JPH0586959A - 内燃機関の失火検出方法 - Google Patents

内燃機関の失火検出方法

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JPH0586959A
JPH0586959A JP3249598A JP24959891A JPH0586959A JP H0586959 A JPH0586959 A JP H0586959A JP 3249598 A JP3249598 A JP 3249598A JP 24959891 A JP24959891 A JP 24959891A JP H0586959 A JPH0586959 A JP H0586959A
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JP3249598A
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Inventor
Sadao Takagi
高木定夫
Katsuyuki Kajitani
梶谷勝之
Yoichi Iwakura
岩倉洋一
Tetsuo Kuma
九間哲雄
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Daihatsu Motor Co Ltd
Original Assignee
Daihatsu Motor Co Ltd
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  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】多気筒エンジンの失火を広範囲な運転負荷範囲
でより正確に検出する。 【構成】内燃機関の運転状態が定常状態である場合に、
所定のクランクアングルで設定された各気筒に対する速
度計測期間の始点から終点に至る経過時間を計測する。
前回の気筒に対応する経過時間と今回の気筒に対応する
経過時間との差を求めて算出した速度変化量を、記憶さ
れている前回の補正値を(M−1)倍した値に加算し、
得られた加算値を1/M倍し、それによって算出された
値が所定範囲内にある場合にその値を今回の補正値とし
て新たに記憶する。前記速度変化量と今回の補正値との
差を求めて失火パラメータとし、その失火パラメータが
設定値を上回った場合に今回の気筒が失火していると判
定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、主として自動車用の多
気筒エンジンに適用される内燃機関の失火検出方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】この種の失火検出方法に関する先行技術
として、例えば、特開平2−112646号に示される
ように、クランクシャフトの回転速度変化に基づいて失
火の有無を検出するようにしたものが知られている。
【0003】従来、クランクシャフトの回転速度変化に
基づいて失火を検出する場合、例えば、各気筒の上死点
近傍に位置する速度計測期間を、8°クランクアングル
程度に設定しておき、各速度計測期間の始点から終点に
至る経過時間を順次計測すると共に、前回の気筒に対応
する経過時間と、今回の気筒に対応する経過時間との差
を求めて速度変化量を算出し、この速度変化量が一定の
レベルを越えた場合に失火が発生したと判定するように
している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、高回転域お
よび軽負荷域では、正常燃焼状態においても、振動また
は気筒間の燃焼差に起因する回転速度変化の影響が無視
できなくなる。そのため、検出された一定レベル以上の
回転速度変化が、実際の失火によるものであるのか否か
の判定が困難になる。したがって、従来の方法では、失
火検出範囲が低回転高負荷運転域に限定されてしまう。
【0005】本発明は、このような不具合を解消するこ
とを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、このような目
的を達成するために、次のような手段を講じたものであ
る。すなわち、本発明に係る内燃機関の失火検出方法
は、内燃機関の運転状態が定常状態である場合に、所定
のクランクアングルで設定された各気筒に対する速度計
測期間の始点から終点に至る経過時間を計測し、前回の
気筒に対応する経過時間と今回の気筒に対応する経過時
間との差を求めて算出した速度変化量を、記憶されてい
る前回の補正値を(M−1)倍した値に加算し、得られ
た加算値を1/M倍し、それによって算出された値が所
定範囲内にある場合にその値を今回の補正値として新た
に記憶し、前記速度変化量と今回の補正値との差を求め
て失火パラメータとし、その失火パラメータが設定値を
上回った場合に今回の気筒が失火していると判定するこ
とを特徴とする。
【0007】ここで、速度計測期間を設定するクランク
アングルとしては、45°以上180°以下が好まし
く、45°以上にすることによって高回転域における振
動の影響を抑制することができる。すなわち、この種の
失火検出に対しては、回転数の4次成分の周波数の振動
の影響が大きく、速度計測期間を45°クランクアング
ル以上にしておけば、高回転域においても、かかる振動
の影響を受けにくくなる。一方、速度計測期間を180
°クランクアングル以下とすることによって、失火の有
無を各気筒毎に判定することができる。
【0008】補正値は、実験等により予め求めた値を初
期値として記憶させておき、速度変化量の計測が開始さ
れた後はその時点で記憶されている補正値を、所定の演
算により得られた新たな補正値に修正して記憶しておき
(学習機能)、失火パラメータを演算する際に読み出し
て使用するものである。この初期値は、多気筒内燃機関
が正常点火状態で回転している際に、例えば、第1気筒
に対応する速度計測期間における速度変化量K1と、第
2気筒に対応する速度計測期間における速度変化量K2
と、第3気筒に対応する速度計測期間における速度変化
量K3と、第4気筒に対応する速度計測期間における速
度変化量K4との間に、内燃機関の形式などに応じて発
生するそれぞれ固有のばらつきの値を充当すればよい。
【0009】
【作用】このような構成のものであれば、補正値が所定
の演算に基づいて所定条件の下に書き換えられるので、
正常点火が続いている際には、実際に計測された速度変
化量と、その速度変化量が計測された時点に演算して記
憶される補正値とが略等しくなり、失火パラメータは略
零になる。しかして、各気筒に対応してこの様に補正値
をそれぞれ演算して記憶させておき都度使用するように
すれば、正常運転時における失火パラメータを零または
それに近い値に維持することができる。失火が発生する
と、実際に計測される速度変化量と補正値との間に相違
が生じるため、その場合だけ、失火パラメータが、零か
ら離れた値を示すことになる。したがって、本発明によ
れば、各気筒間における正常点火時の速度変化量のばら
つきによる影響をなくすことができ、例えば、実際に計
測される速度変化量を失火パラメータにし、その失火パ
ラメータの絶対値が設定値を上回った場合に失火である
と判定する場合に比べて、より精度の高い失火判定が可
能になる。
【0010】
【実施例】以下、本発明の一実施例を、図面を参照して
説明する。
【0011】図1に概略的に示した内燃機関1は、18
0°CA(クランクアングル)毎に、第1気筒→第3気
筒→第4気筒→第2気筒の順で点火が行われるように設
定してあり、この点火を制御するための電子制御装置2
を備えている。なお図示しないが、この内燃機関1には
吸気系のサージタンク内の圧力を検出するための吸気圧
センサやエンジン回転数を検出するための回転数センサ
などを具備しているものである。これらセンサからの信
号は後述する電子制御装置2の入力インターフェース5
を介して中央演算処理装置3に入力されるものである。
【0012】電子制御装置2は、中央演算処理装置3、
ROM及びRAMからなる記憶装置4、入力インターフ
ェース5及び出力インターフェース6を具備してなるマ
イクロコンピュータユニットを主体に構成されており、
空燃比の制御機能、気筒毎の点火の制御機能等と共に失
火を検出する機能を備えている。入力インターフェース
5には、図示しないディストリビュータに内蔵されたク
ランク角基準位置センサ7から、図3に示すように、各
気筒の圧縮上死点(圧縮TDC)を示すN(気筒判別)
信号が180°CA毎に入力されると共に、電磁ピック
アップ8から、出力回転速度を知るためのP信号が、例
えば、18°CA毎に入力されるようになっている。電
磁ピックアップ8は、磁気をおびた鉄心8aの外周に図
示しないコイルを巻装してなる通常のもので、前記鉄心
8aをセンシングギャ9の外周に近接させて配置してあ
る。センシングギャ9は、外周に20枚の歯9aを等間
隔に突設してなるもので、クランクシャフト10の端部
に固着してある。そして、このセンシングギャ9が回転
すると、鉄心8aに発生している磁界が断続されて前記
コイルに交流電圧が発生し、その交流電圧が図示しない
波形整形回路で整形されて入力インターフェース5に前
記P信号として入力されるようになっている。 電子制
御装置2には、本発明の失火検出方法を実施するため
に、図2に概略的に示すようなプログラムが内蔵させて
ある。このプログラムは、180°CA毎、すなわち、
N信号が入力される毎に割り込み処理(Nタイミング割
り込み処理)されるもので、まず、ステップ51で、エ
ンジンの運転状態が定常状態であるか否かを判定する。
具体的には、例えば、過渡時空燃比補正係数が零となっ
た後3秒以上経過したこと、エンジン水温が73℃以上
であること、フューエルカット中でないこと、の少なく
とも3つの条件を満たしている場合に、定常状態である
と判定してステップ52に移行し、条件を満たしていな
い場合にはステップ61に進む。
【0013】ステップ52では、以下に示す式により補
正値KGDLTを演算して後述する2次元マップに記
憶されている値の更新を行う。
【0014】 KGDLT={(M−1)KGDLTis+DLTT(n)}/M (但、iは気筒番号で、この実施例では1,2,3,
4、sはその時点で記憶されている補正値であることを
示し、nは正の整数で、Mは定数である。)すなわち、
補正値KGDLTは、その時点で記憶されている補正
値KGDLTisを(M−1)倍し、それに計測で得ら
れた速度変化量DLTT(n)を加え、その合計値を除
数である定数Mで除算して求めるものである。定数Mの
値としては、例えば10が好ましい。そして速度変化量
DLTT(n)は次式によって算出する。
【0015】 DLTT(n)=T72CA(n)−T72CA(n−1) 速度変化量を求めるための各気筒に対する速度計測期間
は、45°以上で180°以下の範囲で一定の値に設定
するのが好ましい。ここで、速度計測期間を45°クラ
ンクアングル以上とするのは、高回転域における振動の
影響を抑制するためである。すなわち、この種の失火検
出に対しては、回転数の4次成分の周波数の振動の影響
が大きく、速度計測期間を45°クランクアングル以上
にしておけば、高回転域においても、かかる振動の影響
を受けにくくなる。一方、速度計測期間を180°クラ
ンクアングル以下としたのは、失火の有無を各気筒毎に
判定し得るようにするためである。この実施例では、図
3の(e)に示すように、各気筒に対する速度計測期間
を上死点近傍の72°クランクアングル(72°CA)
としている。速度変化量を算出するために計測する出力
回転速度T72CA(n)は、この速度計測期間の始点
から終点に至る経過時間すなわち、下死点におけるP信
号を0番とし上死点におけるそれを9番として、8番の
P信号から次のサイクルの2番のP信号に至る4個分の
信号の経過過時間を計測して求める。この計測はクラン
クアングルが180°毎に、かつ第1気筒、第3気筒、
第4気筒、第2気筒の順に行われる。通常、経過時間の
計測によって得られる各気筒毎の出力回転速度T72C
(n)は、図3の(c)に示すように、正常な点火が
行われているときであっても同一値とはならず一定値を
示さない。この様にして得られた出力回転速度T72C
(n)は順次記憶装置4に保存され、速度変化量DL
TT(n)の算出に使用される。すなわち、最新の速度
変化量DLTT n)は、今回の出力回転速度T72C
(n)から前回計測された出力回転速度T72CA
(n−1)を減算して求める。得られた速度変化量DL
TT(n)は、同じく図3の(b)に示すように、理論
的には零であるのに対して正または負にずれている。し
たがって、得られたDLTT(n)が以下に示す条件を
満足しない場合は、異常な値として排除して補正値KG
DLTiの演算は行わない。
【0016】 DLTT(n)≦KGDLTis−k DLTT(n)≧KGDLTis+k (但、kは定数) 以上のようにして学習値となる補正値KGDLTが得
られると、ステップ53において、次式によりその補正
値KGDLTが安定しているか否かを判定し、安定し
ている場合はその補正値KGDLTを学習値として採
用し記憶装置4のRAMに格納してステップ54に移行
し、そうでない場合にはステップ61に進む。
【0017】 |KGDLT−KGDLTis|≦α (但、αは定数) 補正値KGDLTiは、回転数と吸気圧とに対応する各
気筒固有の速度変化量の零からのずれを各気筒毎に実験
により測定して得られた値を初期値とし、この初期値を
回転数と吸気圧とに対応させて、図4に示すように、各
気筒毎の2次元マップにして記憶し、エンジンの運転中
にあっては、上記した式により算出したものを学習値と
して上記した一定の条件の下に採用することにより更新
してRAMに記憶している。同図において、Nは回転
数、PMは吸気圧である。そして以下に説明する失火パ
ラメータMISP(n,i)を演算する際には、その時
のエンジンの運転状況に対応する回転数と吸気圧とで第
i気筒の2次元マップに特定される1つの補正値KGD
LTを読み出して用いるものである。
【0018】ステップ54において、ステップ52で算
出した速度変化量DLTT(n)と、学習にて更新され
た気筒毎の補正値KGDLTとを用いて失火パラメー
タMISP(n,i)の計算を以下に示す式によって実
行し、得られた失火パラメータMISP(n,i)をそ
の大きさ別に分類して記憶し、かつ所定値と比較して失
火判定処理を行い、ステップ55に移行する。
【0019】 DLTT(n)=T72CA(n)−T72CA(n−1) MISP(n,i)=DLTT(n)−KGDLT 一例として、第3気筒の失火パラメータMISP
(n,3)は、第3気筒が上死点となる際に計測された
速度変化量DLTT(n)から、前述の補正値の2次元
マップからその時のエンジンの運転状況に対応した第3
気筒の補正値KGDLTを読み出し、減算して求め
る。
【0020】分類して記憶された失火パラメータMIS
(n,i)は、その分類毎に記憶されている個数を計
数し、その個数を記憶していく。すなわち分類は、図5
に示すように、値が0の失火パラメータMISP
(n,i)を中心にして所定の幅を有する領域DEに属
するグループを第1類CZ0とし、第1類CZ0に隣接
する領域EFおよびCDに属するグループを第2+類C
PS及び第2−類CNSとし、以下同様に、第3+類C
PM、第3−類CNM、第4+類CPB、第4−類CN
B及び第5+類CPV及び第5−類CNVとして行われ
る。そして失火パラメータMISP(n,i)が演算さ
れる毎にその値がどの類に当てはまるか判断して分類
し、その結果をそれぞれの類CZ0〜CNVに対応して
準備されるカウンタにて計数させて、各類CZ0〜CN
Vに属した失火パラメータMISP(n, i)の個数
(度数)を記憶、管理する。この様にして得られた結果
をグラフにしたものが図6及び図7である。図6は、舗
装路を走行して得られた結果であり、図7は、未舗装路
で凹凸の多いいわゆる悪路を走行して得られた結果であ
る。なお、領域の幅については、低回転の場合にはその
幅を大きくする、と言うように、可変設定するものであ
ってもよい。
【0021】失火パラメータMISP(n,i)は、理
論的には失火していないかぎり算出されたもの全てが第
1類CZ0に属するものとなるが、走行している場合に
は路面の状態により、クランクシャフト10に路面状態
に基づいて発生する振動が影響し、第2+又は第2−類
CPS,CNS等に属するものが発生する。この傾向は
未舗装路を走行した際に顕著に現れる。すなわち、舗装
路を走行している場合には振動の影響が少ないため、算
出された失火パラメータMISP(n,i)は、図6に
示すように、第1類CZ0に属するものが大半を占め、
第3±類CPM,CNM等に属するものは失火が発生し
ていない場合には極端に少なくなる。これに対し、未舗
装路を走行した場合には、図7に示すように、振動の影
響を受けていない第1類CZ0に属する失火パラメータ
MISP(n,i)が少なくなり、振動の影響を受けて
第3±類CPM,CNMなどに属するものが存在するよ
うになる。この様にして分類された結果は記憶装置4の
RAMに記憶しておき後述するステップ72において使
用される。
【0022】上記したステップ54において、得られた
失火パラメータMISP(n,i)を所定値と比較して
失火判定処理を行い、ステップ55においてその結果か
ら失火が発生したか否かを判断し、所定値以上であれば
失火が発生したものと判断してステップ56に移行し、
失火でない正常な点火の場合はステップ57に進む。正
常な点火の場合、失火パラメータMISP(n,i)
略零であるのに対し、失火した場合の失火パラメータM
ISP(n,i)は、図3の(a)に点線で示すよう
に、正常時の値から前記所定値以上ずれている。
【0023】ステップ56では、失火した気筒の累積失
火回数を計数する処理を行い、ステップ57に移行す
る。累積失火回数の計数は、それぞれの気筒毎に専用の
カウンタを準備しておき、失火が発生するごとにカウン
タをインクリメントするようにプログラミングしておけ
ばよい。この後ステップ57において、1度速度変化量
の計測が終了したことを検出するために、現在の速度変
化量の測定回数を示す200回転フラグNCNTに1を
加えて200回転毎処理RAMに記憶する。次にステッ
プ58において、200回転フラグNCNTが400で
あるか否かを判断し、200回転フラグNCNTが40
0でないと判断した際には、図示しないメインルーチン
に復帰し、そうでない場合にはステップ71に進む。一
方、ステップ61では、200回転フラグMCNT及び
後述する1000回転フラグJCNTをそれぞれ零にし
て、これらを記憶する200回転毎処理RAM及び10
00回転毎処理RAMをクリアする。
【0024】次に、200回転フラグNCNTが400
である、すなわち最初の速度変化量の測定からクランク
シャフト10が200回転した場合は、ステップ71に
おいてその200回転の間継続してエンジンが定常状態
であったか否かを判定し、定常状態であったならステッ
プ72に移行し、そうでない場合にはステップ81に進
む。
【0025】ステップ72では、下式によって未舗装路
を走行したことによって正常な点火であったにもかかわ
らず、振動により大きな値となって、失火パラメータM
ISP(n,i)が失火と判定されていないか否かを判
定し(悪路処理)、失火でないと判定した場合にはステ
ップ81に移行し、そうでない場合にはステップ73に
進む。
【0026】 ROJUD1=(|CPS|+|CNS|)/2 >(|CPM|+|CNM|)/2 ≧β|CZ0| (但、βは0.1〜0.2) 上式における|CZ0|は、第1類CZ0に属する失火
パラメータMISP(n ,i)の累積個数であり、同様
にしてそれぞれの類に属する累積個数を示している。こ
の式の関係が成立したとき、すなわち第2+類CPSの
累積個数と第2−類CNSの累積個数との平均値が第3
+類CPM及び第3−類CNMの累積個数の平均値より
大きく、かつ第3+類CPM及び第3−類CNMの累積
個数の平均値が第1類CZ0の累積個数のβ倍以上であ
る場合に、未舗装路を走行したことにより失火パラメー
タMISP(n,i)がばらついたものすなわち失火誤
検出と判断し、ステップ81において1000回転フラ
グJCNTをクリア(=0)する。一方、上式が成立し
ないとき、例えば第2+類CPSの累積個数と第2−類
CNSの累積個数との平均値が第3+類CPM及び第3
−類CNMの累積個数の平均値より小さい場合、あるい
は第3+類CPM及び第3−類CNMの累積個数の平均
値が第1類CZ0の累積個数のβ倍未満である場合に
は、未舗装路走行でなく失火が発生してしているものと
判定して、ステップ73に進む。この様に、失火パラメ
ータMISP(n,i)のばらつきの度合いから走行し
ている路面の状態を検出し、これによって格別なセンサ
を付けることなく失火の誤検出を判別するので、失火判
定の信頼性を簡単かつ確実に向上させることができる。
【0027】ステップ73では、クランクシャフト10
が200回転した時点での累積失火回数が第1基準値E
MSL1以上であるか否かを判断し、以上である場合は
ステップ74に移行し、そうでない場合はステップ75
に進む。ステップ74では、異常であることを報知する
ために警告燈MILを点灯する。この場合の警告方法と
しては、前記した警告燈MILを点灯するものの他に、
電子制御装置2にダイアグ出力端子を設けておき、その
端子に接続されるテスタ等により異常を検出し得るよう
にしておいてもよい。そしてステップ75では、失火回
数の異常判断が1度実行されたことを検出するために、
現在の異常判断回数を示す1000回転フラグJCNT
に1を加えて1000回転毎処理RAMに記憶する。ス
テップ76において、1000回転フラグJCNTが5
であるか否かを判断し、5である場合はステップ77に
移行し、そうでない場合はステップ82に進む。
【0028】ステップ82では、200回転フラグNC
NTを記憶している200回転毎処理RAMの内容をク
リア(NCNT=0)して、図示しないメインルーチン
に復帰する。一方、ステップ77では、クランクシャフ
ト10が1000回転した時点での累積失火回数が第2
基準値EMSL2(≧第1基準値EMSL1)以上であ
るか否かを判断し、以上である場合はステップ78に移
行し、そうでない場合はステップ79に進む。ステップ
78ではステップ74と同様に、異常であることを報知
するために警告燈MILを点灯する。ステップ79で
は、1000回転フラグJCNTを記憶している100
0回転毎処理RAMの内容をクリア(JCNT=0)し
てステップ82に移行する。
【0029】以上の構成において、失火の検出は180
°CA毎に割り込み処理によって、制御がステップ51
→52→53→54→55→56と進み、クランクシャ
フト10が200回転していない場合は割り込み処理を
終了してメインルーチンへ戻るが、200回転した場合
はステップ71に移行する。そして失火の検出が正確に
なされたか否かを判定するためにステップ72が実行さ
れ、誤検出でなければ制御がステップ73〜79と進
む。そして、クラクンシャフト10の回転数に対応して
検出された失火の回数が基準値以上である場合は、警報
が発せられるよう制御される。この場合の制御は、ステ
ップ73→74→75→76→82またはステップ73
→74→75→76→77→78→79→82と進ん
で、クランクシャフト10が200回転し、かつ失火の
累積回数が第1基準値EMSL1以上の場合に警報を発
し、さらに1000回転し、かつ累積回数が第2基準値
EMSL2以上の場合に警報を発する。
【0030】なお、本発明は以上説明した実施例に限定
されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で
種々変形が可能である。
【0031】
【発明の効果】本発明は、以上に詳述したように、正常
点火が続いている際すなわち正常運転時には、実際に計
測された速度変化量と常時一定の条件下で更新される補
正値とが略等しくなるため、失火パラメータは略零にな
り失火として検出されず、失火が発生すると、実際に計
測される速度変化量と補正値との間に相違が生じるた
め、その場合だけ、失火パラメータが零から離れた値を
示すことになり、したがって、各気筒間における正常点
火時の速度変化量のばらつきによる影響をなくすことが
できる。さらに、失火パラメータを算出するために使用
する補正値を常に更新しているので、車両、エンジンに
関するばらつきや経時変化による誤差が防止でき、失火
時の失火パラメータの値と正常点火時のそれとの差がよ
り明確になり、精度よく失火検出を行うことができる。
【0032】また、速度計測期間を、振動の影響を受け
にくい45°クランクアングル以上に設定でき、高回転
域における振動の影響をも抑制して速度変化量を計測し
ているので、検出精度を向上させつつ失火検出範囲を無
理なく大幅に拡大することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す全体構成図。
【図2】同実施例の制御手順を概略的に示すフローチャ
ート図。
【図3】同実施例の制御態様を示すタイミングチャート
図。
【図4】同実施例の補正値の2次元マップの構成を示す
構成説明図。
【図5】同実施例における失火パラメータの変動状態を
示す状態説明図。
【図6】同実施例における舗装路走行の場合の失火パラ
メータの分布状態を示す棒グラフ図。
【図7】同実施例における未舗装路走行の場合の失火パ
ラメータの分布状態を示す棒グラフ図。
【符号の説明】
1…内燃機関 2…電子制御装置 7…クランク角基準位置センサ 8…電磁ピックアップ 9…センシングギャ 10…クランクシャフト
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 九間哲雄 大阪府池田市桃園2丁目1番1号 ダイハ ツ工業株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】内燃機関の運転状態が定常状態である場合
    に、所定のクランクアングルで設定された各気筒に対す
    る速度計測期間の始点から終点に至る経過時間を計測
    し、前回の気筒に対応する経過時間と今回の気筒に対応
    する経過時間との差を求めて算出した速度変化量を、記
    憶されている前回の補正値を(M−1)倍した値に加算
    し、得られた加算値を1/M倍し、それによって算出さ
    れた値が所定範囲内にある場合にその値を今回の補正値
    として新たに記憶し、前記速度変化量と今回の補正値と
    の差を求めて失火パラメータとし、その失火パラメータ
    が設定値を上回った場合に今回の気筒が失火していると
    判定することを特徴とする内燃機関の失火検出方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2021032091A (ja) * 2019-08-20 2021-03-01 トヨタ自動車株式会社 内燃機関の状態検出システム、データ解析装置、及び車両

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