JPH0586917A - Ffv用エンジンの始動制御方法 - Google Patents

Ffv用エンジンの始動制御方法

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JPH0586917A
JPH0586917A JP24780691A JP24780691A JPH0586917A JP H0586917 A JPH0586917 A JP H0586917A JP 24780691 A JP24780691 A JP 24780691A JP 24780691 A JP24780691 A JP 24780691A JP H0586917 A JPH0586917 A JP H0586917A
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JP
Japan
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fuel
temperature
engine
correction coefficient
alcohol concentration
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JP24780691A
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English (en)
Inventor
Takamitsu Kashima
隆光 鹿島
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Subaru Corp
Original Assignee
Fuji Heavy Industries Ltd
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Publication date
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  • Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 燃料中のアルコール濃度が高く、エンジン温
度よりも外気温度の低い、極低温時においても良好に始
動できるようにする。 【構成】 まず、始動時のエンジン温度(冷却水温度T
w )と燃料中のアルコール濃度Mとから始動時基本噴射
量GFSを求め、また、上記エンジン温度と吸気温TA と
の差と、上記アルコール濃度Mとから吸気温補正係数K
K1を求めるとともに、上記エンジン温度と燃料温度TF
との差と、上記アルコール濃度Mとから燃料温度補正係
数KN1を求める。そして、上記始動時基本噴射量GFSを
上記吸気温補正係数KK1、上記燃料温度補正係数KN1で
補正して始動時燃料噴射量Ti2を設定する。始動時の燃
料噴射量Ti2を設定する際に、始動時基本噴射量GFSを
吸気温度TA を加味した吸気温補正係数KK1と、燃料温
度TF を加味した燃料温度補正係数KN1とで補正してい
るので、燃料中のアルコール濃度Mが高く、エンジン温
度よりも外気温度の低い極低温時においても良好な始動
性能を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、始動時の燃料噴射量あ
るいはヒータ通電を燃料中のアルコール濃度、エンジン
温度、吸気温、燃料温度により決定するFFV用エンジ
ンの始動制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、燃料事情の悪化、排気清浄化の要
請などにより、従来のガソリンに加えて、代替燃料とし
てのアルコールを同時に使用可能なシステムが実用化さ
れつつあり、このシステムを搭載した自動車などの車輌
(Flexible FuelVehicle,以下、
「FFV」と称する)では、ガソリンは勿論のこと、ア
ルコールとガソリンとの混合燃料、あるいは、アルコー
ルのみで走行が可能なようになっており、このFFVで
使用する燃料のアルコール濃度(含有率)は、燃料補給
の際のユーザー事情により、0%(ガソリンのみ)から
100%(アルコールのみ)の間で変化する。
【0003】例えば、特開平1−200030号公報に
はアルコール濃度センサで燃料中のアルコール濃度を検
出し、このアルコール濃度に応じて目標空燃比を可変設
定して適正な空燃比制御性を得ることができるようにし
た技術が開示されている。
【0004】しかし、一般に、アルコール燃料は、ガソ
リン燃料に比較して、低温で気化しにくい、気化潜熱が
大きい、引火点が高いなどの特性を有しており、アルコ
ール濃度が高いと低温始動性が極めて悪くなるといった
問題が生じる。
【0005】これに対処するに、ヒータ、発熱素子など
の加熱手段により燃料の気化を促進して始動性を向上さ
せる技術が従来から知られており、例えば、特開昭57
−52665号公報には、アルコール濃度センサの出力
により、吸気通路を加熱する加熱装置を制御し、アルコ
ール濃度が基準値以上にあるとき上記加熱装置の発熱量
を増大する技術が開示されている。
【0006】また、上記FFVには、上記加熱手段を備
えることなく、オルタネータ、バッテリ、スタータなど
の容量アップを図って始動時のクランキング回転数を高
め、クランキングの際に発生する熱により低温始動に対
処するものもある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来、エンジ
ン始動の際に、加熱手段を作動させずに始動可能か否
か、エンジンへの燃料供給量をどの程度増量するかなど
の始動条件を判定するには、冷却水温などで代表される
エンジン温度と燃料のアルコール濃度とに基づいて判定
しているが、例えば、アルコール濃度が高く、極低温の
状況下でエンジンが十分冷えきっていないエンジン再始
動時等、吸気温と燃料温度がエンジン温度よりも低い場
合には、誤判定を生じて適確な制御が困難となり、始動
性の悪化を招くという問題がある。
【0008】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
で、エンジン始動に係わるパラメータを緻密に把握して
始動条件の判定を適確に行い、極低温の環境下でも確実
にエンジンを始動させることのできるFFV用エンジン
の始動制御方法を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
1)上記目的を達成するため本発明による第一のFFV
用エンジンの始動制御方法は、始動時のエンジン温度と
燃料中のアルコール濃度とから始動時基本噴射量を求め
る手順と、上記エンジン温度と吸気温との差と、上記ア
ルコール濃度とから吸気温補正係数を求める手順と、上
記エンジン温度と燃料温度との差と、上記アルコール濃
度とから燃料温度補正係数を求める手順と、上記始動時
基本噴射量を上記吸気温補正係数、上記燃料温度補正係
数で補正して始動時燃料噴射量を設定する手順とを備え
たものである。
【0010】2)上記目的を達成するため本発明による
第二のFFV用エンジンの始動制御方法は、燃料中のア
ルコール濃度と1気筒当たりの吸入空気量とから始動時
基本噴射量を求める手順と、始動時のエンジン温度と上
記アルコール濃度とから始動時増量係数を求める手順
と、上記エンジン温度と吸気温との差と、上記アルコー
ル濃度とから吸気温補正係数を求める手順と、上記エン
ジン温度と燃料温度との差と、上記アルコール濃度とか
ら燃料温度補正係数を求める手順と、上記始動時基本噴
射量を上記始動時増量係数、上記吸気温補正係数、上記
燃料温度補正係数で補正して始動時燃料噴射量を設定す
る手順とを備えたものである。3)上記目的を達成する
ため本発明による第三のFFV用エンジンの始動制御方
法は、始動時のエンジン温度と燃料中のアルコール濃度
とから始動時増量係数を求める手順と、上記エンジン温
度と吸気温との差と、上記アルコール濃度とから吸気温
補正係数を求める手順と、上記エンジン温度と燃料温度
との差と、上記アルコール濃度とから燃料温度補正係数
を求める手順と、上記始動時増量係数,吸気温補正係数
および燃料温度補正係数の乗算値と始動可能判定値とを
比較し、上記乗算値が上記始動可能判定値よりも大きい
場合、インジェクタの燃料噴射方向に配設した加熱手段
に対する通電を開始する手順とを備えたものである。
【0011】
【作用】
1)上記構成による第一のFFV用エンジンの始動制御
方法では、まず、始動時のエンジン温度と燃料中のアル
コール濃度とから始動時基本噴射量を求め、また、上記
エンジン温度と吸気温との差と、上記アルコール濃度と
から吸気温補正係数を求めるとともに、上記エンジン温
度と燃料温度との差と、上記アルコール濃度とから燃料
温度補正係数を求める。
【0012】そして、上記始動時基本噴射量を上記吸気
温補正係数、上記燃料温度補正係数で補正して始動時燃
料噴射量を設定する。
【0013】始動時の燃料噴射量を設定する際に、始動
時基本噴射量を吸気温を加味した吸気温補正係数と、燃
料温度を加味した燃料温度補正係数とで補正しているの
で、エンジン温度よりも外気温度の低い極低温時におい
ても良好な始動性能を得ることができる。
【0014】2)上記構成による第二のFFV用エンジ
ンの始動制御方法では、まず、燃料中のアルコール濃度
と1気筒当たりの吸入空気量とから始動時基本噴射量を
求め、また、始動時のエンジン温度と上記アルコール濃
度とから始動時増量係数を求め、上記エンジン温度と吸
気温との差と、上記アルコール濃度とから吸気温補正係
数を求め、さらに、上記エンジン温度と燃料温度との差
と、上記アルコール濃度とから燃料温度補正係数を求め
る。
【0015】そして、上記始動時基本噴射量を上記始動
時増量係数、上記吸気温補正係数、上記燃料温度補正係
数で補正して始動時燃料噴射量を設定する。
【0016】始動時の燃料噴射量を設定する際に、始動
時基本噴射量をアルコール濃度を加味した始動時増量係
数と、吸気温度を加味した吸気温補正係数と、燃料温度
を加味した燃料温度補正係数とで補正しているので、高
アルコール濃度の燃料で、かつ、エンジン温度よりも外
気温度の低い極低温時においても良好な始動性能を得る
ことができる。
【0017】3)上記構成による第三のFFV用エンジ
ンの始動制御方法では、まず、始動時のエンジン温度と
燃料中のアルコール濃度とから始動時増量係数を求め、
また、上記エンジン温度と吸気温との差と、上記アルコ
ール濃度とから吸気温補正係数を求め、さらに、上記エ
ンジン温度と燃料温度との差と、上記アルコール濃度と
から燃料温度補正係数を求める。
【0018】そして、上記始動時増量係数,吸気温補正
係数および燃料温度補正係数の乗算値と始動可能判定値
とを比較して、上記乗算値が上記始動可能判定値よりも
大きい場合、始動不能と判断し、インジェクタの燃料噴
射方向に配設した燃料気化促進を図る加熱手段に対する
通電を開始する。
【0019】始動時、加熱手段に通電するか否かを始動
時増量係数,吸気温補正係数および燃料温度補正係数の
積算値と、始動可能判定値との比較において判断してい
るので、加熱手段による加熱なしで始動が可能か否かを
適切に判断することができる。
【0020】
【実施例】以下、図面に基づいて本発明の実施例を説明
する。
【0021】(第一実施例)図1〜図20は本発明の第
一実施例を示し、図1〜図4は燃料噴射量設定手順を示
すフローチャート、図5は始動時制御手順を示すフロー
チャート、図6はスタータモータ制御手順を示すフロー
チャート、図7は燃料噴射対象気筒判別、エンジン回転
数算出手順を示すフローチャート、図8は燃料噴射制御
手順を示すフローチャート、図9はエンジン制御系の概
略図、図10は制御装置の回路構成図、図11はクラン
クロータとクランク角センサの正面図、図12はカムロ
ータとカム角センサの正面図、図13は燃料噴射のタイ
ムチャート、図14はアルコール濃度と温度条件とによ
って決定される始動可能領域と始動不能領域とを示す概
念図、図15は始動可能判定水温マップの概念図、図1
6はヒータの特性図、図17は目標空燃比マップの概念
図、図18は燃料蒸発率マップの概念図、図19は燃料
付着率マップの概念図、図20は噴射開始クランク角度
マップの概念図である。
【0022】〔エンジン制御系の構成〕図9において、
符号1はFFV用エンジン(図においては水平対向4気
筒型エンジン)で、このエンジン1のシリンダヘッド2
に形成された吸気ポート2aにインテークマニホルド3
が連通され、さらに、このインテークマニホルド3の上
流にエアチャンバ4を介してスロットルチャンバ5が連
通され、このスロットルチャンバ5の上流に吸気管6を
介してエアクリーナ7が取付けられている。
【0023】また、このエアクリーナ7の拡張室に吸気
温センサ7aが配設され、さらに、上記吸気管6の上記
エアクリーナ7の直下流に、吸入空気量センサ(図にお
いては、ホットワイヤ式エアフローメータ)8が介装さ
れ、上記スロットルチャンバ5に設けられたスロットル
バルブ5aに、スロットル開度センサ9aとスロットル
バルブ全閉を検出するアイドルスイッチ9bとが連設さ
れている。
【0024】また、上記スロットルバルブ5aの上流側
と下流側とを連通するバイパス通路10に、アイドルス
ピードコントロールバルブ(ISCV)11が介装され
ている。さらに、上記インテークマニホルド3の各気筒
の各吸気ポート2aの直上流側に、インジェクタ12が
配設され、このインジェクタ12の燃料噴射方向に低温
始動のための加熱手段の一例であるPTC(Posit
ive Temperature Coefficie
nt)ヒータ3aが対設されている。また、上記シリン
ダヘッド2の各気筒毎に、その先端を燃焼室に露呈する
点火プラグ13が取付けられている。
【0025】上記各インジェクタ12は、燃料通路14
を介して燃料タンク15に連通され、この燃料タンク1
5内には、ガソリンのみの燃料、アルコールのみの燃
料、あるいは、アルコールとガソリンとの混合燃料、す
なわち、ユーザーの燃料補給の際の事情によりアルコー
ル濃度Mが0%から100%の間で変化する燃料が貯留
されている。
【0026】また、上記燃料タンク15内にはインタン
ク式の燃料ポンプ16が設けられ、この燃料ポンプ16
からの燃料が上記燃料通路14に介装された燃料フィル
タ17、燃料温度センサ18a、アルコール濃度センサ
18bを経て上記インジェクタ12、プレッシャレギュ
レータ19に圧送され、このプレッシャレギュレータ1
9から上記燃料タンク15に燃料がリターンされて燃料
圧力が所定の圧力に調圧される。
【0027】また、上記アルコール濃度センサ18b
は、例えば、上記燃料通路14内に設けられた一対の電
極などから構成され、燃料の電気伝導度変化に基づく電
流変化を検出することにより上記アルコール濃度Mが検
出される。なお、このアルコール濃度センサ18bは、
上述の電気伝導度変化を検出するタイプに限定されるも
のではなく、その他、抵抗検出式、静電容量式、光学式
のものを用いても良い。また、上記エンジン1のシリン
ダブロック1aにノックセンサ20が取付けられている
とともに、このシリンダブロック1aに形成された冷却
水通路(図示せず)に冷却水温度センサ21が臨まさ
れ、さらに、上記シリンダヘッド2の排気ポート2bに
連通するエグゾーストマニホルド22の集合部に、O2
センサ23が臨まされている。なお、符号24は触媒コ
ンバータである。
【0028】また、上記シリンダブロック1aに支承さ
れたクランクシャフト1bに、クランクロータ26が軸
着され、このクランクロータ26の外周に、所定のクラ
ンク角に対応する突起(あるいはスリット)を検出する
電磁ピックアップなどからなるクランク角センサ27が
対設され、さらに、上記シリンダヘッド2のカムシャフ
ト1cに連設されたカムロータ28に、電磁ピックアッ
プなどからなるカム角センサ29が対設されている。
【0029】上記クランクロータ26は、図11に示す
ように、その外周に突起26a,26b,26cが形成
され、これらの各突起26a,26b,26cが、例え
ば、各気筒(#1,#2と#3,#4)の圧縮上死点前
(BTDC)θ1 ,θ2 ,θ3 の位置(例えば、θ1 =
97°,θ2=65°,θ3 =10°)に形成されてい
る。
【0030】すなわち、突起26aが点火時期及び燃料
噴射タイミング設定の際の基準クランク角を示し、突起
26a,26b間の通過時間からエンジンの回転周期f
が算出され、また、突起26cが固定点火時期、始動時
の噴射開始クランク角を示す基準クランク角となる。
【0031】また、上記カムロータ28の外周には、図
12に示すように、気筒判別用の突起28a,28b,
28cが形成され、例えば、突起28aが#3,#4の
圧縮上死点後(ATDC)θ4 の位置(例えばθ4 =2
0°)に形成され、突起28bが3個の突起で構成され
て最初の突起が#1気筒のATDCθ5 の位置(例えば
θ5 =5°)に形成されている。さらに、突起28cが
2個の突起で形成され、最初の突起が#2気筒のATD
Cθ6の位置(例えばθ6 =20°)に形成されてい
る。
【0032】なお、上記クランクロータ26あるいは上
記カムロータ28の外周には、突起の代わりにスリット
を設けても良く、さらには、上記クランク角センサ2
7、カム角センサ29は、電磁ピックアップなどの磁気
センサに限らず、光センサなどでも良い。
【0033】〔制御装置の回路構成〕一方、図10にお
いて、符号31はマイクロコンピュータなどからなる制
御装置(ECU)で、CPU32、ROM33、RAM
34及びI/Oインターフェース35がバスライン36
を介して互いに接続され、定電圧回路37から所定の安
定化電圧が各部に供給される。
【0034】上記定電圧回路37は、ECUリレー38
のリレー接点を介してバッテリ39に接続され、このバ
ッテリ39に、上記ECUリレー38のリレーコイルが
イグニッションスイッチ40を介して接続されている。
【0035】また、上記バッテリ39に、燃料ポンプリ
レー41のリレー接点を介して燃料ポンプ16が接続さ
れているとともに、スタータスイッチ42が接続され、
このスタータスイッチ42にスタータモータリレー43
のリレー接点を介してスタータモータ44が接続されて
いる。さらに、上記バッテリ39に、ヒータリレー45
のリレー接点が接続され、このリレー接点から電流セン
サ46を経て上記PTCヒータ3aが接続されている。
【0036】また、上記I/Oインターフェース35の
入力ポートには、上記各センサ7a,8,9a,18
a,18b,20,21,23,27,29,46及
び、アイドルスイッチ9b、スタータスイッチ42が接
続されているとともに、上記バッテリ39が接続されて
バッテリ電圧がモニタされている。
【0037】一方、上記I/Oインターフェース35の
出力ポートには、点火プラグ13のイグナイタ30が接
続され、さらに、駆動回路42を介して、ISCV1
1、インジェクタ12、燃料ポンプリレー41のリレー
コイル、スタータモータリレー43のリレーコイル、ヒ
ータリレー45のリレーコイル、及び、図示しないイン
ストルメントパネルに配設し、ヒータ加熱状態を表示す
るECS(Electronic Control S
ystem)ランプ47が接続されている。
【0038】上記ROM33には制御プログラム、各種
マップ類、などの固定データが記憶されており、また、
上記RAM34にはデータ処理した後の上記各センサ
類、スイッチ類の出力信号、及び、CPU32で演算処
理したデータが格納されている。
【0039】上記CPU32では、イグニッションスイ
ッチ40がONされると、上記ROM33に記憶されて
いる制御プログラムに従い、まずスタータモータ44へ
の通電を禁止し、そのときのアルコール濃度と温度条件
からエンジンが始動可能か否かを判定する。
【0040】そして、始動不能と判定した場合には、P
TCヒータ3aに通電して燃料を気化させるに充分な温
度まで加熱した後にスタータモータ44を駆動してエン
ジンを始動可能とし、エンジンが完爆し所定回転数まで
上昇すると通常制御へ移行する。
【0041】〔動作〕次に、上記制御装置31による制
御手順について説明する。
【0042】(始動時制御手順)図5のフローチャート
に示すプログラムは、イグニッションスイッチ40をO
Nし、制御装置31へ電源を投入すると同時にスタート
する初期制御のプログラムで、まず、ステップ(以下
「S」と略称)101でシステムをイニシャライズ(各
フラグクリア、タイマリセット、各リレーOFF、但し
燃料ポンプリレー41のみON)し、S102で、スタ
ータモータ44の通電を禁止するため通電禁止フラグF
LAG1をセットし(FLAG1←1,通電禁止)、S
103でアルコール濃度センサ18bからのアルコール
濃度をパラメータとして始動可能判定水温マップMPTs
を検索し、始動可能判定水温TwSETを直接あるいは補間
計算により設定する。
【0043】図14に示すように、この始動可能判定水
温マップMPTsは実験などにより特定した2つの領域、
すなわち、インジェクタ12から噴射する燃料をPTC
ヒータ3aにより加熱せずに始動可能な領域と、そのま
までは始動不能な領域とに対し、これらの領域の境界温
度を示すもので、図15に示すように、ROM33の一
連のアドレスから構成された始動可能判定水温マップM
PTsにアルコール濃度Mをパラメータとして予め記憶し
ておくものである。
【0044】これによりエンジン温度を代表する冷却水
温センサ21によって検出した冷却水温Tw が、そのと
きのアルコール濃度Mに応じて設定される始動可能判定
水温TwSET以下か否かによってエンジンが始動可能か否
かを判別することができ、S104では、上記冷却水温
Tw と、上記S103で設定した始動可能判定水温TwS
ETとを比較し、エンジンが始動可能かどうかを判定す
る。
【0045】Tw >TwSETの場合、アイCヒータ3aに
より加熱せずに始動可能と判断し、S105で通電禁止
フラグFLAG1をクリア(FLAG1←0,通電許
可)してスタータモータリレー43への通電を許可して
プログラムを終了する。
【0046】一方、S104で、Tw ≦TwSET(始動不
能)と判断されるとS106へ進み、インストルメント
パネル(図示せず)などに配設したECSランプ47を
点灯した後、S107でヒータリレー45をONしてP
TCヒータ3aへの通電を開始する。ECSランプ47
を点灯することでヒータ通電中であることをドライバー
に知らせる。
【0047】そして、S108で上記PTCヒータ3a
の通電時間を計数するためタイマTIMEのカウントを
開始する。
【0048】そして、S109で上記タイマTIMEの
計時が設定値TIMESET 以上となるまでループを繰返
してカウントを継続し、TIME≧TEMESET となっ
たときループを脱出してS110へ進み、上記タイマT
IMEをリセットした後、S111で電流センサ46で
検出したPTCヒータ3aの消費電流Iと設定電流ISE
T とを比較する。
【0049】上記S111では、I≧ISET のとき、再
び電流センサ46からPTCヒータ3aの消費電流Iを
読込んで設定電流ISET と比較する手順を繰返し、I<
ISET の場合には加熱完了と判別してS112へ進み、
通電禁止フラグFLAG1をクリア(FLAG1←0,
通電許可)し、S113へ進む。
【0050】ここで、図16に示すように、PTCヒー
タ3aは、通電後、ヒータ消費電流が立ち上り、温度が
上昇してキューリー点に達すると、抵抗値が急激に上昇
して消費電流Iが減少し始め、その後、PTCヒータ3
aの温度が略飽和状態となって消費電流Iが略一定の値
となるため、消費電流Iのみではヒータ加熱完了状態を
判断することができない。
【0051】したがって、ヒータ通電開始初期を避けて
設定時間TIMESET 経過後にヒータ消費電流Iと設定
電流ISET とを比較して加熱完了判定を行なうことによ
り、誤判定を防止するのである。
【0052】その結果、上記S111からS112へ進
む時点で、PTCヒータ3aが燃料を気化させることが
可能な温度まで加熱されており、S112で通電禁止フ
ラグFLAG1をクリアして、スタータモータリレー4
3をONし、スタータモータ44を駆動させて、同時に
インジェクタ12から燃料を噴射させても、上記PTC
ヒータ3aにより燃料の気化促進がなされるため、低温
時であってもエンジンを始動することが可能となる。
【0053】なお、スタータモータ44の制御手順は後
述する。そして、S113へ進むと、冷却水温Tw と暖
機完了温度TwLA4(例えば、50〜60℃)とを比較
し、冷却水温が暖機完了温度TwLA4に達するまで、この
ステップを繰り返して実行し、Tw ≧TwLA4となると、
エンジン暖機完了状態であり、PTCヒータ3aによる
加熱なしでもエンジン温度により燃料の気化促進がなさ
れると判断してS114へ進み、ヒータリレー45をO
FFして、PTCヒータ3aへの通電を終了した後、S
115でECSランプ47を消灯し、ドライバーにヒー
タ通電を知らせてプログラムを終了する。
【0054】(スタータモータ制御手順)また、所定時
間毎に、図6に示すスタータモータ制御手順のプログラ
ムが実行され、まず、S201でスタータスイッチ42
がONされているか否かを判別し、スタータスイッチ4
2がONと判別するとS202へ進んで通電禁止フラグ
FLAG1の値を参照し、スタータモータ44への通電
が許可されているか否かを判別する。
【0055】上記S202でFLAG1=0、すなわ
ち、スタータモータ44への通電が許可されているとき
には、S203へ進んでスタータモータリレー43をO
Nしてスタータモータ44を駆動し、エンジンをクラン
キングしてプログラムを抜ける。
【0056】一方、上記S201でスタータスイッチ4
2がOFFのとき、あるいは、上記S202でFLAG
1=1であり、スタータモータ44への通電が禁止され
ているときには、それぞれのステップからS204へ分
岐し、スタータモータリレー43をOFFとしてスター
タモータ44を駆動せずにプログラムを抜ける。
【0057】(燃料噴射対象気筒判別、エンジン回転数
算出手順)また、エンジンが回転すると、図7に示す燃
料噴射対象気筒判別、エンジン回転数算出の手順のプロ
グラムがクランク角センサ27からのクランクパルス入
力により割込みスタートする。
【0058】まず、S301で、クランク角センサ27
及びカム角センサ29の出力信号に基づき、#i(+2)気
筒の燃料噴射対象気筒を判別する。
【0059】すなわち、図13のタイムチャートに示す
ように、例えば、上記カム角センサ29からθ5 (突起
28b)のカムパルスが出力された場合、次の圧縮上死
点は#3気筒であり、この#3気筒が点火対象気筒とな
り、#4気筒が通常時の燃料噴射対象気筒となることが
判別できる。
【0060】さらに、上記θ5 のカムパルスの後にθ4
(突起28a)のカムパルスが出力された場合、次の圧
縮上死点は#2気筒であり、この#2気筒が点火対象気
筒となり、#1気筒が通常時の燃料噴射対象気筒となる
ことが判別できる。
【0061】同様にθ6 (突起28c)のカムパルスが
出力された後の圧縮上死点は#4気筒であり、この#4
気筒が点火対象気筒となって#3気筒が通常時の燃料噴
射対象気筒となる。また、上記θ6 のカムパルスの後に
θ4 (突起28a)のカムパルスが出力された場合、そ
の後の圧縮上死点は#1気筒であり、この#1気筒が点
火対象気筒となり、#2気筒が通常時の燃料噴射対象気
筒となることが判別できる。
【0062】さらに、上記カム角センサ29からカムパ
ルスが出力された後に、上記クランク角センサ27から
出力されるクランクパルスが該当気筒の点火時期及び燃
料噴射開始時期を設定する際の基準クランク角(θ1 )
を示すものであることが判別できる。
【0063】すなわち、本実施例の4サイクル4気筒エ
ンジン1では、燃焼行程は#1→#3→#2→#4の気
筒順であり、#i気筒の点火対象気筒が#1気筒とする
と、このときの通常時の燃料噴射対象気筒#i(+2)
は#2気筒であり、次の燃料噴射対象気筒#i(+2)
は#4気筒となる。そして、点火が#1→#3→#2→
#4の気筒順に行われ、燃料噴射は対応気筒に対して7
20℃A(1サイクル)毎に1回のシーケンシャル噴射
が行われる。なお、始動時においては1/2サイクル
(360℃A)毎に1回、全気筒同時噴射が実行され
る。
【0064】次いで、S302でエンジン回転数NE を
算出する。例えば、上記クランク角センサ27から出力
されるBTDCθ1 ,θ2 を検出するパルスの間隔を計
時して周期fを求め(f=dt(θ1 −θ2)/d(θ1
−θ2 )、この周期fからエンジン回転数NE を算出
し(NE ←60/f)、RAM34の所定アドレスに回
転数データとしてストアし、ルーチンを抜ける。
【0065】(燃料噴射量設定手順)図1〜図4に示す
ように、イグニッションスイッチ40をONすると所定
時間ごとの割込みルーチンにて燃料噴射量が設定され
る。
【0066】まず、S401では、エンジン回転数NE
に基づきエンジン停止状態か否かを判別し、NE ≠0の
場合、S402へ進み、また、NE =0でエンジン停止
状態の場合S403へ進み、燃料噴射量Tiを0にセッ
ト(Ti ←0)した後、ルーチンを抜ける。
【0067】NE ≠0でありエンジンが稼働されている
と判断してS402へ進むと、エンジン1/2回転当り
の時間TIME1/2を次の(1)式から算出する。
【0068】 TIME1/2 ←30/NE ……………………………………… (1) 上記(1)式は、4気筒エンジンにおける1行程当りの
時間を算出するもので、気筒数nの等間隔燃焼エンジン
であれば、上記(1)式は、以下の(1)′式から算出
することができる。
【0069】 TIME1/n/2 =(60/n/2)/NE ……………………… (1)′ 次に、S404へ進み、1行程当りの加重係数(加重平
均の重み)TNnewを、次の(2)式から算出する。
【0070】 TNnew←TIME1/2 ×COF ………………………………… (2) COF:固定値 そして、S405で、吸入空気量センサ8の出力による
計測吸入空気流量Q(g/sec)を読込むとともに、前回
のルーチンで設定した加重係数TNold、補正吸入空気流
量Qaoldを読出す。なお、初回ルーチンではTNold=
0、Qaold=0である。
【0071】その後、S406へ進み、一次遅れを補償
した補正吸入空気流量Qanewを、次の(3)式から算出
する。
【0072】 Qanew←(Qaold・TNold+Q)/(1+TNnew) ………… (3) そして、S407で、吸気行程において1気筒に吸入さ
れる空気量Qp を次の(4)式から算出することによ
り、一次遅れを補償して過渡時のオーバーシュートを補
正する。
【0073】 Qp ←Qanew×TIME1/2 …………………………………… (4) なお、上記補正吸入空気流量Qanewの理論式は、本出願
人が先に出願した特開平2−5745号公報に詳述され
ている。
【0074】その後、S408へ進み、エンジン温度を
代表する冷却水温Twによる冷却水温補正、スロットル
開度センサ9aによる全開増量補正など、始動時、エン
ジン冷態時、スロットル全開時に対応する各種増量分補
正係数COEFを設定し、S409で、O2 センサ23
の出力信号に基づいて空燃比フィードバック補正係数α
を設定する。
【0075】そして、S410でアルコール濃度センサ
18bで検出した燃料中のアルコール濃度M、吸気行程
において1気筒に吸入される空気量Qp 、及び、エンジ
ン回転数NE に基づいて目標空燃比マップMPA/F を参
照し、補間計算付きで目標空燃比A/Fを設定する。
【0076】この目標空燃比A/Fは、アルコール濃度
Mによって空燃比が変化するため、予め、図17に示す
ように、アルコール濃度M、吸気行程で1気筒に吸入さ
れる空気量Qp 、及び、エンジン回転数NE をパラメー
タとして各領域に最適空燃比(一般的には理論空燃比)
をストアしたマップとしてROM33の一連のアドレス
にメモリしておくものである。
【0077】次いで、S411へ進むとヒータ通電中か
否かを判別し、ヒータ通電中のときには、S412へ進
み、エンジンが2回転(1サイクル)する間の吸気ポー
ト2aに付着した燃料が蒸発する割合、すなわち、燃料
蒸発率βを“1”に固定し(β←1)、さらにS413
で、インジェクタ12から噴射される燃料のうち吸気ポ
ート2aの壁面に付着する燃料の割合、すなわち、壁面
付着率Xを“0”に固定して(X←0)ステップS41
6へ進む。
【0078】すなわち、エンジン稼動かつヒータ通電中
でありPTCヒータ3aの加熱完了状態の場合には、イ
ンジェクタ12から噴射される燃料は全てPTCヒータ
3aに当って気化されるため、PTCヒータ3aの通電
中は燃料が瞬時に気化されて壁面への付着がなく、この
付着燃料の蒸発もない。
【0079】したがって、上記燃料蒸発率βを“1”、
壁面付着率Xを“0”とすることにより、空燃比を適切
なものとすることができ、空燃比のオーバーリッチを防
止して、始動性及び燃費を向上することができるのであ
る。
【0080】一方、上記S411でヒータ非通電のとき
には、上記S414へ進み、エンジン回転数NE 、冷却
水温Tw 、アルコール濃度Mをパラメータとして燃料蒸
発率マップMPβを補間計算付きで参照してエンジン2
回転毎の燃料蒸発率βを設定し、次いで、S415で、
アルコール濃度Mと補正吸入空気流量Qanewと前回のル
ーチンで設定した燃料噴射パルス幅Ti とをパラメータ
として壁面付着率マップMPX を補間計算付きで参照し
て壁面付着率Xを設定し、S416へ進む。
【0081】なお、初回ルーチンでは、燃料噴射パルス
幅Ti が設定されていないので、X=0に設定する。
【0082】上記燃料蒸発率βは、壁面温度、周期、ア
ルコール濃度Mに支配される。すなわち、壁面温度が高
いほど燃料蒸発率βが大きくなり、また、エンジン回転
数NE が上昇すれば周期が短くなるため次の吸気行程ま
での燃料付着時間が短く、その分、燃料蒸発率βの値は
小さくなる。さらに、アルコール濃度Mが高いほど気化
潜熱が高くなるため燃料が蒸発しにくく、燃料蒸発率β
の値は小さくなる。
【0083】また、上記壁面付着率Xの変化は、吸入空
気流量Qanewと燃料噴射パルス幅Ti (燃料噴射量)と
アルコール濃度Mに支配される。すなわち、吸入空気流
量Qanewが大きくなると気化時間が短くなり壁面付着率
Xが大きくなる。また、吸入空気流量Qanewを一定とし
た場合、壁面付着量の変動幅は燃料噴射量の変化に対し
て微小であり、よって燃料噴射パルス幅Ti が大きくな
れば上記壁面付着率Xは相対的に小さな値になる。さら
に、燃料のアルコール濃度Mが高くなれば気化潜熱が高
くなって燃料が蒸発しにくくなるため、上記壁面付着率
Xは相対的に大きな値になる。
【0084】したがって、上記燃料蒸発率βは、冷却水
温Tw とエンジン回転数NE とアルコール濃度Mとの関
数として捕えることができ、本実施例においては、図1
8に示すようなエンジン回転数NE と冷却水温Twとア
ルコール濃度Mとをパラメータとする燃料蒸発率マップ
MPβを構成し、各領域に予め実験などから求めた燃料
蒸発率βを格納する。さらに、図19に示すように、上
記壁面付着率マップMPX はアルコール濃度Mと補正吸
入空気流量Qanewと燃料噴射パルス幅Ti とをパラメー
タとするマップで構成されており、各領域には予め実験
などから求めた壁面付着率Xが格納されている。
【0085】そして、上記S413あるいは上記S41
5からS416へ進むと、4行程(1サイクル)前に設
定した吸気ポート残留燃料量Mf4を読出し、S417
で、1回噴射当りの燃料噴射量Gf を次の(5)式から
設定する。なお、燃料噴射ルーチンが初回から4回実行
されるまではMf4=0である。
【0086】 Gf ←{(Qp/A/F )×COEF−β×Mf4}/(1−X)……(5) 前述したように、本実施例では、対応気筒に対して72
0℃A(エンジン2回転)ごとに1回の燃料噴射が行わ
れ、対応気筒のインジェクタ12から対応気筒の吸気ポ
ート2aに燃料が噴射されると、その一部は気筒内(燃
焼室)に吸入されることなく、吸気バルブ、吸気ポート
壁面などに付着する。この付着燃料はエンジンが2回転
する間、適宜蒸発し、この蒸発燃料が次回の吸気行程で
噴射された燃料とともに気筒内に吸入される。
【0087】ここで、1回噴射当りの実際に筒内へ供給
される燃料供給量Geは壁面に付着しない燃料量(1−
X)Gf と蒸発量Mf4・βとの和、すなわち、以下の
(6)式となり、この(6)式から1回噴射当りの必要
燃料量Gf が、以下の(7)式により求められる。
【0088】 Ge =(1−X)Gf +Mf4・β ……………………………… (6) Gf =(Ge −Mf4・β)/(1−X) ………………………… (7) 実際の気筒内への燃料供給量Ge は、目標空燃比A/F
と空気量Qp とによる燃料供給の目標値であり、増量補
正した目標空燃比が(A/F)/COEFであるため、
以下の(8)式で表現することができ、この(8)式を
(7)式に代入すると、上記(5)式となる。
【0089】 Ge =Qp ・COEF/(A/F) …………………………… (8) 次いで、S418で、今回の吸気ポート残留燃料量Mf
を次の(9)式から設定する。
【0090】 Mf ←(1−β)×Mf4+X・Gf …………………………… (9) すなわち、燃料噴射直後の吸気ポート残留燃料量Mf
は、前回の対応気筒の付着燃料のうちから蒸発分を引い
た残量(1−β)×Mf4と今回の噴射された燃料量のう
ちの付着分X・Gf との和となる。なお、初回から4回
噴射実行されるまでの間は、Mf =X・Gf となる。
【0091】その後、S419で、バッテリ電圧に基づ
いて無効時間を補正する電圧補正パルス幅TS を設定
し、S420でエンジン回転数NE と完爆判定用設定値
NESET(例えば400〜600rpm)とを比較し、NE ≧
NESET(完爆)の場合には通常時制御処理のためS42
1へ進み、NE <NESET(始動中)の場合には始動時制
御処理を行うべくS422へ進む。
【0092】完爆と判定されてS421へ進むと、実際
にインジェクタ12を駆動する燃料噴射パルス幅Ti
を、次の(10)式に基づいて設定する。
【0093】 Ti ←K・Gf ・α+Ts …………………………………… (10) K:インジェクタ特性補正係数 上記燃料噴射量Gf が壁面燃料付着予測補正、壁面付着
燃料に対する蒸発補正を行っているので、過渡時、とく
に、低回転時の空燃比のリッチ化が防止され、過渡時の
もたつきが防がれ、出力応答性が向上する。さらに、加
速増量補正が不要となり、空燃比制御性が向上するとと
もに燃料の無駄な消費が防止される。
【0094】そして、S423で、エンジン回転数NE
と燃料噴射パルス幅Ti をパラメータとして噴射開始ク
ランク角度マップMPθINJST に基づき噴射開始クラン
ク角度θINJST を設定する。
【0095】図20に示すように、上記噴射開始クラン
ク角度マップMPθINJST は、エンジン回転数NE と燃
料噴射パルス幅Ti をパラメータとするマップで構成さ
れており、各領域には予め計算などから求めた最適な噴
射開始クランク角度θINJSTが格納されている。この噴
射開始クランク角度θINJST は、エンジン回転数NE、
燃料噴射パルス幅Ti が大きいほど進角側に設定され
る。
【0096】次いで、通常時制御処理実行であるため、
S424で始動時制御判別フラグFLAGSTをクリア
(FLAGST←0)し、S441へ進む。
【0097】なお、上記始動時制御判別フラグFLAG
STの値は、後述する燃料噴射制御ルーチンにて参照され
る。
【0098】一方、上記S420で始動中と判断されて
始動時制御処理を実行すべくS422へ進むと、第一の
始動時燃料噴射パルス幅Ti1を、次の(10)′式に基
づいて設定する。
【0099】 Ti1←0.5×(K・Gf ・α)+Ts ……………………… (10)′ なお、始動時はエンジン1回転(360℃A)ごとに全
気筒同時噴射させるため(図13参照)、(K・Gf ・
α)に0.5を乗じている。
【0100】そして、S425へ進むと冷却水温Tw と
アルコール濃度Mをパラメータとして始動時基本噴射量
マップMPGFS を参照して始動時基本噴射量GFSを補間
計算付きで設定する。
【0101】この始動時基本噴射量マップMPGFS の各
領域に格納されている始動時基本噴射量GFSは、アルコ
ール濃度Mが高いほど、冷却水温度Tw が低いほど大き
な値に設定されている。なお、フローチャートに示す始
動時基本噴射量マップMPGFS 中の噴射量は一例であ
り、エンジン形式等の特性に応じて適宜設定する。
【0102】その後、S426へ進み、吸気温センサ7
aで検出した吸気温TA と設定値TASET(例えば、0〜
10℃)とを比較し、TA <TASETの場合S427へ進
み、また、TA ≧TASETの場合S430へ進む。
【0103】S427へ進むと、アルコール濃度Mと、
冷却水温Tw と吸気温TA との差とに基づき吸気温補正
係数マップMPKK1 を参照して吸気温補正係数KK1を補
間計算付きで設定する。
【0104】この吸気温補正係数マップMPKK1 の各領
域には、アルコール濃度Mが高いほど、冷却水温Tw と
吸気温TA との差が大きいほど吸気温補正計数KK1とし
て大きい値が格納されている。また、S427中のマッ
プMPKK1 に記載した吸気温補正計数KK1の値は一例で
あり、エンジン形式等の特性に応じて適宜設定する。そ
の後、S428へ進み、アルコール濃度Mと、冷却水温
Tw と燃料温度TFとの差とに基づき燃料温度補正係数
マップMPKN1 を参照して燃料温度補正係数KN1を補間
計算付きで設定する。
【0105】この燃料温度補正係数マップMPKN1 の各
領域には、アルコール濃度Mが高いほど、冷却水温Tw
と燃料温度TF との差が大きいほど燃料温度補正係数K
N1として大きな値が格納されている。なお、マップ中の
燃料温度補正係数KN1の値は一例であり、エンジン形式
等の特性に応じて適宜設定する。
【0106】そして、S429で、次の(11)式に示
すように、上記始動時基本噴射量GFSを上記吸気温補正
係数KK1、燃料温度補正係数KN1で増量補正して基本値
TCST を設定し、S431へ進む。
【0107】 TCST ←GFS+KK1+KN1 …………………………………… (11) 上記始動時基本噴射量GFSを吸気温補正係数KK1、燃料
温度補正係数KN1で増量補正しているため、例えば気化
潜熱が大きく始動が困難な高アルコール濃度の燃料で、
しかも、吸気温TA と燃料温度TF が冷却水温Tw より
も低い極低温時の始動性が良好になる。
【0108】一方、上記S426で、TA ≧TASETと判
断された場合、すなわち、外気温が比較的高い場合に
は、始動時基本噴射量GFSを増量補正すると空燃比が必
要以上にリッチ化するおそれがあるためS430へ進
み、上記始動時基本噴射量GFSをそのまま基本値TCST
としてS431へ進む。
【0109】そして、上記S429、あるいは、S43
0からS431へ進むと、エンジン回転数NE をパラメ
ータとして回転補正係数TCSN を設定し、S432で、
最初の噴射パルスが出力されたときからの経過時間をパ
ラメータとして時間補正係数TKCS を設定する。
【0110】上記回転補正係数TCSN は、始動性向上の
ためにエンジン回転数NE に応じて補正量を変化させる
ためのものであり、低回転であるほど大きな値が、例え
ばテーブルなどに格納されている。また、上記時間補正
係数TKCS は、フローチャート中に示すように、エンジ
ン始動時、最初の噴射パルスが出力されたときをTKCS
=1.0とし、エンジンの始動に従って所定時間経過後
から燃料噴射パルス幅を小さくする方向に補正する時間
パラメータである。
【0111】なお、上記各補正係数TCSN ,TKCS は、
エンジン完爆後、通常時の燃料噴射パルス幅に円滑に移
行させるため、所定回転数以上でTCSN =0とし、ま
た、所定経過時間以後、TKCS =0とする。
【0112】その後、S433へ進むと、バッテリ電圧
VB をパラメータとしてテーブル検索などにより電圧補
正係数TCSL を設定し、S434で、スロットル開度θ
をパラメータとして、同様にテーブル検索などによりス
ロットル開度補正係数TCSAを設定し、S435へ進
む。
【0113】S435では、上記基本値TCST に対し、
上記回転補正係数TCSN 、上記時間補正係数TKCS 、上
記電圧補正係数TCSL 、及び、上記スロットル開度補正
係数TCSA により、回転補正、時間補正、電圧補正、及
び、スロットル開度補正を行ない、インジェクタ12に
対する第二の始動時燃料噴射パルス幅Ti2を設定する
(Ti2←TCST ×TCSN ×TKCS ×TCSL ×TCSA)。
【0114】その後、S436で上記第一の始動時燃料
噴射パルス幅Ti1と上記第二の始動時燃料噴射パルス幅
Ti2とを比較し、Ti1≧Ti2のとき、S437で、上記
第一の始動時燃料噴射パルス幅Ti1をインジェクタ12
に対する最終的な燃料噴射パルス幅Ti と設定(Ti ←
Ti1)して、S439へ進む。また、Ti1<Ti2のとき
には、S438へ進み、上記第2の始動時燃料噴射パル
ス幅Ti2をインジェクタ12に対する最終的な燃料噴射
パルス幅Ti と設定(Ti ←Ti2)して、S439へ進
む。
【0115】すなわち、通常時の燃料噴射パルス幅(K
・Gf・α)に基づく第一の始動時燃料噴射パルス幅T
i1と始動時基本噴射量GFSに基づく第二の始動時燃料噴
射パルス幅Ti2とを比較して大きい方の値を選択するこ
とにより、エンジン始動時の広範な温度条件に対して適
切な燃料供給量を得ることができる。
【0116】そして、S439へ進むと、始動時制御に
おける燃料噴射開始クランク角θ3(図13参照)に相
当する固定値θSET を噴射開始クランク角θINJST とし
てセット(θINJST ←θSET )し、S440で、始動時
制御処理実行であることを示すため始動時制御判別フラ
グFLAGSTをセット(FLAGST←1)し、S441
へ進む。
【0117】その後、S424あるいはS440からS
441へ進むとS404で設定した加重係数TNnewによ
り前回のデータTNoldを更新する(TNold←TNnew)。
また、S442で、上記S406で設定した補正吸入空
気流量Qanewにより前回のデータQaoldを更新し(Qao
ld←Qanew)、ルーチンを抜ける。
【0118】(燃料噴射制御手順)以上の手順により燃
料噴射パルス幅Ti が設定されると、図8のフローチャ
ートに従って燃料噴射信号が出力される。図8に示す燃
料噴射制御ルーチンはクランクパルス入力に基づいて演
算された現在のクランク角度が、前述のルーチン(S4
23あるいはS439)で設定した噴射開始クランク角
度θINJST になると割込みがかかり180℃Aごとに実
行される。
【0119】まず、S501で始動時制御判別フラグF
LAGSTがセット状態(FLAGST=1)か否かを判別
し、FLAGST=1の場合、始動時制御実行と判別して
S502へ進む。また、FLAGST=0の場合、完爆後
における通常時制御実行と判別してS503へ進み、前
述の燃料噴射対象気筒判別、エンジン回転数算出手順で
判別した燃料噴射対象気筒#i(+2)のインジェクタ12
へ、前述のS421で設定した燃料噴射パルス幅Tiに
相当する駆動パルス信号を出力してS507へ進む。
【0120】一方、始動時制御実行と判別してS501
からS502へ進むと、1/2サイクル(360℃A)
ごとに全気筒同時噴射を実行させるためカウント値CO
UNTのをカウントアップし、S504で上記カウント
値COUNTと1/2サイクルを判別する設定値2とを
比較し、COUNT≧2(前回の全気筒同時噴射から3
60℃A経過)の場合S505へ進み、COUNT<2
の場合(180℃A)、S507へジャンプする。
【0121】COUNT≧2で、前回の全気筒同時噴射
から360℃A経過と判別してS505へ進むと、前述
のS437あるいはS438で設定した始動時の燃料噴
射パルスTi に相当する駆動パルス信号を全気筒のイン
ジェクタ12へ出力し(図13参照)、S506でカウ
ント値COUNTをクリア(COUNT←0)し、S5
07へ進む。
【0122】そして、S503、S504あるいはS5
06からS507へ進むと、前述の燃料噴射量設定手順
にて設定した今回の吸気ポート残留燃料量Mfにより、
前回の吸気ポート残留燃料量Mf1を更新し(Mf1←Mf
)、同様に各データを順次更新する(Mf2←Mf1,Mf
3←Mf2,Mf4←Mf3)。
【0123】その結果、前述の燃料噴射量設定手順のS
416で読出す吸気ポート残留燃料量Mf4は常に1サイ
クル前、すなわち、当該気筒の残留燃料となる。なお、
n気筒エンジンの場合、1サイクル前の吸気ポート残留
燃料量Mfnは、その前の吸気ポート残留燃料量Mfn-1で
更新されることになる。
【0124】(第二実施例)図21,図22は本発明の
第二実施例を示し、図21は始動時制御手順を示すフロ
ーチャート、図22は燃料噴射量設定手順の図3に相当
するフローチャートである。
【0125】この実施例では、PTCヒータ3aの加熱
による燃料気化促進を実行しなくてもエンジン始動が可
能か否かの判断を、アルコール濃度M、冷却水温Tw 、
吸気温TA 、燃料温度TF に基づいて行うと共に、始動
時基本噴射量GFSをアルコール濃度M、1気筒当りの吸
入空気量QPSETに基づいて設定し、この始動時基本噴射
量GFSを、冷却水温Tw およびアルコール濃度Mに基づ
き設定した増量係数Kw により補正して基本値TCST を
設定するようにしたものである。
【0126】図21に示す始動制御手順において、ま
ず、S101でシステムをイニシャライズし、S102
でスタータモータ44の通電を禁止するための通電禁止
フラグFLAG1をセットし(FLAG1←,通電禁
止)、S601で冷却水温Tw 、燃料中のアルコール濃
度Mに基づき始動時増量係数マップMPKw(後述する)
を参照して補間計算付きで始動時増量係数Kw を設定す
る。
【0127】その後、S602で燃料中のアルコール濃
度Mと、冷却水温Twと吸気温TAとの差とに基づき吸気
温補正係数マップMPKK2 (後述する)を参照し、補間
計算付きで吸気温補正係数KK2 を設定する。
【0128】また、S603では上記アルコール濃度M
と、冷却水温Tw と燃料温度TF との差に基づき燃料温
度補正係数マップMPKN2 (後述する)を参照し、補間
計算付きで燃料温度補正係数KN2を設定する。
【0129】そして、S604で、上記始動時増量係数
Kw 、吸気温補正係数KK2、および、燃料温度補正係数
KN2を乗算し、その乗算値と予め設定した始動可能判定
値KSET とを比較し、Kw ×KK2×KN2<KSET の場
合、始動可能と判断し、S105へ進み、通電禁止フラ
グFLAG1をクリア(FLAG1←0,通電許可)し
て、プログラムを終了する。
【0130】一方、上記S604で、Kw ×KK2×KN2
≧KSET (始動不能)と判断された場合、前記第一実施
例の図5のS106〜S115と同様のルーチンを実行
した後、プログラムを終了する。
【0131】始動可能か否かの判断を上記各係数Kw ,
KK2,KN2の乗算値に基づいて行うため、判断因子に燃
料中のアルコール濃度Mばかりでなく、燃料温度TF 、
吸気温TA も加味されることになり、ヒータ通電が必要
かどうかの判断が適切になる。
【0132】図22に示す燃料噴射量設定手順のフロー
チャートでは、前述した第一実施例における図2のS4
20で、始動中(NE <NESET)と判断された場合の手
順を示すもので、図1〜図4のフローチャートの内、図
3を図22に置換えたものであり、図22以外は第一実
施例と同様であるため説明を省略する。
【0133】上記S420で始動中(NE <NESET)と
判断されて、S422へ進み、第一の始動時燃料噴射パ
ルス幅Ti1を設定した後、S701へ進むと、アルコー
ルMを関数として理論空燃比A/FTHEOを設定する(A
/FTHEO←f(M) )。なお、アルコール濃度Mに基づき
マップ検索によって理論空燃比A/FTHEOを設定するよ
うにしてもよい。
【0134】その後、S702で始動時基本噴射量GFS
を次の(12)式から求める。
【0135】 GFS←QPSET/(A/FTHEO) ……………………………… (12) QPSET:充填効率100%として吸気行程で1気筒に吸
入される空気量(ROM33にストアされている) そして、S703で冷却水温Tw 、アルコール濃度Mに
基づき、始動時増量係数マップMPKwから始動時増量係
数Kw を設定する。この始動時増量係数マップMPKwの
各領域には、始動性を良好にするため、アルコール濃度
Mが高いほど、冷却水温Tw が低いほど大きな値の始動
時増量係数Kw が格納されている。なお、上記冷却水温
Tw に代えて吸気温TA あるいは燃料温度TF をパラメ
ータとしてマップを形成してもよいが燃料が噴射される
のが吸気バルブ付近であるため、冷却水温Tw が最も影
響を及ぼしやすく、最適であると考慮される。また、上
記冷却水温Twに代えてインテークマニホルド3のヘッ
ド部の温度と冷却水温Twとの差をパラメータとして始
動時増量係数Kw を設定するようにすれば、始動性がさ
らに向上する。
【0136】その後、S426で吸気温センサ7aで検
出した吸気温TA と設定値TASETとを比較し、TA <T
ASETの場合S704へ進み、TA ≧TASETの場合S70
7へ進む。
【0137】S704へ進むと、アルコール濃度Mと、
冷却水温Tw と吸気温TA との差とに基づき吸気温補正
係数マップMPKK2 を参照して吸気温補正係数KK2を補
間計算付きで設定する。
【0138】この吸気温補正係数マップMPKK2 の各領
域には、アルコール濃度Mが大きいほど、冷却水温Tw
と吸気温TA との差が大きいほど大きい値の吸気温補正
係数KK2が格納されている。なお、S704中のマップ
MPKK2 の各領域に明記した吸気温補正係数KK2の値は
一例であり、エンジン形式等の特性に応じて適宜設定す
る。
【0139】その後、S705へ進み、アルコール濃度
Mと、冷却水温Tw と燃料温度TFとの差とに基づき燃
料温度補正係数マップMPKN2 を参照して燃料温度補正
係数KN2を補間計算付きで設定する。
【0140】この燃料温度補正係数マップMPKN2 の各
領域には、アルコール濃度Mが高いほど、冷却水温Tw
と燃料温度TF との差が大きいほど大きな値の燃料温度
補正係数KN2が格納されている。なお、S705に記載
したマップMPKN2 の各領域における燃料温度補正係数
KN2の値は一例であり、エンジン形成等の特性に応じて
適宜設定する。
【0141】そして、S706で、次の(13)式に示
すように、上記始動時基本噴射量GFSを始動時増量係数
Kw 、吸気温補正係数KK2、燃料温度補正係数KN2で補
正して基本値TCST を設定しS431へ進む。
【0142】 TCST ←GFS×Kw ×KK2×KN2 …………………………… (13) 一方、上記S426で、TA ≧TASETと判断されてS7
07へ進むと、始動時基本噴射量GFSをS703で設定
した始動時増量係数Kwで補正して基本値TCST を設定
した後(TCST ←GFS×Kw )、S431へ進む。
【0143】
【発明の効果】以上、説明したように本発明によれば以
下に列記する効果が奏される。
【0144】1)請求項1によれば、始動時の燃料噴射
量を設定する際に、始動時基本噴射量を吸気温を加味し
た吸気温補正係数と、燃料温度を加味した燃料温度補正
係数とで補正しているので、エンジン温度よりも外気温
度の低い極低温時においても良好な始動性能を得ること
ができる。
【0145】2)請求項2によれば、始動時の燃料噴射
量を設定する際に、始動時基本噴射量をアルコール濃度
を加味した始動時増量係数と、吸気温を加味した吸気温
補正係数と、燃料温度を加味した燃料温度補正係数とで
補正しているので、高アルコール濃度の燃料で、かつ、
エンジン温度よりも外気温度の低い極低温時においても
良好な始動性能を得ることができる。
【0146】3)請求項3によれば、始動時、加熱手段
に通電するか否かを始動時増量係数、吸気温補正係数お
よび燃料温度補正係数の乗算値と、始動可能判定値との
比較において判断しているので、加熱手段による加熱な
しでエンジン始動が可能か否かを適切に判断することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1〜図17は本発明の第一実施例を示し、図
1〜図4は燃料噴射量設定手順を示すフローチャート
【図2】同上
【図3】同上
【図4】同上
【図5】始動時制御手順を示すフローチャート
【図6】スタータモータ制御手順を示すフローチャート
【図7】燃料噴射対象気筒判別、エンジン回転数算出手
順を示すフローチャート
【図8】燃料噴射制御手順を示すフローチャート
【図9】エンジン制御系の概略図
【図10】制御装置の回路構成図
【図11】クランクロータとクランク角センサの正面図
【図12】カムロータとカム角センサの正面図
【図13】燃料噴射のタイムチャート
【図14】アルコール濃度と温度条件によって決定され
る始動可能領域と始動不能領域とを示す概念図
【図15】始動可能判定水温マップの概念図
【図16】ヒータの特性図
【図17】目標空燃比マップの概念図
【図18】燃料蒸発率マップの概念図
【図19】燃料付着率マップの概念図
【図20】噴射開始クランク角度マップの概念図
【図21】図21,図22は本発明の第二実施例を示
し、図21は始動時制御手順を示すフローチャート
【図22】燃料噴射量設定手順の図3に相当するフロー
チャートである。
【符号の説明】
3a……PTCヒータ(加熱手段) 12……インジェクタ GFS……始動時基本噴射量 KK1,KK2…吸気温補正係数 KN1,KN2…燃料温度補正係数 KSET …始動可能判定値 Kw ……始動時増量係数 M………アルコール濃度 QPSET…1気筒当たりの吸入空気量 TA ……吸気温 Ti2……始動時燃料噴射量 Tw ……エンジン温度(冷却水温度)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 始動時のエンジン温度と燃料中のアルコ
    ール濃度とから始動時基本噴射量を求める手順と、 上記エンジン温度と吸気温との差と、上記アルコール濃
    度とから吸気温補正係数を求める手順と、 上記エンジン温度と燃料温度との差と、上記アルコール
    濃度とから燃料温度補正係数を求める手順と、 上記始動時基本噴射量を上記吸気温補正係数、上記燃料
    温度補正係数で補正して始動時燃料噴射量を設定する手
    順とを備えることを特徴とするFFV用エンジンの始動
    制御方法。
  2. 【請求項2】 燃料中のアルコール濃度と1気筒当たり
    の吸入空気量とから始動時基本噴射量を求める手順と、 始動時のエンジン温度と上記アルコール濃度とから始動
    時増量係数を求める手順と、 上記エンジン温度と吸気温との差と、上記アルコール濃
    度とから吸気温補正係数を求める手順と、 上記エンジン温度と燃料温度との差と、上記アルコール
    濃度とから燃料温度補正係数を求める手順と、 上記始動時基本噴射量を上記始動時増量係数、上記吸気
    温補正係数、上記燃料温度補正係数で補正して始動時燃
    料噴射量を設定する手順とを備えることを特徴とするF
    FV用エンジンの始動制御方法。
  3. 【請求項3】 始動時のエンジン温度と燃料中のアルコ
    ール濃度とから始動時増量係数を求める手順と、 上記エンジン温度と吸気温との差と、上記アルコール濃
    度とから吸気温補正係数を求める手順と、 上記エンジン温度と燃料温度との差と、上記アルコール
    濃度とから燃料温度補正係数を求める手順と、 上記始動時増量係数,吸気温補正係数および燃料温度補
    正係数の乗算値と始動可能判定値とを比較し、上記乗算
    値が上記始動可能判定値よりも大きい場合、インジェク
    タの燃料噴射方向に配設した加熱手段に対する通電を開
    始する手順とを備えることを特徴とするFFV用エンジ
    ンの始動制御方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010001765A (ja) * 2008-06-18 2010-01-07 Mitsubishi Electric Corp 内燃機関の始動制御装置
JP2011157871A (ja) * 2010-02-01 2011-08-18 Honda Motor Co Ltd アルコール濃度推測検知装置

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