JPH0590626U - 磁気テープ読取装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 繊細な加工を要せずに数少ないポイントで磁
気テープの上側縁部を押さえ、読取ヘッドに対して磁気
テープを適した位置に維持する。 【構成】 磁気テープ１ａの走行を円滑にするエアベア
リング５の上部の台９には、可撓性を有する板状の位置
決め部材１０の一端が固定されている。また、位置決め
部材１０の他端側下面には耐磨耗性材料により形成され
た押付部材１１が磁気テープ１ａの上側縁部に当接する
ように取り付けられている。そして、押付部材１１の上
部には、突起１１ａが形成されている。さらに、前記エ
アベアリング５の上部の台９に固定された位置決め部材
１０の上側には、付勢手段としての板状のバネ部材１２
の一端が固定され、バネ部材１２の他端側は、押付部材
１１の突起１１ａの先端に当接し、押付部材１１を下方
に所定の力で付勢している。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、装置内部を走行する磁気テープを読取ヘッドに対して常に適した位 置で走行させる案内装置を備えた磁気テープ読取装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

磁気テープカートリッジ内部より磁気テープを引出して記録，再生を行う磁気 テープ読取装置では、磁気テープの走行経路内に読取ヘッドに対して磁気テープ のトラックを適した位置に維持するための案内機構が設けられている。

【０００３】 磁気テープ読取装置の一例としての１／２インチカートリッジ磁気テープ読取 装置に用いられる磁気テープは、磁気テープの幅が１／２インチ（約12.7mm）で ある。例えば、この磁気テープを１８トラックで利用しようとすると、隣接する トラックの間隔は、0.63±0.04mmであり、読取ヘッドと磁気テープの相対関係は ミクロンオーダでの精度を要求されている。 なお、記憶容量を増加させる為にトラック数を増加させればトラックの間隔は もっと狭くなり、読取ヘッドと磁気テープの相対関係は、より一層厳しい精度を 要求されることになる。

【０００４】 従来、この案内機構には、弧状に形成された走行経路の内側の小孔より一定圧 の気体を噴出して磁気テープを弧面と接触させずに傷付けることなく走行させる 案内手段としてのエアベアリングが配設されている。

【０００５】 図５で示すように、案内手段としてのエアベアリング１０１の下側には、磁気 テープ１０２の下側縁部と当接し、この磁気テープ１０２の下側縁部の基準とな るガイド部材１０３が延出している。 また、エアベアリング１０１の上部の台１０４には、真直に形成された板バネ １０５の一方の端部が固定され、該板バネ１０５の他方の端部には磁気テープ１ ０２の上側縁部に当接するセラミック等の耐磨耗性材料により形成された押付部 材１０６が取り付けられている。

【０００６】 これにより、磁気テープカートリッジ内部より引出されて読取ヘッド近傍を走 行する磁気テープ１０２の上側縁部を、エアベアリング１０１の上部に配設され た板バネ１０５及び押付部材１０６で幅方向に付勢し、エアベアリング１０１の 下側から延出するガイド部材１０３の上面に磁気テープ１０２の下側縁部を位置 付けることにより、読取ヘッドに対する磁気テープ１０２のトラックを適した位 置に維持していた。

【０００７】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、上述した構成の案内機構では、図６で示すように、磁気テープ １０２が走行した際に板バネ１０５が撓み、磁気テープ１０２の上側縁部を押さ える付勢力が生じるが、この付勢力では磁気テープ１０２を押さえるには十分で ない。 また、板バネ１０５の撓みにより押付部材１０６が図中θ分傾斜して、磁気テ ープ１０２を幅方向に付勢する力が分散してしまう。 なお、磁気テープ１０２を押さえつける力が大きすぎると、磁気テープ１０２ が幅方向に屈曲してしまう。 これらにより、所望の付勢力を得るためには板バネ１０５及び押付部材１０６ を数多く配設して多くのポイントで磁気テープ１０２を押しつけなければならな いという問題点があった。

【０００８】 また、押しつけるポイントを減少させるために、図７（ａ），（ｂ）で示すよ うに、押付部材１０６が取り付けられている部分が曲げ加工された板バネ１０５ ａを設けることにより、個々のポイントにおける磁気テープ１０２への付勢力を 増すことが考えられるが、曲げ加工時の加工誤差により、板バネ１０５ａに捩じ れが生じて、図８で示すように磁気テープ１０２の長手方向に対して押付部材１ ０６が傾斜する恐れがあるので、曲げ加工時には繊細な加工精度を要求されると いう問題点があった。

【０００９】 なお、前述したように読取ヘッドと磁気テープ１０２の相対関係は、ミクロン オーダでの精度を要求されているため、より一層繊細な加工を要求されていた。

【００１０】 そこで本考案は、上記問題点を解消するために、繊細な加工を要せずに数少な いポイントで磁気テープの上側縁部を押さえる構成で、読取ヘッドに対して磁気 テープを適した位置に維持することができる磁気テープ読取装置を提供すること を目的としている。

【００１１】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するため本考案による磁気テープ読取装置は、磁気テープカー トリッジ１内より引出されて走行経路を走行する磁気テープ１ａに記録，再生を 行う磁気テープ読取装置において、 前記走行経路内の読取ヘッド６近傍に配設され、前記磁気テープ１ａの走行を 円滑にする案内手段５と、該案内手段５の下側から延出して磁気テープ１ａの下 側縁部の位置決めをするガイド部材８と、前記案内手段５の上部に位置して磁気 テープ１ａの上側縁部に当接する押付部材１１と、該押付部材１１を磁気テープ １ａの上側縁部に位置させる可撓性を有する位置決め部材１０と、前記押付部材 １１を磁気テープ１ａの上側縁部から幅方向に所定の力で付勢する付勢手段１２ とを具備したことを特徴としている。

【００１２】

【作用】

位置決め部材によって位置決めされた押付部材は、独立した付勢手段によって 所望の力で下方に付勢され、案内手段を走行する磁気テープを上側縁部より幅方 向に押しつけることにより磁気テープの下側縁部をガイド部材の上面に合わせて 、読取ヘッドに対する磁気テープのトラックを適した位置に維持する。

【００１３】

【実施例】 以下、本考案の一実施例を図面を参照して具体的に説明する。 図１で示すように、本考案による磁気テープ読取装置は、本装置に対して着脱 自在な磁気テープカートリッジ１から引出手段２によって磁気テープ１ａの先端 を引出する。そして、該磁気テープ１ａを走行経路に形成された案内機構３を介 して巻取ドラム４へ引出搬送する。さらに、巻取ドラム４の回転により磁気テー プ１ａが走行経路内を走行して読み取りが行われる。

【００１４】 図２及び図３で示すように、前記案内機構３は、案内手段としてのエアベアリ ング５と読取ヘッド６がベース７の上部に配設されている。 該エアベアリング５は、上述した従来同様に、読取ヘッド６の近傍に設けられ ており、弧状に形成された走行経路の内側の小孔より一定圧の気体を噴出して磁 気テープ１ａを弧面と接触させずに傷付けることなく走行させるものである。 また、エアベアリング５の下側には、磁気ヘッド１ａに対して磁気テープのト ラックを位置決めするガイド部材８が延出して配設されている。

【００１５】 そして、図４で示すように、エアベアリング５の上部に配設された台９には、 可撓性を有する板状の位置決め部材１０の一端が固定されている。この位置決め 部材１０は、水平に固定されており、他端側の下面には、セラミック等の耐磨耗 性材料により形成された押付部材１１が取り付けられている。 該押付部材１１は、位置決め部材１０によって、その底面が走行経路を走行す る磁気テープ１ａの上側縁部に当接するように位置決めされている。また、押付 部材１１の上部には突起１１ａが形成され、位置決め部材１０の上側に突出して いる。

【００１６】 さらに、前記エアベアリング５の上部の台９に固定された位置決め部材１０の 上側には、付勢手段としての板状のバネ部材１２の一端が固定されている。 また、該バネ部材１２の他端側は、押付部材１１の突起１１ａの先端に当接し 、押付部材１１を下方に所定の力で付勢している。

【００１７】 従って、このように構成された磁気テープ読取装置では、案内手段としてのエ アベアリング５の上部の台９に一端を固定された位置決め部材１０により、磁気 テープ１ａの上側縁部に当接する押付部材１１を適した位置に容易に配設するこ とができる。

【００１８】 また、押付部材１１の上部に突起１１ａを設け、該突起１１ａに当接して押付 部材１１を下方に付勢する付勢手段としてのバネ部材１２を独立して配設したこ とにより、磁気テープ１ａをガイド部材８の上面に押しつけるのに十分な付勢力 を得ることができる。 従って、繊細な加工を要せずに数少ないポイントで磁気テープを押さえること ができる。

【００１９】 ところで、上述した実施例では、付勢手段としてのバネ部材１２の形状を板状 としたが、コイルバネ及び線状のバネ等のバネ性を持つものであれば、その効果 は何ら変わることはない。 また、押付部材１１に設けられた突起１１ａの高さを高くすることにより、バ ネ部材１２による付勢力を増すことができる。そして、この突起１１ａはバネ部 材１２側に設けても上述した実施例と同様の効果を得ることができる。

【００２０】

【考案の効果】

以上説明したように本考案による磁気テープ読取装置は、繊細な加工を要せず に数少ないポイントで磁気テープを押さえる構成で読取ヘッドに対して磁気テー プを適した位置に維持することができるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案による磁気テープ読取装置の概略構成を
示す平面図。

【図２】案内機構の平面図。

【図３】同装置の正面図。

【図４】同装置の要部の拡大断面図。

【図５】従来の案内機構の断面図。

【図６】図５における磁気テープの走行状態を示す断面
図。

【図７】（ａ）は従来の他の構成の案内機構の断面図。
（ｂ）は（ａ）における磁気テープの走行状態を示す断
面図。

【図８】図７（ａ）における正面図。

【符号の説明】

１…磁気テープカートリッジ，１ａ…磁気テープ，５…
エアベアリング，６…読取ヘッド，８…ガイド部材，１
０…位置決め部材，１１…押付部材，１２…バネ部材

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 磁気テープカートリッジ（１）内より引
   出されて走行経路を走行する磁気テープ（１ａ）に記
   録，再生を行う磁気テープ読取装置において、 前記走行経路内の読取ヘッド（６）近傍に配設され、前
   記磁気テープの走行を円滑にする案内手段（５）と、該
   案内手段の下側から延出して磁気テープの下側縁部の位
   置決めをするガイド部材（８）と、前記案内手段の上部
   に位置して磁気テープの上側縁部に当接する押付部材
   （１１）と、該押付部材を磁気テープの上側縁部に位置
   させる可撓性を有する位置決め部材（１０）と、前記押
   付部材を磁気テープの上側縁部から幅方向に所定の力で
   付勢する付勢手段（１２）とを具備したことを特徴とす
   る磁気テープ読取装置。