JPH0589439U - 炭材の炭化装置 - Google Patents

炭材の炭化装置

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JPH0589439U
JPH0589439U JP3105092U JP3105092U JPH0589439U JP H0589439 U JPH0589439 U JP H0589439U JP 3105092 U JP3105092 U JP 3105092U JP 3105092 U JP3105092 U JP 3105092U JP H0589439 U JPH0589439 U JP H0589439U
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drum
carbide
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discharge port
cooling
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健司 山根
恭子 松橋
彰 廣岡
俊昭 成定
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Shinmaywa Industries Ltd
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Shinmaywa Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 炭化物の排出に際して、確実にかつ迅速に冷
却を行なうとともに、冷却後の炭化物を以後の処理が行
ないやすい状態にする。 【構成】 乾留炉を構成するドラム3に排出部5を接続
し、排出部5の排出口28aに扉体30を取付ける。開
状態の扉体の底板部30aなどにより、排出口からの炭
化物を受け皿36まで下り勾配で滑り落として案内する
案内通路30dが形成されるようにする。案内通路30
dの排出途上の炭化物に向けて冷却水を噴霧するノズル
37を取り付け、ノズルに冷却水供給系38を接続す
る。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、例えば廃棄木材などの炭材を炭化処理して、その再利用を図るため の炭化装置に関し、詳しくは排出部から排出される炭化物を冷却する冷却手段を 備えた炭化装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、この種の炭化装置としては、乾留炉を回転ドラムにより構成し、こ の回転ドラム内で、炭材を加熱して炭化物を生成するものが知られている(例え ば、特開昭47−15387号公報参照)。一般に、炭化処理により生成される 炭化物はそれまで乾留炉内での炭化処理により高温(例えば、500℃)に加熱 されているため、炭化処理の後、ただちに外部に取出すと外気に触れて着火する おそれがある。このため、このような炭化装置では、炭化処理した後の炭化物を 冷却するための回転胴が上記回転ドラムとは別に設けられている。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】
ところが、上記回転胴における冷却は自然放熱作用によるものであるため、冷 却のために長時間を必要とするという不都合がある上、放熱促進のために外気を 導入すると上記着火のおそれが生じる。しかも、上記回転胴の分、装置が大型化 する上、動力源が必要になる。
【0004】 そこで、これらの不都合を解消するために、図14に示すように、排出部aか ら排出された炭化物bを受け皿cにより受け止め、この受け皿c内の炭化物bに ホースdで水をかけることにより冷却促進を図ることが考えられる。ところが、 炭化物bは上記排出部aから受け皿cに鉛直に落下するため、その受け皿cに当 たって受け皿cの周囲に飛び散るおそれがあり、排出、回収を確実に行なうこと ができない。このため、上記受け皿cをさらに深くして水を溜めることにより水 槽eとし、この水槽e内に炭化物bを落下させることも考えられる。しかし、こ の場合、炭化物bが水中に浸されてしまうため、炭化物bの以後の処理を行なう に当たり、その炭化物bの乾燥のために長時間を必要とするという不都合が生じ る。
【0005】 一方、上記排出部aの排出口fが常に開放状態のままである場合、炭化処理に 際して乾留ガスや排煙が上記排出口aを通って外部に拡散し、炭化装置の周囲の 大気汚染を招く。
【0006】 本考案は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするとこ ろは、炭化物の排出に際して、確実にかつ迅速に冷却を行なうとともに、冷却後 の炭化物を以後の処理が行ないやすい状態にすることにある。また、他の目的と するところは、炭化物の排出、回収の確実化および装置の周囲の大気汚染の防止 を図ることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1記載の考案は、炭材を炭化処理する乾留 炉と、この乾留炉に接続されて乾留炉内の炭化物を排出する排出部と、この排出 部に設けられて排出途上の炭化物を冷却する冷却手段とを備えるものである。そ して、上記冷却手段を、上記炭化物に向けて配置されて冷却液を散布するノズル と、このノズルに接続されて冷却液を供給する冷却液供給系とを備える構成とす るものである。
【0008】 また、請求項2記載の考案は、請求項1記載の考案において、排出部の排出口 を覆う扉体であって、上記排出口を密閉する閉状態と、内面が上記排出口から下 り勾配の案内通路を形成する開状態とに相互に位置変換可能に取付けられた扉体 を備えるものである。そして、ノズルを上記開状態における案内通路と相対向し て位置付ける構成とするものである。
【0009】
【作用】 上記の構成により、請求項1記載の考案では、高温に加熱された炭化物をノズ ルから散布される冷却液により冷却するものであるため、自然放熱による冷却と 比べて炭化物の確実かつ迅速な冷却が行われるとともに、水中に浸漬する場合と 比べて以後の処理が行ないやすくなる。そして、上記冷却が排出途上の炭化物に 対して行なうものであるため、排出後に水浴させる場合より排出後の処理が行な いやすくなる。
【0010】 請求項2記載の考案では、扉体を開状態にすることにより下り勾配の案内通路 が形成され、この案内通路により排出口から出た炭化物が一定の案内方向に滑り 落ちる。このため、排出される炭化物を飛散させることなく、まとめやすくなる 。また、上記扉体を閉状態にすることにより、排出口が密閉されるため、炭化処 理中に発生する乾留ガスや排煙などが外部に漏れることがなく、大気汚染の防止 が図られる。
【0011】
【実施例】
以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明する。
【0012】 図1ないし図3は、本考案の実施例に係る炭化装置を示し、1は支持フレーム 、2はこの支持フレーム1の上に水平軸Zの回りに傾動可能に支持された床フレ ーム、3はこの床フレーム2の上に横向きに配置されて上記水平軸Zに直交する ドラム軸Xの回りに回転可能に支持されたドラム、4はこのドラム3のドラム軸 X方向一側の供給側端部3a(図1の左端部)に接続された供給部、5は上記ド ラム3の他側の排出側端部3b(図1の右端部)に接続された排出部、6はこの 排出部5に設けられて炭化物を冷却する冷却手段、7は上記排出側端部3bの側 に配置された排出量調節手段、8は上記ドラム3内に発生する乾留ガスを回収す る乾留ガス回収手段である。
【0013】 上記支持フレーム1は、設置場所に位置固定された基礎部材1aと、この基礎 部材1aに立設された複数の柱部材1b,1b,…と、この各柱部材1bの上端 同士を連結するはり部材1cとからなる。
【0014】 上記床フレーム2は、上記ドラム3、供給部4および排出部5などを一体的に 取付ける基板に相当する。この床フレーム2の長手方向の一側部は上記はり部材 1cに設けられた傾動支持部2aに上記水平軸Zの回りに傾動可能に連結される とともに、上記長手方向の他側部は傾動用油圧シリンダ2bを介して上記基礎部 材1aに取付けられている。そして、上記床フレーム2は、上記油圧シリンダ2 bの縮小作動により上記はり部材1c上に載置されて上記ドラム3がほぼ水平に 保たれた水平状態(図1に示す状態)に変換され、伸長作動により上記水平軸Z を中心として傾動して上記ドラム3が供給部4から排出部5に向かって下り勾配 となる傾斜状態(図2に示す状態)に変換されるようになっている。
【0015】 上記ドラム3は、上記床フレーム2の上面の所定位置に取付けられた、一対の 鍔付きガイドローラ9a,9aと、平坦なローラ面を有する二対のガイドローラ 9b,9b,…とによって、上記ドラム軸Xの回りに回転可能に支持されている 。上記ドラム3のドラム軸X方向中央位置の外周面には上記各鍔付きガイドロー ラ9aの両鍔部9c,9cの間隔に相当する幅の無端状ガイドレール10aが突 出形成されている。そして、このガイドレール10aのドラム軸X方向両側面を 上記鍔部9c,9cが挟んだ状態で、上記各ガイドローラ9aが上記ガイドレー ル10aに転動可能に接触している。また、上記ドラム3の両側端部3a,3b の外周面には上記各ガイドローラ9bの幅より所定量大きい幅のガイドレール1 0bがそれぞれ設けられており、この各ガイドレール10bに上記各ガイドロー ラ9bが転動可能に接触している。つまり、上記ドラム3は、上記ガイドローラ 9aおよびガイドレール10aによってドラム軸X方向の中央部の上記床フレー ム2に対する相対移動が規制され、かつ、上記各ガイドローラ9bおよび各ガイ ドレール10bによって両側端部3a,3bのドラム軸X方向の相対移動が許容 されるようになっている。
【0016】 そして、上記6つのガイドローラ9a,9b,…の内、ドラム軸Xを挟んで一 側のガイドローラ9aと隣接するガイドローラ9bとは駆動ロッド11により互 いに連結されており、この駆動ロッド11はチェーン13を介して駆動モータ1 2と接続されている。そして、この駆動モータ12の駆動により上記両ガイドロ ーラ9a,9bが回転作動される結果、上記ドラム3がドラム軸Xの回りに回転 作動されるようになっている。
【0017】 また、上記ドラム3のドラム軸X方向の適当な位置(図例では隣接する二つの ガイドレール10a,10bの中間位置)の外周面には、外周方向に突出する環 状のフランジ14が固定されており、このフランジ14の上記ドラム軸X方向の 排出部5側の側面14aに、上記床フレーム2に取付けられた支持ローラ15が 垂直軸Yの回りに転動可能に接触されている。つまり、ドラム3の上記傾斜状態 (図2参照)においてドラム3が排出側へ移動しようとするのを最終的に阻止す るストッパーの機能を果たすようになっている。
【0018】 さらに、上記ドラム3の内周面には内方に突出する多数の撹拌用羽根板16, 16,…が設けられている。この各羽根板16は、上記内周面を円周方向に8等 分した各位置であってドラム軸Xの方向に互いに所定間隔をあけて配置されてい る。
【0019】 また、上記ドラム3の供給側端部3aには上記床フレーム2に取付けられて位 置固定されたカバー筒体17が外挿されており、このカバー筒体17により上記 ドラム3の供給側開口部3cが遮蔽されている。上記供給側端部3aの外周面に は金属製板材により形成されたシール部材18が固定されており、これにより、 上記ドラム3とカバー筒体17との間の隙間がほぼ閉止されている。そして、上 記カバー筒体17の端面を構成する壁部にはガスバーナーなどの燃焼手段19が 上記ドラム3の内方に向けて取付けられており、この燃焼手段19により上記ド ラム3の内部が加熱されるようになっている。なお、上記ドラム3の外周面は図 示しない断熱材により覆われており、これにより、放熱防止が図られている。
【0020】 上記のように構成されたドラム3、上記カバー筒体17、後述のカバー筒部3 1および燃焼手段19などによって、炭材を炭化処理する乾留炉20が構成され ている。
【0021】 上記供給部4は、上記床フレーム2の上方位置に取付けられ、炭材を投入する ホッパー4aと、このホッパー4aの下端に設けられて、上記ホッパー4aから の炭材をドラム3の供給側開口部3cから内部に送給する送給手段4bとを備え ている。この送給手段4bは、図4および図5に詳細を示すように、上記ホッパ ー4aの下端に連通する横向きの送給筒体22と、この送給筒体22の内部を進 退して上記ホッパー4aの下端からの炭材を上記供給側開口部3cまで押し込む ピストン部材23と、このピストン部材23を進退させる一対の油圧シリンダ2 4,24とからなる。
【0022】 この一対の油圧シリンダ24,24は、上記送給筒体22の外面に上記ピスト ン部材23の進退方向に取付けられており、両シリンダロッド24a,24aを 連結する連結杆25に上記ピストン部材23のピストンロッド23aが連結され ている。そして、上記各油圧シリンダ24の伸縮作動に伴い上記ピストン部材2 3が往復動を繰り返すことにより、送給筒体22内の炭材をドラム3内に連続し て押し込むようになっている。
【0023】 また、上記送給筒体22の先端部22aはカバー筒体17を貫通して上記供給 側開口部3cからドラム3の下部に挿入されており、上記先端部22aには、図 6に詳細を示すように上記ドラム3の下部内周面3eに合致する半円状の留め板 26が固定されている。そして、この留め板26は、これを貫通する上記送給筒 体22の先端部からドラム3内に供給された炭材がカバー筒体17側に落ち込ま ないように留める役割を果たすようになっている。なお、この留め板26は、上 記供給側端部3aの下部内周面3eからわずかに離されて浮いた状態に配置され 、ドラム3の回転時にドラム3と互いに干渉しないようになっている。
【0024】 なお、図1および図4中27はカバー筒体17の底部に接続されたメンテナン ス用の排出管であり、この排出管27は上記カバー筒体17の底部に溜まる粉炭 などを定期的に排出して上記シール部材18内への上記粉炭の噛み込みを防止す るようになっている。
【0025】 上記排出部5は、図7に詳細に示すように、上記床フレーム2に支持されたL 字状の排出ダクト28と、この排出ダクト28内の炭化物を排出口28aまで破 砕しながら送給するスクリューコンベア手段29と、上記排出口28aを開閉可 能に閉止する扉体30とを備えている。
【0026】 上記排出ダクト28は、上記ドラム3の排出側端部3bに外挿されたカバー筒 部31と、このカバー筒部31の下端に連通されて下方に延びる落し込み用シュ ート筒部32と、このシュート筒部32の下端に基端側が連通して外側方(図7 の右側方)に延ばされた横向きの送給筒部33とからなる。そして、この送給筒 33の先端側に上記排出口28aが下向きに開口して形成されている。
【0027】 上記排出側端部3bの外周面には金属板材により形成されたシール部材34が 固定されており、これにより上記ドラム3とカバー筒部31との間の隙間がほぼ 閉止されている。そして、排出側開口部3dと、この排出側開口部3dからドラ ム軸X方向に所定距離だけ離して位置付けられた上記カバー筒部31の端壁31 aとの間に、上記排出側開口部3dから上記シュート筒部32への落し込み空間 35が形成されている。
【0028】 上記スクリューコンベア手段29は、上記送給筒部33の内部であって上記シ ュート筒部32の下方位置から上記排出口28aまでに配置されたスクリューコ ンベア本体29aと、このスクリューコンベア本体29aの背後に延ばされて軸 受け部29bにより上記床フレーム2に支持された軸部29cと、この軸部29 cにチェーン29dを介して接続された駆動モータ29eと、上記軸部29cの 中間位置の外周面に固定された翼部材29fと、この翼部材29fを冷却する冷 却槽29gとからなる。
【0029】 上記扉体30は、図8に詳細を示すように、上記排出口28aの下向き開口部 を密閉可能な大きさの底板部30aと、この底板部30aの両側縁から上方に突 出する略三角形の一対の側板部30b,30bと、この一対の側板部30b,3 0bを貫通して水平軸H回りに回転可能に軸支する軸体30cとから構成されて いる。この扉体30は上記排出口28aを閉止した閉状態(図7に実線で、図8 に一点鎖線でそれぞれ示す状態)と、上記底板部30aが上記排出口28aの上 記軸体30c側位置から所定の斜め下り勾配で傾斜してその先端縁で上記排出口 28aが斜め横向きに開放された開状態(図7に一点鎖線で、図8に実線でそれ ぞれ示す状態)との間を上記水平軸Hの回りの回転により変換可能に支持されて いる。上記各側板部30bは、閉状態で上記排出口28aを構成する側壁33a の外面に被せられ、開状態で上記傾斜状態の底板部30aから両側方に炭化物4 5が落下するのを防止するようになっている。そして、上記各側板部30bによ り囲まれた上記開状態の底板部30aにより炭化物45の排出を案内する案内通 路30dが構成されており、その底板部30aの上記先端縁の下方位置に炭化物 45を受ける受け皿36が配置されている。なお、上記扉体30は図示しない係 止手段により上記閉状態および開状態に保たれるようになっている。
【0030】 上記冷却手段6は、上記排出口28aから排出される炭化物に冷却水を噴霧す るノズル37と、このノズル37に冷却水を供給する冷却水供給系38とから基 本構成されている。
【0031】 上記ノズル37は、ブラケット37aを介して上記送給筒部33の先端面を構 成する端壁33bに取付けられており、このブラケット37aにより上記開状態 の底板部30aから所定距離離れた位置で、その先端が上記開状態の底板部30 aに対してほぼ直交する方向でかつその底板部30aのほぼ中央部に向けられて 支持されている。そして、上記ノズル37は上記冷却水供給系38から供給され た冷却水を円錐状に拡げて上記開状態の底板部30aのほぼ全面に霧状に散布す るようになっている。
【0032】 上記冷却水供給系38には開閉弁38aが設けられており、この開閉弁38a の開閉操作により上記ノズル37への冷却水の供給、遮断が行われるようになっ ている。
【0033】 上記排出量調節手段7は、上記ドラム3の排出側開口部3dの下部を閉止する 開閉体である留め板39と、この留め板39をドラム軸X方向に進退作動させる 作動手段40とを備えている。上記留め板39は、図9に詳細を示すように上記 排出側端部3bの下半部の内周面3fに合致する半円形状に形成されており、そ の留め板39の閉状態(図7に実線で示す状態)で、その外周縁39aが上記排 出側開口部3bの内周面3fからわずかに離れた状態に位置付けられるようにな っている。
【0034】 上記作動手段40は、図10に詳細に示すように、上記カバー筒部31の端壁 31aに上記ドラム軸X方向に配置されて取付けられた油圧シリンダ41と、こ の油圧シリンダ41の両側部に油圧シリンダ41に平行に設けられた一対のガイ ドロッド42,42とからなる。上記油圧シリンダ41のシリンダロッド41a および上記一対のガイドロッド42,42の各先端は上記端壁31aを貫通して 上記留め板39に固定されており、上記油圧シリンダ41の伸縮作動により上記 留め板39が上記閉状態と、この閉状態からドラム軸X方向に平行移動した開状 態(図7に二点鎖線で示す状態)との間を移動されかつ両状態間の各移動位置に 上記留め板39が無段階に位置固定されるようになっている。すなわち、上記閉 状態では、排出側開口部3dの下半部が閉止されてその留め板39によりドラム 3内の炭化物もしくは炭材の落し込み空間35側への移動が阻止され、上記開状 態では、上記排出側開口部3dと図7の二点鎖線で示す上記留め板39との間に ドラム3内の炭化物がほぼ抵抗なくシュート筒部32内に落下できるドラム軸X 方向の隙間Sが形成され、この隙間Sの大きさが上記閉状態から開状態に至る間 で上記留め板39の移動に伴い大小調節されるようになっている。つまり、上記 隙間Sの大小調節により、上記シュート筒部32への炭化物の落ち込み量を増減 調節するようになっている。
【0035】 上記乾留ガス回収手段8は、上記カバー筒体31の上面に一端が取付けられて 上記落し込み空間35の上部に連通されたダクト46と、このダクト46の他端 に接続されたコンデンサ43と、このコンデンサ43から分離気体を吸引排出す るブロワ44とを備えている。上記ダクト46は上記ブロワ44の作動により上 記ドラム3内および上記落し込み空間35の上部に滞積する高温の乾留ガスを吸 引して上記コンデンサ43まで導出するようになっている。そして、このコンデ ンサ44は上記高温の乾留ガスを冷却、凝縮させて気液に分離するようになって おり、気体成分が上部から、液体成分が下部からそれぞれ回収される。炭材が木 材である場合の乾留ガスは、上記コンデンサ44で木酢液などの液体と可燃ガス とに分離され、これら木酢液および可燃ガスが個別に回収される。この場合、木 酢液は酸性で害虫が嫌うため、例えば芝生などの害虫駆除液として有効利用を図 ることができる。
【0036】 次に、上記の構成の炭化装置により廃木材などの炭材を炭化処理して炭化物で ある木炭を回収するための処理手順を説明する。この処理手順にはバッチ処理と 連続処理の2方式があり、いずれの方式によってもよい。
【0037】 バッチ処理の場合、まず、傾動用油圧シリンダ2bを縮小作動させてドラム3 を水平状態にする。次に、駆動モータ12の駆動により上記ドラム3を回転させ るとともに、燃焼手段19によりドラム3内を加熱する。そして供給部4のホッ パー4aに廃木材などの炭材を投入し、この炭材を送給手段4bにより供給側開 口部3cからドラム3内に所定量供給する。そして、この炭材を羽根板16,1 6,…により撹拌しながら、所定温度(例えば、300〜700℃)で所定時間 (例えば数時間)加熱することにより乾留して所定状態まで炭化させる。この炭 化処理に際し、排出量調節手段6の留め板39は、図11に示すように、閉状態 にして、ドラム3内の炭材もしくは炭化物45が排出部5のシュート筒部32に 落下しないようにするとともに、扉体30を閉状態にして排出口28aから乾留 ガスおよび排煙が外部に漏出しないようにする。なお、上記燃焼手段19は初期 にフル出力状態にして昇温し、所定温度になればその出力を止めて、後は余熱で 処理するようにすればよい。
【0038】 上記炭材が所定状態まで炭化されて木炭などの炭化物になれば、上記ドラム3 を回転させたまま傾動用油圧シリンダ2bを伸長作動させて上記ドラム3を傾斜 状態にするとともに、作動手段40を作動させて留め板39を図12に示すよう に開状態にする。併せて、駆動モータ29eを駆動させてスクリューコンベア本 体29aを回転させるとともに、上記扉体30を開状態にしかつ開閉弁38aを 開いてノズル37から上記扉体30の底板部30aに向けて冷却水を噴霧させる 。これにより、ドラム3の底部に堆積している炭化物45はドラム3の底部内周 面を滑って排出側開口部3dと上記留め板39との隙間S1 からシュート筒部3 2内に重力作用により落下する。そして、上記炭化物45は、スクリューコンベ ア本体29aにより送給筒部33内を排出口28aまで送られ、扉体30の底板 部30a上を滑り落ちて受け皿36上に排出される。
【0039】 連続処理の場合、初期運転は上記バッチ処理と同様に、水平状態のドラム3内 に供給部4から炭材を所定量供給して、この炭材を撹拌しながら所定温度で所定 時間加熱する。そして、所定の炭化状態になれば、上記ドラム3を緩傾斜状態に するとともに、上記留め板39を図13に示すように閉状態から所定量だけ後退 させた定量排出状態に位置固定し、送給手段4bを作動させて比較的少ない一定 量ずつの炭材をドラム3内に供給する。併せて、スクリューコンベア本体29a の駆動、扉体30の開状態への変換およびノズル37からの冷却水の噴霧を行な う。これにより、上記留め板39と排出側開口部3dとの隙間S2 の量に対応し た一定量の炭化物45が上記シュート筒部32に連続して落下し、上記扉体30 の底板部30aに案内されて受け皿36に連続して排出させることができる。以 後、上記炭材の供給と炭化物45の排出とが連続して行われる。
【0040】 上記バッチ処理および連続処理における炭化物45の排出口28aからの排出 に際し、乾留により高温に加熱された状態の上記炭化物45は、扉体30の底板 部30a上を滑り落ちる途上、上記ノズル37から冷却水が噴霧されるため、そ の冷却水の気化熱により熱が奪われて温度が下げられる。このため、上記炭化物 45が排出口28aから外部に排出されても、その炭化物45が自然着火するの を確実に防止することができる上、炭化物の生成後、冷却させるための時間をほ ぼ省略することができる。従って、炭化処理後の炭化物をただちに排出させるこ とができる。
【0041】 しかも、上記ノズル37からの冷却水は霧状となって霧滴状態で上記炭化物4 5にかかるため、炭化物45に接触してすぐに蒸発し、受け皿36に載せられた 炭化物45は乾燥状態もしくはわずかの時間内に乾燥する状態になっている。こ のため、冷却水の散布による冷却であっても、乾燥させるための時間をほぼ省略 することができ、水槽内の水中に浸漬して冷却を行なう場合と比べて大幅に短縮 することができる。従って、排出後の炭化物45を、以後の処理をただちに実行 できる状態にすることができる。
【0042】 また、上記排出口28aから排出される際、扉体30を開状態にすることによ り底板部30aが排出口28aから受け皿36までの間を下り勾配でつなぐ案内 通路30dとなるため、この案内通路30dにより炭化物45を確実に所定の案 内方向に排出することができ、炭化物45を受け皿36まで確実に導くことがで きる。このため、図14に示す排出口aから受け皿cに直接落下させる場合にお ける炭化物bの受け皿c外への飛散を確実に防止することができる。この場合、 特別な構成を追加することなく上記扉体30により炭化物を排出案内する案内通 路30dを形成することができ、しかも、上記扉体30を排出のために開状態に すれば同時に上記案内通路30dを自動的に形成することができるため、省部材 化、省力化を図ることができる。
【0043】 さらに、ドラム3での炭化処理中、上記扉体30は閉状態にされて排出口28 aが密閉されているため、上記炭化処理に伴い発生する乾留ガスや排煙などの外 部への漏出を確実に防止することができ、炭化装置の周囲の大気を清浄な状態に 保つことができる。
【0044】 なお、木材を炭材として用いた場合、本炭化装置により処理された木炭はアル カリ性であるため、粉炭状にして例えば土壌改良材などとして有効利用を図るこ とができる。
【0045】 なお、本考案は上記実施例に限定されるものではなく、その他種々の変形例を 包含するものである。すなわち、上記実施例では、排出口28aを下向きに開口 させて扉体30aを水平姿勢にすることにより閉状態となるように構成している が、これに限らず、例えば送給筒部33の先端面に横向きに開口する排出口を形 成し、扉体を垂直姿勢にすることによりその排出口が閉状態となるように構成し てもよい。
【0046】 上記実施例では、冷却水か霧状に噴霧されるようにノズル37を構成している が、これに限らず、例えば冷却水を散水するように構成してもよい。
【0047】 上記実施例では、ノズル37を送給筒部33の外部に配置しているが、これに 限らず、例えば上記排出口28aの近傍であって、送給筒部33の内部に配置し てもよい。
【0048】 上記実施例では、冷却液として水を用いているが、これに限らず、水以外の冷 却用の液体を用いてもよい。
【0049】 また、上記実施例では、円筒形の回転ドラムにより乾留炉を構成しているが、 これに限らず、乾留炉を例えば球形のものにより構成してもよく、また、非回転 のものに構成してもよい。
【0050】 さらに、上記実施例では、炭材として廃木材を用いているが、これに限らず、 例えば動植物など有機固体物ならなんでも用いることができる。
【0051】
【考案の効果】
以上説明したように、請求項1記載の考案における炭材の炭化装置によれば、 排出途上の高温に加熱された炭化物をノズルから散布される冷却液により冷却す るものであるため、自然放熱による冷却と比べて炭化物を確実にかつ迅速に冷却 することができる上、排出後に水浴させる場合や水中に浸漬する場合よりも排出 後の処理を行ないやすい状態にすることができる。しかも、従来の炭化装置にお ける冷却のための回転胴を省略することができ、装置をコンパクトにすることが できる。
【0052】 また、請求項2記載の考案によれば、案内通路により排出口から出た炭化物を 一定の案内方向に滑り落とすことができ、排出される炭化物を飛散させることな く、確実に炭化物の回収を行なうことができる。しかも、扉体を開状態にするこ とにより下り勾配の案内通路を自動的に形成することができ、省力化を図ること ができる。また、上記扉体を閉状態にすることにより排出口が密閉されるため、 炭化処理中に発生する乾留ガスや排煙などの外部への漏出を確実に防止すること ができ、大気汚染の防止を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の実施例を示す全体図である。
【図2】図1におけるドラムが傾斜状態での全体図であ
る。
【図3】図1のA−A線における一部省略拡大断面図で
ある。
【図4】供給部の拡大断面図である。
【図5】図4のB−B線における断面図である。
【図6】図4のC−C線における断面図である。
【図7】排出部の拡大断面図である。
【図8】冷却手段および扉体の斜視図である。
【図9】図7のD−D線における断面図である。
【図10】図7のE−E線における断面図である。
【図11】留め板の閉状態における炭化物の状態を示す
簡略図である。
【図12】留め板の開状態における炭化物の状態を示す
簡略図である。
【図13】留め板が中間移動位置にある定量排出状態に
おける炭化物の状態を示す簡略図である。
【図14】本考案の解決課題を示す乾留炉の排出部の断
面図である。
【符号の説明】
5 排出部 6 冷却手段 20 乾留炉 28a 排出口 30 扉体 30d 案内通路 37 ノズル 38 冷却水供給系(冷却液供給系) 45 炭化物
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 成定 俊昭 神奈川県横浜市鶴見区尻手3丁目2番43号 新明和工業株式会社特装車事業部内

Claims (2)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭材を炭化処理する乾留炉と、この乾留
    炉に接続されて乾留炉内の炭化物を排出する排出部と、
    この排出部に設けられて排出途上の炭化物を冷却する冷
    却手段とを備えており、 上記冷却手段は上記炭化物に向けて配置されて冷却液を
    散布するノズルと、このノズルに接続されて冷却液を供
    給する冷却液供給系とを備えていることを特徴とする炭
    材の炭化装置。
  2. 【請求項2】 排出部の排出口を覆う扉体であって、上
    記排出口を密閉する閉状態と、内面が上記排出口から下
    り勾配の案内通路を形成する開状態とに相互に位置変換
    可能に取付けられた扉体を備えており、 ノズルが上記開状態における案内通路と相対向して位置
    付けられている請求項1記載の炭材の炭化装置。
JP3105092U 1992-05-12 1992-05-12 炭材の炭化装置 Withdrawn JPH0589439U (ja)

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