JPH0585772U - スライバー継ぎロボット - Google Patents

スライバー継ぎロボット

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JPH0585772U
JPH0585772U JP045154U JP4515491U JPH0585772U JP H0585772 U JPH0585772 U JP H0585772U JP 045154 U JP045154 U JP 045154U JP 4515491 U JP4515491 U JP 4515491U JP H0585772 U JPH0585772 U JP H0585772U
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康夫 秋山
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Murata Machinery Ltd
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Murata Machinery Ltd
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    • DTEXTILES; PAPER
    • D01NATURAL OR MAN-MADE THREADS OR FIBRES; SPINNING
    • D01HSPINNING OR TWISTING
    • D01H9/00Arrangements for replacing or removing bobbins, cores, receptacles, or completed packages at paying-out or take-up stations ; Combination of spinning-winding machine
    • D01H9/005Arrangements for replacing or removing bobbins, cores, receptacles, or completed packages at paying-out or take-up stations ; Combination of spinning-winding machine for removing empty packages or cans and replacing by completed (full) packages or cans at paying-out stations; also combined with piecing of the roving
    • D01H9/008Arrangements for replacing or removing bobbins, cores, receptacles, or completed packages at paying-out or take-up stations ; Combination of spinning-winding machine for removing empty packages or cans and replacing by completed (full) packages or cans at paying-out stations; also combined with piecing of the roving for cans

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Abstract

(57)【要約】 【目的】紡績装置におけるケンス交換時の、空ケンスと
紡績装置との間に延びるスライバーの切断、切断された
紡績装置側のスライバー端と実ケンスのスライバー端と
のスライバー継ぎ動作をケンス交換動作と連携して行な
う。 【構成】ケンス要交換錘と原点との間を走行する天井走
行搬送車SRに吊下され、ケンス要交換錘に対する空ケン
ス、実ケンスの出し入れを検出するセンサー43と、スラ
イバー切断完了信号をケンス交換装置へ送るビーム式通
信装置とを備え、空ケンスと紡績装置との間に延びるス
ライバーを切断し、切断された紡績装置側のスライバー
端と実ケンスのスライバー端とを継ぐものである。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
この考案は、紡績装置の背後に各錘毎に並べられたスライバーケンスに収納さ れたスライバーがほぼ空になったときに、そのケンス(以後、空ケンスという) を新たなスライバーの満たされたケンス(以後、実ケンスという)と交換するケ ンス自動交換装置における、紡績装置側のスライバー端と実ケンスのスライバー 端とを継ぐロボットに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、紡績装置の背後に各錘毎に並べられたスライバーケンス内のスライバー が空になると、それを作業員が確認してその錘を止め、人手で新たな実ケンスと 交換している。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】
従来の作業員によるケンスの交換作業は、大変であるばかりでなく、供給スラ イバーのないまま放置される錘が存在するすることにより、稼働率を低下させる ことにもなる。
【0004】 この考案は、紡績装置におけるケンスの自動交換に不可欠のスライバー切断、 スライバー継ぎをケンス交換と連携して行なう行なうことのできるスライバー継 ぎロボットを提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、この考案のスライバー継ぎロボットは、ケンス要 交換錘と原点との間を走行する天井走行搬送車に吊下され、ケンス要交換錘に対 する空ケンス、実ケンスの出し入れを検出するセンサーと、スライバー切断完了 信号をケンス交換装置へ送るビーム式通信装置とを備え、空ケンスと紡績装置と の間に延びるスライバーを切断し、切断された紡績装置側のスライバー端と実ケ ンスのスライバー端とを継ぐものである。
【0006】
【作 用】
上記のように構成されたスライバー継ぎロボットにおいては、紡績装置のいず れかの錘で実ケンス要求信号が発せられると、天井走行搬送車がその錘まで走行 し、そこからスライバー継ぎロボットが下ろされ、ロボットによってその錘と空 ケンスとの間に延びるスライバーの切断されると共にビーム式通信装置よりケン ス交換装置へスライバー切断完了信号が出される。それを受けて空ケンスと実ケ ンスの交換がなされた後、ロボットによって切断された紡績装置側のスライバー 端と実ケンスのスライバー端とが継がれる。その際の空ケンスと実ケンスの交換 の確認は、ロボットのセンサーによってなされる。
【0007】
【実施例】
図1ないし図13を参照してこの考案のスライバー継ぎロボットが採用される ケンス自動交換装置の説明をする。
【0008】 この装置は、図1及び図2に示すごとく、紡績装置Sの背後に2 列に並列され たスライバーケンスCの各ケンス列の上方を走行する天井走行搬送車SRと、天井 走行搬送車SRに吊下されたこの考案に係るスライバー継ぎロボットRと、各ケン ス列の間を走行してケンスを搬送するトロッコTと、ケンス前列の一端部に配置 された空ケンスステーション1と、ケンス後列の一端部に配置された実ケンスス テーション2と、空ケンスステーション1より排出される空ケンスC’を別の天 井走行搬送車側に引込むケンス引込み装置を有するケンスステーション3’と、 練篠機から運ばれてきた実ケンスCを天井走行搬送車側より実ケンスステーショ ン2へ押出すケンス押出し装置とを有するケンスステーション3とよりなってい る。図中の4は、スライバー継ぎ時にスライバー継ぎロボットRを載せる台であ り、その中には、圧縮空気配管と吸引空気配管が収められている。
【0009】 紡績装置Sに準備されるケンスは2列並列されるので互いの列はケンスの半径 程度の距離をずらして配置されている。図1の2点鎖線で示す天井走行搬送車SR の走行用レールLは、空ケンスステーション1や実ケンスステーション2の反対 側の端部近くで2股に分岐し、それぞれ各ケンス列の上方に支柱及び梁を介して 張架されている。天井走行搬送車SRは、通常はレールLの未分岐部分にある原点 で待機している。天井走行搬送車SRと実ケンスステーション2の近傍に設けたケ ンス交換制御盤6との信号のやり取りは、この原点でなされる。
【0010】 スライバー継ぎロボットRは、天井走行搬送車SRの下にスチールベルト10に より吊り下げられており、通常はスチールベルト10が巻かれて、天井走行搬送 車SRの下に接近している。紡績装置Sのある錘のケンスが空に近づくと、ケンス 交換信号が、紡績装置Sの空ケンスステーション1隣接位置にある定長カウンタ ーS’より、ケンス交換制御盤6、天井走行搬送車SRの制御盤を介して、原点で 待機中の天井走行搬送車SRに吊下されたロボットRに出され、天井走行搬送車SR は、そのケンス要交換錘まで走行し、そこでスチールベルト10を解いてロボッ トRは降下する。なお、ケンス交換信号が出されると、その錘の糸の紡出は止め られる。
【0011】 ロボットRは、スチールベルト10に吊り下げられたロボット上部11と、ロ ボット上部11に対してエアーシリンダー13(図3参照)により前後方向に移 動可能に支持されたロボット下部12とよりなっている。
【0012】 図3に示すごとく、ロボット上部11の両側には、支持体14が突設してあり 、その支持体14には、下方に向いた針状のシャフト15が突設されている(左 側のものは後述する吸引空気のジョイント20が見えるように図示を省略してい る)。一方、スライバー継ぎ時にロボットRを載せる前後の各台4の上部には、 支承片16が、各台4の内側部には、すり鉢状の穴18を有するシャフト受け部 材17がそれぞれ設けてある(左側のものは同様に図示を省略している)。ケン ス要交換錘でロボットRが降下すると、ロボット上部11両側の支持体14は台 4上の支承片16上に乗ると共に、シャフト15が台4のすり鉢状の穴18に嵌 まり込み、ケンス要交換錘におけるロボットRの位置決めがなされる。
【0013】 更に、左側の支持体14には、圧縮空気のジョイント19が設けてあり、図3 におけるジョイント19の少し奥側には、吸引空気のジョイント20が設けてあ る。ジョイント19、20は、それぞれパイプ23、24を介して、ロボット上 部11内に設けた圧縮空気タンク21、切換バルブ22に接続されている。
【0014】 図4に示すごとく、ジョイント19の下端には、バネ27により下方に付勢さ れ、中心に空気通路25を有する摺動体26が設けてある。一方、台4上の支承 片16には、台4の内部に収められている圧縮空気配管から分岐するパイプ端部 のバルブ28が固定してある。バルブ28の空気通路29内には、バネ31によ り上方に付勢された摺動体30が設けてある。空気通路29は、出口部の内径が 摺動体30の外径より小さくなっている。ケンス要交換錘でロボットRが位置決 めされるときに、摺動体30は摺動体26に押し下げられ、空気通路29出口部 の内壁と摺動体30との間に間隙が生じ、その間隙から圧縮空気が噴出して空気 通路25からパイプ23、圧縮空気タンク21に送られる。
【0015】 図3に示すごとく、ジョイント20には、バネ33によって外側に付勢された 筒体32が摺動自在に設けてある。一方、筒体32に対向する台4の側部には、 台4の内部に収められている吸引空気配管の口を開閉するバタフライバルブ34 が揺動自在に支持されている。ケンス要交換錘でロボットRが降下するときに、 筒体32の先端が支承片16の側壁上部の傾斜面に沿って下降しながらバタフラ イバルブ34をずらし、筒体32は吸引空気配管と連通する。
【0016】 ロボット下部12には、図5に示すスライバーカット部、図6に示すスライバ ー継ぎ部及び図示しないスライバー切断完了の光線の信号をケンス交換制御盤6 へ送るビーム式通信装置を備えている。
【0017】 スライバーカット部は、ロボット下部12が前進するときに閉じる上下に配さ れた2つのチャック35、36よりなり、下方のチャック36は、スライバー挟 持後下方に回動するようにしてある。
【0018】 ロボットRが定位置まで下降してロボット下部12のみが水平に前進移動して から、空ケンスC’から紡績装置S側に延びるスライバーを2つのチャック35 、36により挟持し、下方のチャック36を下方に回動するとスライバーは垂直 位置で切断される。その後両チャック35、36は開き、ちぎられたスライバー 上端はクリールガイド5から垂れ下がり、下端は空ケンスC’上に落ちる。この とき、スライバーの垂れ下がり長が30cm以下であると、クリールガイド5から 紡績装置Sへ水平に延びるスライバーの自重により、上方のスライバー切断端は クリールガイド5から外れてしまうので、注意を要する。そして、スライバーの 切断が完了すると、ビーム式通信装置よりケンス交換制御盤6へスライバー切断 完了の光線の信号が送られる。
【0019】 スライバー継ぎ部は、上下動及び開閉する上方スライバー挟み37及び開閉す る下方スライバー挟み38、実ケンスCの上方を上下動する吸い口39、上方ス ライバー挟み37の上方後部に開口する吸い口40、下方スライバー挟み38の 下方で下方への回動を行うチャック41、その下方後部に開口する吸い口42及 び両スライバー挟み37、38間に配されスライバーを継ぐ図示しない装置とよ りなっている。
【0020】 空ケンスC’と紡績装置Sとの間のスライバーが切断され、ケンス交換制御盤 6がビーム式通信装置より発せられたスライバー切断完了信号を受けると、後述 する動作によって、空ケンスC’がトロッコTによって空ケンスステーション1 まで運ばれ、実ケンスステーション2から実ケンスCが運ばれてケンス要交換錘 に押し込まれ、スライバー継ぎ動作が行なわれる。ケンス要交換錘からトロッコ Tへの空ケンスC’の引込み及びトロッコTからケンス要交換錘への実ケンスC の押し出しの確認は、ロボット下部12に設けたセンサー43によってなされる 。即ち、センサー43からの投射光線のケンス上スライバーよりの反射の有無を 検知してケンスの通過の確認がなされる。
【0021】 スライバー継ぎ動作は次のようにしてなされる。先ず、ロボット下部12がス ライバー切断位置から後退し、吸い口39が下降して実ケンスCの後方の縁から 外に垂れ下がっているスライバー端を吸いつけ、所定位置まで上昇して止まり、 吸い口40が作動すると吸い口39は吸引を停止し、スライバー端は吸い口40 内に吸い込まれる。そして、ロボット下部12が前進して両スライバー挟み37 、38が作動すると同時に吸い口40の吸い込みが止まる。その後、上方スライ バー挟み37を上昇させてスライバーを引きちぎり、上方スライバー挟み37を 開くと、残ったスライバー端は吸い口40に吸い込まれ、上方スライバー挟み3 7は元の位置に戻る。次に、チャック41が前進してクリールガイド5から垂れ ている装置S側のスライバー端をチャックした後、チャック41はわずかに戻り 、そして、上方スライバー挟み37が閉じて装置S側のスライバー端をつかむと 、チャック41は下向きに回転してスライバーを引きちぎる。余分なスライバー の切れ端は吸い口42に吸い込まれる。両スライバー挟み37、38間に確保さ れた各スライバー端は、スライバー継ぎ装置によって継がれる。その後、両スラ イバー挟み37、38は開き、ロボット下部12は後退してから天井搬送車SRに 引上げられ、天井搬送車SRは原点へ戻る。そして、天井搬送車SRは原点で次のケ ンス交換信号を待つことになる。その間、天井搬送車SRでは、バッテリーの充電 がなされる。
【0022】 スライバー継ぎ装置としては、重ね合わされた実ケンスC側のスライバー端と 紡績装置S側のスライバー端とをスライバーに直交する方向から針で数回突き刺 して結合させるもの(実願平2−403097号)、あるいはその部分を両側か ら挟んで互いに逆方向に往復動させて揉み合わせるもの(実願平2−40309 8号)等があるが、いずれのものでもよい。
【0023】 トロッコTは、図7に示すごとく、駆動プーリー50、従動プーリー51、バ ネ53によって引っ張られるテンションプーリー52のそれぞれに掛け渡された 直径4mm程度のナイロン被覆ワイヤー54(チェーンに比べて風綿の付着が非常 に少ない)の各端に、前後が固定されている。そして通常は、駆動プーリー50 側にある空ケンス置場1と実ケンス置場2との間の原点で待機している。従動プ ーリー51には、周囲に30個程の歯状突起を有する有歯円盤55が固定してあ り、有歯円盤55の縁付近には、その歯数をカウントするセンサー56が設けて ある。センサー56がカウントする有歯円盤55の歯数とトロッコTの移動距離 との間には相関関係があるので、原点からそれぞれの錘までのトロッコTの移動 距離及びケンス交換に必要なトロッコTの移動距離を有歯円盤55の歯数に対応 して、ケンス交換制御盤6内のコンピューターにプログラムしておく。
【0024】 ロボット下部12のスライバーカット部によるスライバー切断作業が終了して ロボット上部11内のビーム式通信装置よりスライバー切断完了信号がケンス交 換制御盤6へ送られると、駆動プーリー50に回転指令が出され、センサー56 がプログラムされた有歯円盤55の歯数をカウントし終わるまで、トロッコTは 原点から走行し、ケンス要交換錘に至る。
【0025】 トロッコTには、図7ないし図9に示すごとく、ケンス交換時に回転するター ンテーブル57、斜面を有する爪58aの付いた板バネ58、爪59aの付いた 板バネ支持体59、位置決め用レバー60、ピン保持用レバー61等が備えられ ている。
【0026】 ターンテーブル57は、トロッコTの後方に固定された軸62に回転自在に支 持されており、その上面は、各所のケンスの置かれる面とほぼ同じ高さになって いる。板バネ支持体59は、ターンテーブル57の中心と周縁の略中程に回転自 在に支持された軸63に固定されている。また、板バネ58の基部は、板バネ支 持体59に固定されている。そして、板バネ58は、それ自体がバネとなってい る。板バネ58の爪58aと板バネ支持体59の爪59aとの間には、図9に示 すごとくケンスの下端の縁部を受け入れて挟持する間隙が形成されている。更に 軸63には、レバー64が固定されている。レバー64の自由端には、ピン65 が固定されており、そのピン65は、トロッコTの底板に形成したカム溝66に 係合している。カム溝66の形状は、ケンス交換時における爪58aの移動軌跡 lがほぼ直線となるように設計されている。こうすることによって、交換される ケンスと隣接するケンスとの衝突が避けられる。また、板バネ58の先端近くの 下方には、水平に外側を向いたカム67が固定されており、トロッコTの軸62 よりやや前方の側壁内には先端がやや上方に位置する固定カム68が固定されて いる。ターンテーブル57が回転してカム67と固定カム68とが重なる位置に きたときに、ケンスが板バネ58に乗って下がっていると、カム67は固定カム 68の下側に位置し、板バネ58上にケンスがないと、カム67は固定カム68 の上側に位置する。
【0027】 位置決め用レバー60は、ターンテーブル57の周縁部に固定した軸69に揺 動自在に支持され、通常は基部に作用する図示しないバネの力によってトロッコ Tの側壁から直角、且つ、水平に突出している。位置決め用レバー60の自由端 には、やや前方に屈折した棒状部60aと棒状部60aの後方基部に形成された 凹部60bが存在する。ピン保持用レバー61は、位置決め用レバー60の中間 よりやや先端部側に軸70によって揺動自在に支持されており、ピンPを一旦保 持すれば、外力がかからなければ、開放しないような形状になっている。そのフ ック61aは、ケンスの引き出し時に、位置決め用レバー60が各錘毎に床面に 配された錘決めピンPから外れないようにするためのものである。71は、トロ ッコTの底部に固定されたストッパーであり、トロッコTが戻るときにピン保持 用レバー61に当接して、フック61aを開く方向にピン保持用レバー61を揺 動させるためのものである。なお、錘決めピンPは、空ケンスステーション1及 び実ケンスステーション2のケンス上げ下ろし位置にも設けてある。
【0028】 トロッコTによってケンス要交換錘から空ケンスC’を取り出すには、先ず、 トロッコTの前進によって、位置決め用レバー60が各錘の錘決めピンPに当た って後方への揺動、復帰を繰り返し、その錘を少し通り過ぎて一定距離バックす る。そしてその後、前進することにより位置決め用レバー60の凹部60bにケ ンス要交換錘の錘決めピンPが入ってその錘を定める。この動作を更に詳しく説 明すると、ケンス要交換錘を少し通り過ぎたときに、位置決め用レバー60はそ の錘の錘決めピンPから外れて紡績装置側に真っ直ぐ突き出した状態にある。そ して一定距離バックすることにより、位置決め用レバー60の棒状部60aがそ の錘の錘決めピンPと当接した状態となる。その後の前進によってその錘決めピ ンPは、棒状部60aに沿って凹部60bに入り込み、ピン保持用レバー61の フック61aによって抱え込まれ、図7の状態になる。次に、この状態からトロ ッコTが前進すると、位置決め用レバー60は錘決めピンPに押されてターンテ ーブル57が回転し、それにつれて板バネ支持体59、レバー64もターンテー ブル57と共に回転するので、ピン65はカム溝66内を移動して板バネ58、 板バネ支持体59が空ケンスC’側に回動する。そして、板バネ58の爪58a が空ケンスC’の下に滑り込み、その底の縁を引っかける。その際、図8に示す ごとく、カム67は固定カム68の上を通るので、爪58aは下がらず、無理や り空ケンスC’の底縁を持ち上げて掬い取ることになる。その時点でトロッコは 後退を開始し、逆に、ピン保持用レバー61のフック61aが錘決めピンPに引 っ張られてターンテーブル57が逆回転し、板バネ58、板バネ支持体59は空 ケンスC’を引っかけたまま元の位置に戻ってトロッコT上に空ケンスC’が載 せられる。そして、ピン保持用レバー61がストッパー71に当たってフック6 1aが開き、錘決めピンPは位置決め用レバー60の凹部60bから脱出する。 なお、前述したように、ケンス要交換錘からトロッコTへの空ケンスC’の引取 りの有無は、天井搬送車SR1下のロボットRのセンサー42によって確認される 。
【0029】 空ケンスC’を載せてトロッコTが原点まで戻るときに、空ケンスは、次のよ うにして空ケンスステーション1に置かれる。即ち、トロッコTは、空ケンスC ’を置くべき位置の錘決めピンPを少し行き過ぎて位置決め用レバー60の棒状 部60aがその錘決めピンPと当接した状態となる。そして、少し戻るとその錘 決めピンPは、棒状部60aに沿って凹部60bに入り込み、ピン保持用レバー 61のフック61aによって抱え込まれ、図7の状態になる。このとき空ケンス C’をつかんでいる爪58aは、図9に示すごとく、空ケンスC’の自重により 少し下がっている。従って、トロッコTの前進(被駆動プーリー51側への移動 )によるターンテーブル57の回転に伴って、板バネ58のカム57が固定カム 68に重なろうとする位置にきたときには、カム67は固定カム68の下側に位 置している。更にトロッコTが前進してターンテーブル57が回転すると、受渡 し位置では、カム67が固定カム68に沿って滑り下り、爪58aは完全に空ケ ンスC’の底の縁から外れ、空ケンスC’は爪59aに押されて空ケンスステー ション1に移される。
【0030】 空ケンスステーション1に空ケンスC’を置いたトロッコTは再び原点に戻り 、次に実ケンスステーション2へ実ケンスCを取りに行く。その動作は、トロッ コTが実ケンスCを取り出すべき位置の錘決めピンPを少し行き過ぎ、少し戻っ て錘決めピンPが位置決め用レバー60の凹部60bに入り込む以外は、前述の 空ケンスC’の取り出しにおけるものとほぼ同様である。
【0031】 実ケンスCを取り出したトロッコTは、一旦原点に戻り、その後ケンス要交換 錘まで移動し、空ケンスステーション1への空ケンスC’の押し出し動作と同様 にして、実ケンスCを挿入する。
【0032】 最後に、図1、図10ないし図12を参照して、ケンスステーション3を中心 とするケンスの動きについて説明をする。図示しない練篠機とケンスステーショ ン3との間を結ぶレール7に沿って先の天井走行搬送車SRとは別の天井走行搬送 車が移動することによって、スライバー端がケンス外へ垂らされた状態の実ケン スCが練篠機から実ケンスステーション2へ運び込まれ、空ケンスC’が空ケン スステーション1から練篠機へ運び出されるが、ケンスステーション3及び3’ での天井走行搬送車と空ケンスステーション1、実ケンスステーション2とのケ ンスのやり取りは、次に説明する機構によってなされる。
【0033】 図10には、天井走行搬送車が吊下するケンス載置板PBを空ケンスステーショ ン1の床レベルまで下げてケンスステーション3上で停止している状態が示され ている。空ケンスステーション1には、空ケンスC’の取り出し要求信号のある 度毎に順次駆動するエンドレスのベルトコンベアー80があり、そのベルトコン ベアー80によって運ばれる空ケンスC’は、空ケンスステーション1とケンス 載置板PBとの間に股がった状態で止まるが、その空ケンスC’を完全にケンス載 置部に載せるのは、ケンスステーション3内に設けた図10に示す機構によって なされる。
【0034】 その機構は、周囲にネジ溝を有し、空ケンスステーション1の方向を向いた、 図示しないモーターによって駆動されるスクリューシャフト81と、スクリュー シャフト81に螺合する台82に揺動自在に支持され、通常はバネ84によって 水平姿勢を維持し、前端に上方に突出するフック83aを有するプラー83と、 空ケンス置場1から最も離れたプラー83の移動終端部付近に設けられ、プラー 83の後端と係合してプラー83のフック83a側を下げるカム85とよりなっ ている。そして、フック83aの前側には斜面が形成してある。なお、カム85 の代わりにプラー83の後端に作用するソレノイドを設けてもよい。なお、天井 走行搬送車が吊下するケンス載置板PBには、プラー83の移動用スリットが形成 されている。
【0035】 この機構によれば、ベルトコンベアー80によって空ケンスC’が空ケンスス テーション1から運ばれ、ケンスステーション3’上で天井走行搬送車から下降 停止しているケンス載置板PBとの間に股がるときに、空ケンスステーション1近 くにあるプラー83のフック83a前側の斜面が空ケンスC’の底の縁に押し下 げられ、空ケンスC’の底の縁はフック83aと係合する。その状態でスクリュ ーシャフト81を回転させると、プラー83は空ケンスC’をケンス載置板PBに 引き込む。そして、プラー83がカム85と係合してフック83aが空ケンスC ’の底の縁から外れて移載が完了する。天井走行搬送車に複数の空ケンスC’収 納スペースがある場合には、更に天井走行搬送車を移動させて空いているペース に同様にして空ケンスC’を移載する。
【0036】 図11には、ケンス載置板PBが天井走行搬送車から実ケンスステーション2の 床レベルまで下げられてケンスステーション3上で停止している状態が示されて いる。その天井走行搬送車のケンス載置板PBから実ケンステーション2の図示し ないベルトコンベアー上へ実ケンスCを移載するには、ケンスステーション3内 に設けた次の機構によってなされる。その機構は、周囲にネジ溝を有し、実ケン スステーション2の方向を向いた、モーター89によって駆動されるスクリュー シャフト86と、スクリューシャフト86に螺合する台87に固定され、前方に 突出部88aを有するプッシャー88とよりなっている。
【0037】 この機構によれば、天井走行搬送車からケンスステーション3上に実ケンスC を載せたケンス載置板PBが下降停止すると、スクリューシャフト86が回転して プッシャー88が実ケンスステーション2側に移動し、実ケンスCは突出部88 aに押されて実ケンスステーション2の図示しないベルトコンベアー上へ押し出 され、移載が完了する。ケンス載置板PBに複数の実ケンスCを載置している場合 には、更に天井走行搬送車を移動させて同様に実ケンスCを移載する。
【0038】 実ケンスステーション2へ押し出された実ケンスCは、先行する実ケンスCが トロッコTによって取り出される度毎に、実ケンスステーション2のベルトコン ベアーに運ばれて実ケンスステーション2の最前部に向けて移動するが、実ケン スステーション2の最前部では、実ケンスCのスライバー端の垂れ下がり位置が 制御される。実ケンスCのスライバー端は、前述のごとく、スライバー継ぎ時に 吸い口39によって吸いやすくするために、紡績装置Sにおける配備状態で実ケ ンスCの後方の縁から外に垂れ下がった状態としなければならない。図12によ って以下に説明する装置は、トロッコTによる実ケンスCの出し入れ時における 回転を考慮して前列に置かれる実ケンスCでは、スライバー端を前方(紡績装置 S側)に垂れ下げ、後列に置かれる実ケンスCでは、スライバー端を後方に垂れ 下げる向きに実ケンスCを回転させる姿勢制御装置である。なお、この姿勢制御 は、紡績装置Sの定長カウンターS’から実ケンスステーション2のケンス交換 制御盤6にケンス交換信号が出されたときにケンス要交換錘が前列に属するもの か、後列に属するものかを判断してから、それぞれに適した回転が選択されてな される。
【0039】 この姿勢制御装置は、固定軸90に揺動自在に支持された枠体91に設置され た駆動ローラー92と、位置固定の回転自在のフリーローラー93と、固定軸9 4に揺動自在に支持のローラー支持腕95に回転自在に支持されたアイドルロー ラー96と、枠体91等の適所に設けたスライバー端検知センサー97とよりな っており、駆動ローラー92は、枠体91の一端に係合するエアーシリンダー9 8によって、実ケンスCが姿勢制御装置の位置に進入したときに、実ケンスC側 に回動される。そして、実ケンスCが駆動ローラー92、フリーローラー93、 アイドルローラー96に取り囲まれると、スライバー端検知センサー97が実ケ ンスCの外へ垂れたスライバー端を検知するまで、駆動ローラー92がゆっくり 回転して一旦止まる。その後、駆動ローラー92には、ケンス要交換錘の属する ケンス列に対応した回転が与えられる。また、ローラー支持腕95には、長孔9 5aが形成してあり、その長孔95aには、回転シリンダー99の腕100の先 端のピン101が係合している。トロッコTが実ケンスCを引き取るときには、 回転シリンダー99を回転させてローラー支持腕95及びアイドルローラー96 を支障のない位置に退避することができる。なお、図12中の102は、実ケン スステーション2のベルトコンベアーである。
【0040】 ケンス自動交換装置の構成は以上の通りであるが、次に、紡績装置Sの背後に 並べられたケンスが空になったときのケンス交換手順を、図13を参照して、簡 単に説明する。なお、図13中の各ブロックに付された符号は、ケンス交換制御 盤6以外は、各制御盤が属する装置の符号にダッシュを付して記載している。
【0041】 天井搬送車が、吊り下げたケンス載置板PBに実ケンスCを載せて、練篠機より ケンスステーション3にやってくると、実ケンスCは、ケンスステーション3の プッシャー88によってケンス載置板PBから実ケンスステーション2へ下ろされ る(図11)。紡績装置Sのある錘のケンスが空に近づくと、定長カウンターS ’より錘番号信号ADD及びケンス交換信号CHGがケンス交換制御盤6へ出さ れ、その錘の精紡が停止する。ケンス搬送制御盤3”からケンス交換制御盤6へ ケンス交換可の信号READYが送られ、ケンス交換制御盤6よりケンス搬送制 御盤3”へ前列交換指令信号FRNT−P又は後列交換指令信号BAK−Pが出 されると、ベルトコンベアー102よって順次運ばれ、実ケンスステーション2 の最前端位置にきた実ケンスCは、その位置で駆動ローラー92によって、実ケ ンスCの縁から垂れ下がっているスライバー端をケンス要交換錘の属するケンス 列(前列又は後列)に応じた所定位置にくるように回転させる。ケンス交換制御 盤6より天井走行搬送車SRの制御盤SR’へ錘番号信号ADD、交換開始信号SR T及びレール切換信号AL−CHGが出され、天井走行搬送車の制御盤SR’から ケンス交換制御盤6へ受信確認信号RCV、天井走行搬送車SRの原点着信号AL L−END、レール切換確認信号RL−Pが出されると、天井走行搬送車SRが原 点からケンス要交換錘へ走行する。そして、天井走行搬送車の制御盤SR’からロ ボット上部11のスライバー継ぎ制御盤11’へ位置合わせ信号FIT−Pが出 され、ロボットRが天井走行搬送車SRから降下してケンス要交換錘の所定位置に 位置決めがなされる。スライバー継ぎ制御盤11’から天井走行搬送車の制御盤 SR’へ位置合わせ終了信号ENDが出されると、ロボット下部12が空ケンスC ’から紡績装置Sへ延びるスライバーを切断する。スライバー継ぎ制御盤11’ からケンス交換制御盤6へスライバー切断完了信号C−RSTが出され、トロッ コTが原点からケンス要交換錘まで走行し、空ケンスC’を引き取って原点に戻 り、その空ケンスC’を空ケンスステーション1に置く。そしてトロッコTは再 び原点に戻り、次に実ケンスステーション2より実ケンスを取り込み、一旦原点 に戻ってケンス要交換錘まで走行し、そこへ実ケンスCを挿入する。実ケンス挿 入を天井走行搬送車SRのセンサー43が確認すると、ロボット下部12がスライ バー継ぎ動作を行なう。その後、ロボットTは天井走行搬送車SRに引上げられ、 天井走行搬送車SRは原点へ戻る。ケンス交換、スライバー継ぎ動作中に、天井走 行搬送車の制御盤SR’からケンス交換制御盤6へ受信確認信号RCVが出される ことによって、ケンス交換制御盤6から定長カウンターS’へケンス交換、スラ イバー継ぎ動作中信号ALL.BUSYが出され、他の錘のケンス交換は受付ら れない。天井走行搬送車の制御盤SR’からケンス交換制御盤6へ天井走行搬送車 SRの原点着信号ALL−ENDが出さると、ケンス交換、スライバー継ぎ動作中 信号ALL.BUSYが途絶える。なお、紡績装置Sの各錐からは直接手動によ って定長カウンターS’へリセット信号RSTを送ることもできる。
【0042】
【考案の効果】
この考案は、以上説明したように構成されているので、以下に記載するような 効果を奏する。
【0043】 即ち、スライバー切断、スライバー継ぎ動作を、ケンス要交換錘における空ケ ンスと実ケンスの交換動作と連携して自動的に行なうことができる。
【0044】 従って、紡績装置におけるケンスの交換を完全に自動化することができ、紡績 装置の稼働率を上げることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ケンス自動交換装置の概略配置図である。
【図2】同じくケンス自動交換装置の概略側面図であ
る。
【図3】この考案のスライバー継ぎロボットにおける側
板を除去したロボット上部の側面図である。
【図4】圧空接続部の一部破談側面図である。
【図5】ロボット下部におけるスライバーカット部の概
略側面図である。
【図6】ロボット下部におけるスライバー継ぎ部の概略
側面図である。
【図7】トロッコの平面図である。
【図8】板バネにケンスを載せていない場合のカムと固
定カムとの関係を示す側面図である。
【図9】板バネにケンスを載せている場合のカムと固定
カムとの関係を示す側面図である。
【図10】ケンスステーションにおけるケンス引込み装
置の背面図である。
【図11】ケンスステーションにおけるケンス押出し装
置の背面図である。
【図12】実ケンスステーションにおけるケンス位置決
め装置の平面図である。
【図13ケンス自動交換装置に
おける各装置間の信号のやり取りを説明するブロック線
図である。 【符号の説明】 43 ケンスの出し入れを検出するセンサー C 実ケンス C’ 空ケンス R スライバー継ぎロボット S 紡績装置 SR 天井走行搬送車 T トロッコ
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年7月13日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】実用新案登録請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【実用新案登録請求の範囲】

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】ケンス要交換錘と原点との間を走行する天
    井走行搬送車に吊下され、ケンス要交換錘に対する空ケ
    ンス、実ケンスの出し入れを検出するセンサーと、スラ
    イバー切断完了信号をケンス交換装置へ送るビーム式通
    信装置とを備え、空ケンスと紡績装置との間に延びるス
    ライバーを切断し、切断された紡績装置側のスライバー
    端と実ケンスのスライバー端とを継ぐスライバー継ぎロ
    ボット。
JP045154U 1991-05-20 1991-05-20 スライバー継ぎロボット Pending JPH0585772U (ja)

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CS921508A CS150892A3 (en) 1991-05-20 1992-05-20 Device for automatic exchange of cans for sliver transporting
DE4216728A DE4216728A1 (de) 1991-05-20 1992-05-20 Automatische wechselvorrichtung fuer faserbandkannen

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ITRM920373A1 (it) 1993-11-19
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