が防止されているため、予め設定した量とのずれが非常に小さいものとなっている。
【0028】
他のブッシュ取付穴12乃至14についても上記ブッシュ取付穴11と同様に、それぞれブッシュ2が圧入され、圧入された後の状態ではそれらのインナー部材の間に所定の間隔が生じる。なお、各ブッシュ取付穴11乃至14の上面と下面に圧入されるブッシュ2は、クロスメンバー1の位置決めと寸法精度のバラツキを吸収するために、貫通孔224の断面形状が締結部材の断面形状とほぼ一致するもの、一方向のみ拡径された長穴のもの、及び一様に拡径されたもの、の3種類を用意し、各ブッシュ取付穴11乃至14の上面と下面に割当てても良い。
【0029】
ブッシュ2及び上記の各部品が組付けられたクロスメンバー1は、上述の様に、圧入されたブッシュ2の貫通孔224に各ボルト42をそれぞれ貫通させた後、ナット41をボルト42に締結してブッシュ2を共締め固定することにより、ブッシュ2を介して車体3に固定される。ナット41は、再度図7に示すように、上面側と下面側のブッシュ2の各インナー部材22が、アウター部材21に対して相対的に変位して互いに接触するまで締め込まれる。締め込まれた後の状態では、上記の間隔Lの分だけ上下の弾性体23がインナー部材22とアウター部材21の間で上下方向に圧縮されることになり、その圧縮に相当する軸方向の、すなわち車体上下方向の予圧縮を生じることになる。
【0030】
それで、アウターフランジ212が当接する部分におけるクロスメンバー1の上面と下面の間の距離が適正である限り、上下のブッシュ2の各インナー部材22同士が当接するまでナット41を締め込むという簡単な作業により、間隔L分の圧縮に相当する一定の上下方向の予圧縮をブッシュ2に生じさせることが出来る。
【0031】
他のブッシュ取付穴12乃至14についても上記ブッシュ取付穴11と同様に、圧入されたブッシュ2貫通孔224にボルトが貫通され、ナット41によりインナー部材同士が当接するまで締め込まれる。
【0032】
従って、間隔Lを適切な予圧縮が生じる様に設定することで、その様な適正な予圧縮を、各取付穴に圧入されるブッシュ2の間におけるバラツキが非常に小さい状態で生じさせることが可能となる。しかも、間隔Lは、上記の様に設定量とのずれが非常に小さいため、ナット41を締め込んだ状態において得られる予圧縮量を、確実に狙いどおりのものとすることが出来る。更に、上記の様にインナーフランジ222の傾斜面223とアウターフランジ補強部213の内側傾斜面がほぼ平行になるように設定されているため、弾性体23によりそれらの傾斜面の間で生じる予圧縮が、より均一なものとなる。また、面同士をほぼ平行に対向させるものであるため、各取付部分の間での弾性体の変形のバラツキすなわち予圧縮量のバラツキが生じにくく、精度を高めるのに寄与する。
【0033】
上記の本実施形態は、本発明によるブッシュをフロントクロスメンバーに適用した例であるが、リアのクロスメンバーに適用することも可能であること、及びその場合に同様の作用効果を奏することは言うまでも無い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるブッシュを用いて車体に取付けられるサスペンションクロスメンバーの上面図である。
【図2】本発明によるブッシュの、上面図である。
【図3】図2におけるA−A矢視断面図である。
【図4】図2におけるB−B矢視断面図である。
【図5】圧入中のブッシュの、図2におけるB−B矢視断面に相当する断面図である。
【図6】圧入が完了したブッシュの、図2におけるA−A矢視断面に相当する断面図である。
【図7】車体への共締めが完了した状態のブッシュの、図2におけるA−A矢視断面に相当する断面図である。
【符号の説明】
1 サスペンションクロスメンバー
5 圧入治具
11、12、13、14 ブッシュ取付穴
21 アウター部材
22 インナー部材
23 弾性体
211 アウター本体
212 アウターフランジ
213 補強部
214 内側傾斜面(アウターフランジ傾斜面)
216 治具当接部
221 インナー本体
222 インナーフランジ
223 インナーフランジ傾斜面
224 貫通孔
Claims (3)
- 車体の下面に取付けられるサスペンションクロスメンバーを貫通する取付穴に、その上下方向両側から圧入可能であり、
上記サスペンションクロスメンバーの上記取付穴の貫通方向長さの半分以下の軸方向長さを有する略円筒形状のアウター本体と、上記アウター本体の軸方向一端部において上記アウター本体から周方向外側に延設され、圧入治具が当接する治具当接部と、周方向に沿ってビード状に上記アウター本体と連続する様に形成された複数の補強部とを有するアウターフランジと、を有するアウター部材と、
上記サスペンションクロスメンバーの上記取付穴の貫通方向長さの半分よりも長い軸方向長さと上記アウター本体の内径よりも小さい外径とを有する略円筒形状のインナー本体と、上記インナー本体の軸方向一端部において上記インナー本体から周方向外側に延設されるとともに上記アウター本体の内径よりも大きい外径を有するインナーフランジと、上記サスペンションクロスメンバーを車体に共締め固定する締結部材が上記軸方向に貫通可能な貫通孔と、を有し、上記インナーフランジと上記アウターフランジが上記軸方向で同じ側に位置する様に上記アウター部材の内側に略同心状に挿入されたインナー部材と、
上記インナー部材と上記アウター部材との間で、上記インナー本体、上記インナーフランジ、上記アウター本体、及び上記アウターフランジに亘って設けられ、一対の上記アウター部材を上記インナー部材とともにそれぞれ、該インナー部材におけるインナーフランジ側の一端部とは反対側の軸方向他端部を先端側として、上記サスペンションクロスメンバーの取付穴に上下両側から上記アウターフランジが上記サスペンションクロスメンバーに接するまで圧入した状態において、上記締結部材による締結前の実質的に弾性変形の無い状態のときに一対の上記インナー部材の軸方向他端部の間に所定の離間距離を生じさせ、かつ上記締結部材による締め付けによって一対の上記インナー部材が上記アウター部材に対して上記軸方向で互いに近接する方向に上記他端部同士が接するまで変位する様に、上記インナー部材と上記アウター部材との間で弾性変形可能な弾性体と、
を有し、
上記アウターフランジの補強部は、上記アウター本体の中心軸を含む断面を該アウターフランジが上記アウター本体の上方に位置するように見て、該アウター本体から上方に向かって径方向外側に傾斜し且つ該アウター本体と連続するアウターフランジ傾斜面を有しており、
上記インナーフランジが、上記アウターフランジ傾斜面と対向するとともに上記アウターフランジ傾斜面と略平行をなすインナーフランジ傾斜面を有するサスペンションクロスメンバー取付用ブッシュ。 - 上記治具当接部が、上記アウターフランジにおける周方向で上記補強部の間に設けられ、上記ブッシュの中心軸を含む断面視で上記アウター本体と略90度の角度をなして上記アウター本体と連続する平面部である、請求項1に記載のサスペンションクロスメンバー取付用ブッシュ。
- 上面と下面とからブッシュが圧入されるブッシュ取付穴を有し、上記ブッシュ取付穴の上面と下面に圧入された請求項1又は2記載のブッシュを対応する締結部材によって車体に共締め固定することにより、上記ブッシュを介して車体の下面に取付けられる、サスペンションクロスメンバーの取付構造であって、上記ブッシュ取付穴において上面に圧入された上記ブッシュと下面に圧入された上記ブッシュのインナー部材の上記軸方向他端部同士が接触した状態で、上記締結部材により車体に固定されていることを特徴とする、サスペンションクロスメンバーの取付構造。
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