JPH0587221A - 車両用無段自動変速機の減速比制御方法および減速比制御装置 - Google Patents

車両用無段自動変速機の減速比制御方法および減速比制御装置

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JPH0587221A
JPH0587221A JP13533891A JP13533891A JPH0587221A JP H0587221 A JPH0587221 A JP H0587221A JP 13533891 A JP13533891 A JP 13533891A JP 13533891 A JP13533891 A JP 13533891A JP H0587221 A JPH0587221 A JP H0587221A
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聡 山田
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史郎 榊原
Shoji Yokoyama
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 車両のエンジンブレーキ時にVベルト式無段
変速機を所定の減速比にダウンシフトさせる。 【構成】 Vベルト式無段変速機を備えた車両のスロツ
トル開度やブレーキ作動等の走行条件を検出し、電気制
御回路の論理手段によつて、ブレーキ作動信号が入力さ
れたとき、この信号入力を記憶させるとともにダウンシ
フト操作を開始し、前記ブレーキ作動信号入力が記憶さ
れ、かつスロツトル開度信号がスロツトル全閉を示す限
りダウンシフト操作を維持させ、スロツトル開度信号が
スロツトル全閉でないことを示したとき、ブレーキ作動
信号入力の記憶を消去してダウンシフト操作を解除す
る。 【効果】 車両の運転者が一旦ブレーキを踏むと減速比
制御機構は所定の減速比までのダウンシフト操作を開始
し、運転者がアクセルを踏まない限り無段変速機は所定
の減速比に維持されて、エンジンブレーキ状態を維持す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はVベルト式無段変速機を
用いた車両用無段自動変速機の減速比制御方法および減
速比制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】それぞれの入力軸および出力軸に設けら
れた入力プーリおよび出力プーリと、これら入力プーリ
および出力プーリ間を伝動するVベルトからなり、油圧
サーボにより前記Vベルトの実効径を増減することによ
り無段変速を行うVベルト式無段変速機を用いた車両用
無段自動変速機において、Vベルト式無段変速機の減速
比は入力プーリ回転数が燃費の点から好ましい回転数に
なるように制御される。上記のようにVベルト式無段変
速機の減速比を入力プーリ回転数が燃費の点から好まし
い回転数になるように制御すると、降り坂路において車
両を減速させるために運転者がアクセルを戻すと入力プ
ーリ回転数がエンジンのアイドリング回転数付近の小さ
な回転数になるように小さな減速比に制御され、この回
転数を維持できなくなるほど低い所定の車速になつたと
きからダウンシフトが開始されるようになる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】車両が所定車速以上の
速度での走行状態において降り坂路にさしかかつた場
合、駆動車輪側から変速機を介してエンジンを駆動する
エンジンブレーキを必要とする。この場合、降り坂路の
傾斜が緩やかであれば、降り坂路に進入した際の車速を
維持するように変速比の小なる状態での走行が好まし
く、降り坂路の傾斜が急なものであれば、車両の速度を
低下せしめて変速比の大なる状態での走行が好ましい。
しかしながらVベルト式無段変速機の減速比を入力プー
リ回転数が燃費の点から好ましい回転数になるように制
御していると前記エンジンブレーキ時の減速比の設定は
できない。本発明は車両のエンジンブレーキ時にVベル
ト式無段変速機を所定の減速比にダウンシフトさせるこ
とができ、降り坂路をエンジンブレーキにより円滑に走
行することを可能とする車両用無段自動変速機の減速比
制御方法および装置を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の車両用無段自動
変速機の減速比制御方法は、例えば図1ないし図4,図
5ないし図8,図18及び図27を参照して示すと、そ
れぞれ入力軸および出力軸に設けられた入力プーリ(52
0)および出力プーリ(560)と、これら入力プーリ(52
0)および出力プーリ(560)間を伝動するVベルト(58
0)とからなり、油圧サーボ(530,570)により前記Vベ
ルト(580)の実効径を増減することにより無段変速を
行うVベルト式無段変速機(500)を備えた車両用無段
自動変速機の減速比制御方法であつて、電気制御回路
(90)の車両走行条件検出手段(91,92,93,94,95)によ
つて車速、スロツトル開度、出力軸トルク、ブレーキ作
動等の車両走行条件を検出し、前記電気制御回路(90)
の論理手段(912)によつてこの検出信号に応じて油圧
制御回路の減速比制御機構(80)を制御する制御信号を
出力し、この制御信号に基づいて前記減速比制御機構
(80)が前記車両走行条件に応じて前記Vベルト式無段
変速機(500)の減速比を変化させるように前記油圧サ
ーボ(530)への作動油の供給および排出を制御するよ
うになつている車両用無段自動変速機の減速比制御方法
において、前記電気制御回路(90)は、ブレーキ作動信
号が入力されたとき該ブレーキ作動信号が入力したこと
を記憶(942)させるとともに、予め定めた入力プーリ
制御回転数RHをダウンシフト目標値として設定(94
3)し、車両の現在の入力プーリ回転数と比較(944)し
てダウンシフト操作が開始されるように前記減速比制御
機構(80)を制御し、これにより前記Vベルト式無段変
速機(500)がブレーキ作動後直ちにダウンシフトを開
始し、前記ブレーキ作動信号が入力したことの記憶(94
2)の存在下においてスロツトル開度が全閉であること
を示すスロツトル開度信号が入力されたとき、前記ダウ
ンシフト操作が維持されるように(950,952)前記減速
比制御機構(80)を制御し、さらにスロツトル開度が全
閉でないことを示すスロツトル開度信号が入力されたと
き前記ブレーキ作動信号が入力したことの記憶を消去
(950,962)するとともに、前記ダウンシフト操作を解
除するように前記減速比制御機構(80)を制御すること
を特徴としている。
【0005】また本発明の車両用無段自動変速機の減速
比制御装置は、それぞれ入力軸および出力軸に設けられ
た入力プーリ(520)および出力プーリ(560)と、これ
ら入力プーリ(520)および出力プーリ(560)間を伝動
するVベルト(580)とからなり、駆動手段(530,570)
によつて前記Vベルト(580)の実効径を増減すること
により無段変速を行うVベルト式無段変速機(500)
と、少なくともブレーキ作動状態およびスロツトル開度
を含む車両走行条件を検出する複数の検出手段(91,92,
93,94,95)、この検出手段(91,92,93,94,95)からの信
号を受けて車両のブレーキ装置の作動の有無を判別する
判別手段(941)、この判別手段(941)によつて前記ブ
レーキ装置作動なしと判別されたときに、最良燃費とな
る前記入力プーリの回転数が得られるように前記検出手
段(91,92,93,94,95)からの前記車両走行条件に応じて
変速目標値を設定する第1変速目標値設定手段(96
5)、前記判別手段(941)によつて前記ブレーキ装置作
動有りと判別されたときにこのブレーキ装置作動有りの
判別結果を記憶する記憶手段(942)、該記憶手段(94
2)にブレーキ装置作動有りの記憶が存在するとき、前
記入力プーリの回転数が所定値以上となるように前記変
速目標値を設定する第2変速目標値設定手段(943)
と、該設定された変速目標値と前記検出手段(91,92,9
3,94,95)によつて検出される前記車両走行条件とを比
較する判定手段(944)と、前記記憶手段(942)にブレ
ーキ装置作動有りの記憶が存在しかつスロツトル開度検
出手段(94)の検出したスロツトル開度信号がスロツト
ル全閉状態を示す信号であるとき、前記判定手段(94
4)に前記変速目標値と前記車両走行条件との比較を維
持させる手段(950,952)および前記スロツトル開度検
出手段(94)の検出したスロツトル開度信号がスロツト
ル全閉状態でないことを示す信号であるとき、前記記憶
手段(942)にブレーキ装置作動有りの記憶を消去する
手段(950,962)とを備えた制御回路(90)と、この制
御回路(90)の判定手段(944)による判定結果に応じ
て制御され、前記駆動手段(530)を制御することによ
り前記車両走行条件に応じて前記Vベルト式無段変速機
の減速比を変化させる減速比制御機構(80)とからなる
ことを特徴としている。
【0006】
【作用および発明の効果】本発明の車両用無段自動変速
機の減速比制御方法によれば、電気制御回路(90)は、
ブレーキの作動信号が入力したとき、油圧制御回路内の
減速比制御機構(80)にダウンシフトを開始させるよう
に出力し、これにより該減速比制御機構(80)は油圧サ
ーボ(530)への作動油の給排を制御し入力プーリ(52
0)および出力プーリ(560)の実効径を増減してVベル
ト式無段変速機(500)のダウンシフトをブレーキ作動
後直ちに開始させる。よつて運転者がブレーキ装置を一
旦作動させて車両速度を低下せしめた後、ブレーキ装置
を開放しスロツトル開度を全閉とした状態、即ち傾斜路
面を車両が下つており、エンジンブレーキ状態のとき
は、運転者のブレーキ操作により前記電気制御回路(9
0)にはブレーキ作動信号が入力したことが記憶(942)
されるとともに前記したように減速比制御機構(80)に
ダウンシフトを開始させるように出力するが、スロツト
ル開度が全閉であることを示すスロツトル開度信号が入
力している間は前記電気制御回路(90)はブレーキ作動
信号が入力したことの記憶を維持してダウンシフト操作
を維持し、次にスロツトル開度が全閉でないことを示す
スロツトル開度信号が前記電気制御回路(90)に入力し
たとき、前記ブレーキ作動信号が入力したことの記憶を
消去しダウンシフトを解除するから、前記車両の降坂状
態において運転者が一旦ブレーキ装置を操作し、その後
ブレーキ装置もアクセルペダルも操作せず、降坂後あら
ためてアクセルペダルを踏むまでの間は、車両のエンジ
ンブレーキ状態を極めて効果的に行なうことができる。
さらに前記制御方法において、前記電気制御回路(90)
にブレーキ作動信号が入力したときにおける車速に対応
したダウンシフト操作の目標とする入力プーリ制御回転
数を設定(972,982)し、車両の現在の入力プーリ回転
数を前記入力プーリ制御回転数と比較(944)して前記
設定した入力プーリ制御回転数に対応する減速比までダ
ウンシフトを行なわせるように(945,946,947)前記減
速比制御機構(80)を制御すると、車両の降坂時にブレ
ーキ作動時の車速に応じた減速比で坂路の傾斜度に応じ
たエンジンブレーキ状態を得ることができる。
【0007】また本発明の車両用無段自動変速機の減速
比制御装置によれば、運転者がブレーキ装置を作動して
いないときには、ブレーキ装置の作動状態を検出する検
出手段(95)からの信号を受けて車両のブレーキ装置の
作動の有無を判別する判別手段(941)が車両のブレー
キ装置の作動が無しと判別する。これにより第1変速目
標値(965)によつて、変速目標値が検出手段により検
出される車両走行条件に応じたVベルト式無段変速機
(500)の入力プーリ回転数が最良燃費の値となるよう
に設定される。そして、判定手段(944)によつて、設
定された変速目標値(N0)と検出手段によつて検出さ
れる車両走行条件(N)とが比較される。判定手段(94
4)による判定結果に応じて減速比制御機構(80)が駆
動手段を制御することにより、Vベルト式無段変速機
(500)は良好な燃費が得られる減速比に変速される。
しかも運転者がブレーキ装置を作動したときには車両の
ブレーキ装置の作動状態を検出する検出手段(95)から
の信号を受けて車両のブレーキ装置の作動の有無を判別
する判別手段(941)が車両のブレーキ装置の作動が有
りと判別する。これにより第2変速目標値設定手段(94
3)によつて変速目標値がVベルト式無段変速機(500)
の入力プーリ回転数が所定値以上となるように設定さ
れ、判定手段(944)によつて設定された変速目標値
(N0)と検出手段によつて検出される車両走行条件
(N)とが比較される。そして判定手段(944)による
判定結果に応じて減速比制御機構(80)が動作されVベ
ルト式無段変速機(500)の入力プーリ回転数が所定値
以上となる減速比に変速される。
【0008】前記制御装置においては、電気制御回路
(90)の記憶手段(942)は車両のブレーキ装置の作動
の有無を判別する判別手段(941)によつて判別された
ブレーキ装置有りの判別結果を記憶し、かつこの記憶は
スロツトル開度検出手段(94)が検出して前記電気制御
回路(90)に入力されるスロツトル開度信号がスロツト
ル全閉状態を示す信号である限り維持されて、判定手段
に第2変速目標値設定手段(943)により設定された変
速目標値と現在の車両走行条件との比較を継続させ、減
速比制御機構(80)のダウンシフト操作を制御し、スロ
ツトル開度検出手段(94)からスロツトル開度が全閉状
態でないことを示す信号が前記電気制御回路(90)に入
力されたときは、前記記憶手段(942)のブレーキ装置
作動有りの判別結果の記憶は消去されるから、車両の降
坂時に運転者が一旦ブレーキ装置を操作し、その後ブレ
ーキ装置を解放し、スロツトル開度を全閉状態に維持し
ている間は、降坂中の車両に大なる減速比でのエンジン
ブレーキを効かすことができ、かつ車両の降坂後に運転
者がアクセルペダルを踏むことにより、ダウンシフトを
解除することができる。なお、上記構成に付加した番号
は、理解を容易にするために図面と対比させるためのも
のであり、これにより構成が何ら限定されるものではな
い。
【0009】
【実施例】次に本発明を図に示す一実施例に基づき説明
する。図1ないし図4は車両用無段自動変速機を示す。
100はエンジンとの締結面100Aが開口しフルード
カツプリング、トルクコンバータなど流体継手が収納さ
れる流体継手ルーム110と、エンジンと反対側面が開
口し、デイフアレンシヤルギアが収納されると共に該デ
イフアレンシヤルギアの一方の出力軸を支持するデイフ
アレンシヤルルーム120、同様にエンジンと反対側が
開口し、アイドラギアが収納されると共にアイドラギア
の軸の一方を支持するアイドラギアルーム130を有す
るトルクコンバータケース、200はエンジン側が開口
しVベルト式無段変速機が収納されるトランスミツシヨ
ンルーム210、前記トルクコンバータケースのデイフ
アレンシヤルルームの開口面を蓋すると共にデイフアレ
ンシヤルの他の一方の出力軸を支持するデイフアレンシ
ヤルルーム220、および前記トルクコンバータケース
のアイドラギアルーム130のエンジン側と反対側部を
蓋するアイドラギアルーム230からなり、前記トルク
コンバータケースのエンジンと反対側面100Bにボル
トで締結されたトランスミツシヨンケースであり、前記
トルクコンバータケースおよび後記する中間ケースと共
に車両用無段自動変速機の外殻(ケース)をなす。30
0は流体継手とトランスミツシヨンとの間の伝動軸を軸
支するセンターケースであり、本実施例ではトランスミ
ツシヨンケース内に収納された状態でトルクコンバータ
ケースのエンジンと反対側面100Bにボルトで締結さ
れたセンターケースの構成を有する。自動変速機は本実
施例ではトルクコンバータケース100内に配されエン
ジンの出力軸に連結される公知のフルードカツプリング
400とトランスミツシヨンケース200内に設けられ
たトランスミツシヨンからなる。トランスミツシヨン
は、軸心が中空とされ、該中空部511が油圧サーボの
作動油、潤滑油の給排通路とされた入力軸510が前記
フルードカツプリング400と同軸心を有するよう配さ
れ、軸心が中空とされ、該中空部511が油圧サーボの
作動油などの給排通路とされた出力軸550が前記入力
軸510と平行して配されたVベルト式無段変速機50
0、該Vベルト式無段変速機の入力軸510とフルード
カツプリングの出力軸との間に配された遊星歯車変速機
構600、前記Vベルト式無段変速機500の入力軸5
10および出力軸550と平行的に配置されている出力
軸710が車軸に連結されたデイフアレンシヤル70
0、および該デイフアレンシヤル700の入力大歯車7
20と前記Vベルト式無段変速機500の前記出力軸5
50のエンジン側端部に備えられたVベルト式無段変速
機の出力ギア590との間に挿入され、前記出力軸55
0と平行して一端は前記トルクコンバータケースに軸支
され他端はインナーケースとされたセンターケース30
0に軸支されて設けられたアイドラギア軸801と、該
アイドラギア軸に設けられた入力歯車802および出力
歯車803とからなるアイドラギア800からなる。
【0010】Vベルト式無段変速機500および遊星歯
車変速機構600は車速スロツトル開度など車両走行条
件に応じて油圧制御装置により減速比、前進、後進など
所定の制御がなされる。104は、センターケースのエ
ンジン側(フルードカツプリング側)壁に締結され、内
部には前記フルードカツプリング400と一体の中空軸
410で駆動されるオイルポンプ106が収納されてい
るオイルポンプカバーである。フルードカツプリング4
00の出力軸420は、センターケース300の中心に
嵌着されたスリーブ310にメタルベアリング320を
介して回転自在に支持され、エンジン側端にはロンクア
ツプクラツチ430のハブ440と、フルードカツプリ
ングのタービン450のハブ460とがスプライン嵌合
され、他端は段状に大径化されている。該大径部は遊星
歯車変速機構600の入力軸601となり、ベアリング
330を介してセンターケース300に支持されてい
る。前記フルードカツプリングの出力軸420および遊
星歯車変速機構の入力軸601は中空に形成され、該中
空部は油路421が設けられると共に栓が嵌着され、さ
らに前記Vベルト式無段変速機の入力軸510に固着さ
れたスリーブ422のエンジン側端部が回転自在に嵌め
込まれている。遊星歯車変速機構600は、前記フルー
ドカツプリング400の出力軸420と一体の入力軸6
01に連結されると共に、多板クラツチ630を介して
後記するVベルト式無段変速機の固定フランジに連結さ
れたキヤリヤ620、多板ブレーキ650を介してセン
ターケース300に係合されたリングギア660、Vベ
ルト式無段変速機の入力軸510と一体に形成されてい
る遊星歯車変速機構の出力軸610外周に設けられたサ
ンギア670、前記キヤリヤ620に軸支され、サンギ
ア670とリングギア660とに歯合したプラネタリギ
ア640、前記センターケース300壁に形成され前記
多板ブレーキ650を作動させる油圧サーボ680、前
記固定フランジ壁に形成され前記多板クラツチ630を
作動させる油圧サーボ690とからなる。
【0011】Vベルト式無段変速機500は、遊星歯車
変速機構600の出力軸610と一体の入力軸510に
一体に形成された固定フランジ520A、および油圧サ
ーボ530により前記固定フランジ520A方向に駆動
される可動フランジ520Bからなる入力プーリ520
と、前記Vベルト式無段変速機の出力軸550と一体に
形成された固定フランジ560A、および該油圧サーボ
570により固定フランジ560A方向に駆動される可
動フランジ560Bからなる出力プーリ560と、入力
プーリ520と出力プーリ560との間を伝動するVベ
ルト580とからなる。Vベルト式無段変速機の入力軸
510は、遊星歯車機構の出力軸610となつているエ
ンジン側端510Aがベアリング340を介して前記遊
星歯車機構の入力軸601に支持され、該入力軸601
およびベアリング330を介してセンターケース300
に支持されており、他端510Bはベアリング350を
介してトランスミツシヨンケースのエンジンと反対側壁
250に支持され、さらにその先端面510Cは前記側
壁250に締結された蓋260にニードル(ローラー)
ベアリング270を介して当接されている。Vベルト式
無段変速機の入力軸510の軸心に形成された中空部5
11には、エンジン側部に前記スリーブ422が嵌着さ
れ、エンジン側部511Aはセンターケース300、油
路301を介し前記油路421から供給された油圧を固
定フランジ520Aの基部に形成された油路513を介
して油圧サーボ690に油圧を供給する油路とされ、そ
の反対側部511Bは、先端が前記トランスミツシヨン
ケースの側壁250の入力軸510の対応部に形成され
た穴250Aを塞ぐよう蓋着された蓋260のパイプ状
突出部261と嵌合され、該蓋260を含むトランスミ
ツシヨンケース200に形成され、全空間が油圧制御装
置と連絡する油路514から前記蓋260の突出部26
1を介して供給された圧油が油圧サーボ530へ供給さ
れるための油路として作用している。出力ギア590
は、中空の支軸591と一体に形成され、該支軸591
はエンジン側端591Aが一方の支点を形成するローラ
ーベアリング592を介してトルクコンバータケースの
側壁に支持され、他端591Bはローラーベアリング5
93を介してセンターケース300に支持され、さらに
出力ギア590のエンジン側側面590Aは中間支点を
形成するニードルベアリング594を介して前記トルク
コンバータケースの側壁に当接され、該出力ギアの反対
側側面590Bはニードルベアリング595を介してセ
ンターケース300の側面に当接され、さらに支軸59
1のトランスミツシヨン側にはインナスプライン596
が形成されている。
【0012】Vベルト式無段変速機の出力軸550は、
エンジン側端には前記出力ギアの支軸591に形成され
たインナスプライン596に嵌合するアウタスプライン
550Aが形成され、スプライン嵌合により出力ギアの
支軸591を介してセンターケース300に支持され、
他端550Bは他方の支点を形成するボールベアリング
920を介してトランスミツシヨンケースのエンジン反
対側壁250に支持されている。このVベルト式無段変
速機の出力軸550の軸心に形成された油路551には
中間部にセンシングバルブボデイ552が嵌着され、該
バルブボデイ552のエンジン側部552Aはトランス
ミツシヨンケースに形成され油圧制御装置と連絡する油
路140から供給された油圧が前記油圧サーボ570に
導かれる油路とされ、前記バルブボデイ552のエンジ
ンと反対側部552Bは、先端が前記トランスミツシヨ
ンケースの側壁250の出力軸550との対応部に形成
される穴250Bを塞ぐよう蓋着された蓋553のパイ
プ状突出部554と嵌合されトランスミツシヨンケース
および該トランスミツシヨンケースに締結された蓋55
3に形成され油圧制御装置から可動フランジ560Bの
変位位置を検出するセンシングバルブボデイ552内の
減速比検出弁50により油圧が調整される油路3となつ
ている。減速比検出弁50は、検出棒51の図示右端に
取り付けられた係合ピン51Aが可動フランジ560B
の内周に形成された段部561に係合され、可動フラン
ジ560Bの変位に伴うスプールの変位により油路3の
油圧を調整する。
【0013】図5ないし図8は図1ないし図4に示した
車両用無段変速機を制御する油圧制御装置を示す。21
は油溜め、20はエンジンにより駆動され、前記油溜め
21から吸入した作動油を油路1に吐出するオイルポン
プ、30は入力油圧に応じて油路1の油圧を調整し、ラ
イン圧とする調整弁、40は油路1から供給されたライ
ン圧をスロツトル開度に応じて調圧し、油路2から第1
スロツトル圧として出力し、油路3からオリフイス22
を介して供給された前記減速比検出弁50の出力する減
速比圧をスロツトル開度が設定値θ以上のとき油路3a
から第2スロツトル圧として出力するスロツトル弁、5
0は油路1とオリフイス23とを介して連絡する油路3
の油圧をVベルト式無段変速機の出力側プーリの可動フ
ランジ560Bの変位量に応じて調圧する前記減速比検
出弁、60は油路1とオリフイス24を介して連絡する
とともに調圧弁30からの余剰油が排出される油路4の
油圧を調圧するとともに余剰油を油路5から潤滑油とし
て無段自動変速機の潤滑必要部へ供給する第2調圧弁、
65は運転度に設けられたシフトレバーにより作動さ
れ、油路1のライン圧を運転者の操作に応じて分配する
マニユアル弁、70は入力に応じて油路4の油圧を流体
継手400に供給し、ロツクアツプクラツチ430の係
合および解放を司るロツクアツプ制御機構、80は入力
に応じて油路1と大径のオリフイス25を介して連絡す
る油路1aの油圧を油路1bから入力側プーリの油圧サ
ーボ530へ出力するVベルト式無段変速機500の減
速比(トルク比)制御機構、10はマニユアル弁65が
Lレンジにシフトされたとき油路1に連絡する油路1c
に設けられ、ライン圧を調圧してローモジユレータ圧と
して油路2に供給するローモジユレータ弁、12はオイ
ルクーラー油路11に設けられたリリーフ弁、25は油
路1に設けられたリリーフ弁、26は遊星歯車変速機構
300の多板ブレーキの油圧サーボ680へのライン圧
供給油路6に設けられたチエツク弁付流量制御弁、27
は遊星歯車変速機構300の多板クラツチの油圧サーボ
690へのライン圧供給油路7に設けられたチエツク弁
付流量制御弁である。
【0014】油圧調整装置は、上記調圧弁30、スロツ
トル弁40および、減速比検出弁50で構成される。減
速比検出弁50は、一端にVベルト式無段変速機の出力
側プーリの可動フランジ560Bと係合する係合ピン5
1Aが固着され、他端にスプリング52が背設された検
出棒51、該検出棒51とスプリング53を介して直列
的に配されランド54Aおよび54Bを有するスプール
54、油路3と連絡するポート55、ドレインポート5
6、スプール54に設けられたポート55とランド54
Aと54Bとの間の油室54aとを連絡する油路57と
を有し、可動フランジ560Bの変位に応じて図9に示
すごとき油圧Piを油路3に発生させる。スロツトル弁
40は、運転席のアクセルペダルにリンクされたスロツ
トルカム41に接触して変位されるスロツトルプランジ
ヤ42、該スロツトルプランジヤ42とスプリング43
とを介して直列されたスプール44を備え、スロツトル
開度θの増大に応じてプランジヤ42およびスプール4
4は図示右方に変位される。プランジヤ42はスロツト
ル開度θが設定値θ1以上(θ>θ1)となつたとき油
路3と油路3aとを連絡して油路3aに前記減速比圧に
等しい第2スロツトル圧を生ぜしめ、θ<θ1のとき、
ドレインポート40aから油路3aの油圧を排圧させ油
路3aに図4に示す如く第2スロツトル弁Pjを発生さ
せる。スプール44はスプリング43を介してスロツト
ルカムの動きが伝えられ該スロツトル開度とオリフイス
45を介してランド44aにフイードバツクされた油路
2の油圧により変位され油路1と油路2の連通面積を変
化させて油路2に生ずるスロツトル圧Pthを図11お
よび図12の如く調圧する。調圧弁30は、一方(図示
左方)にスプリング31が背設され、ランド32A,3
2B,32Cを備えたスプール32、前記スプール32
に直列して背設され、小径のランド33Aと大径のラン
ド33Bとを備えた第1のレギユレータプランジヤ3
3、該プランジヤ33に当接して直列的に配された第2
のレギユレータプランジヤ34を有し、油路1と連絡す
るポート34a、オリフイス35を介してライン圧がフ
イードバツクされるポート34b、ドレインポート34
c、余剰油を油路4に排出させるポート34d、ランド
と弁壁との間からの洩れ油を排出するドレインポート3
4e、油路3から減速比圧が入力される入力ポート34
f、油路2から第1スロツトル圧が入力される入力ポー
ト34g、油路3aから第2スロツトル圧が入力される
入力ポート34hとからなる。ローモジユレータ弁10
は、マニユアル弁65がLレンジに設定されたときスロ
ツトル開度に依存しない図13に示すローモジユレータ
圧Plowを出力する。ここでローモジユレータ弁及び
スロツトル弁はいずれも調圧のための排圧油路を持た
ず、スロツトル圧Pthが減速比制御機構80から常時
排圧されていることを利用して調圧する構成としてお
り、また、これらの両弁は並列的に配置されている。従
つてLレンジでは油路2に、図14のごときPlow及
びPthのうち大きい方の油圧が発生することになる。
従つて図15に示す如くLレンジ低スロツトル開度にお
けるライン圧PLがDレンジの場合より上昇する。
【0015】この調圧弁30は、ポート34fから入力
され第2プランジヤ34に印加される減速比圧、ポート
34gから入力され第1プランジヤ33のランド33B
に印加される第1スロツトル圧、ポート34hから入力
され第1プランジヤ33のランド33Aに印加される第
2スロツトル圧、スプリング31およびオリフイス35
を介して油路1と連絡されたポート34bからスプール
のランド32cにフイードバツクされるライン圧とによ
りスプール42が変位され油路1に連絡するポート34
a、油路4に連絡するポート34dおよびドレインポー
ト34cの開口面積を調整して油路1の圧油の洩れ量を
増減させ図15、図16、および図17に示すライン圧
PLを生じさせる。Lレンジでは強力なエンジンブレー
キを得るためにダウンシフトさせる必要がある。Vベル
ト式無段変速機ではダウンシフト時には入力側プーリの
油圧サーボ530への油路を排圧油路と連絡することに
より、サーボ油室内の油を排油して、ダウンシフトを実
現する。しかし、強力なエンジンブレーキを得るために
はプライマリシーブを高回転で回すことになるが、その
回転により発生する遠心力による油圧で排油が妨げられ
る場合がある。従つて迅速なダウンシフトが必要な場合
には出力側プーリの油圧サーボ570に加える油圧を通
常より高くする必要があり、特にスロツトル開度が低い
場合には重要である。その為にLレンジではローモジユ
レータ弁によつてスロツトル開度θが小さい時のスロツ
トル圧Pthを増加させ、ライン圧PL(ライン圧=出
力側プーリの油圧サーボ供給圧)を増加させている。マ
ニユアル弁65は、運転席に設けられたシフトレバーで
動かされ、P(パーク)、R(リバース)、N(ニユー
トラル)、D(ドライブ)、L(ロー)の各シフト位置
に設定されるスプール66を有し、各シフト位置に設定
されたとき油路1、または油路2と、油路1c、油路
6、油路7とを表1に示す如く連絡する。
【表1】 表1において○は油路1との連絡、△は油路2との連
絡、−は油路の閉塞、×は排圧を示す。この表1に示す
如くRレンジでは遊星歯車変速機構のブレーキ680に
ライン圧が供給され、DレンジおよびLレンジではクラ
ツチ690に油路2のスロツトル圧(またはローモジユ
レータ圧)が供給され前進後進の切換えがなされる。
【0016】第2調圧弁60は一方にスプリング61が
背設されランド62A,62B,62Cを備えたスプー
ル62を有し、スプール62はスプリング61のばね荷
重とオリフイス63を介してランド62Aに印加される
油圧により変位して油路4と油路5とおよびドレインポ
ート60Aの流通抵抗を変化させ油路4の油圧を調圧す
ると共に油路5から潤滑必要部へ潤滑油を供給し余つた
作動油はドレインポート60Aからドレインさせる。減
速比制御機構80は、減速比制御弁81、オリフイス8
2と83、アツプシフト用電磁ソレノイド弁84、及び
ダウンシフト用電磁ソレノイド弁85からなる。減速比
制御弁81は第1のランド812Aと第2のランド81
2Bと第3のランド812Cとを有し、一方のランド8
12Cにスプリング811が背設されたスプール81
2、それぞれオリフイス82及び83を介して油路2か
らスロツトル圧またはローモジユレータ圧が供給される
両側端の側端油室815及び816、ランド812Bと
ランド812Cとの間の中間油室810、油室815と
油室810を連絡する油路2A、ライン圧が供給される
油路1と連絡すると共に、スプール812の移動に応じ
て開口面積が増減する入力ポート817およびVベルト
式無段変速機500の入力プーリ520の油圧サーボ5
30に油路1bを介して連絡する出力ポート818が設
けられた調圧油室819、スプール812の移動に応じ
て油室819を排圧するドレインポート814、および
スプール812の移動に応じて油室810および油室8
15を排圧するドレインポート813を備える。アツプ
シフト用電磁ソレノイド弁84とダウンシフト用電磁ソ
レノイド弁85とは、それぞれ減速比制御弁81の油室
815と油室816とに取り付けられ、双方とも後記す
る電気制御回路の出力で作動されそれぞれ油室815お
よび油室810と油室816とを排圧する。ロツクアツ
プ制御機構70は、ロツクアツプ制御弁71と、オリフ
イス77と、該オリフイス77を介して前記油路4に連
絡する油路4aの油圧を制御する電磁ソレノイド弁76
とからなる。ロツクアツプ制御弁71は、一方(図示右
方)にスプリング72が背設され、同一径のランド73
A,73B,73Cを備えたスプール73および該スプ
ール73に直列して設けられた他方(図示左方)にスプ
リング74が背設された前記スプール73のランドより
大径のスリーブ75とを有し、一方から油路4に連絡し
た入力ポート71Aを介してランド73Cに印加される
油路4の油圧P4と、スプリング72のばね荷重Fs1
とを受け、他方からはスリーブ75にソレノイド弁76
により制御される油路4aのソレノイド圧Psまたはポ
ート71Dを介してランド73Aに印加されるロツクア
ツプクラツチ430の解放側油路8の油圧P8と前記ス
プリング74によるばね荷重Fs2とを受けてスプール
73が変位され、油路4と前記解放側油路8またはロツ
クアツプクラツチ430の係合側油路9との連絡を制御
する。ソレノイド弁76が通電されてONとなつている
とき、油路4aの油圧は排圧されてスプール73は図示
左方に固定され、油路4と油路9とが連絡し、作動油は
油路9→ロツクアツプクラツチ430→油路8→ドレイ
ンポート71Cの順で流れ、ロツクアツプクラツチ43
0は係合状態にある。ソレノイド弁76が非通電され弁
口が閉じている(OFF)ときは、油路4aの油圧は保
持されスプール73は図示右方に固定され、油路4は油
路8と連絡し、作動油は油路8→ロツクアツプクラツチ
430→油路9→オイルクーラへの連絡油路11の順で
流れ、ロツクアツプクラツチ430は解放されている。
【0017】図18は図5ないし図8に示した油圧制御
装置におけるロツクアツプクラツチ制御機構70の電磁
ソレノイド弁76、減速比制御機構80のアツプシフト
用電磁ソレノイド弁84およびダウンシフト用電磁ソレ
ノイド弁85を制御する電気制御回路90の構成を示
す。91はシフトレバーP,R,N,D,Lのどの位置
にシフトされているかを検出するシフトレバースイツ
チ、92は入力プーリAの回転速度を検出する回転速度
センサ、93は車速センサ、94はエンジンのスロツト
ル開度を検出するスロツトルセンサ、95はブレーキが
作動したときONするブレーキスイツチ、96は回転速
度センサ92の出力を電圧に変換するスピード検出処理
回路、97は車速センサ93の出力を電圧に変換する車
速検出回路、98はスロツトルセンサ94の出力を電圧
に変換するスロツトル開度検出処理回路、907〜91
1は各センサの入力インターフエイス、912は中央処
理装置(CPU)、913は電磁ソレノイド弁76,8
4,85を制御するプログラムおよび制御に必要なデー
タを格納してあるリードオンリメモリ(ROM)、91
4は入力データおよび制御に必要なパラメータを一時的
に格納するランダムアクセスメモリ(RAM)、915
はクロツク、916は出力インターフエイス、917は
ソレノイド出力ドライバであり出力インターフエイス9
16の出力をダウンシフト電磁ソレノイド弁85、アツ
プシフト電磁ソレノイド弁84およびロツクアツプコン
トロールソレノイド76の作動出力に変える。入力イン
ターフエイス908〜911とCPU912,ROM9
13,RAM914,出力インターフエイス916との
間はデータバス918とアドレスバス919とで連絡さ
れている。
【0018】次に電気制御回路90により制御される減
速比制御機構80の作動を図19〜図32により説明す
る。車両用無段自動変速機は、通常の走行では電気制御
回路90により、各スロツトル開度θにおいて最良燃費
となるようVベルト式無段変速機の減速比(トルク比)
を制御し、入力側プーリ回転数Nを決定するいわゆる最
良燃費制御が行われる。減速比制御機構80の制御は、
最良燃費入力プーリ回転数と、実際の入力プーリ回転数
Nとを比較することにより、入出力プーリ間の変速比の
増減を減速比制御機構80に設けた2個の電磁ソレノイ
ド弁84および85の作用により行い、実際の入力プー
リ回転数Nを最良燃費入力プーリ回転数に一致させるよ
うになされる。すなわち、フルードカツプリング出力軸
における等燃費率曲線(図19)と、フルードカツプリ
ング出力軸における等馬力曲線(図20)とから、最良
燃費フルードカツプリング出力線が得られる(図2
1)。この最良燃費フルードカツプリング出力線と、各
スロツトル開度θにおけるエンジン+フルードカツプリ
ング総合出力性能(図22)を組み合わせることによつ
て、各スロツトル開度θにおける最良燃費フルードカツ
プリング出力回転数(図23)が求められる。各スロツ
トル開度に対して、この最良燃費フルードカツプリング
出力回転数になるように、変速比を制御すれば、最良燃
費制御ができる。従来、スロツトル開度が全閉時も、こ
の最良燃費制御を行つていた。しかし、急ブレーキをか
けたとき、ダウンシフトが追いつかない為、車両が停止
しても、ダウンシフトが完了していない場合が生じ、従
つてその直後に発進しようとしてアクセルを踏み込む
と、急激にダウンシフトし、ベルトがすべつてスムーズ
に再発進できないという問題点があつた。この問題を解
消するには速いダウンシフトを行えばよいが、ダウンシ
フトの完了する時間(プーリーを走行中のある減速比位
置から最大減速位置まで移動させるのに必要な時間)を
極端に短くするのは技術的に困難である。しかるに上記
の如く最良燃費制御を行つた場合、ブレーキをかけても
すぐにはダウンシフトの開始がなされず、そのときの入
力プーリの回転数がスロツトル全閉のとき最良燃費とな
るような入力プーリの回転数より高ければ、逆にアツプ
シフトする。そして、車速が低下してきて最良燃費とな
る入力プーリの回転数より、実際の入力プーリの回転数
が低くなるのを電気制御回路が検出してはじめてダウン
シフト信号がでる。従つて、もつと早い時期からダウン
シフトを開始させれば、急ブレーキをかけた場合でも、
停止までにより多くダウンシフトさせることができる。
そこで、スロツトル開度が全閉になつたとき、すぐに電
気制御回路にダウンシフト信号を出させ油圧制御回路に
ダウンシフトを開始させる方法が考えられる。しかし、
この方法では、例えば高速でスロツトル全閉にすると強
いエンジンブレーキがかかつてしまい、運転のフイーリ
ング上好ましくない。また高速で走行中は、アクセルを
放しスロツトル開度θ=0で走行しても、そのまま車両
を惰行させる場合が多いし、ブレーキをかけても、停止
するまでに十分に時間があるので、Vベルト式無段変速
機のダウンシフトの完了は余裕を持つて達成でき、それ
ほど速いダウンシフトは必要でない。
【0019】そこで、第1の車両用無段自動変速機の減
速比制御方法としてまず制御装置がブレーキ信号を検出
できるようにし、ブレーキが踏まれたら直ちにダウンシ
フトを開始させるようにする。こうすれば前記の問題点
はほぼ解決され、さらにブレーキが踏まれた後、スロツ
トル開度θ=0のときブレーキを放してもダウンシフト
状態を継続させ、降坂時のエンジンブレーキを得ること
ができる。しかしながら、ブレーキを踏んでから停止す
るまでの時間は、車速が遅いほど短いので、急ブレーキ
をかけた場合、ブレーキ信号の検出だけではシフトダウ
ンが間に合わないことがある。従つて、第2の車両用無
段自動変速機の減速比制御方法としてさらに車速を検出
できるようにし、車速が遅いほどダウン側へシフトさせ
ておく。そうすれば、ブレーキを踏んだ場合、車速が遅
いほど少ないシフト幅で、即ち短い時間でダウンシフト
を完了させることができる。また高速でアクセルを放し
た場合は、エンジンブレーキのかかり具合を少なくで
き、運転フイーリングを向上させることができる。図2
5にVベルト式無段変速機の制御回路のブロツク図を示
す。シフトレバーのシフト位置、入力プーリ回転数N、
車速V、スロツトル開度θ、ブレーキ信号を入力し、ア
ツプシフト用電磁ソレノイドがダウンシフト用電磁ソレ
ノイドをONまたはOFFさせることで、変速ギア比を
制御する。スロツトルセンサ904によりスロツトル開
度θの読み込み921を行つた後、入力プーリ回転速度
センサ92および車速センサ93で入力プーリ回転速度
および車速の読み込み922を行い、次にブレーキスイ
ツチ95でブレーキ信号の読み込み923を行い、さら
にシフトレバースイツチでシフト位置の読み込み924
を行う。これらの情報を読み込んだ後シフトレバースイ
ツチ901によりシフトレバー位置の判別925を行
い、P,N処理のサブルーチン930、L,D処理のサ
ブルーチン940またはR処理のサブルーチン960へ
進む。図26〜図29は図25に示した制御回路のフロ
ーチヤートを示し、図30は作動説明のためのグラフを
示す。 イ)シフトレバーがP位置またはN位置に設定されてい
る場合。図26に示すP位置およびN位置処理サブルー
チン930によりアツプシフト用電磁ソレノイド弁84
およびダウンシフト用電磁ソレノイド弁85の双方をO
FFし(931)、PまたはN状態をRAM914に記
憶せしめる(932)。これにより入力プーリ520の
ニユートラル状態が得られる。 ロ)シフトレバーがL位置またはD位置に設定されてい
る場合。第1の車両用無段自動変速機の減速比制御方法
によればL位置およびD位置処理940のサブルーチン
によりアツプシフト用電磁ソレノイド弁84およびダウ
ンシフト用電磁ソレノイド弁85を図27に示すフロー
チヤートの如く制御する。 ブレーキが踏み込まれていなくて、スロツトルが全閉で
なく、シフトレバーがD位置であれば、最良燃費制御を
行う。この場合、図23の最良燃費制御線を、ROM9
13内にはテーブルの形で入れておき、スロツトル開度
に対する入力プーリ回転数をテーブルから引いてきて、
該入力プーリ回転数を入力プーリ制御回転数として制御
を行う。即ち、入力プーリ回転数Nが入力プーリ制御回
転数Ncより大きければアツプシフト用電磁ソレノイド
弁84をONにし、逆に制御回転数より小さければダウ
ンシフト用電磁ソレノイド弁85をONにし、制御回転
数に等しければ、両ソレノイド弁をOFFにする。まず
ブレーキ信号の有無の判別941を行う。ブレーキ信号
がある(ON)ときはブレーキフラツグのON942を
行い、入力プーリ制御回転数をRHに設定(943)
し、次に現在の入力プーリ回転数Nと入力プーリ制御回
転数Ncとを比較(944)し、N>Ncのときはアツ
プシフト用電磁ソレノイド84をON(945)させ、
N<Ncのときはダウンシフト用電磁ソレノイド85を
ON(946)、N=Ncのときは両ソレノイド弁84
および85をともにOFF(947)させる。ブレーキ
信号がない(OFF)とき、スロツトル開度θが0か否
かの判別(950)を行いθ=0のとき、ブレーキフラ
ツグがONかOFFかの判別(952)をし、ブレーキ
フラツグがONのときは入力プーリ制御回転数をRHに
設定(943)する。ブレーキフラツグOFFのときは
現在の車速Vと設定車速VLおよびVH(VL<VH)
との関係の判別(954)を行い、V<VLのときは入
力プーリ制御回転数をRMに設定(956)し、現在の
入力プーリ回転数Nと入力プーリ制御回転数Ncとの比
較944へ進む。またVH>V≧VLのときは入力プー
リ制御回転数をRL(RL<RM<RH)に設定し、現
在の入力プーリ回転数Nと入力プーリ制御回転数Ncと
の比較944を行う。ブレーキも作動せず、スロツトル
開度θ≠0のときは最良燃費制御を行う。即ちスロツト
ル開度θが0か否かの判別950においてθ≠0のとき
ブレーキフラツグのOFF962を行つた後、車速Vと
設定車速VLおよびVHとの関係の判別954において
V≧VHのときは直接、シフトレバーの設定位置がLレ
ンジかまたはDレンジかの判別964を行い、Dレンジ
のときはROM913内のDレンジテーブルより最良燃
費となるようにスロツトル開度θに対応する入力プーリ
制御回転数Ncを設定(965)し、Lレンジのときは
ROM913内のLレンジテーブルよりデータを入力し
スロツトル開度θに対応する入力プーリ制御回転数Nc
を設定(966)し、いずれの場合も現在の入力プーリ
回転数Nと入力プーリ制御回転数Ncとの比較944へ
進む。
【0020】シフトレバーがL位置に設定された場合も
制御方法は同じであるが、スロツトル開度θに対する入
力プーリ制御回転数Ncが、最良燃費制御(シフトレバ
ーD位置)の場合により、一般に高い回転数(例えば、
最速加速制御回転数)にセツトする。スロツトル開度θ
が全閉であつても、車速がVH以上であれば同様の制御
を行う。スロツトル開度θが全閉(θ=0)で車速がV
H以下のときは、入力プーリ制御回転数をRL(シフト
レバーがL位置でスロツトル開度θが全閉、車速VHの
ときの制御回転数Nc以上の回転数)にセツトする。さ
らに、車速がVM(VM<VH)以下になれば、入力プ
ーリ制御回転数NcはRM(RM>RL)にセツトされ
る。またブレーキが踏まれた場合には、車速に関係な
く、入力プーリ制御回転数NcはRH(RH>RM)に
セツトされる。この状態は、ブレーキが放されても、維
持され、アクセルを踏み込むことによつて解除される。
このように、スロツトル開度θが全閉のとき、入力プー
リの回転数は車速に応じて3段階に制御されるが、プロ
グラムを変更すれば、任意の段数で制御できる。
【0021】図28は任意の段数で制御する場合のプロ
グラムのフローチヤートである。スロツトル開度θが全
閉でないときは、図26の制御と同じであるが、スロツ
トル開度θが全閉のときは、図24の入力プーリ回転数
制御線に従つて、車速に対応する入力プーリの回転数に
制御(971,972)する。このとき、図24の制御
線は、最良燃費制御線と同様に、テーブルの形でメモリ
内に入れておき、車速に対応する回転数をテーブルから
引いてきて制御を行う。この方法であれば、シフト段数
を増やしたり、シフトポイントを変えるのに、テーブル
を変えれば、プログラムはほとんど変更しなくてよい。
また図30のように、入力プーリ制御回転数Ncが比較
的単純な車速の関数として表される場合には、必ずしも
テーブルを持たなくてもよい。この処理のフローチヤー
トは図29に示す。ブレーキフラツグON(942)の
ときは車速VがS’以下か否かの判別981を行いV<
S’のときは入力プーリ制御回転数Nc=(S’−V)
×k21+R’Hと設定(982)して入力プーリの現
在の回転数Nと制御回転数Ncとの比較944へ進む。
ここでS’は設定車速、k21は定数、R’Hは設定し
た入力プーリ回転数である。またV>S’のときは入力
プーリ制御回転数Nc=R’Hと設定(983)して9
44へ進む。さらにスロツトル開度θ=0(全閉)でブ
レーキフラツグOFFのときは現在の車速VがS’以上
か否かの判別(984)をし、V>S’のときは入力プ
ーリ制御回転数Nc=R’Hとして944へ進む。V<
S’のときはNc=(S’−V)×k11+R’Lとし
て944へ進む。k11は定数、R’Lは設定した入力
プーリ回転数(R’L<R’H)である。この方法で
は、車速Vを考慮して車速が遅いほどダウン側へシフト
させておく。また前記図30に示す如く入力プーリ制御
回転数Ncが比較的単純な車速の関数として表せ、テー
ブルがいらないばかりでなく、シフト段数も最も多くと
ることができる。
【0022】次に減速比制御機構80の作用を図31と
ともに説明する。 定速走行時 図31に示す如く電気制御回路90の出力により制御さ
れる電磁ソレノイド弁84および85はOFFされてい
る。これにより油室816の油圧P1はスロツトル圧と
なり、油室815の油圧P2もスプール812が図示右
側にあるときはスロツトル圧となつている。スプール8
12はスプリング811のばね荷重による押圧力P3が
あるので図示左方に動かされるスプール812が左方に
移動され、油室815は油路2Aおよび油室810を介
してドレインポート813と連通しP2は排圧されるの
で、スプール812は油室816の油圧P1により図示
右方に動かされる。スプール812が右方に移動される
とドレインポート813は閉ざされる。よつてスプール
812はこの場合、スプール812のランド812Bの
ドレインポート812側エツジにフラツトな平面(テー
パー面)812aを設けることにより、より安定した状
態でスプール812を図31中Aの如く中間位置の平衡
点に保持することが可能となる。図31中Aの如く中間
位置の平衡点に保持された状態においては油路1bは閉
じられており、入力プーリ520の油圧サーボ530の
油圧は、出力側プーリ560の油圧サーボ570に加わ
つているライン圧によりVベルト112を介して圧縮さ
れる状態になり、結果的に油圧サーボ570の油圧と平
衡する。実際上は油路1bにおいても油洩れがあるた
め、入力側プーリ520は徐々に拡げられてトルク比T
が増加する方向に変化して行く。従つて図31中Aに示
すようにスプール812が平衡する位置においては、ド
レインポート814を閉じ、油路1aはやや開いた状態
となるようスプール812のランド812Bのポート8
17側エツジにフラツトな面(テーパー面)812bを
設け、油路1bにおける油洩れを補うようにしている。
さらにランド812Aのドレインポート814側エツジ
にフラツトな面(テーパー面)812Cを設けることで
油路1bの油圧変化の立ち上がりなど変移をスムーズに
できる。この場合においてライン圧の洩れは、オリフイ
ス82を介してドレインポート813から排出される圧
油のみで洩れ箇所は1箇所のみである。 UP−SHIFT時 図31中Cに示す如く電気制御回路90の出力によりア
ツプシフト電磁ソレノイド弁84がONされる。これに
より油室815が排圧されるため、スプール812は図
示右方に動かされ、スプリング811は圧縮されてスプ
ール812は図示右端に設定される。この状態では油路
1aのライン圧がポート818を介して油路1bに供給
されるため油圧サーボ530の油圧は上昇し、入力プー
リ520は閉じられる方向に作動してトルク比Tは減少
する。従つてソレノイド弁84のON時間を必要に応じ
て制御することによつて所望のトルク比だけ減少させア
ツプシフトを行う。 DOWN−SHIFT時 図31中Bに示す如く電気制御回路90の出力によりソ
レノイド弁85がONされ、油室816が排圧される。
スプール812はスプリング811によるばね荷重と油
室815のライン圧とにより急速に図示右方に動かさ
れ、油圧1bはドレインポート813と連通して排圧さ
れ、入力側プーリ520は迅速に拡がる方向に作動して
トルク比Tは増大する。このようにソレノイド弁85の
ON時間を制御することによりトルク比を増大させダウ
ンシフトさせる。このように入力(ドライブ側)プーリ
520の油圧サーボ530は、減速比制御弁81の出力
油圧が供給され、出力(ドリブン側)プーリ560の油
圧サーボ570にはライン圧が導かれており、入力プー
リ520の油圧サーボ530の油圧をPi、出力プーリ
560の油圧サーボ570の油圧をPoとするPo/P
iはトルク比Tに対して図32のグラフに示すごとき特
性を有し、例えばスロツトル開度θ=50%、トルク比
T=1.5(図中a点)で走行している状態からアクセ
ルをゆるめてθ=30%とした場合Po/Piがそのま
ま維持されるときはトルク比T=0.87の図中b点に
示す運転状態に移行し、逆にトルク比T=1.5の状態
を保つ場合には入力プーリを制御する減速比制御機構8
0の出力によりPo/Piの値を増大させ図中c点の値
に変更する。このようにPo/Piの値を必要に応じて
制御することによりあらゆる負荷状態に対応して任意の
トルク比に設定できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】車両用無段自動変速機の断面図
【図2】図1の一部拡大図。
【図3】図1の一部拡大図。
【図4】図1の一部拡大図。
【図5】その油圧制御装置の回路図。
【図6】図5の一部拡大図。
【図7】図5の一部拡大図。
【図8】図5の一部拡大図。
【図9】減速比制御弁の出力油圧特性を示す図。
【図10】スロツトル弁が出力する第2スロツトル圧特
性を示す図。
【図11】スロツトル弁が出力する第1スロツトル圧特
性を示す図。
【図12】スロツトル弁が出力する第1スロツトル圧特
性を示す図。
【図13】ローモジユレータ弁が出力するローモジユレ
ータ圧特性を示す図。
【図14】油路2に生じる油圧特性を示す図。
【図15】調圧弁が出力するライン圧特性を示す図。
【図16】調圧弁が出力するライン圧特性を示す図。
【図17】調圧弁が出力するライン圧特性を示す図。
【図18】電子制御回路のブロツク図。
【図19】フルードカツプリングの等燃費曲線を示す
図。
【図20】フルードカツプリングの出力等馬力曲線を示
す図。
【図21】最良燃費フルードカツプリング出力線を示す
図。
【図22】各スロツトル開度におけるエンジンとフルー
ドカツプリングの結合出力性能特性を示す図。
【図23】最良燃費入力プーリ回転数制御線を示す図。
【図24】スロツトル開度全閉時の入力プーリ回転数制
御線を示す図。
【図25】減速比制御機構の制御方法を示すブロツク
図。
【図26】減速比制御機構の作動説明のためのフローを
示す図。
【図27】減速比制御機構の作動説明のためのフローを
示す図。
【図28】減速比制御機構の作動説明のためのフローを
示す図。
【図29】減速比制御機構の作動説明のためのフローを
示す図。
【図30】車速と入力プーリ回転数との特性図。
【図31】減速比制御機構の作動説明図。
【図32】減速比制御機構の作動説明のための図。
【符号の説明】
30 調圧弁 40 スロツトル弁 50 減速比検出弁

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 それぞれ入力軸および出力軸に設けられ
    た入力プーリおよび出力プーリと、これら入力プーリお
    よび出力プーリ間を伝動するVベルトとからなり、油圧
    サーボにより前記Vベルトの実効径を増減することによ
    り無段変速を行うVベルト式無段変速機を備えた車両用
    無段自動変速機の減速比制御方法であつて、電気制御回
    路の車両走行条件検出手段によつて車速、スロツトル開
    度、出力軸トルク、ブレーキ作動等の車両走行条件を検
    出し、前記電気制御回路の論理手段によつてこの検出信
    号に応じて油圧制御回路の減速比制御機構を制御する制
    御信号を出力し、この制御信号に基づいて前記減速比制
    御機構が前記車両走行条件に応じて前記Vベルト式無段
    変速機の減速比を変化させるように前記油圧サーボへの
    作動油の供給および排出を制御するようになつている車
    両用無段自動変速機の減速比制御方法において、 前記電気制御回路は、ブレーキ作動信号が入力されたと
    き、該ブレーキ作動信号が入力したことを記憶させると
    ともに、予め定めた入力プーリ制御回転数をダウンシフ
    ト操作の目標値として設定し、車両の現在の入力プーリ
    回転数を前記入力プーリ制御回転数と比較してダウンシ
    フト操作が開始されるように前記減速比制御機構を制御
    し、前記ブレーキ作動信号が入力したことの記憶の存在
    下においてスロツトル開度が全閉であることを示すスロ
    ツトル開度信号が入力されたとき、前記ダウンシフト操
    作が維持されるように前記減速比制御機構を制御し、さ
    らにスロツトル開度が全閉でないことを示すスロツトル
    開度信号が入力されたとき、前記ブレーキ作動信号が入
    力したことの記憶を消去するとともに、前記ダウンシフ
    ト操作を解除するように前記減速比制御機構を制御する
    ことを特徴とする車両用無段自動変速機の減速比制御方
    法。
  2. 【請求項2】 それぞれ入力軸および出力軸に設けられ
    た入力プーリおよび出力プーリと、これら入力プーリお
    よび出力プーリ間を伝動するVベルトとからなり、油圧
    サーボにより前記Vベルトの実効径を増減することによ
    り無段変速を行うVベルト式無段変速機を備えた車両用
    無段自動変速機の減速比制御方法であつて、電気制御回
    路の車両走行条件検出手段によつて車速、スロツトル開
    度、出力軸トルク、ブレーキ作動等の車両走行条件を検
    出し、前記電気制御回路の論理手段によつてこの検出信
    号に応じて油圧制御回路の減速比制御機構を制御する制
    御信号を出力し、この制御信号に基づいて前記減速比制
    御機構が前記車両走行条件に応じて前記Vベルト式無段
    変速機の減速比を変化させるように前記油圧サーボへの
    作動油の供給および排出を制御するようになつている車
    両用無段自動変速機の減速比制御方法において、 前記電気制御回路は、ブレーキ作動信号が入力されたと
    き該ブレーキ作動信号が入力したことを記憶させるとと
    もに、該ブレーキ作動信号の入力時における車速に対応
    した入力プーリ制御回転数をダウンシフト操作の目標値
    として設定し、車両の現在の入力プーリ回転数を前記入
    力プーリ制御回転数と比較してダウンシフト操作が開始
    されるように前記減速比制御機構を制御し、前記ブレー
    キ作動信号が入力したことの記憶の存在下においてスロ
    ツトル開度が全閉であることを示すスロツトル開度信号
    が入力し続ける間前記ダウンシフト操作を維持すること
    により、前記ブレーキ作動信号の入力時における車速に
    応じた減速比までダウンシフトを行わせるように前記減
    速比制御機構を制御し、スロツトル開度が全閉でないこ
    とを示すスロツトル開度信号が入力したとき、前記ブレ
    ーキ作動信号が入力したことの記憶を消去するととも
    に、前記ダウンシフト操作を解除するように前記減速比
    制御機構を制御することを特徴とする車両用無段自動変
    速機の減速比制御方法。
  3. 【請求項3】 それぞれ入力軸および出力軸に設けられ
    た入力プーリおよび出力プーリと、これら入力プーリお
    よび出力プーリ間を伝動するVベルトとからなり、駆動
    手段によつて前記Vベルトの実効径を増減することによ
    り無段変速を行うVベルト式無段変速機と、 少なくともブレーキ作動状態を含む車両走行条件を検出
    する複数の検出手段、この検出手段からの信号を受けて
    車両のブレーキ装置の作動の有無を判別する判別手段、
    この判別手段によつて前記ブレーキ装置作動なしと判別
    されたときに、最良燃費となる前記入力プーリの回転数
    が得られるように前記検出手段からの前記車両走行条件
    に応じて変速目標値を設定する第1変速目標値設定手
    段、前記判別手段によつて前記ブレーキ装置作動有りと
    判別されたときにこのブレーキ装置作動有りの判別結果
    を記憶する記憶手段、該記憶手段に前記ブレーキ装置作
    動有りの記憶が存在するとき、前記入力プーリの回転数
    が所定値以上となるように前記変速目標値を設定する第
    2変速目標値設定手段、設定された変速目標値と前記検
    出手段によつて検出される前記車両走行条件とを比較す
    る判定手段と、前記記憶手段にブレーキ装置作動有りの
    記憶が存在しかつスロツトル開度検出手段の検出したス
    ロツトル開度信号がスロツトル全閉状態を示す信号であ
    るとき、前記判別手段に前記変速目標値と前記車両の走
    行条件との比較を維持させる手段および前記スロツトル
    開度検出手段の検出したスロツトル開度信号がスロツト
    ル全閉状態でないことを示す信号であるとき、前記記憶
    手段のブレーキ装置作動有りの記憶を消去する手段とを
    備えた制御回路と、 この制御回路の判定手段による判定結果に応じて制御さ
    れ、前記駆動手段を制御することにより前記車両走行条
    件に応じて前記Vベルト式無段変速機の減速比を変化さ
    せる減速比制御機構とからなることを特徴とする車両用
    無段自動変速機の減速比制御装置。
JP13533891A 1991-05-13 1991-05-13 車両用無段自動変速機の減速比制御方法および減速比制御装置 Expired - Lifetime JPH0656201B2 (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7169070B2 (en) 2002-09-27 2007-01-30 Jatco Ltd. Transmission controller of V-belt type continuously variable automatic transmission
JP2010281384A (ja) * 2009-06-04 2010-12-16 Isuzu Motors Ltd 惰行制御装置

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