JPH0582792B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は固体撮像素子を用いた撮像装置に関す
る。

背景技術とその問題点 固体撮像素子を用いたカラー撮像装置では、離
散的サンプリングに起因するモアレや擬解像が目
立ち易く、このため撮像信号の画質が劣化するの
で、これを改善するために複屈折板、回折格子板
等の光学低域通過フイルタを固体撮像素子の前に
配して、光学的な折り返し歪を除去するのが一般
的である。

複屈折板は、所望の低域通過特性を得るため
に、複屈折方向の異なるものを複数枚積層して構
成するを普通とするが、これは構成複雑、高価と
なるばかりでなく、撮像レンズの収差補正の必
要、ゴースト、フレアの発生等の欠点がある。

又、回折格子板は、その低域通過特性がＦ値に
依存したり、回折格子板のパターンが固体撮像素
子の撮像面に写り込むと言う欠点がある。特に、
回折格子板が固体撮像素子から離れた位置、即
ち、主レンズの固体撮像素子とは反対側の位置に
設けられた場合には、絞りを絞り込んだときに、
主レンズの焦点深度が深くなつて、被写体のみな
らず、回折格子板にもピントが合つて、固体撮像
素子の撮像面に回折格子板のパターンが写り込ま
れてしまう。

更に、複屈折板と回折格子板とを積層合体した
光学低域フイルタも提案されているが、これは複
屈折板の上述の欠点はある程度改善されるが、回
折格子板の欠点は依然として残存する。

発明の目的 斯る点に鑑み本発明は、構成簡単、価格低廉に
して、撮像レンズの収差補正が不要で、ゴース
ト、フレアの発生がなく、低域通過特性がＦ値に
依存せず、固体撮像素子の撮像面に回折格子板の
パターンが固体撮像素子の撮像面に写り込む虞が
なく、光学的折り返し歪を除去して、離散的サン
プリングに起因するモアレや擬解像等の画質劣化
を改善できると共に、露光量制御範囲を広く採る
ことのできる撮像装置を提案しようとするもので
ある。

発明の概要 本発明による撮像装置は、固体撮像素子と、こ
の固体撮像素子に対向するごとく配された主レン
ズと、固体撮像素子及び主レンズ間に配された第
１の光学フイルタと、主レンズの固体撮像素子と
は反対側に配された第２及び第３の光学フイルタ
並びに絞りとを有し、第１の光学フイルタは水平
方向のキヤリア周波数トラツプ用の複屈折板にて
構成され、第２の光学フイルタは少なくとも水平
方向に低域通過特性を有する回折格子板にて構成
され、第３の光学フイルタは周辺から中心に行く
に従つて光不透過度が大となる中性灰色フイルタ
にて構成されてなることを特徴とするものであ
る。

斯る本発明によれば、構成簡単、価格低廉にし
た、撮像レンズの収差補正が不要で、フレアの発
生がなく、低域通過特性がＦ値に依存せず、固体
撮像素子の撮像面に回折格子板のパターンが固体
撮像素子の撮像面に写り込む虞がなく、光学的折
り返し歪を除去して、離散的サンプリングに起因
するモアレや擬解像等の画質劣化を改善できると
共に、露光量制御範囲を広くすることのできる撮
像装置を得ることができる。

実施例 以下に第１図を参照して本発明による撮像装置
の一実施例を詳細に説明する。１はCCD等の固
体撮像素子であつて、ここではカラー固体撮像素
子である。３は固体撮像素子１に対向するごとく
配された主レンズである。６は主レンズ３に対
し、固体撮像素子１とは反対側に配されたズーム
レンズである。２は固体撮像素子１及び主レンズ
３間に配された第１の光学フイルタで、例えば水
晶から成り、水平方向のキヤリア周波数トラツプ
用の複屈折板にて構成される。４は主レンズ３及
びズームレンズ６間に配された絞り、５は、絞り
４及びズームレンズ６間に配された第２及び第３
の光学フイルタ５Ａ及び５Ｂからなる光学フイル
タである。尚、上述の固体撮像素子１、第１の光
学フイルタ２、主レンズ３、絞り４、光学フイル
タ５及びズームレンズ６は光軸Ｌ上に配されてお
り、絞り４及び光学フイルタ５の位置は図示と逆
に配するのも可能である。

第２図に第２の光学フイルタ５Ａを示し、これ
は水平及び垂直方向に低域通過特性を有する回折
格子板にて構成される。第３図Ａに第３の光学フ
イルタ５Ｂを示し、これは周辺から中心に行くに
従つて光不透過度が大となる中性灰色フイルタに
て構成されている。第３図Ｂに、第２の光学フイ
ルタ５Ｂの中心からの距離に対する光不透過度の
特性を示している。そして、これら第２及び第３
の光学フイルタ５Ａ，５Ｂは別体でもよいが、本
例では共通のガラス基板上の両面に形成されて、
１つの光学フイルタ５を構成している。

第４図に、上述の第１〜第３の光学フイルタ
２，５Ａ及び５Ｂの周波数に対する光パワーの特
性を示している。第４図Ａの曲線ａは第１の光学
フイルタ２の光パワーの周波数特性を示し、図示
のごとくキヤリアトラツプを有している。第４図
Ａの曲線ｂは第２の光学フイルタ５Ａによる水平
方向の低域通過特性を示す。従つて、水平方向の
総合の光パワーの周波数特性は第４図Ａの曲線
（破線にて示す）ｃに示すごとくなる。第４図Ｂ
の曲線ｄは第２の光学フイルタ５Ａによる垂直方
向の光パワーの低域通過周波数特性を示してい
る。

尚、第１の光学フイルタ２として、第５図に示
すごとくIRカツトフイルタを兼用することも可
能で、その場合には、耐湿性をも考慮して、IR
カツトフイルタ２ｃの両側に第１の光学フイルタ
の本来の厚さの半分ずつの厚さの水晶板２ａ，２
ｂをもつて挾持してサンドウイツチ状に形成すれ
ばよい。

かくして、第４図において被写体よりの光はズ
ームレンズ６−光学フイルタ５−絞り４−主レン
ズ３−第１の光学フイルタ２の光学系を通じて、
固体撮像素子１の撮像面に結像する。

斯る撮像装置によれば次のような利点がある。
第１の光学フイルタ２としては、１枚の水晶板ま
たは第５図に示すごとき２枚の水晶板及びIRカ
ツトフイルタにて構成できるので、その構成が簡
単となり、且つ低廉となる。又、第１の光学フイ
ルタ２をこのように構成することにより、撮像レ
ンズの収差補正が不要となり、ゴースト、フレア
の発生がなくなる。第２の光学フイルタ５Ａを主
レンズ３に対し固体撮像素子とは反対側に設けた
にも拘らず、第３の光学フイルタ５Ｂを設けたの
で、従来に比べて、同じ明るさでも絞りが絞り込
まれる可能性が低くなり、従つて、主レンズ３の
焦点深度が深くなつて、第２の光学フイルタ（回
折格子板）５Ａのパターンが固体撮像素子１の撮
像面に写り込まれる虞はなくなる。この第２の光
学フイルタ５Ａと共に第３の光学フイルタ５Ｂを
設けたので、第２の光学フイルタによる低域通過
特性がＦ値に依存する虞はなくなる。第３の光学
フイルタ５Ｂを設けたことにより、絞り４と相俟
つて露光量制御範囲を広くすることができる。特
に固体撮像素子１として高感度のものを用いれ
ば、それだけその露光量制御範囲は広くなる。

かくして第１〜第３の光学フイルタ２，５Ａ，
５Ｂにより良好な低域通過光学フイルタが構成さ
れるので、光学的折り返し歪を除去して、離散的
サンプリングに起因するモアレや擬解像等により
画質劣化を改善することができる。

発明の効果 上述せる本発明によれば、構成簡単、価格低廉
にして、撮像レンズの収差補正が不要で、ゴース
ト、フレアの発生がなく、低域通過特性がＦ値に
依存せず、固体撮像素子の撮像面に回折格子板の
パターンが固体撮像素子の撮像面に写り込む虞が
なく、光学的折り返し歪を除去して、離散的サン
プリングに起因するモアレや擬解像等の画質劣化
を改善できると共に、露光制御範囲を広くするこ
とのできる撮像装置を得ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明による撮像装置の一実施例を示
す配置図、第２図は第２の光学フイルタを示す平
面図、第３図は第３の光学フイルタを示す平面図
及びその特性を示す曲線図、第４図は本発明の説
明に供する光パワーの周波数特性曲線図、第５図
は第１の光学系フイルタの変形例を示す側面図で
ある。 １は固体撮像素子、２は第１の光学フイルタ、
３は主レンズ、４は絞り、５は光学フイルタ、５
Ａ，５Ｂは夫々第２及び第３の光学フイルタ、６
はズームレンズ、Ｌは光軸である。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 固体撮像素子と、該固体撮像素子に対向する
   如く配された主レンズと、上記固体撮像素子及び
   主レンズ間に配された第１の光学フイルタと、上
   記主レンズの上記固体撮像素子とは反対側に配さ
   れた第２及び第３の光学フイルタ並びに絞りとを
   有し、上記第１の光学フイルタは水平方向のキヤ
   リア周波数トラツプ用の複屈折板にて構成され、
   上記第２の光学フイルタは少なくとも水平方向に
   低域通過特性を有する回折格子板にて構成され、
   上記第３の光学フイルタは周辺から中心に行くに
   従つて光不透過度が大となる中性灰色フイルタに
   て構成されて成ることを特徴とする撮像装置。