JPH0588228U - 刈取結束機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 刈取装置の伝動系を簡単な構成とし、刈取装
置支持アームをワラ屑の堆積防止具に有効利用して、刈
取性能を良好な状態で維持できるものを提供する。 【構成】 刈取結束機において、刈取装置８を縦軸芯周
りで回転する円板形刈刃で構成するとともに、この刈取
装置８の回転支軸を支承する支持アーム２７を、この刈
取装置８の機体後方側に位置する伝動ケース１７から片
持ち状に延設し、かつ、この支持アーム２７を刈取装置
８の上部側に近接させて配設してある。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、茎稈引起し装置により引起しされた茎稈の株元を切断する刈取装置 を備え、刈取茎稈を機体横一側に配設した結束装置により結束して機体横外方に 放出するよう構成した刈取結束機に関する。

【０００２】

【従来の技術】

上記刈取結束機において、従来では、例えば実開平３−６７５１６号公報に示 されるように、前記刈取装置は、鋸歯状の固定刃に対して同様に鋸歯状の可動刃 を対向させて近接した状態で、可動刃を一定ピッチで往復横移動駆動して茎稈を 切断する、所謂バリカン型に構成されていた。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

上記従来構造は、機体の進行に伴って固定刃と可動刃との挟み込みにより確実 に茎稈を切断することができて刈取性能は良好であるけれども、一般に搭載エン ジンの出力は回転動力であるから、この出力を往復横移動運動に変換するための 複雑なクランク揺動機構が必要であるとともに、又、前記各刃は刈幅のほぼ全域 に亘る長い形状に設けられ、そのすぐ後方側には、結束装置に対する伝動機構を 内装した伝動ケースが配置されるから、長期間の使用によってこれらの間におい てクランク揺動機構等にワラ屑が引っ掛かり堆積したり、土塊が堆積したりして 刈取装置の円滑な作動を阻害してしまうことがあり、改善の余地があった。 本考案は上記不具合点を解消することを目的としている。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案の特徴構成は、冒頭に記載した刈取結束機において、前記刈取装置を縦 軸芯周りで回転する円板形刈刃で構成するとともに、この刈取装置の回転支軸を 支承する支持アームを、この刈取装置の機体後方側に位置する伝動ケースから片 持ち状に延設し、かつ、この支持アームを刈取装置の上部側に近接させて配設し てある点にある。

【０００５】

【作用】

刈取装置を縦軸芯周りで回転する円板形刈刃で構成するので、搭載エンジンの 出力をそのまま連結伝動すればよく回転駆動系だけで構成されるから、ワラ屑や 土等が引っ掛かり堆積するおそれが少なくなり、又、刈取装置を位置固定状態で 支持するために後方側伝動ケースから片持ち状に延設される支持アームが刈取装 置の上部側に近接状態で配設されるから、刈取装置の上部側においてワラ屑や土 塊等が堆積しかかった場合であっても、刈取装置の回転作動と近接する支持アー ム自身により、あるいは、この支持アームに取付けられるスクレーパにより、ワ 屑や土等が回転方向外方に移動案内され、刈取装置と伝動ケースとの間の空間か ら地面に落下放出される。

【０００６】

【考案の効果】

従って、刈取装置をワラ屑等の引っ掛かりの少ない簡単な伝動系で構成するこ とができるとともに、刈取装置を支持するための支持アームを、スクレーパとし て、あるいはスクレーパの取付部材として有効に利用することで、ワラ屑等の堆 積を有効に阻止することができ、しかも、支持アームを刈取装置に近接すること で刈取装置の位置ずれを効率よく抑制でき、刈取性能を長期に亘り良好な状態に 維持することができるものを提供できるに到った。

【０００７】

【実施例】

以下、実施例を図面に基いて説明する。 図３に１条刈り形式の刈取結束機を示している。この刈取結束機は、機体前部 に刈取前処理部１を備えるとともに、機体後部に原動部２を配備し、原動部２か ら斜め前方下方に延設した車輪ケース３に１個の推進車輪４を支承し、かつ、後 方上方に向けて操縦ハンドル５を延設して１輪歩行型に構成してある。

【０００８】 前記刈取前処理部１は、刈取対象穀稈〔茎稈の一例〕を分草案内する左右一対 の分草具６，６、倒伏穀稈を立姿勢に引起しする引起し装置７、縦軸芯周りで高 速回転して穀稈の株元を切断する円板型刈取装置８、刈取穀稈を集束して所定束 毎に結束して右側横外側方に放出する結束装置９、刈取茎稈の穂先側を機体横一 側に案内するガイド板等を備えて構成してある。 前記原動部２はエンジン１４とミッションケース１５とを一体的に連結してな り、ミッションケース１５からの動力は、前記車輪ケース３を介して推進車輪４ に伝えるとともに、可撓性の前後向き伝動軸１６を介して刈取前処理部１に伝え るよう伝動系を構成してある。前記伝動軸１６からの動力は、刈取前処理部１に おいて立設した伝動ケース１７内の縦軸１８を介して引起し装置７と結束装置９ 及び刈取装置８に夫々分岐して伝達するよう構成してある。つまり、図１に示す ように、縦軸１８の上部から引起し装置７の上部側駆動輪体１０を回動駆動する よう構成し、縦軸１８の下部から下部伝動ケース１９を介して結束装置９に動力 伝達するよう構成してある。 前記刈取装置８は、縦軸芯周りで回転駆動される円板形に構成され、刈り高さ を任意位置に変更調節できるよう構成してある。つまり、後述する可撓性伝動軸 ２０の軸端部に連結された軸部２１に刈刃支軸２２を螺合連結しロックナット２ ３で締め付け固定して螺合深さを変更調節して刈り高さを調節できるよう構成し てある。又、刈刃支軸２２には刈刃を固定するためのロックナット２４螺合用ネ ジ部２５を形成してある。このように構成することで、刈刃の交換も容易に行え ることになる。 刈取装置８に対する駆動系は、前記縦軸１８の途中部からベベルギア機構２６ 及び可撓性伝動軸２０を介して刈取装置８に伝達するよう構成してあり、可撓性 伝動軸２０の下端部を左側後方に位置する伝動ケース１７から片持ち状に延設し た支持アーム２７により支承してある。この支持アーム２７は刈取装置８のすぐ 上方側に近接した状態で配備してあり、刈取作業に伴って発生するワラ屑や土塊 等が刈取装置８の上方後方側に堆積しかかっても、刈取装置８の回転作動により 持ち回りながら、支持アーム２７により径方向外方に移動案内されて刈取装置８ と下部伝動ケース１９や伝動ケース１７との間の空間から地面に落下放出される よう構成してある（図２参照）。

【０００９】 〔別実施例〕 前記刈取装置８に対する伝動系は、図４に示すように、前記縦軸１８の上下途 中部からベベルギア機構２８及び伝動軸２９，３０、自在継手３１を介して駆動 するよう構成してもよく、図５に示すように、前記縦軸１８の下部から前記支持 アーム２７に内装したチェーン伝動機構３２を介して動力伝達するよう構成して もよい。又、前記支持アーム２７の下面側に刈取装置８に接触しながら堆積屑を 擦り落とす弾性材のスクレーパを取付けるようにしてもよい。

【００１０】 尚、実用新案登録請求の範囲の項に図面との対照を容易にするために符号を記 すが、該記入により本考案は添付図面の構成に限定されるものではない。

【図面の簡単な説明】

【図１】分岐伝動系を示す縦断側面図

【図２】刈取前処理部の平面図

【図３】刈取結束機の全体側面図

【図４】別実施例の伝動系を示す側面図

【図５】他の別実施例の伝動系を示す側面図

【符号の説明】

７ 引起し装置 ８ 刈取装置 ９ 結束装置 １７ 伝動ケース ２７ 支持アーム

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 茎稈引起し装置（７）により引起しされ
   た茎稈の株元を切断する刈取装置（８）を備え、刈取茎
   稈を機体横一側に配設した結束装置（９）により結束し
   て機体横外方に放出するよう構成した刈取結束機であっ
   て、前記刈取装置（８）を縦軸芯周りで回転する円板形
   刈刃で構成するとともに、この刈取装置（８）の回転支
   軸を支承する支持アーム（２７）を、この刈取装置
   （８）の機体後方側に位置する伝動ケース（１７）から
   片持ち状に延設し、かつ、この支持アーム（２７）を刈
   取装置（８）の上部側に近接させて配設してある刈取結
   束機。