JPH0591611U - 周辺血管造影検査用レントゲン診断装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 連続的な撮影のそれぞれに対して必要な電気
パラメータ、撮影装置と支持台装置５との相互の相対的
な移動調整のステップ長２６およびステップ数並びに必
要な絞り設定を予設定するための制御ユニット８を備え
た周辺血管造影検査用レントゲン診断装置を、撮影シー
ケンスの形成の際の患者の身体的な負担が低減されかつ
一日に可能な検査回数が高められるようにする。 【構成】 制御ユニットは、被検体に関連したデータ
（大きさ；重さ；形状）に基づいて被検体に整合された
予設定に関する計算を行う計算ユニット１０を有する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、請求項１の上位概念に記載の周辺血管造影検査用レントゲン診断装 置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

この種のレントゲン診断装置は、放射線送信器と放射線受信器とから成る撮影 装置および被検体に対する支持台装置を有しており、撮影装置および支持台装置 は適当な手段を介して空間的にかつ相互に相対的に移動調整可能である。制御装 置を介して放射線送信器にエネルギーを供給可能であり、そこで放射線送信器は 放射線束を放射するように励起される。放射線受信器には、それが画像増幅器と して実現されている場合、テレビジョン装置が後置接続されているので、検査領 域の画像を形成することができる。放射線束の放射線束路には、放射された放射 線束を検査領域に集束調整（Einblenden）することができる集束調整装置が設け られている。自動露出装置は放射線送信器のエネルギー供給を、被検体の透過の 際に発生される放射線像を可視可能な、良好に評価可能な画像に変換することが できるように、制御する。殊に自動露出装置は、レントゲンフィルムチェンジャ ーとして実現されている放射線受信器においては、それぞれの撮影が正しい黒化 度を有するようにする。

【０００３】 周辺血管造影、即ち被検体としての患者の四肢の血管の検査の際に、支持台装 置および絞り装置を正確に設定しかつ撮影装置ないし支持台装置の必要な移動領 域を確定するために、撮影シーケンスを実現するために繁雑かつ時間のかかるプ ログラミング手段が必要である。

【０００４】 この場合、患者、支持台装置、撮影装置、絞り装置および自動露出装置が、画 像品質、患者の長さおよび連続する撮影に対する検査領域に関して設定されかつ 最適化される。従って患者の身体的な負担は著しく、その上一日に可能な検査の 数は低減されている。

【０００５】 西独国特許第３９１９４７３号明細書から、血管造影検査用のレントゲン診断 装置が公知であり、その際検査すべき身体部分のそれぞれの撮影に対するプログ ラムに基づいて、レントゲン線量、レントゲン線の集束調整並びに患者支持部と 撮影装置との相対運動の数および方向の標準設定が行われる。

【０００６】

【考案の課題】

本考案の課題は、請求項１の上位概念に記載のレントゲン診断装置を、撮影シ ーケンスの形成の際の患者の身体的な負担が低減されかつ一日に可能な検査回数 が高められるように、構成することである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

この課題は、本考案によれば、制御装置は、被検体に関連したデータ（大きさ ；重さ；形状）に基づいて被検体に整合された予設定を考慮して計算を実施する 計算ユニットを有していることによって解決される。

【０００８】

【考案の効果】

本考案の利点は、患者に対する最適化された検査プログラムが形成され、その 結果、撮影シーケンスを形成するために必要な時間が著しく低減されることであ る。患者の身体的な負担は時間が短くなることに基づいて同様に低減される。従 って撮影装置および支持台装置の誤設定は回避され、その結果患者の放射線負荷 および造影剤注入による患者の負担が低減される。

【０００９】 時間を一層節減しかつ患者の負担を一層低減するために有利には、次のように 構成されている。即ち計算ユニットが、 それぞれの撮影に対して必要な絞り予設定を計算し； および／またはそれぞれの撮影に対して必要な、放射線送信器のパラメータを計 算し； および／または放射線受信器のフォーマット並びに焦点−被検体間距離および焦 点−放射線受信器間距離を計算に利用し； および／または計算ユニットに、被検体の輪郭、被検体平面における画像大きさ 、絞り設定およびそれぞれの撮影位置に対する被検体に関連した放射線フィール ドを指示するための指示装置が後置接続されている。

【００１０】

【実施例】

次に本考案を図示の実施例につき図面を用いて詳細に説明する。

【００１１】 図１に示されたレントゲン診断装置は、集束調整装置２を備えたレントゲン放 射器１と放射線受信器３とから成る撮影装置を有しており、これらは保持装置４ によって相互に対向位置に保持されている。保持装置４は、撮影装置が被検体６ に対する支持台装置に５に沿って移動可能に実現されている。勿論この種のレン トゲン撮影装置は、撮影装置が定置でありかつ支持台装置５が移動可能であるよ うに実現することもできる。撮影装置および支持台装置５は相互に相対的に移動 可能であり、検査領域の一連の撮影を行うことができることが重要である。放射 線束を放射するためのレントゲン放射器１の制御、放射線束の集束調整のための 集束調整装置（Einblendvorrichtung）２の制御、撮影装置ないし支持台装置５ の相互の相対的な移動調整、放射線受信器３の信号から被検体６の検査領域から 成る画像の、指示装置７への形成は、以下図２を用いて詳細に説明する制御ユニ ット８によって行われる。

【００１２】 従って制御ユニット８は操作ユニット９を有しており、この操作ユニットを介 して被検体に関するデータ、例えば被検体６としての患者の大きさ、重さおよび 形状（薄い、中位、厚い、小さい、中位、大きい）が計算ユニット１０に供給可 能である。これらデータに基づいて計算ユニット１０は、例えば患者の足を検査 すべきであるとき、足の平均的な長さ、そこから結果的に生じる、行うべき撮影 の回数、撮影装置および支持台装置５の相対的な移動調整のステップ長さ、それ ぞれの撮影に対して必要な電気パラメータ並びにそれぞれの撮影に対して必要な 、レントゲン線束の線束路に配置されている集束調整装置２の絞り設定を計算す る。計算されたデータに基づいて、撮影装置ないし支持台装置５の相対的な移動 調整のための手段の予設定、集束調整装置２の予設定およびレントゲン放射器１ に前置接続されている、連続する撮影のそれぞれに対するレントゲン発生器１１ の予設定が、計算ユニット１０によって行われる。

【００１３】 この計算において、別の、機器に関連したパラメータ、例えば放射線受信フォ ーマット並びに機器の幾何学形状（焦点−被検体間距離および焦点−画像受信器 間距離）、所望の断面幅およびオーバラップ部分を関連付けることができる。こ れらの機器に関連したパラメータは、それらが制御ユニット８のメモリのデータ として呼び出し可能でない場合には、操作ユニット９を介して入力することがで きる。

【００１４】 レントゲン診断装置がデジタル画像処理装置を有しているとき、本考案の範囲 内で被検体に関連したデータおよび機器に関連したパラメータは計算ユニット１ ０にも供給することができる。

【００１５】 指示装置７は、モニタ１２、プリンタ１３または操作ユニット９の指示フィー ルドとして実現することができるので、図３に示されているように、被検体に関 連したデータおよび機器に関連したパラメータから計算された被検体輪郭１４、 個々の撮影位置１５ないし２１、斜線表示されている撮影位置１５ないし２１に おける絞り設定、検査平面における画像の大きさ並びに被検体の、放射線束の放 射線領域に対する撮影領域が指示される。付加的に、被検体平面における全体の 表示領域２２、被検体平面における有効表示領域２３、被検体平面における断面 幅２４、被検体平面におけるオーバラップ部分２５、ステップ長さ２６、ステッ プ数および被検体平面に関連した画像フォーマットを指定ないし指示することが できる。

【００１６】 計算に対する出発点は、患者に関連した、解剖学上で典型的な、再現可能な、 撮影装置の基本位置、例えば撮影装置に対する患者の座標の原点としてライトビ ジュアル監視装置を用いて容易に調節される臍である。

【００１７】 勿論、これら表示およびデータは、付加的に検査領域の画像が表示可能である レントゲンモニタにも指示することができる。計算ユニット１０によって計算さ れるデータは、被検体に関連してデータメモリ２７に供給することができるので 、これらは必要に応じて再び呼び出すことができる。従って、患者に対して同じ システム条件下で再現可能な追跡検査を行うことができる。

【００１８】 本考案の範囲内において、検査のために必要な、造影剤注入器２８のパラメー タを計算ユニット１０によって同様計算しかつ制御ユニット５を介して予め設定 することができる。

【００１９】 次に、計算ユニット１０は撮影シーケンスに対するレントゲン診断装置の予設 定のためにどんな計算動作を実施するかについて説明する。このために図４およ び図５を参照する。

【００２０】

【数１】

【００２１】 ただし ＦＯＡ＝焦点−被検体間距離 ＦＴＡ＝焦点−テーブル間距離 ＦＢＡ＝散乱放射線の平面（Ebene der Aunblendung）における焦点−画像増幅 器間距離 ＯＦ ＝被検体の領域 ＥＦ ＝入力領域の画像増幅器 ＵＥ ＝オーバラップ部分 ＳＷ ＝ステップ幅 ＳＺ ＝ステップ数 ＳＢ ＝断面幅 Ｌ１ ＝被検体全体の長さ Ｌ２ ＝断面幅間の被検体長 Ｌ３ ＝医学的に有用な領域 Ｖ ＝拡大係数 Ｚ ＝被検体平面における撮影領域 本考案の第１実施例によれば、計算ユニット１０は操作ユニット９を介して次 の数値例として ４０cmを有する画像増幅器の入力領域， １２３cmを有する焦点−画像増幅器間距離， １００cmを有する焦点−被検体間距離， ２０cmを有するステップ長さおよび ５であるステップ数 を入力することができる。

【００２２】 それから計算ユニット１０は、この入力に基づいて、次のように実施される計 算１ないし６を実行する：

【００２３】

【数２】

【００２４】 指示装置７に、次に挙げる表を指示することができる： オーバラップ部分＝１２．５２cm 断面幅 ＝２５．６４cm 有効検査領域 ＝１２６．２６cm 本考案の別の実施例によれば、操作ユニット９に３つのキー（小、中、大）が 設けられており、それらは、検査すべき患者の形状に相応して操作することがで きる。

【００２５】 キーが操作されると、計算ユニット１０はデータメモリの相応のメモリを呼び 出し、患者の足の検査の際に例えば引き続く計算のために次のデータが得られる ： キー“小” ＝１０５cm， キー“中” ＝１１５cm， キー“大” ＝１３０cm。

【００２６】 本考案の範囲内において、被検体（足）の全体の検査領域の実際の長さ／幅を 操作ユニット９を介して入力することも勿論可能である。

【００２７】 データメモリにおいて、機器の幾何学形状に相応する別のデータを、計算ユニ ット１０によって呼び出されかつ計算のために用いることができる固定値として 記憶することができる。この場合機器の幾何学的形状に対する固定値は 画像増幅器の入力領域 焦点−画像増幅器間距離、焦点−被検体間距離 オーバラップ部分 断面幅 である。

【００２８】 このようにして計算ユニット１０は最適なステップ数を計算する。

【００２９】 本考案の第３実施例によれば、第２実施例の拡張において、その後計算に関連 付けられる、所望のオーバラップ被検体および／または断面幅を操作ユニット９ を介して予め定めることができる。

【００３０】 本考案の範囲内において、適当な手段を介して、被検体輪郭を決定しかつこれ により得られる被検体に関連したデータを引き続く計算のために計算ユニット１ ０に供給することができる。

【００３１】 集束調整装置２の予設定は同様、被検体に関連したデータに基づいて、例えば 、計算ユニット１０が被検体に関連したデータ“小、中、大、薄い、中位の厚さ 、厚い”に基づいて、データメモリの相応のデータを呼び出すことによって行わ れ、その結果その後に集束調整装置２は制御ユニット８を介して相応に制御され る。データメモリには、例えば撮影位置１５ないし２１の集束調整に対して次の 表に相応するデータを格納することができる：

【００３２】

【表１】

【００３３】 レントゲン発生器１１の予設定は同様、被検体に関連しデータの入力に基づい て行われる。この場合も計算ユニット１０は、被検体に関連しデータに相応する 電気パラメータのデータを格納しているデータメモリを呼び出し、その結果それ から制御ユニット８がレントゲン発生器１１を相応に制御する。

【００３４】 本考案のすべての実施例によれば、求められたデータの、モニタまたはプリン タにおける指示ないし出力は表および／またはグラフィック表示において可能で ある。

【図面の簡単な説明】

【図１】レントゲン診断装置の概略図である。

【図２】図１のレントゲン診断装置に対する本考案の制
御ユニットのブロック図である。

【図３】図２の制御装置の指示装置における被検体輪郭
の例を示す概略図である。

【図４】計算動作を説明する線図である。

【図５】計算動作を説明する別の線図である。

【符号の説明】

１ レントゲン放射器、 ２ 集束調整装置、 ３ ビ
ーム受信器、 ４ 保持装置、 ６ 被検体、 ７ モ
ニタ、 ８ 制御ユニット、 ９ 操作ユニット、 １
０ 計算ユニット、 １１ レントゲン発生器、 １２
モニタ、 １３ プリンタ、 ２７ データメモリ

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 ハインツ−ヨーアヒム リンク ドイツ連邦共和国 エアランゲン エスタ ーライヒャー シュトラーセ 47

Claims (11)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 連続的な撮影のそれぞれに対して必要な
   電気パラメータ、撮影装置と支持台装置（５）との相互
   の相対的な移動調整のステップ長（２６）およびステッ
   プ数並びに必要な絞り調節を予設定するための制御ユニ
   ット（８）を備えた周辺血管撮影用レントゲン診断装置
   において、 前記制御ユニット（８）は、物体に関連したデータ（大
   きさ；重さ；形状）に基づいて、前記物体に整合された
   予設定に関する計算を行う計算ユニット（１０）を有す
   ることを特徴とする周辺血管造影検査用レントゲン診断
   装置。
2. 【請求項２】 計算ユニット（１０）は、放射線受信器
   （３）のフォーマット並びに焦点−被検体間距離および
   焦点−放射線受信器間距離を計算に利用する請求項１記
   載の周辺血管造影検査用レントゲン診断装置。
3. 【請求項３】 計算ユニット（１０）に、被検体（６）
   の輪郭、被検体平面における画像の大きさ、絞り設定お
   よびそれぞれの撮影位置（１５ないし２１）に対する被
   検体（６）に関する放射線フィールドを指示するための
   指示装置（１２，１３）が後置接続されている請求項１
   また２記載の周辺血管造影検査用レントゲン診断装置。
4. 【請求項４】 指示装置はモニタ（１２）として実現さ
   れている請求項３記載の周辺血管造影検査用レントゲン
   診断装置。
5. 【請求項５】 指示装置はプリンタ（１３）として実現
   されている請求項３記載の周辺血管造影検査用レントゲ
   ン診断装置。
6. 【請求項６】 指示装置は操作ユニット（９）の指示領
   域として実現されている請求項３記載の周辺血管造影検
   査用レントゲン診断装置。
7. 【請求項７】 制御ユニット（８）は、被検体の標準デ
   ータに対するパラメータ、ステップ長（２６）およびス
   テップ数並びに絞り設定に相応するデータを記憶するメ
   モリ（２７）を有しておりかつ前記データは計算ユニッ
   ト（１０）によって呼び出し可能である請求項１から６
   までのいずれか１項記載の周辺血管造影検査用レントゲ
   ン診断装置。
8. 【請求項８】 被検体に関連したデータは、計算ユニッ
   ト（１０）のデジタル画像処理装置をに供給可能である
   請求項１から７までのいずれか１項記載の周辺血管造影
   検査用レントゲン診断装置。
9. 【請求項９】 計算ユニット（１０）に、所望のオーバ
   ラップ部分（２５）および／または断面幅（２４）に相
   応するデータを入力可能である請求項１から８までのい
   ずれか１項記載の周辺血管造影検査用レントゲン診断装
   置。
10. 【請求項１０】 被検体および撮影に関連したデータを
    記憶するためのメモリが設けられている請求項１から９
    までのいずれか１項記載の周辺血管造影検査用レントゲ
    ン診断装置。
11. 【請求項１１】 計算ユニット（１０）に、所望の検査
    領域全体に相応するデータが入力可能である請求項１か
    ら１０までのいずれか１項記載の周辺血管造影検査用レ
    ントゲン診断装置。