JPH0589824U - 汎用内燃機関の消音器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本考案は、排気ガス浄化機能を備えた汎用内
燃機関のスパークアレスター付消音器に関するものであ
る。 【構成】 消音器１の本体２をセパレータ５で上下に分
割して第１チャンバー６、第２チャンバー７を構成し、
第１チャンバー６、第２チャンバー７を仕切るセパレー
タ５の仕切片12に連通小孔14を多数設け、セパレータ５
に排気通路10を形成して第３チャンバー11を構成し、第
３チャンバー11を囲む仕切板８に連通小孔13を多数設
け、排気通路10の外端開口部にスパークアレスター15を
取付け、消音器１の下部ケーシング４に入口開口16を形
成し、これに排気管17一端に接続する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、汎用内燃機関から排出される排気ガスを浄化する機能を有する汎用 内燃機関のスパークアレスター付消音器に関するものである。

【０００２】

【従来技術および解決しようとする課題】

汎用内燃機関は、利用分野が多岐に亘り色々な設置個所に運搬する必要上、燃 料タンク、消音器等の補機をコンパクトにまとめなければならず、その結果、必 然的に、内燃機関の排気ポートと消音器とを接続する排気管の長さが短くなり、 排気ガス中の火炎が消音器の排気口から外気へ延びることがあり、これを防止す るために、消音器にスパークアレスターを付設したものがあった。

【０００３】 また排気ガス中のＨＣ、ＣＯ、ＮＯｘ等の有害ガスを除去するために、排気ガ ス浄化装置を付設する必要が高くなっているが、汎用内燃機関では、機関の小型 軽量化の面から、排気ガス浄化装置の配置に特別な配慮が必要であった。

【０００４】

【課題を解決するための手段および作用効果】

本考案は、前記したような要求に応えた汎用内燃機関の消音器の改良に係り、 汎用内燃機関の消音器において、該消音器内のスパークアレスターに排気ガス浄 化触媒を担持させたことを特徴とするものである。 本考案は、前記したように構成されているので、前記消音器内のスパークアレ スターにより該消音器内から外部へ排気ガス中の火炎が延長して露出することが 未然に阻止される。

【０００５】 また前記消音器内に流入した排気ガスは前記スパークアレスターを通過する際 に、該スパークアレスターに担持された排気ガス浄化触媒に接触し、所要の酸化 還元反応が行なわれ、排気ガス中の有害物質が除去されて、排気ガスが浄化され る。

【０００６】 さらに本考案においては、特別な排気ガス浄化装置を必要とせずに、排気ガス 浄化処理を行なうことができるので、排気ガス浄化能力を有しているにもかかわ らず、安価で、かつコンパクトにまとめて小型化軽量化を図った汎用内燃機関を 供することができる。

【０００７】

【実 施 例】

以下、図１ないし図２に図示された本考案の一実施例について説明する。 排気ガス浄化機能を有する消音器１の本体２は、上下に２分割された薄鋼板製 の上部ケーシング３および下部ケーシング４よりなり、上部ケーシング３および 下部ケーシング４の合せ面にセパレータ５の外周部が接触して、上部ケーシング ３、下部ケーシング４のカシメ付けにより、セパレータ５が本体２に一体に装着 され、本体２内はセパレータ５によって上下の第１チャンバー６、第２チャンバ ー７に仕切られている。

【０００８】 またセパレータ５は、上下２枚の薄鋼板製の仕切板８、９の中央一側部を上下 に半円筒状に膨出させて排気通路10を形成するとともに、該半円筒状排気通路10 に連なって仕切板８、９の他側部を上下に箱状に膨出させて第３チャンバー11を 形成し、かつ前記排気通路10の両側部を相互に密接に合せて仕切片12を形成し、 前記第３チャンバー11を囲む仕切板９の他側部に連通小孔13を多数設けるととも に、仕切板８、９の仕切片12にも連通小孔14を多数設ける。

【０００９】 さらに排気通路10を形成する壁部で上部ケーシング３、下部ケーシング４の合 せ部を貫通させて、排気通路10の外端部を本体２より外方へ露出させ、この排気 通路10の開口部から金網を底付円筒状に形成したスパークアレスター15を挿入し て固着する。

【００１０】 しかしてスパークアレスター15には、Ａｌ₂ Ｏ₃ をコーティングし、これに白 金、ロジウム、レアアースメタル、セシウム等の貴金属三元触媒を担持させる。 また下部ケーシング４の略中央部に入口開口16を形成し、この入口開口16にＬ 状に曲った排気管17の上端が接続するように排気管17の上端を下部ケーシング４ に一体に装着し、排気管17の下端を図示されない汎用内燃機関の排気ポートに接 続する。

【００１１】 図１ないし図２の実施例は前記したように構成されるので、図示されない汎用 内燃機関が運転を始めて、排気ポートから排気管17を介して第１チャンバー６内 に排気ガスが流入すると、排気ガスが膨張して減圧され、排気脈動が弱められ、 さらに仕切板８、９の仕切片12の連通小孔14を介して第２チャンバー７内に流入 し、連通小孔14の絞り効果で排気脈動が吸収され、さらにまた第２チャンバー７ 内より連通小孔13を介して第３チャンバー11内に流入し、それから排気通路10内 を経由してスパークアレスター15を通過し、大気中に排出される。 このように消音器１では、第１チャンバー６、第２チャンバー７および第３チ ャンバー11で３段階に亘って排気ガスが減圧されて排気脈動が吸収されるので、 排気の騒音レベルが著しく低い水準に低下する。

【００１２】 またセパレータ５の排気通路10の外端開口部にスパークアレスター15を設けた ため、たとえ内燃機関から排出される排気ガス中の火炎が長く延長して排気通路 10の外端開口部に達しても、スパークアレスター15によって外気へ漏れることが ない。

【００１３】 さらにスパークアレスター15に三元触媒を担持させたため、排気ガス中のＨＣ 、ＣＯが酸化され、またはＮＯｘが還元されて、有害ガスが除去され、排気ガス が浄化される。

【００１４】 そしてスパークアレスター15が外気に近い個所にあるため、排気脈動によって 外気が導入され、このスパークアレスター15の触媒に触れることができるので、 酸化反応がより円滑に遂行される。

【００１５】 図１ないし図２の実施例では、消音器１の排気通路10の外端開口部にスパーク アレスター15を設けたが、図３ないし図４に図示するようにように、消音器１の 入口開口16にスパークアレスター15をボルトナット18によって着脱自在に装着で きるように構成してもよく、このように構成すれば、市場、ユーザの要求に応じ て、スパークアレスター15を付設し、あるいは付設しないようにすることができ 、しかもスパークアレスター15の交換を容易に行なうことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る汎用内燃機関の消音器の一実施例
を図示した縦断面図である。

【図２】図１のII-II 線に沿って截断した横断正面図で
ある。

【図３】本考案の他の実施例の縦断側面図である。

【図４】図３のIV- IV線に沿って截断した横断正面図で
ある。

【符号の説明】

１…消音器、２…本体、３…上部ケーシング、４…下部
ケーシング、５…セパレータ、６…第１チャンバー、７
…第２チャンバー、８，９…仕切板、10…排気通路、11
…第３チャンバー、12…仕切片、13，14…連通小孔、15
…スパークアレスター、16…入口開口、17…排気管、18
…ボルトナット。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 伊原 丘 埼玉県和光市中央１丁目４番１号 株式会 社本田技術研究所内

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 汎用内燃機関の消音器において、該消音
   器内のスパークアレスターに排気ガス浄化触媒を担持さ
   せたことを特徴とする汎用内燃機関の消音器。