JP2570258Y2 - チャージポンプのリリーフバルブ - Google Patents

チャージポンプのリリーフバルブ

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JP2570258Y2
JP2570258Y2 JP1992024808U JP2480892U JP2570258Y2 JP 2570258 Y2 JP2570258 Y2 JP 2570258Y2 JP 1992024808 U JP1992024808 U JP 1992024808U JP 2480892 U JP2480892 U JP 2480892U JP 2570258 Y2 JP2570258 Y2 JP 2570258Y2
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訓彦 坂本
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、エンジン駆動油圧ポン
プを具備したHST式変速装置において、チャージポン
プの負荷を低減し、起動効率を改善するためのものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、図7に示す如く、HST式変速装
置のチャージポンプCPより吐出される作動油は、チェ
ックバルブ16a,16bを通じて、油圧ポンプPのシ
リンダーと油圧モーターのシリンダーとの間に配設され
た閉回路10a又は10b内の圧油が不足となった場合
に供給されていく。そして、該チェックバルブ16a,
16bに至るまでの油供給路15が基準以上の高圧とな
った場合には、チェックバルブである低圧リリーフバル
ブ17が開弁して、余分な作動油を変速装置のハウジン
グ内に潤滑油の一部として送り込むのである。このよう
に、従来、チャージポンプの吐出側油路が一定圧以上高
圧になった場合において、リリーフバルブにより圧油を
逃がす技術があったのである。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】しかし、チャージポン
プは、変速装置の中立時にも駆動を続けており、その油
供給路の油圧も一定に保持(例えば、約5kg/m2)され
ている。そのため、該油圧の負荷がエンジンにかかり、
始動性の悪化、引いては燃費の増大を招くのである。こ
の欠点を補う方法として、従来は、セルモーターを強化
したり、エンジンの出力軸と油圧ポンプ軸との間に遠心
クラッチを設けたりして、エンジン始動力を高める措置
を取っていた。しかし、セルモーター強化や遠心クラッ
チの設置等の方法は、部品点数の増大、ひいてはコスト
高に繋がり、軽便なHST式変速装置を得る上で望まし
くない。そこで、変速装置の中立時において、該油供給
路の油圧を下げる(0kg/m2に近づける)方法が望まれ
るのである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本考案の課題は以上であ
り、次に、それを解決する手段について説明する。変速
操作レバー24を具備した型のHST式変速装置におい
て、該変速操作レバー24に接当部を具備し、一方、チ
ャージポンプCPの吐出側油路より吸入側油路に通ずる
油逃がし路に開閉する低圧リリーフバルブ17を設け、
該低圧リリーフバルブ17を開閉するロッド26を設
け、変速装置の中立時においては、前記変速操作レバー
24の接当部が該ロッド26を接当することにより該低
圧リリーフバルブ17を開弁するものである。
【0005】
【実施例】本考案の解決すべき課題及び構成は以上の如
くであり、次に添付の図面に示した本考案の実施例を説
明する。図1はエンジン装着形油圧ポンプP1における
低圧リリーフバルブの構成を示す側面断面図、図2は油
圧ポンプに組み入れた構成のギアポンプ式チャージポン
プを示す正面断面図、図3はHST式変速装置Hにおけ
る低圧リリーフバルブの構成を示す正面断面図、図4は
同じくHST式変速装置Hの操作レバーの構成を示す側
面図、図5はワイヤ牽引により低圧リリーフバルブを開
弁する構成を示す部分断面図、図6は低圧リリーフバル
ブの制御構成図、図7は従来のHST式変速装置の構成
図である。
【0006】先ず、図7の従来技術の図面により、HS
T式変速装置の全体構造図を説明する。本考案のHST
式変速装置は、エンジンEに付設したエンジン一体式油
圧ポンプPと、他の位置の作業機に付設した油圧モータ
ーMにより構成されており、該油圧モーターMへはフレ
キシブルパイプにより圧油を送油されている。また油圧
モーターMを駆動した後の戻り油は、戻り油パイプによ
りエンジン一体式油圧ポンプPの作動油タンクに戻され
る。エンジン一体式油圧ポンプPはポンプ軸1をエンジ
ンEのクランク軸やカム軸等の回転軸に接続して駆動さ
れる。ポンプ軸1は操作レバーにより可動する可動斜板
2、シリンダーブロック3に挿設され、ポンプ側弁板4
に至るもので、可動斜板2、シリンダーブロック3はポ
ンプ軸とともに回転する。対して油圧モーターMは、車
軸等の出力装置に接続するモーター軸5を中心に、固定
斜板6、シリンダーブロック7を貫通し、モーター側弁
板8に至るもので固定斜板6及びシリンダーブロック7
はモーター軸5とともに回転する。そして、ポンプ側シ
リンダーとモーター側シリンダーとの間は、各弁板を介
して閉回路10a,10bにより連絡されているのであ
る。
【0007】変速操作レバー24の操作によるトラニオ
ン軸9の回動に合わせて回動する可動斜板2は、直立時
には閉回路10a,10b間にて油圧の差異が生じない
ので、中立となり、モーター軸5を駆動しない。そし
て、どちらかに傾ける事によってモーター軸5を駆動す
るのであり、どちらに傾けるかによって前進と後進を切
り換え、傾ける角度を大きくすることによって閉回路1
0a,10b間の油圧差を大きくし、モーター軸の回転
を早くするものである。なお、閉回路の高圧路(図7に
ては10b)における油圧が一定以上高圧になった場合
は、高圧リリーフバルブ11が開弁して、低圧路側に余
分な圧油を流入する。
【0008】チャージポンプCPは、通常ポンプ軸1に
付設し、該ポンプ軸1の回転とともに駆動され、閉回路
内への作動油供給を行う。即ち、オイルタンク12より
フィルター13を介して吸入側油路14より作動油を吸
入し、吐出側油路15に吐出するものである。吐出側油
路15内の作動油は、従来技術にて述べた如く、チェッ
クバルブ16a,16bを介して、閉回路10a,10
b内に供給されるものであり、吐出側油路15内が高圧
になった場合において、低圧リリーフバルブ17が開弁
して油を逃がす。本考案は、該低圧リリーフバルブ17
を強制的に開弁して、チャージポンプCPにおける油路
の油圧を下げるものである。
【0009】図1のエンジン一体式油圧ポンプP1は、
HST式変速装置の油圧ポンプをエンジンに装着可能に
構成したものである。即ち、油圧ポンプP1の油圧ポン
プハウジング18をエンジンEの側面に螺止して固定す
る。更に、ポンプ軸1の先端をエンジンEのクランクケ
ース内に挿入し、その先端部にクランク軸19付設のギ
ア19aに噛合するギア1aを取り付けている。ポンプ
軸1は軸受け20、可動斜板2、シリンダーブロック
3、そして、弁板4に至るまで貫設されているものであ
る。そして、チャージポンプCPのハウジング21を該
油圧ポンプハウジング18に接続し、該ポンプ軸1を更
にカップリング22aによって、チャージポンプCPの
駆動軸22に接続するのである。
【0010】チャージポンプCPを介した作動油供給路
は、図示されぬオイルタンクより吸入側油路14を通
り、途中、フィルター13を通して濾過され、該チャー
ジポンプCPより吐出側油路15を通るものである。そ
して、該吐出側油路15内の余分圧油を油圧ポンプハウ
ジング18内に送り込む油逃がし路を構成する低圧リリ
ーフバルブ17が配設されている。そして、該低圧リリ
ーフバルブ17を強制的に開弁するために、ロッド23
を設けているのである。
【0011】該ロッド21の制御は、手動の他、電磁ソ
レノイド方式、あるいはパイロット方式による方法が考
えられる。いずれにしても、ロッド23を押す事により
低圧リリーフバルブ17が押し込まれて開弁し、なおも
チャージポンプCPが駆動している事により、該ポンプ
より吐出される作動油は、該低圧リリーフバルブ17を
通じて油圧ポンプハウジング18内に送り込まれ、該油
路の油圧を殆ど0に近くする事ができるのである。
【0012】なお、ここで、更に軽便な油圧ポンプ装置
を得るために、チャージポンプを油圧ポンプのハウジン
グ内に組み込んだ構成の油圧ポンプ装置の実施例を図2
にて開示する。チャージポンプをギアポンプGPにて構
成し、油圧ポンプのハウジング18’内のエンジンEの
クランクケース壁面装着側に配置する。そして、ギアポ
ンプGPの駆動軸を、エンジンのカム軸Kにカップリン
グ等により一体化させたポンプ軸1とするものである。
この事により、ポンプ軸よりチャージポンプの駆動軸を
カップリング等にて接続する如き組み立て工数を省略で
きる。そして、該ギアポンプGPの吸入側の油路14’
を油圧ポンプのハウジング内に開口し、該ハウジング内
の潤滑油を吸入する構成としたので、オイルタンクその
他の部分点数をも省略するのである。なお、吐出側油路
15’は、ハウジング外側に開口させている。このよう
に構成する事により、軽便で、チャージポンプを具備し
た、エンジン装着可能の油圧ポンプ装置を得る事ができ
るのである。
【0013】次に、図3,4にて、変速装置の変速操作
レバー24を具備し、油圧ポンプPと油圧モーターMを
一体に内包したHST式変速装置Hにおける低圧リリー
フバルブの強制開弁の構成について説明する。変速操作
レバー24はトラニオン軸9を介して変速装置H内の油
圧ポンプPにおける可動斜板の角度を変更するものであ
り、該変速操作レバー24がB位置の時に油圧モーター
Mより突設するモーター軸5を停止、即ち、変速装置H
の中立状態とするものであり、B位置よりA側に回動さ
せると前進、C側に回動させると後進する如く該モータ
ー軸5が駆動するものとする。そして、変速操作レバー
24に図示する如く接当部24aを設け、該変速操作レ
バー24がA位置にある時に該接当部24aが後記リリ
ーフバルブ開弁用ロッド26を押し込む如く構成するの
である。なお、1はエンジンの出力軸により駆動される
油圧ポンプPのポンプ軸である。
【0014】変速装置Hにおける作動油供給路について
説明すると、図示されぬオイルタンクより吸入側油路1
4よりチャージポンプCPを経て吐出側油路15に作動
油が吐出され、図示されぬ閉回路に供給される。そし
て、図示する如く、低圧リリーフバルブ17’によって
開閉弁される油逃がし路25を構成するのであるが、該
油逃がし路25は、吐出側油路15より吸入側油路14
に開口されている。即ち中立時に(操作レバー24がA
位置にある時に)、該低圧リリーフバルブ17’を強制
的に開弁して、駆動するチャージポンプCPより吐出さ
れる作動油を吸入側油路14に送り込むのであり、ま
た、チャージポンプCPの駆動により該作動油が油路1
4,15と油逃がし路25の間を循環するので、該油路
における作動油の油圧が殆どなくなり、エンジン駆動に
かかる負担も大幅に低減されるのである。
【0015】この低圧リリーフバルブ17’を、操作レ
バーの中立設定によって自動的に開弁する如くに構成し
たのが、前記の操作レバーの接当部24bとロッド26
である。即ち、操作レバー24を中立位置Aにすると、
該接当部24bがロッド26に押当して押し込み、その
ため低圧リリーフバルブ17’が開弁して、油逃がし路
25を開口するものである。このように、変速装置中立
時に自動的にチャージポンプ負荷を低減させる構成とな
っているのである。
【0016】勿論、該ロッド26は手動により押し込む
ことも可能である。また、操作レバーによる方法以外
に、該変速装置あるいはエンジンが中立である事を、エ
ンジン回転数、エンジン油温、エンジン油圧等から検出
する事により該バルブを制御する方法も考えられる。即
ち、中立時であれば、エンジン回転数が少なく、エンジ
ン油温、油圧はともに低くなる。それらが一定値以下と
なった時にバルブ開弁するのである。また、ロッド26
の押込み方法としては、図5の如きワイヤ操作による方
法(W方法)、及び電磁ソレノイドによる方法(S方
法)等が考えられるのであり、以上の各検出方法とロッ
ド制御方法との関連を表示したのが表1である。
【0017】
【表1】
【0018】各検出方法と各ロッド制御方法との関連を
図6より説明する。エンジン回転数の検出による制御と
しては、W方法によるものの検出手段としてはガバナー
の押し込み(1)によるもの、S方法によるものとして
は、ガバナーの角度センサーによる検出(2)によるも
のが考えられる。エンジン油温は、サーモスタットセン
サー(3)に基づくS方法による制御が考えられ、エン
ジン油圧の検出は、エンジン油圧により縮むバネセンサ
ー(4)を設け、低油圧にてバネが復元する事により、
W方法によってロッドを押込む方法、及び圧力スイッチ
(5)設け、該スイッチが一定圧力以下となった時に入
力し、S方法によりロッドを押込む方法が考えられる。
このように、自動的に変速装置の中立状態を検出してロ
ッドを押込み、バルブ開弁をするのである。
【0019】
【考案の効果】本考案は、以上のように構成する事によ
り、次のような効果を奏するものである。即ち、HST
式変速装置において、エンジン中立状態で未使用時に、
チャージポンプ駆動による作動油圧の負荷を、低圧リリ
ーフバルブを強制的に開弁して作動油を油供給路より逃
がすことによって、油供給路内から殆ど無くすことがで
きるのであり、エンジン始動性の改善、ひいては燃費の
向上に繋がるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】エンジン一体式油圧ポンプP1における低圧リ
リーフバルブの構成を示す側面断面図である。
【図2】エンジン一体式油圧ポンプP1に組み入れた構
成のギアポンプ式チャージポンプを示す正面断面図であ
る。
【図3】HST式変速装置Hにおける低圧リリーフバル
ブの構成を示す正面断面図である。
【図4】同じくHST式変速装置Hの操作レバーの構成
を示す側面図である。
【図5】ワイヤ牽引により低圧リリーフバルブを開弁す
る構成を示すHST式変速装置Hの部分断面図である。
【図6】低圧リリーフバルブの制御構成図である。
【図7】従来のHST式変速装置の構成図である。
【符号の説明】
P 油圧ポンプ M 油圧モーター CP チャージポンプ 14,14’ 吸入側油路 15,15’ 吐出側油路 17,17’ 低圧リリーフバルブ 23,26 ロッド 24 変速操作レバー 24a 接当部

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 変速操作レバー24を具備した型のHS
    T式変速装置において、該変速操作レバー24に接当部
    を具備し、一方、チャージポンプCPの吐出側油路より
    吸入側油路に通ずる油逃がし路に開閉する低圧リリーフ
    バルブ17を設け、該低圧リリーフバルブ17を開閉す
    るロッド26を設け、変速装置の中立時においては、前
    記変速操作レバー24の接当部が該ロッド26を接当す
    ることにより該低圧リリーフバルブ17を開弁すること
    を特徴とするチャージポンプのリリーフバルブ。
JP1992024808U 1992-04-17 1992-04-17 チャージポンプのリリーフバルブ Expired - Lifetime JP2570258Y2 (ja)

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