JP3851622B2 - 馬鈴薯茎葉刈り取り装置 - Google Patents

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Description

本発明は、収穫前の馬鈴薯の茎葉を取り除く茎葉刈り取り装置に関する。
馬鈴薯の茎葉は収穫前に枯らし、馬鈴薯の表皮を硬くすることによって収穫時の損傷を軽減させる必要がある
従来は薬剤によって茎葉の枯化処理を行なっていたが、安全と環境の問題から機械力による処理に置き変りつつある。
ところで、馬鈴薯は収穫期まで生育すると茎葉が伸び一部は畝に倒伏した状態になる。このため、機械処理の最大の問題は倒伏した茎葉をいかにして処理するかにある。
馬鈴薯の茎葉を機械的に処理する装置としてはトラクタなどの牽引車後方に直結する直装式リーフチョッパーが知られているが、このものはトラクタの後方にチョッパー装置をマウントするため、トラクタの前輪で刈り取り処理前の倒伏した茎葉を踏みつけて畑面に押しつけてしまうため茎葉が未処理のまま残りやすいという問題があった。この場合、未処理の茎葉をなくすにはチョッパーの刈り取り高さを下げる必要があるが、そうするとチョッパーが畑面に作用して地中の馬鈴薯を傷つけてしまう。
トラクタ等自走車の前方にチョッパーを装備する自走式リーフチョッパーは自走車の前方で処理するため前記の問題は改善されるがチョッパーで茎葉を粉砕する構造のため大きな動力を必要としていた。さらに、自走式カッターも自走車の前方にカッターを装備するため適応性が良いが、畝の側方に倒伏した茎葉を刈り取ることができないので未処理の茎葉が残るという問題があった。
従って、本発明の目的は、畝の側方に倒伏した茎葉を切断するとともに、茎葉を根元から切断し、且つ、刈り取った茎葉が滞留しない茎葉刈り取り装置を提供することにある。
上記の目的を達成するために、本発明の茎葉刈り取り装置は、トラクタ等の自走車のフロントに連結部材を介して装備される支持フレームと、支持フレームの横メインフレームから畝の両側に延びる一対の前方たてフレーム先端に、回転駆動手段を介して装着された左右一対のアップカット式サイド切刃と、前記支持フレームから畝の上面に対向して延びる後方たてフレーム先端側に、回転駆動手段を介して装着された回転対向刃と、一対の前方たてフレーム間に介装した横軸に回転駆動手段を介して取り付けられた掻き込みロータと、前記サイド切刃、回転対向刃及び掻き込みロータを回転駆動させる駆動手段と、からなるユニットを具備することを特徴とする。
本発明はまた、前記アップカット式サイド切刃の内側面に、畝際の茎葉を上方へ引き起こす突起を設けるのが望ましい。
さらに、回転対向刃は畝の上面に対向して左右一対宛設け、好ましくは、左右一対の対向刃は前方から互いに内側へ回転するように配設する。
さらに好ましくは、回転対向刃は畝の対向面に対して前方へ下降傾斜状に取り付けるのが望ましい。
本発明の茎葉刈り取り装置は、トラクタの前方に装着した前方上向き回転の一対のサイド切刃で、畝の側方に倒伏した茎葉を刈り取り、畝の上面の茎葉を回転対向刃で刈り取るので未処理の茎葉が残りにくい。
サイド切刃の内側に突起を設けることにより、倒伏した茎葉が突起で引き起こされるので茎葉の刈り残しは一層少なくなる。
回転対向刃を、前方へ向けて下降傾斜させて取り付けることにより、茎の根元を生え際ぎりぎりのところで切断することができる。
左右の前方たてフレーム間に掻き込みロータを設けたことにより、切り取られた茎葉が後方へ送り出されるので、刃の回りに茎葉が溜まることがない。
以下、本発明を図面を参照して説明する。
本発明による馬鈴薯の茎葉刈り取り装置1はトラクタ2のフロント側に装備されるもので、左右のアーム3、シリンダ4などの連結部材を介してトラクタ2のフロントに連結される支持フレーム5を備えている。
支持フレーム5は上部に畑の畝7と直交する横方向のメインフレーム8を有し、このメインフレーム8には下方の畝の両側に延在する一対の前方たてフレーム9、9が所定間隔を設けて固定されており、この前方たてフレーム9、9の先端に動力で回転駆動するアップカット式のサイド切刃10、10が左右対をなして取り付けられている。ここで「アップカット式」とは、図の矢印のようにサイド切刃が前方で上向き回転することを意味する。
このサイド切刃10、10は主として畝7の側方に倒伏した馬鈴薯の茎葉を切断し、細分する働きをするものであるが、相対する一対のサイド切刃10、10は内側面に突起11を固定して、アップカット式サイド切刃10、10の回転により倒伏した畝側方の茎葉を上方へ引き起こすようにしてもよい。
さらに、前記メインフレーム8には前記前方たてフレーム9の後方の畝上面に延在する後方たてフレーム12が固定されており、この後方たてフレーム12内に同軸配置した回転駆動軸13の下端には畝7の上面に対向して配置され、図2の矢印方向へ回転駆動される回転対向刃14が取り付けられている。
この回転対向刃14は、馬鈴薯の茎葉6の茎を切断するための回転刃であり、好ましくは茎の根元ぎりぎりのところで切断するために図1〜4のように回転対向刃14を前方へ下降傾斜状にさせて配設する。
また、回転対向刃14は一本の畝に対して一個でもよいが、畝7の上面が左右に傾斜している場合や畝巾が広い場合は、図のように、後方たてフレーム12の回転対向刃14を左右一対に配置するのが望ましい。この場合は図2矢印のように、左右の回転対向刃14、14が前方から互いに内側へ回転するように配設する。
さらに、前記左右の前方たてフレーム9、9間に水平の回転駆動軸15が架設されており、この回転駆動軸15に、好ましくはゴムなどの可撓板材からなる掻き込みロータ16が取り付けられている。図の実施例の掻き込みロータ16は三枚の放射状羽根で構成されている。
また好ましくは、掻き込みロータ16は切刃10とは逆に放射状羽根が前方で下向き回転して、切刃10で切断した茎葉を後方へ送り出すようになっている。
図の実施例の刈り取り装置1は、前記サイド切刃10、10、回転対向刃14、14、掻き込みロータ16を有する二組のユニットを支持フレーム5のメインフレーム8に左右対で装備した場合を示している。
支持フレーム5はメインフレーム8の中央部に延びるステイ17を一体に有するとともに、アーム3、3により上下揺動可能にマウントされており、ステイ17とトラクタ2に連結したシリンダ4の伸縮で刈り取り装置1の連結軸を支点にして上下方向に回動できるようにしてある。
刈り取り装置1の各ユニットのサイド切刃10、10、回転対向刃14及び掻き込みロータ16は図のように動力源から歯車とチェーンを用いて回転力を伝達する方式でもよいが、油圧モータを用いて作動するようにしてもよい。
図の実施例ではトラクタ2のエンジンに連結して回転する回転駆動桿18の駆動力がL型ミッションのギア29、チェーン30などの伝動手段を介して回転駆動軸15に伝達され掻き込みロータ16を回転させる。回転駆動軸15の別のギア19がチェーン20を介して切刃10のギア21に係合し、切刃10を回転させる。この場合図の実施例では、切刃ギア21と回転駆動軸15のギア19は切刃10をアップカットに回転させ、掻き込みロータ16がこれと逆回転するように係合させてある。
ギア19と切刃ギア21を連動させるチェーン20にテンションギア22が介装されており、このテンションギア22は長孔取付孔23によって位置変動可能に取り付け、張力が調節されるようになっている。なお、切刃10の上方はカバー24で覆われている。
支持フレーム5には各種L型ミッション及び噛み合わせギアを内蔵したギアボックス25が固定されており、回転対向刃14を固定した後方たてフレーム12の回転駆動軸13はチェーン26で回転するようになっている。
なお、左右の回転駆動軸13は噛み合わせギア27を介して左右の回転対向刃14、14が図2の矢印のようにいずれも畝の内側に向けて回転するようにしてある。
なお、図中、符号7は畑の畝の概略を示し、符号28はトラクタ2の前輪の概略を示している。
次に本発明の作用を説明する。
畝7に沿ってトラクタ2が前進すると畝7の両側に倒伏した茎葉が前方たてフレーム9の左右切刃10の回転によって切断されるとともに、切刃10の内側突起11によって畝の上方へ引き上げられる。
他方、馬鈴薯の茎は、後方たてフレーム12の回転対向刃14によって根元ぎりぎりのところで切断され、切断された茎葉は前記倒伏された茎葉とともに後方へ送り出される。
かくして、畝の茎葉は刈り残されることなく機械力で処理される。
馬鈴薯畑の茎葉がトラクタの前方で刈り残されずに機械的に除されるので、薬剤による公害や環境汚染をなくして馬鈴薯収穫作業の効率化に貢献する。
本発明の馬鈴薯茎葉刈り取り装置の使用状態を示す斜視図 図1の要部拡大図 図1の側面概略図 図1の実施例による各部材の伝動系統図
符号の説明
1…刈り取り装置
2…トラクタ
3…アーム
4…シリンダ
5…支持フレーム
6…茎葉
7…畝
8…メインフレーム
9…前方たてフレーム
10…サイド切刃
11…突起
12…後方たてフレーム
13…回転駆動軸
14…回転対向刃
15…回転駆動軸
16…掻き込みロータ
17…ステイ
18…回転駆動桿
19、21、22、29…ギア
20、26、30…チェーン
23…長孔取付孔
24…カバー
25…ギアボックス
27…噛み合わせギア
28…前輪

Claims (4)

  1. トラクタ等の自走車のフロントに連結部材を介して装備される支持フレームと、支持フレームの横メインフレームから畝の両側に延びる一対の前方たてフレーム先端に、回転駆動手段を介して装着された左右一対のアップカット式サイド切刃と、前記支持フレームから畝の上面に対向して延びる後方たてフレーム先端側に、回転駆動手段を介して装着された回転対向刃と、一対の前方たてフレーム間に介装した横軸に回転駆動手段を介して取り付けられた掻き込みロータと、前記サイド切刃、回転対向刃及び掻き込みロータを回転駆動させる駆動手段と、からなるユニットを具備することを特徴とする馬鈴薯の茎葉刈り取り装置
  2. 前記アップカット式サイド切刃の内側面に、畝際の茎葉を上方へ引き起こす突起を設けたことを特徴とする請求項1記載の馬鈴薯の茎葉刈り取り装置
  3. 回転対向刃が畝の上面に対向して左右一対宛設けられており、左右一対の対向刃の前方から互いに内側へ回転するように配設されている請求項1又は2記載の馬鈴薯の茎葉刈り取り装置
  4. 回転対向刃を畝の対向面に対して前方へ下降傾斜状に取り付けたことを特徴とする請求項1、2又は3記載の馬鈴薯の茎葉刈り取り装置
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