JPH01160989A - ドコサヘキサエノイルホスファチジルコリンの製造法 - Google Patents

ドコサヘキサエノイルホスファチジルコリンの製造法

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JPH01160989A
JPH01160989A JP31861787A JP31861787A JPH01160989A JP H01160989 A JPH01160989 A JP H01160989A JP 31861787 A JP31861787 A JP 31861787A JP 31861787 A JP31861787 A JP 31861787A JP H01160989 A JPH01160989 A JP H01160989A
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仲地 理
Shigeru Sakurai
桜井 成
Kenichi Asahi
旭 健一
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明はドコサヘキサエン酸を含むホスファチジルコリ
ンの製造法に関し、更に詳細にはSn−2位にドコサヘ
キサエン酸を有するホスファチジルコリンを水産動物の
卯から製造する方法に関する。
(従来の技術) ドコサヘキサエン酸はエイコサペンクエン酸と同様に、
コレステロール及び中性脂質低下作用も大きく、その生
理的重要性が認められるようになった。一方、生化学分
野の進歩によりドコサヘキサエン酸は脳や神経系の構成
脂質であるリン脂質中で何らかの作用を司っていること
が示唆されている。また形質膜の物性を支配するリン脂
質中のドコサヘキサエン酸が細胞分化の因子として注目
され、これらの中に存在するドコサヘキサエン酸を含有
するホスファチジルコリンに強い関心が集まっている。
ドコサヘキサエン酸やアラキドン酸の様な高度不飽和脂
肪酸は、生体組織においては脂肪の豊富な脂肪組織中の
トリアジルグリセロールやコレステロールエステル中に
は少なり、微量成分である細胞膜の構成成分中の極性脂
質に偏在している。
特に、ドコサヘキサエン酸に関しては脳の髄鞘、視神経
の環体等の脳神経系にエステル型のホスファチジルコリ
ンやホスファチジルエタノールアミンおよびエーテル型
のホスファチジルコリンやホスファチジルエタノールア
ミンに多いことが知られている。また鶏卵の卵黄脂質中
のリン脂質のホスファチジルコリンやホスファチジルエ
タノールアミンに数%含まれている。
(発明が解決しようとする問題点) この様にドコサヘキサエン酸を含むホスファチジルコリ
ンは生体の特殊な部位に存在するが、その部位のみを特
異的に採取する事は難しく、また、その含有量は非常に
少なく適当な原料がない。例えば、入手が容易な市販卵
黄レシチン中のリン脂質のホスファチジルコリンやホス
ファチジルエタノールアミンに、ドコサヘキサエン酸が
数%含まれていることが知られている(東京化学同人社
、生化学実験講座3、脂質の化学 257頁)。しかし
、ホスファチジルコリンやホスファチジルエタノールア
ミンを個々に単離して、各々のドコサヘキサエン酸量を
定量すると、卵黄レシチンのリン脂質に存在するドコサ
ヘキサエン酸はホスファチジルエタノールアミンに局在
し、ホスファチジルコリン中にはあまり含まれていない
。そのため卵黄レシチン中のホスファチジルコリンから
ドコサヘキサエン酸を含むホスファチジルコリンを効率
良く分画するには特別な工夫が必要である。
ドコサヘキサエン酸を含むホスファチジルコリンが生体
膜において生理的役割、例えばホルモン作用の発現(秋
野豊明、油化中 迎、705 (1981))を果たす
には、ドコサヘキサエン酸がホスファチジルコリンのS
n−2位に、バルミチン酸やオレイン酸の様な飽和モノ
エン酸がホスファチジルコリンのSn−1位に結合して
いることが重要である。しかしながらドコサヘキサエン
酸をホスファチジルコリンのSn−1位とSn−2位に
結合するにはグリセロホスホリルコリンの塩化カドミウ
ム錯体にドコサヘキサエン酸の酸無水物やハロゲン化物
を反応させればよいが、Sn−2位にドコサヘキサエン
酸を結合した状態でSn−1位にドコサヘキサエン酸以
外の脂肪酸を結合させるにはこの様な直接反応では難し
いのが現状である。
従って、本発明の目的は、経済的に高収率にて、出来る
だけ簡単な工程によりSn−2位にドコサヘキサエン酸
を含むホスファチジルコリンを製造する方法を提供する
ことにある。
(問題点を解決するための手段) 本発明は、ドコサヘキサエン酸をホスファチジルコリン
のSn−2位に有するドコサヘキサエノイルホスファチ
ジルコリンの製造にあたり、水産動物の卵を原料として
ホスファチジルコリンを分離し、次いで逆相分配カラム
クロマト処理してメインピークを分取することを特徴と
する。
以下、本発明につき更に詳細に説明する。
本発明者らは脂質量が豊富で、構成脂肪酸中にドコサヘ
キサエン酸を多量に含む水産動物の非脂質を詳細に検討
した。
天然脂質原料の脂肪組成は系統発生系とは関係なく、環
境因子が重要であり、特に動物ではその食餌環境が同一
である場合、その組成は著しく類似することが知られて
いる。即ち、ドコサヘキサエン酸は植物性原料からは見
出し難く、動物性原料でも陸上動物よりも水産動物から
見出されるので、これらの動物の卵が原料として好まし
い。天然原料にはシャケやニシン等の水産動物の卵が入
手が容易であり、また養殖が盛んな、ハマチ、コイ、ウ
ナギ、ニジマス、クルマエビ等の卵も原料として好まし
い。
これらの原料は可能な限り新鮮であることが望ましく、
採取後直ちに冷凍、凍結乾燥または真空乾燥処理した原
料を使用すると、原料中の酸価の上昇、得られる目的物
の過酸化物価の上昇による品質低下を避けることができ
、良質な目的物を得ることが出来る。目的物中に過酸化
物が存在すると生体中において細胞障害を引き起こす原
因となり、高度不飽和脂肪酸の過酸化反応は共役ジエン
の生成を伴うため二重結合の移動を生じる。これらの現
象は生理的に不都合な作用であるため本発明の製造法に
関して過酸化物産生抑制は重要な条件である。
受精卵原料を精製処理するには、新鮮な材料を無酸素状
態下に溶剤抽出することが好ましい。その際、材料に対
して例えば蒸留水およびメタ、?−ルークロロホルム系
溶媒、アセトン、エーテル、ヘキサン等の溶剤を加え、
必要に応じてその混合物をロウルデス・ホモジナイザー
、ツルバール・オムニミキサー、ワーリングブレンダー
、ボッター・エルベージエム・ガラスホモミキサー等に
よってホモジナイズする。無酸素状態下として、例えば
真空下、窒素気流下および二酸化炭素気流下に、0℃〜
60℃、10〜180分溶剤抽出することが出来る。溶
剤は魚卵1部に対し1〜5部添加するのが普通である。
溶剤抽出した総脂質からホスファチジルコリンを分離す
る方法として例えば次の様な方法がある。
総脂質を冷アセトン処理してリン脂質を分画してからカ
ラムクロマト法で分離する方法、総脂質を直接シリカゲ
ルカラムクロマトグラフィーに付し、ヘキサン−クロロ
ホルム−メタノールと溶媒の混合比率を無極性から極性
へ変化させながら分離する方法等である。
魚卵から本発明実施例によりフォルヒ溶剤で抽出された
総脂質にはドコサヘキサエン酸が20%以上も含まれて
いた。総脂質の内ヘキサンーエーテル系溶媒で抽出され
た中性脂質はアシルグリセロールが主体であった。トリ
アジルグリセロールは総脂質中37%でドコサヘキサエ
ン酸含量は12%であり、ジアシルグリセロールは総脂
質中3%でドコサヘキサエン酸含量は9%であり、さら
にモノアシルグリセロールは総脂質中1%以下でドコサ
ヘキサエン酸含量は7%であった。
さらに、アシルグリセロール以外の中性脂質のコレステ
ロールエステルや遊離脂肪酸の含量は非常に少なくドコ
サヘキサエン酸は中性脂肪にも広く存在しているがその
分布に偏りはなかった。
総脂質の抽出溶媒は数回の水洗いによって糖脂質の混入
する機会を少なくすることが出来、受精卵のドコサヘキ
サエン酸が糖脂質由来である可能性がなくなる。
総脂質から冷アセトン法で分画されたリン脂質量は総脂
質の47%であった。リン脂質画分を三弗化ホウ素メタ
ノール法でメチルエステル化を行ってガスクロマトグラ
フィー分析した結果、ドコサヘキサエン酸量はリン脂質
脂肪酸中36%であった。
この結果はリン脂質中のドコサヘキサエン酸含量が、総
脂質中の他の脂質に比べて明らかに高濃度であることを
示した。
リン脂質中に占めるホスファチジルコリン画分を定量す
るため、高性能薄層クロマトグラフィープレートを用い
た二次元展開を行った。展開後、ホスファチジルコリン
のスポットをかき取り、各々のリン脂質画分と共にリン
モリブデンブルー吸光光度法でリン量を測定しホスファ
チジルコリン含量を求めた。ホスファチジルコリン量は
リン脂質画分の67%であった。一方、リン脂質画分を
シリカゲルカラムでクロロホルム−メタノール系で溶出
させてホスファチジルコリン画分を得て、三弗化ホウ素
メタノール法でメチルエステル化を行って上記同様にガ
スクロマトグラフィー分析した結果、ドコサヘキサエン
酸量はホスファチジルコリン脂肪酸中46%であった。
リン脂質画分中に占めるホスファチジルコリン量とその
内のドコサヘキサエンMFilから、総脂質中のドコサ
ヘキサエン酸は、リン脂質中に、さらに詳細にはホスフ
ァチジルコリン中に多く分布していた。
本発明方法は最後に、逆相分配クロマト処理してメイン
ビークを分取する。逆相分配クロマトグラフィーとして
は、ODS (オクタデシル基を化学結合させたシリカ
ゲル)カラムを装着した高速液体クロマトグラフィーが
、大量生産できるので好ましい。
魚卵から分画されたホスファチジルコリンの分子種を検
討するには、ODSカラムを装着した高速液体クロマト
グラフィーにメタノール(Lmβ/m1n)で展開し、
UV210nmとR1でモニターする。
UVモニターで得られたクロマトグラムは一木のメイン
ピークと数本の微小ピークが認められ、メインピーク位
置はRIモニターで得られた単一ピークに相当し、この
ホスファチジルコリンの分子種が非常に少ないことを示
している。
メインビークから得られたホスファチジルコリンは質量
分析計F A B −M S (Pos、)の直接導入
法で測定すると、分子イオンに相当するm/zとして8
06(C,61゜−ドコサヘキサエノイルホスファチジ
ルコリンに相当) 、832(C+a++−ドコサヘキ
サエノイルホスファチジルコリンに相当)および834
  (C+s+o−ドコサヘキサエノイルホスファチジ
ルコリンに相当)に高い強度が認められる。このホスフ
ァチジルコリンのSn−2位の脂肪酸組成を決定するに
は、例えば、ホスホリパーゼA2によりホスファチジル
コリンのSn−2位の脂肪酸のエステル結合を加水分解
し、三弗化ホウ素メタノール法でメチルエステル化した
後、キャピラリーガスクロマトグラフィーで測定し、ド
コサヘキサエン酸メチルの標準体と比較する。
原材料から最終製品の過酸化物量は、従来のヨードメト
リー法では測定試料が大量に必要であるが、電位差滴定
により測定すると測定試料が少なくてすむ。
魚卵ホスファチジルコリンは、逆相分配カラムクロマト
グラフィー、質量分析計およびホスホリパーゼA2の解
析から、このホスファチジルコリンの主成分の分子種が
ドコサヘキサエン酸をSn−2位に結合するホスファチ
ジルコリンであることがわかった。そこで本発明者は魚
卵ホスファチジルコリンからドコサヘキサエン酸をS 
n −2位に結合しているホスファチジルコリンを分取
するため、大量分取用ODSカラムを装着した全自動高
速液体クロマトグラフィーを用いて魚卵ホスファチジル
コリンからメインビークを連続分取して、目的物をg単
位で製造した。
(発明の効果) 本発明の方法によれば、水産動物の卵を原料として精製
処理することにより、脳・神経系の構成脂質、細胞分化
に関与する形質膜の物性を支配する脂質等で注目される
生理活性物質として有用なドコサヘキサエン酸含有ホス
ファチジルコリンを、特別な合成をせず、しかも天然の
立体特異性を維持したまま、高収率で得ることができる
。さらに無酸素下状態で処理するときは、細胞障害の原
因となる過酸化脂質の産生を抑制したままドコサヘキサ
エン酸含有ホスファチジルコリンを得ることができる。
(実施例) ス屓l粗1 採卵後直ちに冷凍したニジマスの受精卵を窒素気流下で
解凍した。この原料1300 gをアセトン21に入れ
、窒素気流下、T、H,ホモミキサー(特殊機工工業型
)で荒くホモゲナイズしてからエクセル・オート・ホモ
ゲナイザ−(日本精器製作所製)で水冷状態下30分ホ
モゲナイズした。
懸濁液をプソフナー漏斗で濾過し、濾液と湿ケーキに分
けた。濾液からアセトン抽出物10gを得た。
乳灰色の湿ケーキ830gをエチルエーテル3Nに入れ
、スリーワンモータータイプ600CM(新来科学製)
で20Orpmで回転しながら30分間抽出した。
懸濁液をブッフナー漏斗で濾過し、濾液と湿ケーキに分
けた。濾液からエチルエーテル抽出物48gを得た。
乳灰色の湿ケーキ770gをクロロホルム−メタノール
(1/1. vol/vol)混液11で2回、分液漏
斗中で抽出した。懸濁液をブッフナー漏斗で濾過し、濾
液と湿ケーキに分けた。濾液からクロロホルム−メタノ
ール抽出物55gを得た。乳灰色の湿ケーキ690gを
クロロホルム−メタノール(2/1゜vol/vol)
混液1.51で2回、分液漏斗中で抽出した。懸濁液を
ブッフナー漏斗で濾過し、濾液と湿ケーキに分けた。濾
液からクロロホルム−メタノール抽出物を5g得た。各
脂質抽出物を一緒にした。総脂質量118gであった(
対原料収率9.1%)。
総脂質の全量をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(
シリカ60.和光純薬製:8φX40cmカラムに21
)に付した後、ヘキサン中にクロロホルムの比率を上げ
ていく溶離液系で中性脂質を除去した。中性脂質の回収
ff169gで、組成は薄層クロマトクラフィー(展開
溶媒:ヘキサン−エチルエーテル−酢酸 50150/
 1. vol/vol/vol)分析でトリアジルグ
リセロールが主体であった。
中性脂質を除いたカラムに、クロロホルム中にメタノー
ルの比率を上げていく溶離液系を流した。
クロロホルム対メタノールの比率が35 : 65〜2
5ニア5の範囲にホスファチジルコリンを主成分とする
区分が溶出し、脱溶媒後28gのホスファチジルコリン
を得た。ホスファチジルコリン区分の判定は薄層クロマ
トグラフィー(展開溶媒:クロロホルム−メタノール−
水 65/ 25/ 4. vol/vol/vol)
で行った。薄層クロマトグラフィー上のRf値0.20
〜0.30 (ホスファチジルコリン)にシングルスポ
ットのみが認められる分画を集めて、窒素気流下で脱溶
媒を行い、純ホスファチジルコリンを19g・  得た
得られたホスファチジルコリンを10%w/vのベンゼ
ン溶液とし、東洋曹達tni製の全自動大量分取液体ク
ロマトグラフィーHL C−837にODS充填カラム
(φ2インチX60cm)を装着して、溶離液としてメ
タノールを40mf/min流して、連続28回自動分
取を繰り返して目的物のメインピークを分取した。分取
区分のメタノールを脱溶媒して目的物のホスファチジル
コリン12.2 gを得た。
分取されたホスファチジルコリンを三弗化ホウ素メタノ
ール法でメチルエステル化し、キャピラリーカラムガス
クロマトグラフィー(ン夜相:力一ボワソクス−20M
、25m、170℃)で脂肪酸組成を測定した。その結
果、ドコサヘキサエン酸は40%で、パルミチン酸、ス
テアリン酸、オレイン酸が各約10%を占めていた。
このホスファチジルコリンをホスホリパーゼA2で加水
分解し、三弗化ホウ素メタノール法でメチルエステル化
し、キャピラリーカラムガスクロマトグラフィーで脂肪
酸組成を測定した。その結果、ドコサヘキサエン酸は8
2%でありその他に数本の微小ピークが認められた。
次にホスファチジルコリンの分子種を分析するため、F
 A B −M S (Pos、)で分子NMに相当す
るm/zを測定した。その結果、m/z 806(バル
ミトイルドコサへキサエニルホスファチジルコリンに相
当) 、m/z 832(オレオイルドコサヘキサエニ
ルホスファチジルコリンに相当) 、m/z 834(
ステアロイルドコサへキサエニルホスファチジルコリン
に相当)が強く認められた。
ホスファチジルコリン中のアルキル鎖の分布を分析をす
るため、高速液体クロマトグラフィー(ショーデックス
OD 5pak F −611A)にメタノール(1d
/m1n)で展開し、UV210nmでモニターした。
その結果、−本のメインピークと数本の微小ピークのみ
が認められ、このホスファチジルコリンのアルキル鎖の
分布は非常に少なかった。
ホスファチジルコリンの過酸化脂質量は、電位差滴定法
(自動滴定装置GT−05、三菱化成工業(株製)で測
定した。原材料の魚卵総脂質の過酸化物量が12.3m
eq、/kgであるのに対し、メインピークから回収さ
れたホスファチジルコリン画分は、29.3meQ、/
kgであった。
去庭貫叢 採卵後直ちに冷凍したニジマスの受精卵を窒素気流下で
解凍した。この原料1500 gをクロロホルム/メタ
ノール(2/ 1. vol/vol)混液61に入れ
、窒素気流下、T、H,ホモミキサー(特殊機工工業製
)で高速で剪断抽出しながら水冷状態下30分間ホモゲ
ナイズした。
懸濁液をブッフナー漏斗で濾過し、濾液と乳灰色の湿ケ
ーキに分けた。乳灰色の湿ケーキ910gを上記溶媒2
2に入れ、上記と同一の条件で処理した。同様に懸濁液
から濾液と湿ケーキに分けた。
乳灰色の湿ケーキ780gを上記溶媒21に入れ同一条
件で処理した。さらに3回目の懸濁液から濾液と湿ケー
キの濾別を行った。全濾液を集めて遠心分離し、上澄液
にクロロホルム31と蒸留水3Eを加えて、よく水洗し
た後、遠心分離で二層に分離した。
下層のクロロホルム層を集めて、窒素気流下、ロータリ
ーエバポレーターを用い、30℃で濃縮し、溶媒留去の
最後にベンゼン100m1’を加えて脱水を行いながら
脱溶媒した。溶媒を留去した抽出物を真空デシケータ−
で−昼夜乾燥して得られた全脂質の重量は、127g 
(対原料収率8.5%)であった。
得られた全脂質を水冷アセトン1.3 I!中に入れ、
窒素気流下、スリーワンモータータイプ6000M(新
来科学製)で20Orpmで回転しながら10分間抽出
した。アセト7′懸濁液を冷却したブッフナー漏斗で濾
過し、沈澱を回収した。この沈澱に、上記同様の冷アセ
トン処理を4回繰り返して、完全に中性脂質を除いたリ
ン脂質分画57g(総脂質中45.2%)を得た。
リン脂質全量をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(
富士ゲルCG−3、水戸化学製、5φ×40cmカラム
に700cc)に付した後、クロロホルム−メタノール
(4/ 1. vol/vol)混液の溶離液系でホス
ファチジルコリン以前に溶出するホスファチジルエタノ
ールアミン等のリン脂質を除去した。
さらに純粋なホスファチジルコリンを分画するためクロ
ロホルム−メタノール(3/2.νol/vol)混液
の溶離液系で溶出させた。溶離液soomiずつを分画
し、各分画を薄層クロマトグラフィー(展開溶媒:クロ
ロホルム−メタノール−水65 /25/4+ vol
/vol/vol)で測定した。各分画の内、薄層クロ
マトグラフィーでRf値0.20〜0.35 (ホスフ
ァチジルコリン)にシングルスポットのみが認められる
分画19gを得た。
次いで、得られたホスファチジルコリンを10%匈/v
のベンゼン溶液とし、東洋曹達al製の全自動大量分取
液体クロマトグラフィーHL C−837にODS充填
カラム(φ2インチX60cm)を装着して、溶離液と
してメタノールを40m1/min流して、連続32回
自動分取を繰り返して目的物のメインピークを分取した
。分取区分のメタノールを脱溶媒して目的物のホスファ
チジルコリン13.9 gを得た。
分取されたホスファチジルコリンを三弗化ホウ素メタノ
ール法でメチルエステル化し、キャピラリーカラムガス
クロマトグラフィー(液相:力−ボワックス−20M、
25m、170℃)で脂肪酸組成を測定した。その結果
、ドコサヘキサエン酸は41%でパルミチン酸、ステア
リン酸およびオレイン酸が各約lO%を占めていた。
このホスファチジルコリンをホスホリパーゼA2で加水
分解し、三弗化ホウ素メタノール法でメチルエステル化
し、キャピラリーガスクロマトグラフィーで脂肪酸組成
を測定した。その結果ドコサヘキサエン酸は82%で数
本の微小ピークが認められた。
次に、ホスファチジルコリンの分子種を分析するため、
F A B −M S (Pos、)で分子量に相当す
るm/zを測定した(第1図)。得られた質量スベクト
ルハm/z 806(バルミトイルドコサへキサエニル
ホスファチジルコリンに相当) 、m/z 832(オ
レオイルドコサヘキサエニルホスファチジルコリンに相
当)およびm/z 834(ステアロイルドコサヘキサ
エニルホスファチジルコリンに相当)が強く認められた
。ホスファチジルコリン中のアルキル鎖の分布を分析す
るため、ODSカラム(ショーデソクスOD 5pak
 F −611A、閉光通商製)を装備した高速液体ク
ロマトグラフィーにメタノール(1ml/win)で展
開し、UV210nmでモニターした。得られたクロマ
トグラムは一本のメインピークと数本の微小ピークのみ
が認められこのホスファチジルコリンのアルキル鎖の分
布は非常に少なかった。
ホスファチジルコリンの過酸化脂Itは、電位差滴定法
(自動滴定装置GT−05、三菱化成工業■製)で測定
し、25.6meq、/kgであった。
尖拒炎1 採卵後直ちに冷凍したサケの卵(イクラ)を窒素気流下
で解凍した。この原料500gにクロロホルム/メタノ
ール(2/ 1. vol/vol)混液21を加え、
ホモミキサーで充分に混和した後、濾過し、窒素気流下
で残渣を同混液17!で2回同様の操作を行った。濾液
を合わせ、水洗した後、溶媒を留去して、真空デシケー
タ−中で3時間乾燥して得られた脂質の重量は、73.
5g(対原料収率14.7%)であった。
得られた全脂質を水冷アセトン0.41中に入れ、窒素
気流下で回転しながら10分間抽出した。アセトン懸濁
液を冷却したブソフナー漏斗で濾過し、沈澱を回収した
。この沈澱に、上記同様の冷アセトン処理を4回繰り返
して、完全に中性脂質を除いたリン脂質分画23 、7
g (総脂質中32.2%)を得た。
リン脂質全量をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(
富士ゲルCG−3、水戸化学製、5φ×40cmカラム
に400cc)に付した後、クロロホルム−メタノール
(3/ 2. vol/vol)混液の溶離液系でホス
ファチジルコリン以前に溶出するホスファチジルエタノ
ールアミン等のリン脂質を除去した。
さらに、純粋なホスファチジルコリンを分画するため、
同混液の溶離液系で溶出させた。溶離液500 mlず
つを分画し、各分画を薄層クロマトグラフィー(展開溶
媒:クロロホルム−メタノール−水65 /25/4.
 vol/vol/vol)で測定した。各分画のうち
、薄層クロマトグラフィーで、Rf値0.20〜0.3
5 (ホスファチジルコリン)にシングルスポットが認
められる分画6.1gを得た。
次いで、得られたホスファチジルコリンを10%x/v
のベンゼン溶液とし、東洋曹達0萄製の全自動大量分取
液体クロマトグラフィーHL C−837にODS充填
カラム(φ2インチX60cm)を装着して、溶離液と
してメタノールを40mf/min流して、連続11回
自動分取を繰り返して目的物のメインビークを分取した
。分取区分のメタノールを脱溶媒して目的物のホスファ
チジルコリン4.5gを得た。
分取されたホスファチジルコリンを三弗化ホウ素メタノ
ール法でメチルエステル化し、キャピラリーカラムガス
クロマトグラフィー(液相:力−ボワソクス−20M、
25m、170℃)で脂肪酸組成を測定した。その結果
、ドコサヘキサエン酸39%で、パルミチン酸、ステア
リン酸およびオレイン酸が各約10%を占めていた。
このホスファチジルコリンをホスホリパーゼA2で加水
分解し、三弗化ホウ素メタノール法でメチルエステル化
し、キャピラリーガスクロマトグラフィーで脂肪酸組成
を測定した。その結果ドコサヘキサエン酸は80%で、
他に数本の微小ピークが認められた。
次にホスファチジルコリンの分子種を分析するため、F
 A B −M S (Pos、)で分子量に相当する
m/zを測定した。得られた質量スペクトルはm/z8
06(バルミトイルドコサへキサエニルホスファチジル
コリンに相当) 、m/z 832(オレオイルドコサ
へキサエニルホスファチジルコリンに相当)およびm/
z 834(ステアロイルドコサへキサエニルホスファ
チジルコリンに相当)が強く認められた。ホスファチジ
ルコリン中のアルキル鎖の分布を分析するため、ODS
カラム(ショーデックス0DSpak F  611 
A、閉光通商製)を装備した高速液体クロマトグラフィ
ーにメタノール(1ml/m1n)で展開し、U V2
10nmでモニターした。得られたクロマトグラムは一
本のメインピークと数本の微小ピークのみが認められ、
このホスファチジルコリンのアルキル鎖の分布は非常に
少なかった。
ホスファチジルコリンの過酸化脂質量は、電位差滴定法
(自動滴定装置GT−05、三菱化成工業■製)で測定
し、17.2meq、7kgであった。
実施JL4− ニシンの卵500gを実施例1と同様に溶剤処理して、
脂質14g(対原料収率2.8%)を得た。
この脂質の全量をシリカゲルカラムクロマトグラフィー
(キーゼルゲル60、メルク社製、4φ×40cmカラ
ム0.4 ff ’)に付した後、クロロホルムを中性
脂質が出なくなるまで流して、さらにメタノールを流し
てリン脂質画分の溶媒を留去した。得られたリン脂質分
画は8.3g (総脂質中59.2%)であった。
中性脂質を除いた上記カラムに、クロロホルム−メタノ
ール(3/ 2 vol/νol)混液の溶離液を用い
て、gJ、層クロマトグラフィーで、RfWo、20〜
0.35のシングルスポットを示す純ホスファチジルコ
リン分画3.1gを得た。
次いで、この純ホスファチジルコリンを実施例1と同様
に全自動大量分取液体クロマトグラフィーに付して、連
続6回自動分取を繰り返してメインビークを分取して、
目的のホスファチジルコリン2.Ogを得た。
このホスファチジルコリンを実施例1と同様に分析した
ところ、脂肪酸組成としてドコサヘキサエン酸を43%
含有しており、また、ホスホリパーゼA2で加水分解し
て得たSn−2位の脂肪酸組成は、ドコサヘキサエン酸
を85%含有していた。
また、過酸化脂質量は13.3meq、7kgであった
応用例 実施例1で得られたホスファチジルコリンの制癌活性を
確認した制癌性試験について述べる。フレンド白血病細
胞(マウス赤芽球性白血病細胞、B8細胞)に対する試
験を行った。RAMのF−12培地(GIBCO製)に
15%の牛胎児血清及び60■/βのカナマイシンを加
えたものに、2.5 X10’cell/mj!となる
ようにB8細胞を接種し、これに所定量の被験化合物を
加える(最終容量5mJり。
8.0%炭酸ガス中、37℃で7日間培養した後、オル
キン(Orkin)のベンジジン染色法により染色し、
染色された細胞数、即ち、赤血球への分化によりヘモグ
ロビンを生成するようになった細胞数を測定し、全細胞
に対する比率から分化誘導率を求めた(第1表)。
応用例1 分画DHAPC400++ 2        200     + +3    
    100     ++4         5
0     ++5        25    + 6         12     +7      
  6    ± DH^PCニドコサヘキサエノイルホスファチジルコリ
ンDMSOニジメチルスルホキシド
【図面の簡単な説明】
第1図は実施例1で得られたホスファチジルコリンの質
量分析計F A B −M S (Pos、)による質
量スペクトルである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1.  ドコサヘキサエン酸をホスファチジルコリンのSn−
    2位に有するドコサヘキサエノイルホスファチジルコリ
    ンの製造にあたり、水産動物の卵を原料としてホスファ
    チジルコリンを分離し、次いで逆相分配カラムクロマト
    処理してメインピークを分取することを特徴とするドコ
    サヘキサエノイルホスファチジルコリンの製造法。
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