JPH0586796B2 - - Google Patents

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JPH0586796B2
JPH0586796B2 JP60196724A JP19672485A JPH0586796B2 JP H0586796 B2 JPH0586796 B2 JP H0586796B2 JP 60196724 A JP60196724 A JP 60196724A JP 19672485 A JP19672485 A JP 19672485A JP H0586796 B2 JPH0586796 B2 JP H0586796B2
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JP
Japan
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chlorella
epa
phospholipids
marine
acetone
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JP60196724A
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JPS6256497A (ja
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Harumi Tanaka
Osamu Yamada
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Nisshin Oillio Group Ltd
Original Assignee
Nisshin Oil Mills Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 (a)産業上の利用分野 本発明は、海産クロレラからエイコサペンタエ
ン酸(以下、EPAという)を含有するリン脂質
組成物を製造する方法に関するものである。該リ
ン脂質は食品、化粧品、医薬品、農業、水産など
の分野において有用である。
(b)従来の技術 リン脂質は、高等動植物をはじめ各種生物中に
含まれ、主として細胞膜の構成物として生体中で
重要な働きをしている。このうち現在、工業的規
模で生産されているリン脂質は、大豆リン脂質と
卵黄リン脂質である。これらは天然界面活性剤で
あり、この乳化作用、分散作用、湿潤作用などを
利用して食品、化粧品、医薬品などの分野で使用
されている。しかしながら、かかる大豆および卵
黄リン脂質をはじめとする高等動植物を起源とす
るリン脂質は、その構成脂肪酸が炭素数16〜18の
脂肪酸を主成分とするものであり、炭素数20であ
るEPAを含むリン脂質が工業的に単離された例
は見当たらない。
然るに、EPAは、近年脳血栓や動脈硬化症の
予防・治療薬として有効であることが認められて
いる物質である。このEPAは、魚油や海水産動
物および植物(藻類)の油脂中に含まれているこ
とが知られており、EPAを含むトリグリセリド
は例えば魚油から分別精製され、健康食品として
市販されている。また、医薬品原料として、
EPAエチルエステルも試作されている。しかし
ながら、EPAのトリグリセリドやエチルエステ
ルの腸管吸収効率はあまり良いとは言えない。
これに対し、構成脂肪酸としてEPAを含むリ
ン脂質を得ることができれば、このものはEPA
が持つ血小板凝集抑制作用、血清コレステロール
上昇抑制作用等の生理作用を持ち、しかもEPA
のトリグリセリドやエチルエステルと比較すると
腸管での吸収速度が速い可能性がある。
(c)発明が解決しようとする問題点 本発明の目的は、前記各種産業分野において、
乳化剤、分散剤、湿潤剤などとして有用であり、
また生体内吸収性にも優れている可能性のある
EPAを含有するリン脂質組成物を工業的に効率
良く、簡易に得ることのできる製造方法を提供す
ることにある。
(d)問題点を解決するための手段 本発明者らは、上記の目的に合つた製造法を見
出すために鋭意研究の結果、海産クロレラの脂質
について、次のような知見を得た。即ち、海産
クロレラの総脂質含量は乾物換算で35〜40%と高
く、そのうち20〜30%がリン脂質であること、
総脂質の脂肪酸組成を見てもEPAが40%と高い
こと、総脂質を溶剤分別とシリカゲルカラムク
ロマトグラフイーにより、リン脂質、糖脂質、ト
リグリセリド、その他の成分に分画すると、リン
脂質中の総脂肪酸に占めるEPAの割合が20%以
上になること。
本発明は、以上の知見に基づいて完成されたも
ので、海産クロレラの総脂質を冷却下にアセトン
分別し、得られるアセトン不溶分をシリカゲルカ
ラムクロマトグラフイーで分画することを特徴と
するEPAを含有するリン脂質組成物の製造法で
ある。
以下、本発明を詳述する。
本発明で使用できる海産クロレラは、EPA含
量さえ高いものであれば特に属、種あるいは株な
どを限定するものではないが、通常はChlorella
minutissima(クロレラ・ミニユテイシマ)、
Chlorella vulgaris(クロレラ・ブルガリス)な
どに分類される海産クロレラを用いる。
なお、海産クロレラの分類については、
Nannochloropsis属に属する旨の発表もあるが、
現在一般には、上記のようにクロレラ・ミニユテ
イシマ、クロレラ・ブルガリスなどと呼ばれてい
るものがこれに入る(Bulletin of the Japanese
Society of Scientific Fisheries第44巻第10号
1109〜1114頁(1978年)、同第45巻第7号883〜
889頁(1979年)、同第45巻第8号955〜959頁
(1979年)、油化学第31巻第2号77〜90頁(1982
年)) まず、海産クロレラを常法により例えば海水中
で培養してクロレラ細胞を得、これを遠心分離法
などで集め、洗浄、乾燥して海産クロレラ粉末を
得る。この海産クロレラ粉末から、極性および非
極性の有機溶剤の任意の割合の混合物を用いて脂
質抽出を行い、脱溶剤後、冷却しながらまた冷却
下にアセトン分画を行い、アセトンに不溶な物質
を集めれば、リン脂質の粗分画物が得られる。さ
らに、得られたすべての画分をシリカゲルカラム
クロマトグラフイーで再分画し、リン脂質の画分
を集めると高純度のリン脂質組成物が高収率で得
られる。ただし、ここに示した分別法は、一例で
あり、本発明のリン脂質組成物の分画法がこれに
限定されるものではない。
このようにして得られるリン脂質は、TLC(薄
層クロマトグラフイー)でその組成を分析し、さ
らに常法によりケン化分解、メチルエステル化し
てGLC(ガスクロマトグラフイー)で分析して構
成脂肪酸組成を求めることができる。
上述の方法により得られるリン脂質組成物は、
ホスフアチジルコリン、リゾホスフアチジルコリ
ン、ホスフアチジルエタノールアミン、リゾホス
フアチジルエタノールアミン、ホスフアチジルイ
ノシトール、ホスフアチジン酸などであり、また
その構成脂肪酸はEPA、アラキドン酸、リノレ
ン酸、リノール酸、パルミチン酸などであつた。
(e)実施例 実施例 1 海産クロレラ(Chlorella minutissima;神奈
川県水産試験場から分譲された株)を海水中で培
養し、クロレラ細胞を遠心分離して集め、洗浄、
乾燥して海産クロレラ粉末を得た。該海産クロレ
ラの乾燥粉末100gをクロロホルム:メタノール
=2:1混合溶剤で抽出し、39gの抽出脂質を得
た。この脱溶剤後の総脂質にアセトン400mlを加
え、冷却しながら撹拌を行い、中性脂質、糖脂
質、ステロール類、クロロフイルを分別をし濾過
によりアセトン不溶分を回収した。得られたアセ
トン不溶分をクロロホルムに溶解し、次にこの溶
液をシリカゲルカラムクロマトグラフイーにか
け、クロロホルム、クロロホルム:メタノール=
2:1、クロロホルム:メタノール=1:1およ
びメタノールで順次展開した。得られた各フラク
シヨンをTLCでチエツクし、目的とするリン脂
質のフラクシヨンをいくつか見出し、それらを回
収し、脱溶剤したところ約10gのリン脂質組成物
が得られた。得られたリン脂質の組成は、TLC
分析の結果、ホスフアチジルコリン、ホスフアチ
ジルエタノールアミンおよびホスフアチジン酸が
主成分であり、また構成脂肪酸はEPA、アラキ
ドン酸、リノレン酸、パルミチン酸などであつ
た。
実施例 2 海産クロレラ(長崎県水産試験場から分譲され
た株)を海水中で培養してクロレラ細胞を得、遠
心集菌、洗浄、乾燥して海産クロレラ粉末を得
た。該海産クロレラ粉末100gをn−ヘキサン:
エタノール:水=2:0.9:0.1混合溶剤で抽出
し、40gの総脂質を得た。該総脂質にアセトン
500mlを加え、冷却下に撹拌して中性脂質、糖脂
質、ステロール類、クロロフイルを分別し、濾過
してアセトン不溶分を回収した。得られたアセト
ン不溶分をブタノールに溶解し、展開溶媒として
ブタノール、酢酸および水を用い、実施例1と同
様にシリカゲルクロマトグラフイーで分画した。
各フラクシヨンをTLCでチエツクしながら、リ
ン脂質含有画分を集め、リン脂質組成物15gを得
た。該リン脂質組成物はホスフアチジルコリン、
ホスフアチジルエタノールアミン、ホスフアチジ
ン酸を主成分とし、また構成脂肪酸はEPA、リ
ノレン酸、リノール酸、オレイン酸、パルミチン
酸などであつた。
(f)発明の効果 本発明の効果は次のようである。
(1) 溶剤分別およびカラムクロマトグラフイーを
組み合わせる方法により、植物の1種である海
産クロレラの混合脂質から生体に吸収されやす
い形態のEPAを含むリン脂質を工業的に単離、
精製することが可能となつた。
(2) 該EPA含有リン脂質は、従来のEPAトリグ
リセリド、EPAメチルエステル等に比較して
体内吸収性に優れ、産業的に有利な製品となり
得る。
(3) かかるEPA含有リン脂質は、食品素材、健
康食品、乳化剤、分散剤として、また化粧品用
基剤、湿潤剤および乳化剤、医薬品および農薬
用原料、また診断用あるいは分析用試薬などと
して利用できる。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 海産クロレラの総脂質を冷却下にアセトン分
    別し、得られるアセトン不溶分をシリカゲルカラ
    ムクロマトグラフイーで分画することを特徴とす
    るエイコサペンタエン酸を含むリン脂質組成物の
    製造法。 2 海産クロレラがクロレラ・ミニユテイシマ
    (Chlorella minutissima)である特許請求の範囲
    第1項記載の製造法。 3 構成リン脂質がホスフアチジルコリン、ホス
    フアチジルエタノールアミンを主成分とするもの
    である特許請求の範囲第1項記載の製造法。
JP19672485A 1985-09-05 1985-09-05 エイコサペンタエン酸を含むリン脂質組成物の製造法 Granted JPS6256497A (ja)

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US5246841A (en) * 1986-12-26 1993-09-21 Sagami Chemical Research Center Microbial process for production of eicosapentaenoic acid
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