JPH0582847A - 超電導電界効果型素子 - Google Patents
超電導電界効果型素子Info
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- JPH0582847A JPH0582847A JP3272158A JP27215891A JPH0582847A JP H0582847 A JPH0582847 A JP H0582847A JP 3272158 A JP3272158 A JP 3272158A JP 27215891 A JP27215891 A JP 27215891A JP H0582847 A JPH0582847 A JP H0582847A
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 a軸配向の酸化物超電導薄膜で構成されてい
る超電導ソース領域3および超電導ドレイン領域4と、
c軸配向の酸化物超電導薄膜で構成されている超電導チ
ャネル20との間にLa1.5Ba1.5Cu3O7-y酸化物半導体層8
を有する。 【効果】 La1.5Ba1.5Cu3O7-y酸化物半導体に接する酸
化物超電導体は、長距離近接効果を示す。a軸配向の酸
化物超電導薄膜で構成されている超電導ソース領域3お
よび超電導ドレイン領域4と、c軸配向の酸化物超電導
薄膜で構成されている超電導チャネル20との間の界面
が、酸化物超電導体の結晶粒界ではないので、超電導接
合、ジュール熱発生がない。また、長距離近接効果によ
り、超電導ソース領域3および超電導ドレイン領域4
と、超電導チャネル20との間には超電導電流が流れる。
る超電導ソース領域3および超電導ドレイン領域4と、
c軸配向の酸化物超電導薄膜で構成されている超電導チ
ャネル20との間にLa1.5Ba1.5Cu3O7-y酸化物半導体層8
を有する。 【効果】 La1.5Ba1.5Cu3O7-y酸化物半導体に接する酸
化物超電導体は、長距離近接効果を示す。a軸配向の酸
化物超電導薄膜で構成されている超電導ソース領域3お
よび超電導ドレイン領域4と、c軸配向の酸化物超電導
薄膜で構成されている超電導チャネル20との間の界面
が、酸化物超電導体の結晶粒界ではないので、超電導接
合、ジュール熱発生がない。また、長距離近接効果によ
り、超電導ソース領域3および超電導ドレイン領域4
と、超電導チャネル20との間には超電導電流が流れる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、超電導電界効果型素子
に関する。より詳細には、a軸配向の酸化物超電導薄膜
で構成された超電導ソース領域および超電導ドレイン領
域と、c軸配向の酸化物超電導薄膜で構成された超電導
チャネルを具備する超電導電界効果型素子に関する。
に関する。より詳細には、a軸配向の酸化物超電導薄膜
で構成された超電導ソース領域および超電導ドレイン領
域と、c軸配向の酸化物超電導薄膜で構成された超電導
チャネルを具備する超電導電界効果型素子に関する。
【0002】
【従来の技術】超電導現象を利用した素子は、従来の半
導体素子に比較して高速であり、消費電力も小さく、飛
躍的に高性能化することができると考えられている。特
に近年研究が進んでいる酸化物超電導体を使用すること
により、比較的高い温度で動作する超電導素子を作製す
ることが可能である。超電導素子としては、ジョセフソ
ン素子がよく知られているが、ジョセフソン素子は2端
子の素子であるので論理回路を構成しようとすると、回
路が複雑になる。そのため、3端子の超電導素子が実用
上有利である。
導体素子に比較して高速であり、消費電力も小さく、飛
躍的に高性能化することができると考えられている。特
に近年研究が進んでいる酸化物超電導体を使用すること
により、比較的高い温度で動作する超電導素子を作製す
ることが可能である。超電導素子としては、ジョセフソ
ン素子がよく知られているが、ジョセフソン素子は2端
子の素子であるので論理回路を構成しようとすると、回
路が複雑になる。そのため、3端子の超電導素子が実用
上有利である。
【0003】3端子の超電導素子には、近接させて配置
した超電導電極間の半導体に超電導電流を流す超電導近
接効果を利用したものと、超電導チャネルに流れる超電
導電流をゲート電極で制御するものとが代表的である。
どちらの素子も入出力の分離が可能であり、電圧制御型
の素子であって、信号の増幅作用があるという点では共
通している。しかしながら、超電導近接効果を得るため
には、超電導体電極をその超電導体のコヒーレンス長の
数倍(酸化物超電導体の場合数nm)以内の距離に配置し
なければならない。従って、非常に精密な加工が要求さ
れる。それに対し、チャネルが超電導チャネルになって
いる超電導素子は、電流密度が大きく、製造上も超電導
電極を近接させて配置するという微細加工を必要としな
い。
した超電導電極間の半導体に超電導電流を流す超電導近
接効果を利用したものと、超電導チャネルに流れる超電
導電流をゲート電極で制御するものとが代表的である。
どちらの素子も入出力の分離が可能であり、電圧制御型
の素子であって、信号の増幅作用があるという点では共
通している。しかしながら、超電導近接効果を得るため
には、超電導体電極をその超電導体のコヒーレンス長の
数倍(酸化物超電導体の場合数nm)以内の距離に配置し
なければならない。従って、非常に精密な加工が要求さ
れる。それに対し、チャネルが超電導チャネルになって
いる超電導素子は、電流密度が大きく、製造上も超電導
電極を近接させて配置するという微細加工を必要としな
い。
【0004】図2に、超電導チャネルを有する超電導電
界効果型素子の一例の概略図を示す。図2の超電導電界
効果型素子1は、基板10上に配置された酸化物超電導体
による超電導チャネル20と、超電導チャネル20の両端付
近にそれぞれ配置された超電導ソース領域3および超電
導ドレイン領域4と、超電導チャネル20上にゲート絶縁
層7を介して配置されたゲート電極5とを具備する。こ
の超電導電界効果型素子は、ソース電極3およびドレイ
ン電極4間の超電導チャネル20を流れる超電導電流をゲ
ート電極5に印加する電圧で制御する。
界効果型素子の一例の概略図を示す。図2の超電導電界
効果型素子1は、基板10上に配置された酸化物超電導体
による超電導チャネル20と、超電導チャネル20の両端付
近にそれぞれ配置された超電導ソース領域3および超電
導ドレイン領域4と、超電導チャネル20上にゲート絶縁
層7を介して配置されたゲート電極5とを具備する。こ
の超電導電界効果型素子は、ソース電極3およびドレイ
ン電極4間の超電導チャネル20を流れる超電導電流をゲ
ート電極5に印加する電圧で制御する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記の超電導電界効果
型素子において、超電導ソース領域3および超電導ドレ
イン領域4では超電導電流は厚さ方向、即ち図面の上下
方向に主に流れ、超電導チャネル20では超電導流は面方
向、即ち図面の左右(または紙面に垂直)方向に主に流
れる。酸化物超電導体は超電導特性に結晶異方性を有す
るので、超電導ソース領域3および超電導ドレイン領域
4と、超電導チャネル20とでは使用する酸化物超電導体
の結晶方向を変えることが好ましい。通常、超電導ソー
ス領域3および超電導ドレイン領域4には、厚さ方向に
より大きな電流を流すことができるa軸配向(またはb
軸配向、以下本明細書ではより一般的なa軸配向に代表
させて記述する)の酸化物超電導薄膜が使用され、超電
導チャネル20には面方向により大きな電流を流すことが
できるc軸配向の酸化物超電導薄膜が使用される。
型素子において、超電導ソース領域3および超電導ドレ
イン領域4では超電導電流は厚さ方向、即ち図面の上下
方向に主に流れ、超電導チャネル20では超電導流は面方
向、即ち図面の左右(または紙面に垂直)方向に主に流
れる。酸化物超電導体は超電導特性に結晶異方性を有す
るので、超電導ソース領域3および超電導ドレイン領域
4と、超電導チャネル20とでは使用する酸化物超電導体
の結晶方向を変えることが好ましい。通常、超電導ソー
ス領域3および超電導ドレイン領域4には、厚さ方向に
より大きな電流を流すことができるa軸配向(またはb
軸配向、以下本明細書ではより一般的なa軸配向に代表
させて記述する)の酸化物超電導薄膜が使用され、超電
導チャネル20には面方向により大きな電流を流すことが
できるc軸配向の酸化物超電導薄膜が使用される。
【0006】上記のように超電導ソース領域3および超
電導ドレイン領域4と、超電導チャネル20とで配向性の
異なる酸化物超電導薄膜を使用すると、それぞれの界面
21、22が結晶粒界となって不具合が生じる。例えば、界
面の結晶粒界が超電導接合となっている場合には、界面
にはトンネル電流しか流れないので電流容量が制限され
る。また、界面の超電導接合により入出力特性に歪みが
発生する。界面が超電導接合ではない場合でも、界面の
電気抵抗によりジュール熱が発生し、超電導チャネルの
超電導性が失われたり、超電導ソース領域、超電導ドレ
イン領域の結晶の影響を受け、超電導チャネルの組成が
劣化することがある。
電導ドレイン領域4と、超電導チャネル20とで配向性の
異なる酸化物超電導薄膜を使用すると、それぞれの界面
21、22が結晶粒界となって不具合が生じる。例えば、界
面の結晶粒界が超電導接合となっている場合には、界面
にはトンネル電流しか流れないので電流容量が制限され
る。また、界面の超電導接合により入出力特性に歪みが
発生する。界面が超電導接合ではない場合でも、界面の
電気抵抗によりジュール熱が発生し、超電導チャネルの
超電導性が失われたり、超電導ソース領域、超電導ドレ
イン領域の結晶の影響を受け、超電導チャネルの組成が
劣化することがある。
【0007】超電導ソース領域および超電導ドレイン領
域と、超電導チャネルとの界面で上記のような不具合を
発生させないために、界面にAu、Ag等の貴金属層を形成
し、界面が酸化物超電導体の結晶粒界にならないように
することが提案されている。しかしながら、Au、Ag等の
貴金属層は電気抵抗を有するので、やはりジュール熱が
発生し、超電導チャネルの超電導性が失われることがあ
る。
域と、超電導チャネルとの界面で上記のような不具合を
発生させないために、界面にAu、Ag等の貴金属層を形成
し、界面が酸化物超電導体の結晶粒界にならないように
することが提案されている。しかしながら、Au、Ag等の
貴金属層は電気抵抗を有するので、やはりジュール熱が
発生し、超電導チャネルの超電導性が失われることがあ
る。
【0008】そこで本発明の目的は、上記従来技術の問
題点を解決した超電導電界効果型素子を提供することに
ある。
題点を解決した超電導電界効果型素子を提供することに
ある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明に従うと、a軸配
向の酸化物超電導体結晶からなる酸化物超電導薄膜で構
成された超電導ソース領域および超電導ドレイン領域
と、該超電導ソース領域および超電導ドレイン領域間に
配置されたc軸配向の酸化物超電導体結晶からなる酸化
物超電導薄膜で構成された超電導チャネルと、該超電導
チャネル上にゲート絶縁層を介して配置された該超電導
チャネルを流れる電流を制御するためのゲート電圧が印
加されるゲート電極とを備える超電導電界効果型素子に
おいて、前記超電導チャネルと超電導ソース領域との間
および前記超電導チャネルと超電導ドレイン領域との間
に、酸化物超電導体が長距離近接効果を示す酸化物半導
体で構成されたバッファ層を具備することを特徴とする
超電導電界効果型素子が提供される。
向の酸化物超電導体結晶からなる酸化物超電導薄膜で構
成された超電導ソース領域および超電導ドレイン領域
と、該超電導ソース領域および超電導ドレイン領域間に
配置されたc軸配向の酸化物超電導体結晶からなる酸化
物超電導薄膜で構成された超電導チャネルと、該超電導
チャネル上にゲート絶縁層を介して配置された該超電導
チャネルを流れる電流を制御するためのゲート電圧が印
加されるゲート電極とを備える超電導電界効果型素子に
おいて、前記超電導チャネルと超電導ソース領域との間
および前記超電導チャネルと超電導ドレイン領域との間
に、酸化物超電導体が長距離近接効果を示す酸化物半導
体で構成されたバッファ層を具備することを特徴とする
超電導電界効果型素子が提供される。
【0010】
【作用】本発明の超電導電界効果型素子は、a軸配向の
酸化物超電導薄膜で構成された超電導ソース領域および
超電導ドレイン領域と、c軸配向の酸化物超電導薄膜で
構成された超電導チャネルとの間に、酸化物超電導体が
長距離近接効果を示す酸化物半導体で構成されたバッフ
ァ層を具備するところにその主要な特徴がある。本発明
の超電導電界効果型素子は、このバッファ層によりa軸
配向の酸化物超電導薄膜で構成された超電導ソース領域
および超電導ドレイン領域と、c軸配向の酸化物超電導
薄膜で構成された超電導チャネルとの間の界面が、酸化
物超電導体の結晶粒界ではないので、従来の超電導電界
効果型素子の上記界面における各種の不具合が抑えられ
る。
酸化物超電導薄膜で構成された超電導ソース領域および
超電導ドレイン領域と、c軸配向の酸化物超電導薄膜で
構成された超電導チャネルとの間に、酸化物超電導体が
長距離近接効果を示す酸化物半導体で構成されたバッフ
ァ層を具備するところにその主要な特徴がある。本発明
の超電導電界効果型素子は、このバッファ層によりa軸
配向の酸化物超電導薄膜で構成された超電導ソース領域
および超電導ドレイン領域と、c軸配向の酸化物超電導
薄膜で構成された超電導チャネルとの間の界面が、酸化
物超電導体の結晶粒界ではないので、従来の超電導電界
効果型素子の上記界面における各種の不具合が抑えられ
る。
【0011】酸化物超電導体の長距離近接効果というの
は、一対の酸化物超電導体の間に特定の絶縁体または半
導体を挟んだ場合には、通常よりもかなり広い間隔の酸
化物超電導体間を超電導電流が流れる現象である。本発
明の超電導電界効果型素子のバッファ層として使用する
のは、上記の長距離近接効果を示す酸化物半導体であ
り、例えば、La1.5Ba1.5Cu3O7-y、La1.5Ca1.5Mn3O7-z
等が好ましい。これらの酸化物半導体は、いずれも組成
が酸化物超電導体に近いので、酸化物超電導薄膜中に拡
散しても酸化物超電導薄膜の特性を劣化させることがな
い。また、超電導ソース領域および超電導ドレイン領域
と、超電導チャネルとの間に上記の半導体によるバッフ
ァ層を形成すると、超電導ソース領域および超電導ドレ
イン領域と、超電導チャネルとの異方性は補償される。
また、本発明の超電導電界効果型素子において、上記の
半導体によるバッファ層には長距離近接効果により超電
導電流が流れる。従って、上記の半導体によるバッファ
層を形成しても、超電導電界効果型素子の本来の特性は
なんら低下しない。
は、一対の酸化物超電導体の間に特定の絶縁体または半
導体を挟んだ場合には、通常よりもかなり広い間隔の酸
化物超電導体間を超電導電流が流れる現象である。本発
明の超電導電界効果型素子のバッファ層として使用する
のは、上記の長距離近接効果を示す酸化物半導体であ
り、例えば、La1.5Ba1.5Cu3O7-y、La1.5Ca1.5Mn3O7-z
等が好ましい。これらの酸化物半導体は、いずれも組成
が酸化物超電導体に近いので、酸化物超電導薄膜中に拡
散しても酸化物超電導薄膜の特性を劣化させることがな
い。また、超電導ソース領域および超電導ドレイン領域
と、超電導チャネルとの間に上記の半導体によるバッフ
ァ層を形成すると、超電導ソース領域および超電導ドレ
イン領域と、超電導チャネルとの異方性は補償される。
また、本発明の超電導電界効果型素子において、上記の
半導体によるバッファ層には長距離近接効果により超電
導電流が流れる。従って、上記の半導体によるバッファ
層を形成しても、超電導電界効果型素子の本来の特性は
なんら低下しない。
【0012】本発明の超電導電界効果型素子では、上記
のバッファ層の厚さは50〜500 nm程度が好ましい。バッ
ファ層の厚さが50nm未満の場合はバッファ層の効果が十
分ではなく、バッファ層の厚さが500 nmを超えるとバッ
ファ層中に超電導電流が流れ難くなるからである。この
場合、上記のバッファ層の厚さは、超電導ソース領域お
よび超電導ドレイン領域と、超電導チャネルとの間のバ
ッファ層の厚さを意味している。
のバッファ層の厚さは50〜500 nm程度が好ましい。バッ
ファ層の厚さが50nm未満の場合はバッファ層の効果が十
分ではなく、バッファ層の厚さが500 nmを超えるとバッ
ファ層中に超電導電流が流れ難くなるからである。この
場合、上記のバッファ層の厚さは、超電導ソース領域お
よび超電導ドレイン領域と、超電導チャネルとの間のバ
ッファ層の厚さを意味している。
【0013】本発明は、任意の酸化物超電導体に適用で
きるが、Y1Ba2Cu3O7-X系酸化物超電導体は安定的に高
品質の結晶性のよい薄膜が得られるので好ましい。ま
た、Bi2Sr2Ca2Cu3Ox 系酸化物超電導体は、特にその超
電導臨界温度Tc が高いので好ましい。
きるが、Y1Ba2Cu3O7-X系酸化物超電導体は安定的に高
品質の結晶性のよい薄膜が得られるので好ましい。ま
た、Bi2Sr2Ca2Cu3Ox 系酸化物超電導体は、特にその超
電導臨界温度Tc が高いので好ましい。
【0014】以下、本発明を実施例によりさらに詳しく
説明するが、以下の開示は本発明の単なる実施例に過ぎ
ず、本発明の技術的範囲をなんら制限するものではな
い。
説明するが、以下の開示は本発明の単なる実施例に過ぎ
ず、本発明の技術的範囲をなんら制限するものではな
い。
【0015】
【実施例】本発明の超電導電界効果型素子を作製した。
図1を参照して、その工程を説明する。まず、図1(a)
に示すようなSrTiO3(110)基板10上に図1(b)に示
すようc軸配向のY1Ba2Cu3O7-X酸化物超電導薄膜2を
成膜する。成膜方法としては、各種のスパッタリング
法、MBE法、真空蒸着法、CVD法等任意の方法が使
用可能である。スパッタリング法で成膜を行う際の主な
成膜条件を以下に示す。 基板温度 700℃ スパッタリングガス Ar 90 % O2 10 % 圧力 5×10-2Torr 膜厚 5nm
図1を参照して、その工程を説明する。まず、図1(a)
に示すようなSrTiO3(110)基板10上に図1(b)に示
すようc軸配向のY1Ba2Cu3O7-X酸化物超電導薄膜2を
成膜する。成膜方法としては、各種のスパッタリング
法、MBE法、真空蒸着法、CVD法等任意の方法が使
用可能である。スパッタリング法で成膜を行う際の主な
成膜条件を以下に示す。 基板温度 700℃ スパッタリングガス Ar 90 % O2 10 % 圧力 5×10-2Torr 膜厚 5nm
【0016】次に、図1(c)に示すようY1Ba2Cu3O7-X
酸化物超電導薄膜2上に厚さ約10nmのMgO層17を積層
し、さらにMgO層17上にAu層15を積層する。Y1Ba2Cu3
O7-X酸化物超電導薄膜2、MgO層17およびAu層15をAr
イオンエッチング法で加工し、図1(d)に示すよう、超
電導チャネル20、ゲート絶縁層7およびゲート電極5を
形成する。ゲート絶縁層7は、サイドエッチングを促進
して超電導チャネル20およびゲート電極5よりも幅を狭
くする。尚、ゲート絶縁層7には、SrTiO3 を使用して
もよく、また、ゲート電極5には、Agを使用することも
できる。このように、超電導チャネル20、ゲート絶縁層
7およびゲート電極5を形成した後、図1(e)に示すよ
うLa1.5Ba1.5Cu3O7-y酸化物半導体層8をMBE法によ
り超電導チャネル20とほぼ等しい厚さに積層する。La
1.5Ba1.5Cu3O7-yに替えて、La1.5Ca1.5Mn3O7-zを使用
してもよい。最後に図1(f)に示すようa軸配向Y1Ba2C
u3O7-X酸化物超電導薄膜により、超電導ソース領域3
および超電導ドレイン領域4を形成して、超電導電界効
果型素子が完成する。a軸配向Y1Ba2Cu3O7-X酸化物超
電導薄膜をMBE法で成膜する際の主な成膜条件を以下
に示す。 基板温度 630℃ 圧力 5×10-5Torr 膜厚 5nm
酸化物超電導薄膜2上に厚さ約10nmのMgO層17を積層
し、さらにMgO層17上にAu層15を積層する。Y1Ba2Cu3
O7-X酸化物超電導薄膜2、MgO層17およびAu層15をAr
イオンエッチング法で加工し、図1(d)に示すよう、超
電導チャネル20、ゲート絶縁層7およびゲート電極5を
形成する。ゲート絶縁層7は、サイドエッチングを促進
して超電導チャネル20およびゲート電極5よりも幅を狭
くする。尚、ゲート絶縁層7には、SrTiO3 を使用して
もよく、また、ゲート電極5には、Agを使用することも
できる。このように、超電導チャネル20、ゲート絶縁層
7およびゲート電極5を形成した後、図1(e)に示すよ
うLa1.5Ba1.5Cu3O7-y酸化物半導体層8をMBE法によ
り超電導チャネル20とほぼ等しい厚さに積層する。La
1.5Ba1.5Cu3O7-yに替えて、La1.5Ca1.5Mn3O7-zを使用
してもよい。最後に図1(f)に示すようa軸配向Y1Ba2C
u3O7-X酸化物超電導薄膜により、超電導ソース領域3
および超電導ドレイン領域4を形成して、超電導電界効
果型素子が完成する。a軸配向Y1Ba2Cu3O7-X酸化物超
電導薄膜をMBE法で成膜する際の主な成膜条件を以下
に示す。 基板温度 630℃ 圧力 5×10-5Torr 膜厚 5nm
【0017】上記本発明の超電導電界効果型素子では、
超電導ソース領域3および超電導ドレイン領域4と、超
電導チャネル20との間にLa1.5Ba1.5Cu3O7-y層8が形成
されている。La1.5Ba1.5Cu3O7-yに接する酸化物超電導
体は長距離近接効果を示すので超電導ソース領域3およ
び超電導ドレイン領域4と、超電導チャネル20との間に
超電導電流が流れる。また、超電導ソース領域3および
超電導ドレイン領域4とLa1.5Ba1.5Cu3O7-y層8との界
面および超電導チャネル20とLa1.5Ba1.5Cu3O7-y層8と
の界面はいずれも良好に形成されており、超電導接合、
抵抗成分等は一切存在しない。従って、本発明の超電導
電界効果型素子は、良好な特性を有する。
超電導ソース領域3および超電導ドレイン領域4と、超
電導チャネル20との間にLa1.5Ba1.5Cu3O7-y層8が形成
されている。La1.5Ba1.5Cu3O7-yに接する酸化物超電導
体は長距離近接効果を示すので超電導ソース領域3およ
び超電導ドレイン領域4と、超電導チャネル20との間に
超電導電流が流れる。また、超電導ソース領域3および
超電導ドレイン領域4とLa1.5Ba1.5Cu3O7-y層8との界
面および超電導チャネル20とLa1.5Ba1.5Cu3O7-y層8と
の界面はいずれも良好に形成されており、超電導接合、
抵抗成分等は一切存在しない。従って、本発明の超電導
電界効果型素子は、良好な特性を有する。
【0018】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に従えば、
新規な超電導電界効果型素子が提供される。本発明の超
電導電界効果型素子は、超電導ソース領域および超電導
ドレイン領域と、超電導チャネルとが直接接触せず、長
距離近接効果を示す半導体によるバッファ層を介してい
る。従って、超電導ソース領域および超電導ドレイン領
域と、超電導チャネルとの界面で、超電導接合が生じた
り、抵抗成分が発生する等の不具合がない。
新規な超電導電界効果型素子が提供される。本発明の超
電導電界効果型素子は、超電導ソース領域および超電導
ドレイン領域と、超電導チャネルとが直接接触せず、長
距離近接効果を示す半導体によるバッファ層を介してい
る。従って、超電導ソース領域および超電導ドレイン領
域と、超電導チャネルとの界面で、超電導接合が生じた
り、抵抗成分が発生する等の不具合がない。
【図1】本発明の超電導電界効果型素子を作製する工程
を説明する図である。
を説明する図である。
【図2】超電導電界効果型素子の構成を説明する図であ
る。
る。
1 超電導電界効果型素子 2 酸化物超電導薄膜 3 超電導ソース領域 4 超電導ドレイン領域 5 ゲート電極
Claims (1)
- 【請求項1】 a軸配向の酸化物超電導体結晶からなる
酸化物超電導薄膜で構成された超電導ソース領域および
超電導ドレイン領域と、該超電導ソース領域および超電
導ドレイン領域間に配置されたc軸配向の酸化物超電導
体結晶からなる酸化物超電導薄膜で構成された超電導チ
ャネルと、該超電導チャネル上にゲート絶縁層を介して
配置された該超電導チャネルを流れる電流を制御するた
めのゲート電圧が印加されるゲート電極とを備える超電
導電界効果型素子において、前記超電導チャネルと超電
導ソース領域との間および前記超電導チャネルと超電導
ドレイン領域との間に、酸化物超電導体が長距離近接効
果を示す酸化物半導体で構成されたバッファ層を具備す
ることを特徴とする超電導電界効果型素子。
Priority Applications (5)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3272158A JP2680954B2 (ja) | 1991-09-24 | 1991-09-24 | 超電導電界効果型素子 |
DE69223371T DE69223371T2 (de) | 1991-09-24 | 1992-09-24 | Supraleitende Dünnschicht aus oxidisch supraleitendem Material, supraleitender Strompfad und supraleitende Einrichtung mit der supraleitenden Dünnschicht |
EP92402625A EP0534854B1 (en) | 1991-09-24 | 1992-09-24 | Superconducting thin film formed of oxide superconductor material, superconducting current path and superconducting device utilizing the superconducting thin film |
CA002079357A CA2079357C (en) | 1991-09-24 | 1992-09-24 | Superconducting thin film formed of oxide superconductor material, superconducting current path and superconducting device utilizing the superconducting thin film |
US08/327,883 US5430013A (en) | 1991-09-24 | 1994-10-24 | Superconducting thin film formed of oxide superconductor material, superconducting current path and superconducting device utilizing the superconducting thin film |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3272158A JP2680954B2 (ja) | 1991-09-24 | 1991-09-24 | 超電導電界効果型素子 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0582847A true JPH0582847A (ja) | 1993-04-02 |
JP2680954B2 JP2680954B2 (ja) | 1997-11-19 |
Family
ID=17509901
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3272158A Expired - Lifetime JP2680954B2 (ja) | 1991-09-24 | 1991-09-24 | 超電導電界効果型素子 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2680954B2 (ja) |
-
1991
- 1991-09-24 JP JP3272158A patent/JP2680954B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2680954B2 (ja) | 1997-11-19 |
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