JPH0241184Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、仮撚などされた糸をボビンに巻き取
る糸巻取装置と空のボビンを支持するペグスタン
ド間を走行して玉揚作業を行うための玉揚台車に
係り、特に、糸巻取装置から満巻きとなつたパツ
ケージを受け取るための玉揚台車のパツケージ支
持装置に関するものである。

［従来の技術］ 本出願人は、先に特願昭60−227476号（発明の
名称；糸仮撚機におけるパツケージの玉揚方法お
よび装置）を提案した。

これを、第３図、第４図により説明する。

第３図、第４図は共に糸仮撚機の側面を示して
いる。

作業空間１を挟む一側には長尺の第１ヒータ２
が立設され、他側には複数の糸巻取装置３が設け
られる。また第１ヒータ２の背部には多数の給糸
パツケージP₁を支持したクリール４が配置され、
糸巻取装置３の背部には第２ヒータ５が設置され
る。作業空間１の上方には糸冷却プレート６、糸
ガイド装置７及び仮撚装置８が順に配設され、更
に第１ヒータ２の下方及び第２ヒータ５の上下に
はそれぞれフイードローラ９，１０，１１が配設
される。

給糸パツケージP₁から引出された糸Ｙは、第
１フイードローラ９を経て第１ヒータ２内を下か
ら上へ通り、ガイドピン１２，１３で屈曲された
後、糸冷却プレート６に沿つて斜め下方に走行
し、更に糸ガイド装置７を経て仮撚装置８に導入
される。

仮撚装置８を出た糸Ｙは、ガイドピン１４で下
方に屈曲され、第２フイードローラ１０を経て第
２ヒータ５内を下降した後、第３フイードローラ
１１及び糸ガイド１５を経て糸巻取装置３で巻取
られ、巻取パツケージP₂として形成される。

糸巻取装置３は、上下に３段、紙面前後方向に
４列の合計12台設けられ、巻取パツケージP₂を
支持するクレードルアーム１６、該パツケージ
P₂を回転駆動するフリクシヨンローラ１７及び
糸Ｙを案内する糸ガイド１８その他の部材から構
成される。１９は、糸巻取装置３の下方に設けら
れたサクシヨンパイプで、図示しないブロアに連
通している。

作業空間１において第１ヒータ２の前面には、
平板状のペグスタンド２０が配置される。該スタ
ンド２０は、その下面に設けたローラ２１が、地
面に敷設したレール２２上を滑動することによつ
て、第３図紙面前後方向に走行できるようになつ
ており、通常は、図示しないストツパにより糸巻
取装置３と対向する位置に固定されている。また
該スタンド２０の糸巻取装置３に向う面には、上
下に３段、紙面前後方向に４列で、合計12本のペ
グ２３が上下及び前後にそれぞれ等しい間隔をあ
けて水平方向に植設され、各ペグ２３には空のボ
ビンＢがそれぞれ挿着されている。ペグスタンド
２０と糸巻取装置３との間には地面に別のレール
２４が敷設され、該レール２４上を玉揚台車２５
がローラ２６により紙面前後方向に走行する。

玉揚台車２５は、糸巻取装置３での巻取パツケ
ージP₂が満巻となつたとき、糸Ｙを切ると共に
クレードルアーム１６から巻取パツケージP₂を
外し、同時にペグスタンド２０からボビンＢを抜
き取り、そのボビンＢをクレードルアーム１６に
装着すると共に巻取パツケージP₂をペグ２３に
装着するようになつている。

これを第３〜５図によりさらに詳しく説明す
る。

玉揚台車２５の上部には、糸巻取装置３とペグ
スタンド２０の方向に延びるガイドバー２７と螺
子ロツド２８とが設けられ、このガイドバー２７
に嵌合して案内されると共に螺子ロツド２８に螺
合し、その螺子ロツド２８の回転で糸巻取装置３
とペグスタンド２０間を往復動するスライドフレ
ーム２９が設けられる。

他方、玉揚台車２５の下部にはガイドレール３
０が設けられ、そのガイドレール３０上を往復摺
動する支持ブロツク３１が設けられ、この支持ブ
ロツク３１とスライドフレーム２９間にガイドロ
ツド３２が連結される。

このガイドロツド３２には、第３図に示すよう
に糸巻取装置３で満巻きとなつたパツケージP₂
を受け取るパツケージ支持アーム３３の基部３４
と、第４図に示すボビンＢを保持するボビンチヤ
ツカー３５の昇降ブロツク３６とが上下移動自在
に設けられる。パツケージ支持アーム３３の基部
３４とボビンチヤツカー３５の昇降ブロツク３６
とが、スライドフレーム２９に設けた垂直な螺子
ロツド３７に螺合し、螺子ロツド３７の回転で昇
降できるようになつている。

パツケージ支持アーム３３とボビンチヤツカー
３５とは、その基部３４と昇降ブロツク３６に対
して水平方向で旋回できるようになつており、さ
らにボビンチヤツカー３５は、第４図に示すよう
に上下方向に回動できるようになつている。

この玉揚台車２５で、糸巻取装置３の満巻きパ
ツケージP₂とペグスタンド２０のボビンＢとを
交換するには、先ずボビンチヤツカー３５がボビ
ンＢを装着し、第４図のように昇降ブロツク３６
の上方にボビンＢを保持した状態のとき、第３図
に示すようにスライドフレーム２９が糸巻取装置
３側に移動し、パツケージ支持アーム３３の受部
３８が、第５図に示すように糸巻取装置３のクレ
ードルアーム１６に支持されたパツケージP₂の
ボビンＢの両端の下部に位置するように移動す
る。

次にクレードルオープナ３９にてクレードルア
ーム１６の一方のアーム１６ａを係合し、図示の
方向に回動させることで満巻きパツケージP₂が
クレードルアーム１６のボビンホルダ４０から外
れ、その下方のパツケージ支持アーム３３の受部
３８に保持される。

その後パツケージ支持アーム３３が満巻きパツ
ケージP₂を保持したまま、第３図に示す位置ま
で後退した状態で、第５図に示すようにパツケー
ジ支持アーム３３が、そのボビンＢの軸芯がペグ
スタンド２０のペグ２３と一致するよう旋回され
る。

次に第４図に示すようにボビンＢを保持したボ
ビンチヤツカー３５が下方に回動し、その状態で
クレードルアーム１６側に前進したのち、ボビン
チヤツカー３５を上方に若干回動させてクレード
ルアーム１６のボビンホルダ４０間にボビンＢを
装着する。装着後はボビンチヤツカー３５を第４
図の昇降ブロツク３６上に位置するよう戻したの
ち、ボビンチヤツカー３５をパツケージ支持アー
ム３３と同様に水平に旋回する。

この状態で第５図に示すようにスライドフレー
ム２９をペグスタンド２０側に後退させ、パツケ
ージ支持アーム３３で受けた満巻きパツケージ
P₂をペグ２３に挿入する。この際、ボビンチヤ
ツカー３５は、図には示していないがそのパツケ
ージ支持アーム３３の上方で、かつ進行方向前方
のペグ２３ａに挿入されたボビンBa上に位置し
ており、パツケージ支持アーム３３で満巻きパツ
ケージP₂をペグ２３に挿入したのち、その支持
アーム３３とボビンチヤツカー３５とを降下させ
ることで、支持アーム３３は満巻きパツケージ
P₂を離し、ボビンチヤツカー３５はそのボビン
Baを保持する。ボビンBaを保持した後のボビン
チヤツカー３５とパツケージP₂の装着を終えた
パツケージ支持アーム３３は糸巻取装置３側に戻
されると共に旋回され、その状態で玉揚台車２５
が次の糸巻取装置３の玉揚作業を行うべく走行
し、上述の操作を繰り返すこととなる。

この玉揚作業において、パツケージ支持アーム
３３は、クレードルアーム１６からその受部３８
に満巻きパツケージP₂のボビン端を受け、これ
を水平に旋回してペグスタンド２０のペグ２３に
挿入することとなる。

［考案が解決しようとする問題点］ しかしながら、クレードルアーム１６から満巻
きパツケージP₂をパツケージ支持アーム３３に
受け渡す場合、クレードルオープナ３９でクレー
ドルアーム１６の一方のアーム１６ａを開いても
満巻きパツケージP₂がその自重で支持アーム３
３に確実に受け渡される保障はなく、例えば一方
のアーム１６ａを開いても他方のボビン端がクレ
ードルアーム１６のボビンホルダ４０にしつかり
と固定されたままとなれば、その受渡しが行えな
いこととなる。

また満巻きパツケージP₂を受け取つた後にお
いては、パツケージ支持アーム３３はペグ２３に
装着すべく水平に旋回するため、ボビン端がパツ
ケージ支持アーム３３の受部３８から外れて落下
するなどの問題がある。

本考案は、上記事情を考慮してなされたもの
で、クレードルアームからパツケージ支持アーム
への満巻きパツケージの受渡しが確実に行えると
共にパツケージ支持アームから満巻きパツケージ
が脱落することがない玉揚台車のパツケージ支持
装置を提供することを目的とする。

［問題点を解決するための手段及び作用］ 本考案は、上記の目的を達成するために、糸巻
取装置とペグスタンド間を走行する玉揚台車に、
糸巻取装置で満巻きとなつたパツケージを受取る
べく先端にそのパツケージのボビン端を受ける受
部を有する支持アームを設けた玉揚台車のパツケ
ージ支持装置において、その支持アームに、上記
受部で受けられたボビン端の上部を押える押え爪
を回動自在に設けたもので、支持アームに回動自
在な押え爪を設けることで、受部と押え爪間でボ
ビン端を確実に把持でき、またクレードルアーム
から支持アームに満巻きパツケージを受け取る際
には、その押え爪でボビン端の上部を押圧するこ
とで容易に満巻きパツケージが外れるようにした
ものである。

［実施例］ 以下本考案の玉揚台車のパツケージ支持装置の
好適一実施例を添付図面に基づいて説明する。

先ず糸仮撚機の玉揚台車の構成は、第３〜５図
で説明したとおりである。

さて、第１図、第２図において、３３は満巻き
パツケージP₂を保持するための支持アームで、
先端に半円弧状の溝からなる受部３８を有する二
本のアーム部４１と、その二本のアーム部４１を
支持する枠部４２とからなつている。

アーム部４１は、図では、第５図で説明したク
レードルアーム１６の可動側アーム１６ａと反対
側の固定側アーム１６ｂ側を示し、可動側アーム
１６ａに対向するアーム部４１は省略している
が、固定側に対向したアーム部４１と対称に枠部
４２に取り付けられている。

この図示した側の固定側のアーム部４１の上部
には取付板４３が取り付けられ、その取付板４３
に軸受筒４４が一体に設けられる。

軸受筒４４には回転自在にピン４５が挿通さ
れ、そのピン４５の一端に押え爪４６が固着さ
れ、他端にレバー４７が固着される。

枠部４２には、エアシリンダ４８の取付基部４
９がピン５０で上下回動可能に取り付けられ、エ
アシリンダ４８のロツド部５１の先端部５２がレ
バー４７にピン結合される。

一方、糸巻取装置３のクレードルアーム１６
は、パツケージP₂のボビンＢを支持するホルダ
４０を有し、図には示していないが、パツケージ
P₂が満巻きとなつたとき、パツケージP₂が第３
図、第４図で説明したフリクシヨンローラ１７と
接触しないようクレードルオープナ３９（第５
図）で上方に回動され、パツケージP₂の受け渡
し状態に支持される。

次に本実施例の作用を説明する。

糸巻取装置３でのパツケージP₂が満巻きとな
つたとき給糸が切断され、そのパツケージP₂の
下部がフリクシヨンローラ１７から離され、パツ
ケージP₂の回転を停止された状態にクレードル
アーム１６が支持される。

この状態で支持アーム３３が、第３〜５図で説
明したようにその受部３８がボビンＢの直下に位
置するよう移動される。

第１図は、この状態を示し、満巻きパツケージ
P₂のボビンＢは、図示の実線で示した位置に保
持され、また支持アーム３３の受部３８はそのボ
ビンＢよりやや離れた位置にある。この場合、エ
アシリンダ４８のロツド部５１は収縮した状態に
あり、押え爪４６は図示の二点鎖線で示したよう
に略直立した状態となつている。

この状態で、第５図で説明したクレードルオー
プナ３９でクレードルアーム１６の可動側アーム
１６ａが開かれる。

これと同時に第１図のエアシリンダ４８のロツ
ド部５１が伸長し、レバー４７を介して押え爪４
６を図示の実線まで回動させると、押え爪４６
は、ボビンＢの上部と当接し、さらに図示の二点
鎖線まで回動するとボビンＢを受部３８と押え爪
４６間で把持することとなる。

従つて、クレードルアーム１６を開いたとき、
その固定側アーム１６ｂのボビンホルダ４０から
ボビンＢが外れなかつた場合でも押え爪４６がエ
アシリンダ４８の力で強制的にそのボビンホルダ
４０からボビンＢが外れるようボビンＢを押し下
げるため、支持アーム３３への受け渡しが確実と
なる。

またこのように満巻きパツケージP₂のボビン
端を押え爪４６で把持することで、満巻きパツケ
ージP₂をペグスタンド２０（第３〜５図参照）
に装着するために旋回しても支持アーム３３の受
部３８からボビンＢが外れることがなくなる。

尚上述の実施例においてはクレードルアーム１
６の固定側アーム１６ｂに対向したアーム部４１
に押え爪４６を設ける例で説明したが、両アーム
部４１に押え爪４６を設けてもよいことは勿論で
ある。

［考案の効果］ 以上説明したことから明らかなように本考案に
よれば次のごとき優れた効果を発揮する。

(1) 糸巻取装置で満巻きとなつたパツケージを受
け取る支持アームに、そのパツケージのボビン
端上部を押える押え爪を回動自在に設けたの
で、その受け渡しが確実に行える。

(2) 満巻きのパツケージのボビン端を支持アーム
の受部と押え爪で把持するので、満巻きパツケ
ージを旋回させても支持アームから脱落するこ
とがない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す正面図、第２
図は第１図の平面図、第３図、第４図は先願の糸
仮撚機における玉揚台車の全体図、第５図は第３
図における玉揚台車の詳細を示す平面図である。 図中、３は糸巻取装置、２０はペグスタンド、
３３は支持アーム、３８は受部、４６は押え爪、
Ｂはボビン、P₂はパツケージである。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 糸巻取装置とペグスタンド間を走行する玉揚台
   車に、糸巻取装置で満巻きとなつたパツケージを
   受取るべく先端にそのパツケージのボビン端を受
   ける受部を有する支持アームを設けた玉揚台車の
   パツケージ支持装置において、その支持アーム
   に、上記受部で受けられたボビン端の上部を押え
   る押え爪を回動自在に設けたことを特徴とする玉
   揚台車のパツケージ支持装置。