JPH0582Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この考案は把手に連結した加熱筒内にて、把手
内のタンクから流出した液化ガスと空気との混合
ガスを触媒により燃焼し、その燃焼熱をもつて調
髪を行えるようにした器具における温度調整機構
に関するものである。

［従来の技術］ この種の調髪器における温度調整は、特開昭56
−5605号公報に記載されているようにバイメタル
部材を用いている。このバイメタル部材は加熱筒
と燃焼管との間に設けられ、加熱筒内の温度変化
に伴うバイメタル部材の変形を、噴射ノズル周囲
の部材を介して弁棒の押圧力に変換し、それによ
り燃焼バルブからの液化ガスの流量を制御して温
度調整を行う構造からなる。

［考案が解決しようとする問題点］ 上記従来例では、噴射ノズルにバイメタルの変
形を押圧力に変換するリンク装置を設けてなるこ
とから、噴射ノズル周辺の構造が複雑となり、ま
た噴射ノズルに作用する押圧板を上下の弾性部材
によりバランスさせていることから精度が要求さ
れ、故障も生じ易いなどの問題を有する。

この考案は上記従来の問題点を解決するために
考えられたものであつて、その目的とするところ
は、リンク装置などを介さずにバイメタルの変形
による押圧力を噴射ノズルに伝達し、該噴射ノズ
ルと一体の弁棒を可動して液化ガスの流量を制御
し、これにより温度調整を容易になすことができ
る新たな構造の温度制御機構を提供することにあ
る。

［問題点を解決するための手段］ 上記目的によるこの考案は、把手内に燃焼バル
ブを有する液化ガスタンクと点火装置とを備え、
把手に連結した加熱筒の内部に、ガス燃焼用の触
媒部材を、上記燃焼バルブの可動自在な噴射ノズ
ルの上方に位置させて設け、把手側部に点火操作
部材を取付けた燃焼式調髪器において、閉鎖され
た先端部の側面に所要数のガス流出孔を有し、そ
の先端部の周囲に触媒部材を施した燃焼管を、上
記噴射ノズルに嵌着して加熱筒の中央部に設け、
その燃焼管の触媒部材の側部に状形のバイメタ
ル板を並設して調製ねじを螺着した折曲端部を燃
焼管の先端面に臨ませてなることを要旨とするも
のである。

［作用］ 上記構造では、液化ガスと空気との混合ガスが
触媒部材に接して燃焼し、加熱筒内の温度が上昇
すると、加熱によりバイメタル板が変形して、折
曲端の調整ねじを介して燃焼管を押圧する。

バイメタル板による押圧力は温度が上昇するほ
ど強くなり、燃焼管の後端に嵌合した噴射ノズル
と一体の弁棒も押圧されて燃焼バルブが閉鎖さ
れ、液化ガスの噴出が停止される。これにより燃
焼が一時的に中止される。

上記燃焼の中止によりバイメタル板の加熱温度
が低下すると、バイメタルが元に変形して押圧力
が除かれ、燃焼バルブが開放されて液化ガスが噴
出し、まだ反応を起すのに充分な温度を保つてい
る触媒に混合ガスが接触して燃焼が開始される。

［実施例］ 図中１は把手で、内部に燃焼バルブ２を有する
液化ガスタンク３と、圧電ユニツトからなる点火
装置４とを備えている。上記燃焼バルブ２は内部
の弁体を開閉する可動自在な弁棒５と一体の噴射
ノズル６を有し、この弁棒５と点火装置４の可動
部材４ａとには、把手１の側部に摺動自在に取付
けた操作子７により揺動するレバー部材８が設け
てある。

９は加熱筒で、上記把手１の先端に連結され、
かつ外側に櫛筒１０が嵌装してある。この加熱筒
９の内部には、閉鎖された先端部の側面に所要数
のガス流出孔１１，１１が長手方向に穿設され、
そのガス流出孔１１，１１を取り囲むように、石
綿状の触媒部材１２を外側に嵌着した燃焼管１３
が、上記噴射ノズル６に吸気孔１４を穿設した後
端部を嵌込んで設けてある。

１５は状形のバイメタル板で、折曲端部１５
ａが燃焼管１３の先端面に所要間隔を置いて臨む
ように、把手１の先端内に設けた支持台１６か
ら、上記加熱筒９と燃焼管１３との間に設けた支
持板１７の先端部に止着してある。また折曲端部
１５ａには、調整ねじ１８がばね部材１９を介し
てねじ着してあり、この調整ねじ１８により燃焼
管１３を押圧することができるようにしてある。
なお２０は放電電極である。

上記構造では、バイメタル板１５が燃焼管１３
の方向に変形すると、折曲端部１５ａの調整ねじ
１８が燃焼管１３の先端面を押圧する。これによ
り弁棒５も押圧されて燃焼バルブ２が閉鎖され、
噴射ノズル６から燃焼管１３内へのガスの噴射は
停止し、触媒部材１２を混合ガスが通過した際に
生ずる燃焼も停止する。

加熱筒９の内の温度が低下し、バイメタル板１
５の加熱温度が低下すると、バイメタル板１５が
元の形状に復し、燃焼管１３に対する押圧力が除
かれて燃焼バルブ２が開弁する。これにより液化
ガスが再度噴出し、反応温度を保つている触媒部
材１２により再び燃焼が開始される。したがつ
て、燃焼−停止−燃焼のサイクルが一定時間ごと
に生ずる。またサイクル時間の調整は上記調整ね
じ１８により、該調整ねじ１８と燃焼管先端面と
の間〓を調整することにより任意に行い得る。

［考案の効果］ この考案は上述のように、閉鎖された先端部の
側面に所要数のガス流出孔１１，１１を有し、そ
の先端部の周囲に触媒部材１２を施した燃焼管１
３を、上記噴射ノズル６に嵌着して加熱筒９の中
央部に設け、その燃焼管１３の触媒部材１２の側
部に状形のバイメタル板１５を並設して調整ね
じ１８を螺着した折曲端部１５ａを燃焼管１３の
先端面に臨ませ、上記調整ねじ１８を介して燃焼
管１３を押圧し、燃焼バルブ２を開閉して、燃焼
と停止を一定時間ごとに行うようにしたことか
ら、調髪器を長時間にわたり使用しても加熱する
ようなことがない。

またバイメタル板の変形を押圧力に変換する必
要がないので、噴射ノズル周辺の構造も簡素化さ
れ、調整ねじの回動により、調整ねじと燃焼管先
端面との間〓を変えるだけで押圧力を調整できる
ので、制御温度の設定もきわめて容易となり、バ
イメタル板が触媒部材に近接して設けられている
ため、応答性も敏感となり常に正確な温度制御が
行えるなどの利点を有する。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案に係る温度制御機構を備えたガ
ス燃焼式調髪器の略示断面図である。 １……把手、２……燃焼バルブ、３……液化ガ
スタンク、４……点火装置、５……弁棒、６……
噴射ノズル、９……加熱筒、１１……ガス流出
孔、１２……触媒部材、１３……燃焼管、１５…
…バイメタル板、１５ａ……折曲端部、１８……
調整ねじ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 把手内に燃焼バルブを有する液化ガスタンクと
   点火装置とを備え、把手に連結した加熱筒の内部
   に、ガス燃焼用の触媒部材を、上記燃焼バルブの
   可動自在な噴射ノズルの上方に位置させて設け、
   把手側部に点火操作部材を取付けた燃焼式調髪器
   において、閉鎖された先端部の側面に所要数のガ
   ス流出孔を有し、その先端部の周囲に触媒部材を
   施した燃焼管を、上記噴射ノズルに嵌着して加熱
   筒の中央部に設け、その燃焼管の触媒部材の側部
   に状形のバイメタル板を並設して調製ねじを螺
   着した折曲端部を燃焼管の先端面に臨ませてなる
   ことを特徴とするガス燃焼式調髪器における温度
   制御機構。