JPH0585125U - 受信システム - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】移動体に搭載された受信機の受信性能を良くす
る。 【構成】同一放送をしている系列放送局の周波数をエリ
ア毎に記憶しておき、エリア間の移動を検出したとき周
波数を切り換える。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、移動体に搭載される受信システム（たとえばカーラジオなど）に 関する。

【０００２】

【従来の技術】

現在実用化されているカーラジオの多くは、スキャン機能を備えている。スキ ャン機能とは、選択されたバンド（中波，ＦＭ，テレビＣＨなど）の帯域で所定 の電界強度以上の放送局を自動的に検索する機能である。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、従来のカーラジオでは、そのとき受信している放送局の電波が弱くな っても自動的にスキャン動作を開始する機能がなく、利用者が手動でスキャンを 開始しなければならなかった。また、別のエリアに移動したとき同じ放送を聞き 続けようとする場合、同一系列の放送局の周波数を知っていなければ効率的な選 局をすることができなかった。

【０００４】 この考案は、どこに移動しても同一系列の番組を継続的に受信することができ る受信システムを提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

この出願の請求項１の考案は、放送電波を受信するチューナと、複数のサービ スエリアにわたって同一の番組を同時に放送する複数の系列放送局の放送周波数 を記憶する記憶手段と、自己の移動による前記サービスエリアの切り換わりを検 出する検出手段と、前記検出手段によってサービスエリアの切り換わりを検出し たとき前記チューナを新たなサービスエリアの放送局の放送周波数に同調させる 切換手段と、を備えたことを特徴とする。

【０００６】 この出願の請求項１の考案は、前記請求項２の考案において、前記検出手段を 、前記チューナが受信している放送局の信号強度と他の系列放送局の信号強度と を比較する比較手段と、この比較手段が他の系列放送局の信号強度の方が強いと 判断したときサービスエリアが切り換わったと判断する手段と、で構成したこと を特徴とする。

【０００７】

【作用】

この考案の受信システムでは、同一番組を放送する系列放送局を複数記憶して おり、各放送局のサービスエリアを移動する。この移動によってサービスエリア が切り換わったと判断したとき、新たなサービスエリアの放送局にチューナの周 波数を合わせる。これによって、移動体であっても常に良好な電波を受信するこ とができる。

【０００８】

【実施例】

図１はこの考案の実施例である受信システムのブロック図である。この受信シ ステムは自動車等の移動体に搭載されるものであるが、複数系列の放送局群の放 送周波数を記憶しており、移動することによって受信中の電波が弱くなったとき 、隣接の放送局に受信周波数を変更する。コントローラ１０はマイクロコンピュ ータからなっている。このコントローラ１０には、メモリ１１、チューナ１２， １３、スイッチ１４、アンプ１５およびパネル２０が接続されている。メモリ１ １には図２に示すような周波数テーブルが記憶されている。チューナ１２，１３ は、それぞれＰＬＬ同調回路、ＡＭ／ＦＭ復調回路などを備えており、コントロ ーラ１０から入力された周波数に同調し、（バンド毎に）指定された方式で高周 波からオーディオ信号を復調する。復調されたオーディオ信号はスイッチ１４に 入力されるとともにコントローラ１０に再入力される。スイッチ１４はアナログ スイッチであり、チューナ１２，１３のそれぞれから入力されたオーディオ信号 の何れか一方を択一的にアンプ１５に入力する。スイッチ１４の切り換えはコン トローラ１０が制御する。アンプ１５のゲインはコントローラ１０が管理する。

【０００９】 アンプ１５の出力はスピーカ１６に出力される。また、パネル２０には選局スイ ッチ等が設けられている。選局方式は、周波数を指定する方式、放送局を指定す る方式、放送局の系列を指定する方式の何れでもよい。

【００１０】 図２は前記メモリ１１に記憶されている周波数テーブルを示す図である。放送 局の放送周波数は各放送局の系列（Ａ系列，Ｂ系列，…）毎に分類して記憶され ている。ここで、系列とは同じ番組をネットワークで同時に放送する放送局の集 合をいう。各系列毎に、たとえば、東京，神奈川，静岡等のサービスエリアに設 けられた放送局の放送周波数が記憶されている。

【００１１】 コントローラ１０は、パネル２０の操作で選択された放送局の放送周波数をメ モリ１１の周波数テーブルから読み出してチューナ１２に入力する。これに対し てチューナ１３には周波数テーブルから読み出された同一系列の隣接するサービ スエリアでの放送周波数をセットする。これらの周波数でチューナ１２，１３が 受信した信号の強度をコントローラ１０で比較する。コントローラ１０は大きい 方の信号をアンプ１５に入力するべくスイッチ１４を切り換える。アンプ１５は 切り換えの瞬間ミュートされ、切換ノイズがスピーカ１６に出力されないように されている。

【００１２】 図３は、パネル２０で放送局が選択された場合のコントローラ１０の動作を示 すフローチャートである。まずポインタｉに０をセットする（ｎ１）。チューナ (i) を選局された周波数に同調し（ｎ２）、スイッチ１４をｉ側に切り換える（ ｎ３）。この切換動作時に、切換ノイズを防止するためアンプ１５を一瞬ミュー トする。周波数テーブルから選局された放送局の同一系統の隣接する放送局の周 波数を読み出して（ｎ４）、チューナ(1-i) に入力する（ｎ５）。チューナ(i) とチューナ(1-i) の信号強度を比較する（ｎ６）。チューナ(i) の信号強度が強 い場合には、ｎ４に戻って他の隣接放送局の周波数を読み出して同様の動作を繰 り返す。一方、チューナ(1-i) の信号強度が強い場合には、サービスエリアを移 動したとして(1-i) を(i) にセットしなおして（ｎ８）、スイッチ１４を新たな (i) 側に切り換える（ｎ３）。

【００１３】 以上の動作により、常に最強の電波を受信することができる。

【００１４】 なお、受信中の放送局と隣接放送局とがサービスエリアの境界で頻繁に切り換 わるのを防ぐため、隣接放送局が十分に強い場合、または、それがある程度の時 間継続した場合にのみ切り換えるようにしてもよい。

【００１５】 なお、上記実施例では隣接局と信号強度を比較することによってサービスエリ アの移動を検出したが、ＧＰＳシステム等によって移動体の位置を正確に検出し 、その位置に基づいて同調する放送局を決定するようにしてもよい。

【００１６】

【考案の効果】

以上のようにこの考案によれば、移動体に搭載されて複数の放送局のサービス エリアを移動する場合でも、同じ放送をしている同系列の放送局を順次受信して ゆくことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の実施例である受信システムのブロッ
ク図

【図２】同受信システムの周波数テーブルを示す図

【図３】同受信システムのコントローラの動作を示すフ
ローチャート

【符号の説明】

１０−コントローラ、１１−メモリ（周波数テーブ
ル）、１２，１３−チューナ、１４−（アナログ）スイ
ッチ。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 放送電波を受信するチューナと、 複数のサービスエリアにわたって同一の番組を同時に放
   送する複数の系列放送局の放送周波数を記憶する記憶手
   段と、 自己の移動による前記サービスエリアの切り換わりを検
   出する検出手段と、 前記検出手段によってサービスエリアの切り換わりを検
   出したとき、前記チューナを新たなサービスエリアの放
   送局の放送周波数に同調させる切換手段と、 を備えた受信システム。
2. 【請求項２】 前記検出手段は、前記チューナが受信し
   ている放送局の信号強度と、他の系列放送局の信号強度
   とを比較する比較手段と、前記比較手段が他の系列放送
   局の信号強度の方が強いと判断したとき、サービスエリ
   アが切り換わったと判断する手段と、 を備えた請求項１記載の受信システム。