JPH0585859U - 電気めっき装置 - Google Patents
電気めっき装置Info
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- JPH0585859U JPH0585859U JP5181891U JP5181891U JPH0585859U JP H0585859 U JPH0585859 U JP H0585859U JP 5181891 U JP5181891 U JP 5181891U JP 5181891 U JP5181891 U JP 5181891U JP H0585859 U JPH0585859 U JP H0585859U
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Abstract
(57)【要約】
【目的】パドルの攪拌速度が陰極板上の広い範囲にわた
って均一で、大型の基板でも均一な膜質および膜厚のめ
っき膜が得られる電気めっき装置を提供する。 【構成】支持枠10に保持されたパドル9と、一端にこの
支持枠10が取り付けられ他端に電動機12の駆動軸13に嵌
合されたピニオンギヤ14と噛合するラックギヤ15を有
し、上記パドル9を被めっき材2の電着領域表面と平行
に一定の速度で往復運動せしめ、めっき浴を攪拌するよ
うになした電気めっき装置。
って均一で、大型の基板でも均一な膜質および膜厚のめ
っき膜が得られる電気めっき装置を提供する。 【構成】支持枠10に保持されたパドル9と、一端にこの
支持枠10が取り付けられ他端に電動機12の駆動軸13に嵌
合されたピニオンギヤ14と噛合するラックギヤ15を有
し、上記パドル9を被めっき材2の電着領域表面と平行
に一定の速度で往復運動せしめ、めっき浴を攪拌するよ
うになした電気めっき装置。
Description
【0001】
本考案は、被めっき材である基板(ウエハ)の電着領域表面にそってパドルを 往復運動させてめっき浴を攪拌しながら磁性合金等の薄膜を電気めっきする装置 に関するものである。
【0002】
磁気装置および薄膜を用いた電気素子の製造に電気めっきが広く利用されてい る。電気めっきは簡便で且つ安価な成膜法といえるが、これらのめっき皮膜は幅 0.1mm以下の非常に細かいパターンとしてめっきされるため、被めっき材である 基板の形状やめっき条件がわずかに変動しても、めっき皮膜の膜質や膜厚にバラ ツキが発生する。
【0003】 この対策として、被めっき材の電着領域表面にそって、即ち、基板上を陰極板 の長さ方向にそって往復運動してめっき浴を攪拌するパドルを有するパドル式往 復攪拌めっき装置により電気めっきする方法が知られている。例えば、特公昭57 −9636号公報には、図4に示すような支持枠10に保持されたパドル9を、電動機 12の駆動軸13に嵌合させたクランク18と、これと支持枠10とを連結するリンク腕 19とからなるクランク機構20を介して電着領域表面にそって往復運動せしめるよ うになしたパドル式往復攪拌めっき装置を使用し、均一なめっきを行う方法が開 示されている。また、特公昭57−10191 号公報には、この図4のめっき装置を改 良した装置を使用し、めっきする金属のイオン濃度を低く抑えるとともに低電流 密度で電気めっきする方法が開示されている。
【0004】
前述のクランク機構を介してパドルを往復運動せしめるようになしたパドル式 往復攪拌めっき装置を使用して電気めっきする方法によれば、小型の基板、例え ば2インチ角以下の基板の場合には比較的均一な膜質および膜厚のめっき皮膜が 得られるが、大型の基板の場合には均一な膜質および膜厚のめっき皮膜を得るの が困難である。これは上記のパドル式往復攪拌めっき装置は、パドルをクランク 機構を介して電動機の動力源により往復運動させるようにしているため、陰極上 の広い範囲にわたって均一な攪拌速度を得ることができないからである。
【0005】 図5は、従来のパドル式往復攪拌めっき装置におけるパドルの攪拌速度のパタ ーンの一例を示したものであり、パドルの攪拌速度は陰極板の中央部で速く、端 部で遅い、曲線のパターンをしている。パドルの攪拌速度がこのような曲線のパ ターンであると、パドルが基板の電着領域表面を移動する速度が基板中心部と周 辺部で異なり、攪拌速度に差が発生する。図5の場合には、4インチ角の基板中 心部と周辺部とで攪拌速度におよそ5cm/秒の差が見られる。この速度差は小型 の基板では小さいが、大型の基板ほど大きくなる。
【0006】 最近、基板を大型化して歩留りおよび生産性を向上させることが検討されてい るが、この問題が大きな障害となっている。また、攪拌効果を高めるために電動 機の回転数を上昇させた場合には、陰極板上の位置におけるパドルの攪拌速度差 の絶対値も高まるため、高い攪拌速度で膜質向上をはかるうえからも大きな障害 となっている。
【0007】 基板の中心部と周辺部とでパドルの攪拌速度に差があると、パドルと電着領域 表面との間のめっき液の流れが不均一になり、膜質にバラツキが発生する。さら に、パドルは陰極板表面を遮蔽しならが往復するため、攪拌速度の不均一は陰極 板上の各位置での遮蔽時間の不均一を引き起こし、陰極板上の広い範囲で均一な 膜厚を得ることができなくなる。
【0008】 このようにパドルの攪拌速度の変動は、膜質や膜厚を損ねるが、このパドルの 攪拌速度の変動はクランク機構のリンク腕を長くすれば減少する。しかし、従来 のパドル式往復攪拌めっき装置において、パドルの攪拌速度差を基板上で無視し 得る程度まで減少させるためには、リンク腕を非常に長くしなければならず、装 置が大型化して実用的ではない。
【0009】 本考案の課題は、上記の問題を解消した、パドルの攪拌速度が陰極板上の広い 範囲にわたって均一で、大型の基板でも均一な膜質および膜厚のめっき膜が得ら れ、しかも攪拌速度を高めても品質を損なうことのない実用的な電気めっき装置 を提供することにある。
【0010】
従来のパドル式往復攪拌めっき装置において、めっき皮膜に膜質や膜厚の不均 一が発生するのは電着領域表面を往復運動するパドルの攪拌速度に違いがあるか らである。従って、電着領域表面上のパドルの攪拌速度の変動を小さくするか、 攪拌速度を一定にすれば膜質や膜厚を均一化することができる。そこで、この考 案者はパドルを電着領域表面上で一定速度で往復運動させることができる手段を 検討した結果、クランク機構にかえてラックピニオン方式によりパドルを往復運 動させるようにすると、陰極板上の広い範囲にわたって均一な攪拌速度が得られ ることを見出した。
【0011】 ここに本考案の要旨は「支持枠に保持されたパドルと、一端に前記支持枠が取 り付けられ他端にラックギヤを有する連結棒と、この連結棒のラックギヤに噛合 し、電動機の駆動軸に嵌合するピニオンギヤとを備えた電気めっき装置」にある 。
【0012】
前記支持枠に保持されたパドルは、一定周期で反転する電動機の回転運動がピ ニオンギヤとラックギヤによって直線運動に変換されて連結棒が一定速度で前進 および後退することにより、被めっき材の電着領域表面にそって往復運動を行い 、めっき浴を攪拌する。このために陰極板上の広い範囲にわたってパドルの攪拌 速度が均一となり、電着領域表面上の広い範囲でめっき皮膜の膜質および膜厚が 均一となる。
【0013】 図2は、本考案の電気めっき装置におけるパドルの攪拌速度のパターンの一例 を示したものであり、パドルが折り返す陰極板上の両端部のごく近傍を除いて攪 拌速度は一定であり、4インチの基板でも中心部と周辺部で攪拌速度に差がみら れない。
【0014】
以下、図面に示した実施例に基づいて本考案を更に説明する。
【0015】 図1は、めっき槽を部分的に破断した本考案にかかる電気めっき装置の斜視図 である。なお、図1において、図4と同一の要素は同一符号とした。
【0016】 1はめっきすべき金属イオンを含有するめっき液を入れるめっき槽である。こ のめっき槽1内には、被めっき材である基板2(例えば4インチ角の基板)を取 りつける陰極板3と、その対極となる陽極板4が一定間隔を保って水平に配置さ れているともに、めっき液の入口側には開口部5を有する隔壁6が、めっき液の 出口側には隔壁7がそれぞれ設けられている。めっき液は隔壁6の開口部5をと おして陰極板3上を流れるように供給され、隔壁7の上端からオーバーフローし 、廃液孔8から系外に排出される。
【0017】 9は電着領域表面にそって矢印方向に往復運動を行いめっき浴を攪拌するパド ルであり、基板2上から一定の間隙を有し、支持枠10に保持されてめっき槽1を 横切るように配置されている。パドル9と基板2との間隙は、1乃至5mmの範囲 内でめっきの種類あるいはめっき条件に最適な一定の値に設定するのが望ましい 。
【0018】 11は陰極板3および陽極板4に平行にかつめっき槽1の長手方向に移動自在に 支持された連結棒であり、この連結棒11の一端側の下面には前記のパドル9を保 持する支持枠10が取り付けられており、他端側の側面には電動機12の駆動軸13に 嵌合されたピニオンギヤ14と噛合するラックギヤ15が設けられている。前記電動 機12には、ステッピングモータが使用でき、パドルの攪拌速度が図2に示すよう な速度パターンとなるように設定されている。また、位置センサー等を併用して 駆動軸の正転および逆転の反転タイミングを定めるようにすれば、ステッピング モータ以外のモータを電動機12として使用できる。
【0019】 なお、前記系外に排出されためっき液は循環再使用されるが、めっき液成分の 急激な変化を避けるために、容量の大きなタンク (図示せず) を使用し、めっき 液の容量をめっき槽の容量に較べて大きくとり、その一部をめっき槽へ循環使用 するのが望ましい。例えば、めっき槽の容量が約5リットルである場合、容量が 200リットル程度のタンクを使用すればよい。タンクの容量はめっき液の種類、 めっき条件等により最適なものを選択すればよい。タンクには温度調整機や攪拌 機を取付けてめっき液の均質化を高め、ポンプにより吸引・圧送することにより 循環再使用するのがよく、また、循環系に孔径が1μm 程度 のフィルターを取 りつけ、めっき液から不要な沈澱物を除去するのがよい。
【0020】
以上説明した如く、めっき浴を攪拌するパドルをピニオンギヤとラックギヤを 介して被めっき材の電着領域表面にそって往復運動せしめるようにした本考案の 電気めっき装置では、陰極板上の広い範囲にわたって均一なパドルの攪拌速度が 得られので、大型の基板でも膜質および膜厚の均一なめっき皮膜を形成すること ができる。
【0021】 図3に示すように基板2上にスパッタリングにより銅の下地金属層16を設け、 その上にレジストパターン17をリソグラフィー技術により設けた被めっき材の上 に、本考案の電気めっき装置で銅めっき (めっき液成分:硫酸銅80g/l 、硫酸 190g/l、市販の硫酸銅めっき用添加剤7ml/lおよび微量の塩化物イオン、液温: 20±0.5 ℃、陽極板:含りん銅製) を行った結果、光沢をもった欠陥のない銅め っき皮膜が得られ、レジスト除去後に膜厚を測定したところ、そのバラツキは基 板内で±3%以下であった。
【0022】 同様に、基板2上にスパッタリングによりNiFeの下地金属層16を設け、そ の上にレジストパターン17をリソグラフィー技術により設けた被めっき材の上に 、本考案の電気めっき装置でNiFe合金めっき (めっき液成分:Fe2+ 0.2〜 1.0g/l、Ni2+ 10 〜50g/l 、ほう酸、塩化ナトリウム、サッカリンナトリウム および界面活性剤を適宜添加、pH:2.9 〜3.1 、液温:25±0.5 ℃、陽極板: Ni製) を行った結果、光沢をもった欠陥のないNiFe合金めっき皮膜が得ら れ、レジスト除去後に膜厚を測定したところ、そのバラツキは基板内で±3%以 下であり、合金組成のバラツキは基板内で±0.5 重量%以下と良好であった。
【図1】めっき槽を部分的に破断した本考案にかかる電
気めっき装置の斜視図である。
気めっき装置の斜視図である。
【図2】本考案の電気めっきめっき装置におけるパドル
の攪拌速度のパターンの一例を示したグラフである。
の攪拌速度のパターンの一例を示したグラフである。
【図3】被めっき材を示す断面図である。
【図4】めっき槽を部分的に破断した従来の電気めっき
装置の斜視図である。
装置の斜視図である。
【図5】従来の電気めっきめっき装置におけるパドルの
攪拌速度のパターンの一例を示したグラフである。
攪拌速度のパターンの一例を示したグラフである。
1はめっき槽、2は基板、3は陰極板、4は陽極板、9
はパドル、10は支持枠、11は連結棒、12は電動機、13は
駆動軸、14はピニオンギヤ、15はラックギヤ、である。
はパドル、10は支持枠、11は連結棒、12は電動機、13は
駆動軸、14はピニオンギヤ、15はラックギヤ、である。
Claims (1)
- 【請求項1】支持枠に保持されたパドルと、一端に前記
支持枠が取り付けられ他端にラックギヤを有する連結棒
と、この連結棒のラックギヤに噛合し、電動機の駆動軸
に嵌合するピニオンギヤとを備えた電気めっき装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5181891U JPH0585859U (ja) | 1991-07-05 | 1991-07-05 | 電気めっき装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5181891U JPH0585859U (ja) | 1991-07-05 | 1991-07-05 | 電気めっき装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0585859U true JPH0585859U (ja) | 1993-11-19 |
Family
ID=12897481
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5181891U Pending JPH0585859U (ja) | 1991-07-05 | 1991-07-05 | 電気めっき装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0585859U (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2014185159A1 (ja) * | 2013-05-13 | 2014-11-20 | 株式会社Jcu | 基板めっき装置 |
JP2016151028A (ja) * | 2015-02-16 | 2016-08-22 | 株式会社村田製作所 | 電解めっき装置 |
-
1991
- 1991-07-05 JP JP5181891U patent/JPH0585859U/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2014185159A1 (ja) * | 2013-05-13 | 2014-11-20 | 株式会社Jcu | 基板めっき装置 |
JP2016151028A (ja) * | 2015-02-16 | 2016-08-22 | 株式会社村田製作所 | 電解めっき装置 |
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