JPH0583384U - チャージポンプのリリーフバルブ - Google Patents

チャージポンプのリリーフバルブ

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JPH0583384U JP2480892U JP2480892U JPH0583384U JP H0583384 U JPH0583384 U JP H0583384U JP 2480892 U JP2480892 U JP 2480892U JP 2480892 U JP2480892 U JP 2480892U JP H0583384 U JPH0583384 U JP H0583384U
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 HST式変速装置において、非作動時(中立
時)にエンジン駆動の負荷となるチャージポンプ圧を低
減し、エンジン始動性、及び燃費向上を促進する事を目
的とするものである。 【構成】 チャージポンプの吐出側油路に構成した低圧
リリーフバルブを強制的に開弁するロッドを設け、該ロ
ッドは、手動もしくは該変速装置の中立状態の検出によ
り自動的に押込まれ、該バルブを開弁するものである。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、エンジン駆動油圧ポンプを具備したHST式変速装置において、チ ャージポンプの負荷を低減し、起動効率を改善するためのものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、図7に示す如く、HST式変速装置のチャージポンプCPより吐出され る作動油は、チェックバルブ16a,16bを通じて、油圧ポンプPのシリンダ ーと油圧モーターのシリンダーとの間に配設された閉回路10a又は10b内の 圧油が不足となった場合に供給されていく。そして、該チェックバルブ16a, 16bに至るまでの油供給路15が基準以上の高圧となった場合には、チェック バルブである低圧リリーフバルブ17が開弁して、余分な作動油を変速装置のハ ウジング内に潤滑油の一部として送り込むのである。このように、従来、チャー ジポンプの吐出側油路が一定圧以上高圧になった場合において、リリーフバルブ により圧油を逃がす技術があったのである。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】
しかし、チャージポンプは、変速装置の中立時にも駆動を続けており、その油 供給路の油圧も一定に保持(例えば、約5kg/m2)されている。そのため、該油 圧の負荷がエンジンにかかり、始動性の悪化、引いては燃費の増大を招くのであ る。この欠点を補う方法として、従来は、セルモーターを強化したり、エンジン の出力軸と油圧ポンプ軸との間に遠心クラッチを設けたりして、エンジン始動力 を高める措置を取っていた。しかし、セルモーター強化や遠心クラッチの設置等 の方法は、部品点数の増大、ひいてはコスト高に繋がり、軽便なHST式変速装 置を得る上で望ましくない。そこで、変速装置の中立時において、該油供給路の 油圧を下げる(0kg/m2に近づける)方法が望まれるのである。
【0004】
【課題を解決するための手段】 本考案の課題は以上であり、次に、それを解決する手段について説明する。即 ち、HST式変速装置のチャージポンプの吐出側油路より油圧ポンプハウジング 内に設けた油逃がし路に開閉する低圧リリーフバルブ17において、該低圧リリ ーフバルブ17をロッドの手動操作により強制的に開弁する如く構成する。また は、操作レバーを具備した型のHST式変速装置において、該操作レバーに突起 部を具備し、一方、チャージポンプの吐出側油路より吸入側油路に通ずる油逃が し路に開閉する低圧リリーフバルブ17を押当するロッドを設け、変速装置の中 立時においては、操作レバーの突起部が該ロッドを押当する事により該低圧リリ ーフバルブ17が開弁する如く構成するものである。
【0005】
【実施例】
本考案の解決すべき課題及び構成は以上の如くであり、次に添付の図面に示し た本考案の実施例を説明する。図1はエンジン装着形油圧ポンプP1における低 圧リリーフバルブの構成を示す側面断面図、図2は油圧ポンプに組み入れた構成 のギアポンプ式チャージポンプを示す正面断面図、図3はHST式変速装置Hに おける低圧リリーフバルブの構成を示す正面断面図、図4は同じくHST式変速 装置Hの操作レバーの構成を示す側面図、図5はワイヤ牽引により低圧リリーフ バルブを開弁する構成を示す部分断面図、図6は低圧リリーフバルブの制御構成 図、図7は従来のHST式変速装置の構成図である。
【0006】 先ず、図7の従来技術の図面により、HST式変速装置の全体構造図を説明す る。本考案のHST式変速装置は、エンジンEに付設したエンジン一体式油圧ポ ンプPと、他の位置の作業機に付設した油圧モーターMにより構成されており、 該油圧モーターMへはフレキシブルパイプにより圧油を送油されている。また油 圧モーターMを駆動した後の戻り油は、戻り油パイプによりエンジン一体式油圧 ポンプPの作動油タンクに戻される。エンジン一体式油圧ポンプPはポンプ軸1 をエンジンEのクランク軸やカム軸等の回転軸に接続して駆動される。ポンプ軸 1は操作レバーにより可動する可動斜板2、シリンダーブロック3に挿設され、 ポンプ側弁板4に至るもので、可動斜板2、シリンダーブロック3はポンプ軸と ともに回転する。対して油圧モーターMは、車軸等の出力装置に接続するモータ ー軸5を中心に、固定斜板6、シリンダーブロック7を貫通し、モーター側弁板 8に至るもので固定斜板6及びシリンダーブロック7はモーター軸5とともに回 転する。そして、ポンプ側シリンダーとモーター側シリンダーとの間は、各弁板 を介して閉回路10a,10bにより連絡されているのである。
【0007】 変速操作レバー24の操作によるトラニオン軸9の回動に合わせて回動する可 動斜板2は、直立時には閉回路10a,10b間にて油圧の差異が生じないので 、中立となり、モーター軸5を駆動しない。そして、どちらかに傾ける事によっ てモーター軸5を駆動するのであり、どちらに傾けるかによって前進と後進を切 り換え、傾ける角度を大きくすることによって閉回路10a,10b間の油圧差 を大きくし、モーター軸の回転を早くするものである。なお、閉回路の高圧路( 図7にては10b)における油圧が一定以上高圧になった場合は、高圧リリーフ バルブ11が開弁して、低圧路側に余分な圧油を流入する。
【0008】 チャージポンプCPは、通常ポンプ軸1に付設し、該ポンプ軸1の回転ととも に駆動され、閉回路内への作動油供給を行う。即ち、オイルタンク12よりフィ ルター13を介して吸入側油路14より作動油を吸入し、吐出側油路15に吐出 するものである。吐出側油路15内の作動油は、従来技術にて述べた如く、チェ ックバルブ16a,16bを介して、閉回路10a,10b内に供給されるもの であり、吐出側油路15内が高圧になった場合において、低圧リリーフバルブ1 7が開弁して油を逃がす。本考案は、該低圧リリーフバルブ17を強制的に開弁 して、チャージポンプCPにおける油路の油圧を下げるものである。
【0009】 図1のエンジン一体式油圧ポンプP1は、HST式変速装置の油圧ポンプをエ ンジンに装着可能に構成したものである。即ち、油圧ポンプP1の油圧ポンプハ ウジング18をエンジンEの側面に螺止して固定する。更に、ポンプ軸1の先端 をエンジンEのクランクケース内に挿入し、その先端部にクランク軸19付設の ギア19aに噛合するギア1aを取り付けている。ポンプ軸1は軸受け20、可 動斜板2、シリンダーブロック3、そして、弁板4に至るまで貫設されているも のである。そして、チャージポンプCPのハウジング21を該油圧ポンプハウジ ング18に接続し、該ポンプ軸1を更にカップリング22aによって、チャージ ポンプCPの駆動軸22に接続するのである。
【0010】 チャージポンプCPを介した作動油供給路は、図示されぬオイルタンクより吸 入側油路14を通り、途中、フィルター13を通して濾過され、該チャージポン プCPより吐出側油路15を通るものである。そして、該吐出側油路15内の余 分圧油を油圧ポンプハウジング18内に送り込む油逃がし路を構成する低圧リリ ーフバルブ17が配設されている。そして、該低圧リリーフバルブ17を強制的 に開弁するために、ロッド23を設けているのである。
【0011】 該ロッド21の制御は、手動の他、電磁ソレノイド方式、あるいはパイロット 方式による方法が考えられる。いずれにしても、ロッド23を押す事により低圧 リリーフバルブ17が押し込まれて開弁し、なおもチャージポンプCPが駆動し ている事により、該ポンプより吐出される作動油は、該低圧リリーフバルブ17 を通じて油圧ポンプハウジング18内に送り込まれ、該油路の油圧を殆ど0に近 くする事ができるのである。
【0012】 なお、ここで、更に軽便な油圧ポンプ装置を得るために、チャージポンプを油 圧ポンプのハウジング内に組み込んだ構成の油圧ポンプ装置の実施例を図2にて 開示する。チャージポンプをギアポンプGPにて構成し、油圧ポンプのハウジン グ18’内のエンジンEのクランクケース壁面装着側に配置する。そして、ギア ポンプGPの駆動軸を、エンジンのカム軸Kにカップリング等により一体化させ たポンプ軸1とするものである。この事により、ポンプ軸よりチャージポンプの 駆動軸をカップリング等にて接続する如き組み立て工数を省略できる。そして、 該ギアポンプGPの吸入側の油路14’を油圧ポンプのハウジング内に開口し、 該ハウジング内の潤滑油を吸入する構成としたので、オイルタンクその他の部分 点数をも省略するのである。なお、吐出側油路15’は、ハウジング外側に開口 させている。このように構成する事により、軽便で、チャージポンプを具備した 、エンジン装着可能の油圧ポンプ装置を得る事ができるのである。
【0013】 次に、図3,4にて、変速装置の変速操作レバー24を具備し、油圧ポンプP と油圧モーターMを一体に内包したHST式変速装置Hにおける低圧リリーフバ ルブの強制開弁の構成について説明する。変速操作レバー24はトラニオン軸9 を介して変速装置H内の油圧ポンプPにおける可動斜板の角度を変更するもので あり、該変速操作レバー24がB位置の時に油圧モーターMより突設するモータ ー軸5を停止、即ち、変速装置Hの中立状態とするものであり、B位置よりA側 に回動させると前進、C側に回動させると後進する如く該モーター軸5が駆動す るものとする。そして、変速操作レバー24に図示する如く突起部24aを設け 、該変速操作レバー24がA位置にある時に該突起部24aが後記リリーフバル ブ開弁用ロッド26を押し込む如く構成するのである。なお、1はエンジンの出 力軸により駆動される油圧ポンプPのポンプ軸である。
【0014】 変速装置Hにおける作動油供給路について説明すると、図示されぬオイルタン クより吸入側油路14よりチャージポンプCPを経て吐出側油路15に作動油が 吐出され、図示されぬ閉回路に供給される。そして、図示する如く、低圧リリー フバルブ17’によって開閉弁される油逃がし路25を構成するのであるが、該 油逃がし路25は、吐出側油路15より吸入側油路14に開口されている。即ち 中立時に(操作レバー24がA位置にある時に)、該低圧リリーフバルブ17’ を強制的に開弁して、駆動するチャージポンプCPより吐出される作動油を吸入 側油路14に送り込むのであり、また、チャージポンプCPの駆動により該作動 油が油路14,15と油逃がし路25の間を循環するので、該油路における作動 油の油圧が殆どなくなり、エンジン駆動にかかる負担も大幅に低減されるのであ る。
【0015】 この低圧リリーフバルブ17’を、操作レバーの中立設定によって自動的に開 弁する如くに構成したのが、前記の操作レバーの突起部24bとロッド26であ る。即ち、操作レバー24を中立位置Aにすると、該突起部24bがロッド26 に押当して押し込み、そのため低圧リリーフバルブ17’が開弁して、油逃がし 路25を開口するものである。このように、変速装置中立時に自動的にチャージ ポンプ負荷を低減させる構成となっているのである。
【0016】 勿論、該ロッド26は手動により押し込むことも可能である。また、操作レバ ーによる方法以外に、該変速装置あるいはエンジンが中立である事を、エンジン 回転数、エンジン油温、エンジン油圧等から検出する事により該バルブを制御す る方法も考えられる。即ち、中立時であれば、エンジン回転数が少なく、エンジ ン油温、油圧はともに低くなる。それらが一定値以下となった時にバルブ開弁す るのである。また、ロッド26の押込み方法としては、図5の如きワイヤ操作に よる方法(W方法)、及び電磁ソレノイドによる方法(S方法)等が考えられる のであり、以上の各検出方法とロッド制御方法との関連を表示したのが表1であ る。
【0017】
【表1】
【0018】 各検出方法と各ロッド制御方法との関連を図6より説明する。エンジン回転数 の検出による制御としては、W方法によるものの検出手段としてはガバナーの押 し込み(1)によるもの、S方法によるものとしては、ガバナーの角度センサー による検出(2)によるものが考えられる。エンジン油温は、サーモスタットセ ンサー(3)に基づくS方法による制御が考えられ、エンジン油圧の検出は、エ ンジン油圧により縮むバネセンサー(4)を設け、低油圧にてバネが復元する事 により、W方法によってロッドを押込む方法、及び圧力スイッチ(5)設け、該 スイッチが一定圧力以下となった時に入力し、S方法によりロッドを押込む方法 が考えられる。このように、自動的に変速装置の中立状態を検出してロッドを押 込み、バルブ開弁するのである。
【0019】
【考案の効果】
本考案は、以上のように構成する事により、次のような効果を奏するものであ る。即ち、HST式変速装置において、エンジン中立状態で未使用時に、チャー ジポンプ駆動による作動油圧の負荷を、低圧リリーフバルブを強制的に開弁して 作動油を油供給路より逃がすことによって、殆どなくすことができるのであり、 エンジン始動性の改善、引いては燃費の向上に繋がるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】エンジン一体式油圧ポンプP1における低圧リ
リーフバルブの構成を示す側面断面図である。
【図2】エンジン一体式油圧ポンプP1に組み入れた構
成のギアポンプ式チャージポンプを示す正面断面図であ
る。
【図3】HST式変速装置Hにおける低圧リリーフバル
ブの構成を示す正面断面図である。
【図4】同じくHST式変速装置Hの操作レバーの構成
を示す側面図である。
【図5】ワイヤ牽引により低圧リリーフバルブを開弁す
る構成を示すHST式変速装置Hの部分断面図である。
【図6】低圧リリーフバルブの制御構成図である。
【図7】従来のHST式変速装置の構成図である。
【符号の説明】
P 油圧ポンプ M 油圧モーター CP チャージポンプ 14,14’ 吸入側油路 15,15’ 吐出側油路 17,17’ 低圧リリーフバルブ 23,26 ロッド 24 変速操作レバー 24a 突起部

Claims (2)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 HST式変速装置のチャージポンプCP
    の吐出側油路より油圧ポンプハウジング内に設けた油逃
    がし路に開閉する低圧リリーフバルブ17において、該
    低圧リリーフバルブ17をロッドの手動操作により強制
    的に開弁する如く構成したことを特徴とするチャージポ
    ンプのリリーフバルブ。
  2. 【請求項2】 変速操作レバー24を具備した型のHS
    T式変速装置において、該変速操作レバー24に突起部
    を具備し、一方、チャージポンプCPの吐出側油路より
    吸入側油路に通ずる油逃がし路に開閉する低圧リリーフ
    バルブ17を押当するロッドを設け、変速装置の中立時
    においては、操作レバーの突起部が該ロッドを押当する
    事により該低圧リリーフバルブ17を開弁することを特
    徴とするチャージポンプのリリーフバルブ。
JP1992024808U 1992-04-17 1992-04-17 チャージポンプのリリーフバルブ Expired - Lifetime JP2570258Y2 (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007177981A (ja) * 2005-12-28 2007-07-12 Toyota Motor Corp 駆動装置

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS57156655U (ja) * 1981-03-27 1982-10-01

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