JPH059131A - 抗癌剤 - Google Patents

抗癌剤

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JPH059131A
JPH059131A JP3236260A JP23626091A JPH059131A JP H059131 A JPH059131 A JP H059131A JP 3236260 A JP3236260 A JP 3236260A JP 23626091 A JP23626091 A JP 23626091A JP H059131 A JPH059131 A JP H059131A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 優れた抗癌作用を有し、しかも副作用の少な
い抗癌剤を提供することにある。 【構成】 癌免疫療法剤、ヒトコロニー刺激因子(ヒト
CSF)及び癌化学法剤を含む抗癌剤及びこれらの成分
の併用による抗癌作用の増強剤。 【効果】 本発明の抗癌剤及び抗癌作用増強剤は各成分
を単独で使用した時には得ることができない優れた抗癌
作用を有する。癌を保持する哺乳動物の延命及び腫瘍増
殖抑制に著効を示すが、とりわけ発生初期の癌の治療な
らびに癌の外科的手術後の治療に有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は抗癌剤に関し、さらに詳
しくは癌免疫療法剤、ヒトコロニー刺激因子及び癌化学
療法剤を含む癌の治療に特に有用な抗癌剤に関する。
【0002】
【従来の技術】癌の薬物療法においては、大きく分けて
化学療法剤及び免疫療法剤が使われている。癌化学療法
剤は主に癌細胞のDNAに働き、癌細胞の増殖を抑制す
ることによって抗癌作用を示すものであり、抗癌作用は
強いがその反面、副作用の強いものが多い。従って、そ
の副作用に対する対策を考えながら投与しているという
のが現状である。
【0003】臨床においてよく使用される癌化学療法剤
としては、たとえば、シクロホスファミドのようなアル
キル化剤、フルオロウラシル、テガフール、テガフール
・ウラシル、及びメトトレキサートのような代謝拮抗
剤、ビンクリスチンのような植物アルカロイド、マイト
マイシンC、アクチノマイシンD、塩酸ブレオマイシ
ン、硫酸ブレオマイシン、塩酸ダウノルビシン、塩酸ド
キソルビシン、ネオカルチノスタチン、塩酸アクラルビ
シン、アクラシノン、及び塩酸エピルビシン、のような
抗癌抗生物質、シスプラチンのような白金錯体が挙げら
れる。
【0004】一方、癌免疫療法剤は、宿主の免疫機能を
活性化して癌細胞の増殖を抑制するのが主な作用機作で
あり、臨床においてよく使用される癌免疫療法剤として
は、抗癌溶連菌製剤(OK−432)、又は抗癌多糖体
(PSK、レンチナン、シゾフィラン)などが挙げられ
る。これらの免疫療法剤は化学療法剤のような重篤な副
作用がないため、臨床においてよく使用されている。
【0005】また、ヒトコロニー刺激因子(以下、ヒト
CSFと略記する)は、骨髄細胞を刺激して半固形培地
で細胞のコロニーを促進する因子の総称で、免疫担当細
胞を増殖分化させる因子のため、抗癌剤や放射線療法の
副作用である顆粒球減少症やAIDSなどの免疫不全症
の治療薬になると期待されている。そこでヒトCSFを
癌免疫療法の補助剤として使用することが注目されはじ
めており、例えば人尿由来のCSF−HU及び癌免疫療
法剤からなる癌免疫療法補助剤が特開平1−19322
7として開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、癌免疫
療法剤は、癌化学療法剤に比べて単独での抗癌作用が必
ずしも満足できるものではなかった。
【0007】また、免疫療法剤とヒトCSFの併用も癌
免疫療法剤単独投与に比べ抗癌作用は高まるが、完全に
抗癌剤としての目的を達成するものではなかった。
【0008】したがって、優れた抗癌作用を有し、しか
も副作用の少ない抗癌剤の開発が望まれていた。
【0009】
【課題を解決するための手段】そこで、発明者はin
vivo実験系において、OK−432等の癌免疫療法
剤による延命効果が、顆粒球及び/又はマクロファージ
を形成する造血因子であるヒトCSFとの併用によっ
て、癌免疫療法剤を単独で投与した場合に比べて予想外
に高まることを見い出した。この組合せに、更に癌化学
療法剤を併用してもこの効果は維持され、しかも驚くべ
きことに、抗腫瘍効果がさらに高まることも見い出し
た。
【0010】またin vivo実験系での腫瘍増殖抑
制効果を調べる実験によれば、CSFが癌免疫療法剤の
腫瘍増殖抑制作用を増強し、更に癌化学療法剤を併用す
ることにより相乗効果が得られることを見い出し、本発
明を完成するに至った。
【0011】すなわち、本発明は癌免疫療法剤、ヒトC
SF及び癌化学療法剤を含む抗癌剤に関する。さらに
は、ヒトCSFを有効成分とする癌免疫療法剤及び癌化
学療法剤の併用による抗癌作用の増強剤に関する。
【0012】以下、本発明を詳細に説明する。
【0013】元来、OK−432等をはじめとする癌免
疫療法剤は、癌細胞への直接作用は少なく、主に宿主を
介在した免疫系が関与する抗癌作用と考えられている。
骨髄の顆粒球・マクロファージの幹細胞(CFU−G
M)に作用して顆粒球、マクロファージ又は、顆粒球と
マクロファージの両方を形成する造血因子であるヒトC
SFとの併用によって、癌免疫療法剤の抗癌作用が増強
されることは驚くべきことである。
【0014】また、癌化学療法剤の多くは、副作用とし
て骨髄抑制作用があり、そのために免疫機能が抑制され
ることが知られている。にもかかわらず、癌免疫療法剤
及びヒトCSFと共に癌化学療法剤を投与することによ
って、癌免疫療法剤とヒトCSFとの併用時より抗癌作
用が著しく増強されることはさらに驚くべきことであ
る。
【0015】本発明の抗癌剤の有効成分であるヒトCS
Fは公知の物質であり、顆粒球やマクロファージの分化
増殖を促進するタンパク質因子かつ、高純度であればそ
の由来は特に限定されない。
【0016】本発明のヒトCSFは、顆粒球・マクロフ
ァージの幹細胞(CFU−GM)に働き(i)顆粒球を
分化増殖させる顆粒球コロニー刺激因子(G−CS
F)、(ii)マクロファージを分化増殖させるマクロフ
ァージ・コロニー刺激因子(M−CSF)、(iii)顆粒
球もマクロファージも両方分化増殖させる顆粒球・マク
ロファージ・コロニー刺激因子(GM−CSF)、ま
た、(iv)直接骨髄のCFU−GMには作用せず、血液
中の単球に働きGM−CSFの分泌を促し、間接的にマ
クロファージや顆粒球を増殖させる人尿から精製された
CSF−HUなどに分類される。
【0017】ヒトCSFの調製方法としては、人尿から
の精製、CSF産生細胞の培養、遺伝子工学法などの手
法が挙げられる。
【0018】具体的には、 特公平1−44200又は、特公平2−5395で開示
されたCSF(i)(G−CSF)、 特表昭62−501607又は、特表平1−50239
7又は特表昭62−501607に開示されたCSF
(ii)(M−CSF)、 特表昭61−502682,特表昭61−199787
又は特開昭62−501259に開示されたCSF(ii
i)(GM−CSF)、 特開昭54−140707,特開昭63−54398,
特開昭63−290900,特開昭55−22603,
特開昭55−22604及び特開昭55−45618な
どに開示されたCSF(iv)(CSF−HU)、などが
挙げられる。
【0019】CSF(i)についてさらに具体的に説明
すると、出願人が先に出願した特公平1−44200又
は特公平2−5395に記載されている方法によって得
られたもの等のいずれも使用することができる。その中
で、好ましいものとしては、下記のアミノ酸配列又はそ
の一部で表わされるヒトG−CSF活性を有するポリペ
プチド又はこのポリペプチドと糖鎖部とを有する糖蛋白
質からなるヒトG−CSFである。
【0020】 (Met)n Thr Pro Leu Gly Pro Ala Ser Ser Leu Pro Gln Ser Phe Leu Leu Lys Cys Leu Glu Gln Val Arg Lys Ile Gln Gly Asp Gly Ala Ala Leu Gln Glu Lys Leu (Val Ser Glu)m Cys Ala Thr Tyr Lys Leu Cys His Pro Glu Glu Leu Val Leu Leu Gly His Ser Leu Gly Ile Pro Trp Ala Pro Leu Ser Ser Cys Pro Ser Gln Ala Leu Gln Leu Ala Gly Cys Leu Ser Gln Leu His Ser Gly Leu Phe Leu Tyr Gln Gly Leu Leu Gln Ala Leu Glu Gly Ile Ser Pro Glu Leu Gly Pro Thr Leu Asp Thr Leu Gln Leu Asp Val Ala Asp Phe Ala Thr Thr Ile Trp Gln Gln Met Glu Glu Leu Gly Met Ala Pro Ala Leu Gln Pro Thr Gln Gly Ala Met Pro Ala Phe Ala Ser Ala Phe Gln Arg Arg Ala Gly Gly Val Leu Val Ala Ser His Leu Gln Ser Phe Leu Glu Val Ser Tyr Arg Val Leu Arg His Leu Ala Gln Pro (但しmは0または1を表し、nは0または1を表す) なお、上記のアミノ酸配列(m=0,n=0)を有する
ヒトG−CSFを用いて6週齢のSIc:ddY系マウ
ス(静脈内注射)において急性毒性試験を行ったところ
LD50は1,000μg/kg以上であった。
【0021】本発明で用いられる癌免疫療法剤は、宿主
の免疫機能を活性化できるものであれば特に制限される
ものではない。たとえば、抗癌溶連菌製剤(OK−43
2;商品名ピシバニール)又は抗癌多糖体(PSK;商
品名クレスチン、レンチナン;商品名レンチナン、シゾ
フィラン;商品名ソニフィラン)などが挙げられる。な
お、OK−432はストレプトコッカス・ピオゲネス
(A群)Su株をペニシリンGの存在下、一定条件で処
理し、凍結乾燥した菌体製剤であり、商品名ピシバニー
ルとして市販されており、入手することができる。
【0022】また、PSKは、カワラタケの菌糸体から
得られた多糖体であり、商品名クレスチンとして、市販
されており入手することができる。
【0023】次に、本発明で用いられる好ましい癌化学
療法剤は主に癌細胞のDNAに働き、癌細胞の増殖を抑
制することによって抗癌作用を有するものであれば特に
制限されるものではない。
【0024】たとえば、アルキル化剤としては、シクロ
ホスファミド(商品名エンドキサン)、代謝拮抗剤とし
ては、フルオロウラシル(商品名5FU他)、テガフー
ル(商品名フトラフール)、テガフール・ウラシル配合
剤(商品名UFT)又はメトトレキサート(商品名メソ
トレキセート)、植物アルカロイドとしてはビンクリス
チン(商品名オンコビン)、抗癌抗生物質としてはマイ
トマイシンC(商品名マイトマイシン他)、アクチノマ
イシンD(商品名コスメゲン)、塩酸ブレオマイシン
(商品名ブレオ)、硫酸ブレオマイシン(商品名ブレオ
S)、塩酸ダウノルビシン(商品名ダウノマイシン)、
塩酸ドキソルビシン(商品名アドリアシン)、ネオカル
チノスタチン(商品名ネオカルチノスタチン)、塩酸ア
クラルビシン(商品名アクラシノン)、又は塩酸エビル
ビシン(商品名ファルモルビシン)、白金錯体としては
シスプラチン(商品名ブリプラチン他)を用いることが
できる。
【0025】本発明の抗癌剤を使用するにあたり、投与
量、投与部位、投与間隔、投与期間などは対称の患者の
病状を配慮して決定される。
【0026】投与間隔については、3種の薬剤を同時に
投与するか、化学療法剤と免疫療法剤とを同時投与する
前又は、後に適当な時間をあけてヒトCSFを投与する
か、化学療法剤とヒトCSFとを同時投与する前又は後
に適当な時間をあけて免疫療法剤を投与するか、又は免
疫療法剤とヒトCSFを同時投与する前又は後適当な時
間をあけて化学療法剤を投与することができる。3種の
薬剤を別々に投与する場合には適宜投与順位及び投与間
隔を変えることができる。ヒトCSFを有効成分とす
る、癌免疫療法剤及び癌化学療法剤の併用による抗癌作
用の増強剤についても、同様に3種の薬剤を同時又は別
々に投与することができる。
【0027】これら本発明に係るヒトCSF、免疫療法
剤及び化学療法剤の併用は公知の製剤学的製造法に準
じ、ヒト又は、動物医薬用に適した医薬製剤としての形
態を取るために必要な製剤担体や賦形剤を、さらには必
要に応じ安定化剤、吸着防止剤などを含ませた製剤の形
で実施できる。
【0028】ヒトCSFは、蒸留水又は、適当な緩衝液
に溶解した後注射液として用いることができる。免疫療
法剤及び化学療法剤はそれぞれ市販されている剤型のも
のを用いることができる。
【0029】本発明の目的で用いる場合それぞれの投与
量は、以下のとおりである。
【0030】ヒトCSFはたとえば、注射剤によって投
与する場合、通常成人一人当り0.1〜1000μg、
好ましくは、1〜500μgを1週間に1〜7回投与す
ればよい。
【0031】また、OK−432は、たとえば注射剤に
よって筋肉内または、皮下投与では通常成人一人当り
0.2〜5KEを1週間に1〜7回、局所投与では、5
〜10KEを1週間に1〜7回、漿膜腔内投与では5〜
10KEを1週間に2〜3回、静脈内投与では0.2〜
3KEを1週間に2〜3回又は、さらに少ない量を投与
すればよい。PSKは、たとえば、経口投与による場
合、通常成人一人当り3g又はそれ以下の量を1週間に
1〜7回投与すればよい。
【0032】さらに化学療法剤の投与量は、それぞれ、
単独投与する場合と同様の量又はそれ以下の量を投与す
ればよい。
【0033】例えば、シスプラチンについては治療すべ
き癌の種類により用量、用法が異なるが、15〜20mg
/m2 /日で5日間連続投与し、その後2週間以上休薬
するような投与が行われる。
【0034】
【実施例】以下本発明を実施例(薬理効果)、実施例
(製剤例)をあげて説明するが、本発明はこれらに限定
されるものではない。
【0035】実験例1(薬理活性) BALB/cマウスを(A)対照(無投与)群、(B)
シスプラチン単独投与群、(C)OK−432単独投与
群、(D)ヒトG−CSF単独投与群、(E)OK−4
32及びヒトG−CSF併用群、(F)シスプラチン、
OK−432及びヒトG−CSFの3種の薬剤併用群の
6群各10匹に分け、全群に同マウスに親和性のある癌
であるメチルコラントレン誘発線維芽肉腫(BAMC−
1)1×106 個細胞/マウスを皮内に移植した。B群
及びF群にはBAMC−1移植後5日目にシスプラチン
50μg/マウスを腹腔内投与した。C群,E群及びF
群にはBAMC−1/マウスを皮下に投与した。D群,
E群及びF群には、BAMC−1移植後6日目にCSF
(i)として記載されたアミノ酸配列(m=0,n=
0)を有するヒトG−CSF0.1μg/マウスを皮下
の異所に投与した。抗癌効果の判定は、腫瘍径の変化率
をもって行った。
【0036】結果を図1A及び図1Bに示す。
【0037】図1A及び図1Bから明らかなようにB群
のシスプラチン単独投与群、C群のOK−432単独投
与群、D群のヒトG−CSF単独投与群及びE群のOK
−432及びヒトG−CSF併用群よりもF群のシスプ
ラチン、OK−432及びヒトG−CSF併用群の方が
腫瘍増殖抑制率が高く、より高い抗癌効果を示した。実験例2(薬理活性) 〔使用マウス〕BALB/cAnNマウス(6週令、
雌:日本チャールスリバー社製) 〔腫瘍細胞〕Colon26(マウス大腸癌)をin
vitroにて継代したものを使用(この細胞はBAL
B/cの同系腫瘍である)した。
【0038】〔使用薬剤〕 (各1回投与量) OK−432 : 1KE/マウスs.c.
及びi.t. rG−CSF(ヒト) : 0.1μg/マウスs.
c. CDDP(シスプラチン): 50μg/マウスi.
p. (注)(1)rG−CSFは、CSF(i)として記載
されたアミノ酸配列(m=0,n=0)を有するヒトG
−CSFを1%マウス血清、0.05%ゼラチン及び1
%マンニトール含有リン酸緩衝液(pH6.5)にて希
釈して使用した。
【0039】(2)s.c.は皮下投与、i.t.は腫
瘍内直接投与及びi.p.は腹腔内投与をそれぞれ意味
する。
【0040】Colon26(5×104 cells)
をBALB/cマウス14匹の背側部に皮内移植した。
移植4日後に明らかな固型腫瘍を形成したので、腫瘍の
長径(a)と短径(b)をそれぞれノギスで測定して腫
瘍径
【0041】
【0042】を算出した。腫瘍径に基づき群分けを行
い、一群7匹で2つの群に分けた。それぞれの群に対
し、下記の表1に示す条件で治療を開始した。非投与群
に対しては全く薬剤を投与しなかった。以後2〜4日毎
に腫瘍径を測定し、移植後100日目まで生存を観察し
た。なお、1日1回投与の場合は朝9:00に、1日2
回投与の場合は、朝9:00〜10:00及び夕17:
00〜18:00にそれぞれ投与した。
【0043】結果を表2及び図2A及び図2Bに示す。
図2A及び図2Bはそれぞれ非投与群及び投与群から得
られた結果に対応し、表及び図中の1〜7の数字は各群
のマウスに付けられた番号である。表2及び図2A及び
図2Bから明らかなように、OK−432、CDDP及
びrG−CSFを併用することによって、大半のマウス
の腫瘍が消失するという極めて優れた腫瘍増殖抑制効果
を示した。すなわち、非投与群では全てのマウスにおい
て腫瘍が増大したのに対し、投与群では7匹中6匹のマ
ウスの腫瘍が消失しており、本発明の抗癌剤が顕著な抗
癌作用を有することが裏付けられた。
【0044】
【表1】
【0045】
【表2】
【0046】
【0047】実験例3(薬理活性) BALB/cマウスを(A)対照(無投与)群、(B)
シスプラチン単独投与群、(C)OK−432単独投与
群、(D)ヒトG−CSF単独投与群、(E)シスプラ
チン及びOK−432併用群、(F)シスプラチン、O
K−432及びヒトG−CSFの3種の薬剤併用群の6
群各6匹に分け、全群に同マウスに親和性のある癌であ
るメチルコラントレン誘発線維芽肉腫(BAMC−1)
1×105 個細胞/マウスを腹腔内に移植した。B群,
E群及びF群にはBAMC−1移植後1日目にシスプラ
チン50μg/マウスを腹腔内投与した。C群,E群及
びF群にはBAMC−1移植後2日目にOK−4321
KE/マウスを腹腔内に投与した。D群及びF群にはB
AMC−1移植後3日目にCSF(i)として記載され
たアミノ酸配列(m=0,n=0)を有するヒトG−C
SF1μg/マウスを腹腔内に投与した。抗癌効果の判
定は、マウスの生死をもって行った。
【0048】この結果、B群のシスプラチン単独投与
群、C群のOK−432単独投与群、D群のヒトG−C
SF単独投与群及びE群のシスプラチン及びOK−43
2併用群よりもF群のシスプラチン、OK−432及び
ヒトG−CSF併用群の方がさらに延命効果が高く、よ
り高い抗癌効果を示した。
【0049】実施例1(製剤例) CSF(i)として記載されたアミノ酸配列(m=0,
n=0)を有するヒトG−CSF(10mMリン酸緩衝液
pH7)50μg/mlに非イオン界面活性剤であるポリ
ソルベート20(TweenR 20:ポリオキシエチレ
ンソルビンモノラウレート)を0.1mg/mlとなるよう
に加え、NaClにて浸透圧比を1に合わせた後、0.
22μmのポアサイズを有するメンブランフィルターで
濾過滅菌する。得られた溶液を滅菌処理を施したバイア
ル瓶中に充填し、同様に滅菌処理したゴム栓で打栓し、
続いてアルミニウムキャップにて巻き締めて注射用溶液
製剤を得た。この注射用溶液製剤は10℃以下の冷暗所
に保存する。
【0050】実施例2(製剤例) CSF(i)として記載されたアミノ酸配列(m=0,
n=1)を有するヒトG−CSF(10mMリン酸緩衝液
pH7)100μg/mlに非イオン界面活性剤であるポ
リソルベート80(TweenR 80:ポリオキシエチ
レンソルビンモノオレエート)を0.1mg/mlとなるよ
うに加え、NaClにて浸透圧比を1に合わせた後、
0.22μmのポアサイズを有するメンブランフィルタ
ーで濾過滅菌する。得られた溶液を滅菌処理したバイア
ル瓶中に充填し、同様に滅菌処理したゴム栓で打栓し、
続いてアルミニウムキャップにて巻き締めて注射用溶液
製剤を得た。この注射用溶液製剤は10℃以下の冷暗所
に保存する。
【0051】実施例3(製剤例) CSF(i)として記載されたアミノ酸配列(m=1,
n=0)を有するヒトG−CSF(10mMリン酸緩衝液
pH7)50μg/mlに非イオン界面活性剤であるポリ
ソルベート20(TweenR 20:ポリオキシエチレ
ンソルビンモノラウレート)を0.1mg/mlとHSA1
0mg/ml及びマンニトール50mg/mlとなるように加え
て溶解した後、0.22μmのポアサイズを有するメン
ブランフィルターで濾過滅菌する。得られた溶液を滅菌
処理を施したバイアル瓶中に充填し、同様に滅菌処理し
たゴム栓を半打栓し、凍結乾燥を行い注射用凍結乾燥製
剤を得た。この注射用凍結乾燥製剤は室温以下の温度条
件に保存し、注射用蒸留水にて用時溶解して使用する。
【0052】実施例4(製剤例) CSF(i)として記載されたアミノ酸配列(m=1,
n=1)を有するヒトG−CSF(10mMリン酸緩衝液
pH7)100μg/mlに非イオン界面活性剤であるポ
リソルベート80(TweenR 80:ポリオキシエチ
レンソルビンモノオレエート)を0.1mg/mlとゼラチ
ン10mg/ml及びマンニトール50mg/mlとなるように
加えて溶解した後、0.22μmのポアサイズを有する
メンブランフィルターで濾過滅菌する。得られた溶液を
滅菌処理を施したバイアル瓶中に充填し、同様に滅菌処
理したゴム栓を半打栓し、凍結乾燥を行い注射用凍結乾
燥製剤を得た。この注射用凍結乾燥製剤は室温以下の温
度条件に保存し、注射用蒸留水にて用時溶解して使用す
る。
【0053】
【発明の効果】本発明の癌免疫療法剤、ヒトコロニー刺
激因子(ヒトCSF)及び癌化学療法剤からなる抗癌剤
は、各成分を単独で使用した時には得ることができない
優れた抗癌効果を有するものである。
【0054】本発明により、癌を保持する哺乳動物の延
命及び腫瘍増殖抑制に著効を示すが、とりわけ発生初期
の癌の治療ならびに癌の外科的手術後の治療として有用
である。対象疾患としては、各種の肉腫、悪性リンパ
腫、悪性黒色腫、悪性絨毛性腫瘍、頭頸部癌、各種の消
化器癌、肺癌、甲状腺癌、乳癌、膀胱癌、前立腺癌、子
宮癌、子宮頸癌、卵巣癌、脳腫瘍、癌性胸腹水などへも
効能が拡がることが期待でき、癌の治療において極めて
有用なものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1A及び図1Bは実験例1のシスプラチン、
OK−432及びヒトG−CSFの3剤併用による腫瘍
増殖抑制効果を示すグラフである。縦軸はBAMC−1
移植後5日目の腫瘍径を1としたときの腫瘍増殖率を横
軸はBAMC−1移植後の日数(日)を示す。尚、−●
−で示される無投与群(A群)は図1A及び図1Bにお
ける共通の対照として図示した。
【図2】図2A及び図2Bは実験例2のシスプラチン、
OK−432及びヒトG−CSFの3剤併用による腫瘍
増殖抑制効果を示すグラフである。縦軸はColon2
6移植後4日目からの腫瘍径を横軸はColon26移
植後の日数(日)を示す。図中の1〜7の数字は各群の
マウスに付けられた番号である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 37:02 45:05 45:00)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 癌免疫療法剤、ヒトコロニー刺激因子及
    び癌化学療法剤を含む抗癌剤。
  2. 【請求項2】 ヒトコロニー刺激因子を有効成分とす
    る、癌免疫療法剤及び癌化学療法剤の併用による抗癌作
    用の増強剤。
JP23626091A 1990-09-17 1991-09-17 抗癌剤 Expired - Fee Related JP3459268B2 (ja)

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