JPH0585278B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ＜発明の属する技術分野＞ この発明は、鋼管を仮付溶接するに当たつて、
その鋼管を真円に押圧拘束しておく鋼管の仮付拘
束装置に関する。

＜従来の技術＞ 従来の鋼管の仮付拘束装置を第３図に示す。

図示において、１はフレーム２に固定された円
形フレームで、この円形フレーム１には、シーム
押え用圧下軸ケース３と、ケージロール用圧下軸
ケース４，５とが図示の位置に固定され、さらに
そのフレーム１に沿つて移動可能なケージロール
用圧下軸ケース６，７がシーム押え用圧下軸ケー
ス３に隣接した位置およびフレーム１の下部に設
置されている。前記ケージロール用圧下軸ケース
４，５，６，７は第３図において左側にも対称に
設置されているが、省略してある。

前記ケージロール用圧下軸ケース６，７には、
第４図に示すように、圧下軸１３が上下動可能に
収納され、電動モータ１２がウオーム軸１５およ
びウオームギア１４を介してその圧下軸１３を上
下動させるようにしている。前記圧下軸１３の下
端にケージロール１６を設置したフレーム１７が
取付けられ、矢印方向に移送されてくる鋼管１８
の径に合わせて圧下軸１３を上下動させて、その
ケージロール１６でもつて鋼管１８を真円に拘束
するようにしている。

一方、ケージロール用圧下軸ケース６，７に
は、支持部材６ａ，７ａを介してコロ１９（第３
図参照）が取付けられ、円形フレーム１の側面に
取付けられた案内板２０の斜溝２１に係合してい
る。また前記支持部材６ａ，７ａとフレーム２と
は、第３図に示すように、ジヤツキ２２によつて
接続され、そのジヤツキ２２のねじ棒２３の伸縮
作用によつて、ケージロール用圧下軸ケース６，
７がコロ１９の回転とともに円形フレーム１に沿
つて移動するようになつている。

鋼管１８が大径の場合、ケージロール用圧下軸
ケース６，７を第３図に示す実線の位置に位置さ
せて、ケージロール１６でもつて真円を保つよう
に鋼管１８を拘束し、溶接トーチ２５でその鋼管
１８のシーム部（図示せず）を溶接する。

破線で示すように鋼管１８′の径が小さい場合
には、ジヤツキ２２のねじ棒２３を縮めて、ケー
ジロール用圧下軸ケース６，７を鎖線で示す位置
に移動させる。そして圧下軸１３を延ばし、ケー
ジロール１６でもつて真円を保つように鋼管１
８′を拘束する。これは実線の位置からでは、鋼
管１８′の円周を均等にケージロール１６で支持
することができないからである。また真円を保つ
ように鋼管の円周を均等に支持するために、鋼管
の径が小さくなるほど、ケージロール用圧下軸ケ
ース６，７の移動量を大きくとる必要がある。

＜発明が解決しようとする問題点＞ しかしながら、ケージロール用圧下軸ケース
６，７の移動は、ジヤツキ２２で行なつているの
で、その移動量に限界がある。すなわち、鎖線で
示す位置までしか移動させることができない。こ
のため、径が所定寸法以下になると、鋼管の円周
を均等に支持することができなくなり、また第３
図に示すＣ点でケージロール１６同志の干渉が生
じてしまう等の問題があつた。

＜発明の目的＞ 本発明の目的は、鋼管の径の大小にかかわら
ず、鋼管の円周を均等に支持することのできる鋼
管の仮付拘束装置を提供することにある。

＜問題点を解決するための手段＞ 上記目的を達成する本発明の構成は、仮付溶接
される鋼管が内側に通されるリング状のフレーム
と、リング状のフレームに配されフレームに沿つ
て周方向に移動可能な圧下軸ケースと、各圧下軸
ケースに設けられリング状フレームの半径方向に
伸縮して鋼管に押圧力を付与し得る圧下軸と、リ
ング状フレームを前記圧下軸ケースとの間に設け
られた歯車機構と、歯車機構の噛み合いにより前
記圧下軸ケースをフレームに沿つて移動させる駆
動手段とを備えてなることを特徴とする鋼管の仮
付拘束装置に存する。

＜作用＞ 上記構成の仮付拘束装置においては、駆動手段
の駆動による歯車機構の噛み合いによつて圧下軸
ケースをフレーム上で幅広い範囲に亘つて移動さ
せることができ、幅広い鋼管径に亘つて均等に保
持することができるようになる。

＜実施例＞ 第１図には本発明の一実施例に係る鋼管仮付拘
束装置の概略正面を示してあり、第２図にはその
−矢視断面を示してある。

第１図において、３１はフレーム３２に固定さ
れた円形フレームで、この円形フレーム３１に
は、シーム押え用圧下軸ケース３３とケージロー
ル用圧下軸ケース３４とが図示の位置に固定され
ている。また移動圧下軸ケース３５が前記圧下軸
ケース３３，３４を挾む位置に、かつ円形フレー
ム３１に沿つて移動可能に設置されている。前記
円形フレーム３１の内周面には内接歯車３６が設
置され、さらにその円形フレーム３１の両側面に
は環状溝３７が形成されている。

一方、前記移動圧下軸ケース３５には、第２図
に示すように、内接歯車３６に噛合するピニオン
３８を備えた移動手段である駆動軸４０が枢支さ
れ、さらにその駆動軸４０は減速機４１を介して
駆動手段である電動モータ４２に接続されてい
る。また移動圧下軸ケース３５には、前記環状溝
３７に係合する補助輪４３を設けて、移動圧下軸
ケース３５を円形フレーム３１に沿つてスムーズ
に移動させるようにしている。４５は円形フレー
ム３１に摺動する摺動部である。

なお、第３，４図に示すものと同一なものには
同一符号を付したので、その説明は省略する。

次に上記実施例の作用について説明する。

鋼管１８が大径の場合、各圧下軸ケース３３，
３４，３５を第１図の実線で示す位置に位置さ
せ、従来と同様にして、ケージロール１６でもつ
て、その鋼管１８を真円に保つようにして拘束
し、溶接トーチ２５で鋼管１８のシーム部（図示
せず）を溶接する。

鋼管１８′が破線で示すように小径の場合、電
動モータ４２を作動させ、減速機４１を介して駆
動軸４０を回転させて、移動圧下軸ケース３５を
矢印で示す鎖線の位置に移動させる。そして従来
と同様にして電動モータ１２を作動させて、圧下
軸１３を鋼管１８′の中心方向である鎖線で示す
位置に移動させ、ケージロール１３でもつて真円
を保つように鋼管１８′を拘束する。このとき、
固定圧下軸ケース３４の圧下軸１３は実線の位置
に保持させておく。そして溶接トーチ２５でシー
ム部（図示せず）を溶接する。

＜発明の効果＞ 以上のように、この発明によれば、移動圧下軸
ケースと、電動モータ等の駆動手段により歯車機
構の噛み合いを介して移動させるので、任意の位
置に移動させることができる。このためケージロ
ール同志の干渉を防止することができ、したがつ
て鋼管の径の大小にかかわらず、常に真円を保つ
ようにケージロールでもつて鋼管を拘束すること
ができる。またその移動を電動モータで行うよう
にすれば自動的に行うことができ、非常に便利で
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例の概略正面図、第２
図は第１図の−線に沿つた断面図、第３図は
従来の仮付拘束装置の概略説明図、第４図は第３
図の−線に沿つた断面図である。 図面中、１３は圧下軸、１８は鋼管、３１は円
形フレーム、３５は移動圧下軸ケース、３８はピ
ニオン、４０は駆動軸、４２は電動モータ。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 仮付溶接される鋼管が内側に通されるリング
   状のフレームと、リング状のフレームに配されフ
   レームに沿つて周方向に移動可能な圧下軸ケース
   と、各圧下軸ケースに設けられリング状フレーム
   の半径方向に伸縮して鋼管に押圧力を付与し得る
   圧下軸と、リング状フレームと前記圧下軸ケース
   との間に設けられた歯車機構と、歯車機構の噛み
   合いにより前記圧下軸ケースをフレームに沿つて
   移動させる駆動手段とを備えてなることを特徴と
   する鋼管の仮付拘束装置。