JPH0584106A - 自動車の安全ベルト用バツクル - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 自動車の安全ベルト用バックルが、意図せず
して開くことのないように措置を講じ、これらの措置を
従来型式のバックルに組込みうるようにする。 【構成】 バックルに作用する締め具を有する安全ベル
ト用バックルがレリーズボタン（１２）を備え、このレ
リーズボタン内にプッシュボタン（１４）が変位可能に
組付けられている。レリーズボタン（１２）は、旋回可
能に支承されたブロックレバー（２０）を保持してい
る。このレバー（２０）は、プッシュボタン（１４）を
押すと旋回するので、レリーズボタン（１２）は、妨げ
られることなしにスターラップ（１８）のストッパ部の
ところを通り過ることができる。ベルト締付け後、レリ
ーズボタン（１２）が行程終了後に、慣性によりその運
動を継続しようとすれば、ブロックレバー（２０）がス
トッパに当るため、レリーズボタン（１２）が更に運動
して開放位置へ達するのが防止される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、自動車の安全ベルト用
バックル、それも、荷重を支承するハウジングとレリー
ズボタンとを有し、このレリーズボタンが、ハウジング
内を変位可能に案内され、ばね力により休止位置に押付
けられ、作用面を有する形式のものに関する。

【０００２】

【従来の技術】バックルと係止されるベルト締め具を備
えた安全ベルト・システムに用いる場合、バックルは、
ベルト締め作業の終りに、意図せずに開くのを防ぐため
に固定される必要がある。使用時、ベルト締め具は、バ
ックルを車両のフロア方向へストッパに達するまで動か
す。ストッパに達すると、バックルの運動は急に停止す
る。しかし、慣性によりバックルの機能部品は運動を続
けようとする。このことはレリーズボタンにも当てはま
ることであり、慣性により生じたレリーズボタンの運動
によって、バックルが開くおそれがある。

【０００３】締付け作業の終りにバックルが自動的に開
くのを防止するためには、すでに種々の措置が提案され
ている。しかしながら、これらの措置を現在用いられて
いるバックル構造に組込むには、種々の困難がともな
う。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、自動
車の安全ベルト用バックル、それも意図せずして開くこ
とがなく、しかも、その設計原理、構造形式、全体の寸
法の点で従来のバックルと変らない形式のものを提供す
ることにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】前記の課題は、本発明に
よれば、冒頭に述べた種類のバックルを次のように構成
することにより解決された。すなわち、レリーズボタン
の作用面をプッシュボタン内に形成し、プッシュボタン
をレリーズボタンに組込み、更にプッシュボタンが、制
限された行程にわたってレリーズボタンの変位方向にレ
リーズボタン内を変位可能に案内され、かつ休止位置に
ばね力によって保持されるようにし、更に、レリーズボ
タンには、２腕のブロックレバーを旋回可能に取付けて
おき、そのうちの第１のレバー腕はプッシュボタンに支
えられ、第２のレバー腕は、プッシュボタンが休止位置
にあるときには、荷重支承ハウジングのストッパと向い
合った位置に在るようにし、プッシュボタンがレリーズ
ボタンに対し押込まれると、ストッパの区域外へ旋回し
て、レリーズボタンに沿って妨げられることなく、レリ
ーズボタンの変位方向にストッパのそばを変位可能であ
るようにし、更にまた、ブロックレバーを休止位置へ押
付けているばね力は、レリーズボタンを休止位置へ押付
けているばね力よりも小さくし、更に、ブロックレバー
の重心が、ブロックレバーの旋回軸を通る平面、それも
バックルの縦方向と平行な平面の外側に位置するように
構成するのである。

【０００６】バックルを開くには、通常の仕方で作用面
を押すが、従来形式と異なる点は、レリーズボタンでは
なく、レリーズボタンに組込まれたプッシュボタンを押
すようにした点である。プッシュボタンを押すと、先ず
２腕レバーが旋回して、第２レバー腕が、バックルのハ
ウジングのストッパ区域外へ出る。更にプッシュボタン
を押すと、初めてレリーズボタンが動かされて、バック
ル内の舌状インサートを保持するロッキングバーを開放
する。

【０００７】ベルト締め具を動作させたあと、バックル
がその変位行程を終え、その慣性のためにレリーズボタ
ンが運動を続けようとすれば、２腕レバーが同時に、第
２レバー腕がバックルハウジングのストッパと向い合っ
たままになる方向に旋回運動を行なう。レリーズボタン
のそれ以上の運動は、バックルハウジングのストッパに
突当る第２レバー腕によって阻止される。

【０００８】現在のバックル型締め具に抵抗力を与える
には、僅かの修正を加えるだけでよい。すなわち、レリ
ーズボタンは、作用面の区域をカットアウトして２部分
に分け、カットアウト区域には別個のプッシュボタンを
変位可能に組付けておき、更に、レリーズボタンの内部
には、２腕レバーを旋回可能に取付けておく。このよう
に、この修正は、実質的にレリーズボタンだけに関係す
るものであり、しかもレリーズボタンは、プラスチック
製の構成要素であるため、容易に他の構成要素に取替え
ることができる。

【０００９】

【実施例】次に本発明のその他の特徴と利点とを図面に
つき説明する。自動車の安全ベルト用のバックルは、荷
重支承ハウジングと、これに組付けられた機能部品と、
これら部材を取囲み、図１に示した形状をバックルに付
与するプラスチック製外殻とから成っている。外殻１０
の端側には、レリーズボタン１２の作用面が設けられて
いる。プッシュボタン１４は、レリーズボタン１２の前
記作用面から２〜３mmだけ突出している。図２および図
３から明らかなように、レリーズボタン１２は、プッシ
ュボタン１４を変位可能に案内するカットアウト部１６
を有している。プッシュボタン１４は、大体カップ形状
をなし、その縦方向端部に２個のフランジ１４ａ，１４
ｂを有している。これらのフランジがレリーズボタン１
２の内側に係止される。

【００１０】端面がプッシュボタン１４と向い合った位
置に来るスターラップ部材１８は、荷重支承バックルハ
ウジングの一部を形成している。ハウジングは、従来型
の構造であるから、詳細には説明しない。２腕のアング
ル状ブロックレバー２０は、レリーズボタン１２の、開
放された内側に設けられたピン２２に取付けられてい
る。第１レバー腕２０ａは、プッシュボタン１４の凹所
に突入して、その自由端部がプッシュボタンの内側に支
えられている。第２レバー腕２０ｂは、ストッパを形成
しているスターラップ１８の端面と向い合った位置に来
るようにされ、レリーズボタン１２に支えられた加圧ば
ね２４の力を受けて、第１レバー腕２０ａがプッシュボ
タン１４の内側に突入した状態に維持されるようにされ
ている。阻止レバー２０の重心Ｓは、第２レバー腕２０
ｂの区域、それも支承ピン２２の軸線を通り、バックル
の縦方向と平行な平面の外側に位置している。

【００１１】図示されていない従来型の戻しばねによ
り、レリーズボタン１２は、図２に示した休止位置へ押
付けられている。

【００１２】レリーズボタン１２を動作させるには、ま
ず始めにプッシュボタン１４を押す。プッシュボタン１
４を押すと、２腕ブロックレバー２０が、図２で見て時
計回り方向に旋回し、それによって第２レバー腕２０ｂ
がスターラップ１８の端面に接する位置から移動する。
この移動によって初めて、プッシュボタン１４を介して
レリーズボタン１２を押すことができ、この結果、バッ
クルが開かれる。

【００１３】バックルと直接に係合し、バックルを自動
車のフロア方向へ移動させるベルト締め具を動作させる
と、たとえば１０cmほど移動したのち、バックルは、ス
トッパに突当り、急激に減速される。慣性のため、レリ
ーズボタン１２およびその部材は運動を続けようとす
る。ブロックレバー２０の重心Ｓには、運動方向の慣性
力Ｆが働く。重心Ｓは、ブロックレバーの旋回軸を基準
としてバックルの外側に位置するので、ブロックレバー
２０は、逆時計回り方向に旋回運動を行なおうとする
が、その運動は阻止される。第１レバー腕２０ａの自由
端部がプッシュボタン１４の内側に当付けられているか
らである。ブロックレバー２０は、このため、第２図に
示した休止位置に保持される。しかし、この位置では、
第２レバー腕２０ｂの自由端部が、スターラップ１８の
端面と向い合っており、レリーズボタン１２がその休止
位置から僅かでも移動しようとすればレバー腕２０ｂの
第２端部がスターラップ１８にぶつかる。スターラップ
１８は、レリーズボタンのストッパを形成し、それ以上
の運動を防止する。

【図面の簡単な説明】

【図１】自動車の安全ベルト用バックルの略示斜視図。

【図２】バックルの部分縦断面図。

【図３】バックルのレリーズボタンの分解斜視図。

【符号の説明】

１０ 外殻 １２ レリーズボタン １４ プッシュボタン １６ カットアウト部 １８ スターラップ ２０ ブロックレバー ２０ａ 第１レバー腕 ２０ｂ 第２レバー腕 ２２ 支承ピン ２４ 加圧ばね

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 荷重を支承するハウジングとレリーズボ
   タンとを有する、自動車の安全ベルト用バックルであっ
   て、前記レリーズボタンが、ハウジング内を変位可能に
   案内され、予圧を与えられたばねにより休止位置に押付
   けられ、かつ作用面を有している形式のものにおいて、 レリーズボタン（１２）の作用面がプッシュボタン（１
   ４）に形成されており、このプッシュボタン（１４）
   が、レリーズボタンに組込まれ、レリーズボタン（１
   ２）の変位方向に、一定の制限された移動間隔にわたり
   レリーズボタン内を変位可能に案内され、予圧を与えら
   れたばね（２４）の力により休止位置に保持されてお
   り、また、レリーズボタンには２腕のブロックレバー
   （２０）が旋回可能に取付けられており、そのうちの第
   １のレバー腕（２０ａ）がプッシュボタン（１４）に支
   えられ、第２のレバー腕（２０ｂ）は、プッシュボタン
   （１４）がその休止位置にあるときには、荷重支承ハウ
   ジング（１８）のストッパと向い合った位置に在り、プ
   ッシュボタン（１４）がレリーズボタン（１２）に対し
   て押されると、ストッパ（１８）の範囲外へ旋回し、レ
   リーズボタン（１２）の変位方向にレリーズボタン（１
   ２）に沿ってストッパ（１８）のところを通り越して妨
   げられることなく変位可能であり、更に、ブロックレバ
   ー（２０）をその休止位置へ押付けているばね力が、レ
   リーズボタン（１２）をその休止位置へ押付けているば
   ね力より小さくされており、更にまた、ブロックレバー
   （２０）の重心（Ｓ）が、ブロックレバー（２０）の回
   転軸線を通る平面、それもバックルの縦方向と平行な平
   面の外側に位置することを特徴とする、自動車の安全ベ
   ルト用バックル。
2. 【請求項２】 プッシュボタン（１４）の休止位置で
   は、プッシュボタンの作用面がレリーズボタン（１２）
   の面から突出していることを特徴とする、請求項１に記
   載のバックル。
3. 【請求項３】 プッシュボタン（１４）が、少なくとも
   １個のフランジ（１４ａ，１４ｂ）を有し、このフラン
   ジが、プッシュボタンの休止位置では、レリーズボタン
   （１２）の穴（１６）の縁部内側に支えられ、穴（１
   ６）がプッシュボタン（１４）を変位可能に受容してい
   ることを特徴とする、請求項１又は２に記載のバック
   ル。
4. 【請求項４】 ブロックレバー（２０）の第２レバー腕
   （２０ｂ）が、加圧ばね（２４）を介してレリーズボタ
   ン（１２）に支えられていることを特徴とする、請求項
   １から３までのいずれか一つの項に記載のバックル。
5. 【請求項５】 プッシュボタン（１４）の作用面がレリ
   ーズボタン（１２）に対して押込んだ位置にある場合、
   この作用面がレリーズボタン（１２）の外表面と、ほぼ
   同一平面をなすことを特徴とする、請求項２から４まで
   のいずれか一つの項に記載のバックル。