JPH0582457A - 半導体結晶の製造装置および該装置を用いた半導体結晶の製造方法 - Google Patents

半導体結晶の製造装置および該装置を用いた半導体結晶の製造方法

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JPH0582457A
JPH0582457A JP23846991A JP23846991A JPH0582457A JP H0582457 A JPH0582457 A JP H0582457A JP 23846991 A JP23846991 A JP 23846991A JP 23846991 A JP23846991 A JP 23846991A JP H0582457 A JPH0582457 A JP H0582457A
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JP
Japan
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substrate
epitaxial growth
melt
gas
semiconductor crystal
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JP23846991A
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English (en)
Inventor
Tamotsu Yamamoto
保 山本
Toshiyuki Ueda
敏之 上田
Kazuo Ozaki
尾▲崎▼一男
Kosaku Yamamoto
功作 山本
Koji Ebe
広治 江部
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Fujitsu Ltd
Original Assignee
Fujitsu Ltd
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  • Crystals, And After-Treatments Of Crystals (AREA)
  • Liquid Deposition Of Substances Of Which Semiconductor Devices Are Composed (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 半導体結晶の製造装置および製造方法に関
し、サファイア基板のような異種基板上にCdTe結晶層を
気相成長後、Hg1-x CdxTe結晶を液相成長する際、同一
の反応管を用いて基板を大気中に曝さずに連続して成膜
する装置、および方法を目的とする。 【構成】 反応管1内に設置され、加熱可能で基板を保
持する凹部21を有する基板加熱台2と、該基板加熱台2
上をスライドして移動し、エピタキシャル成長用メルト
17を収容するメルト溜め23と、前記基板加熱台2を加熱
する加熱手段4と、該反応管1内にエピタキシャル成長
用ガスを供給するガス供給手段6,7,11,25,26,27,29とを
備えたことで構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は半導体結晶の製造装置に
係り、特にサファイアのような異種基板上に水銀・カド
ミウム・テルル(Hg1-x Cdx Te)のような化合物半導体
結晶を製造する装置に関する。
【0002】従来より、赤外線検知素子の形成材料とし
てエネルギーバンドギャップの狭い水銀・カドミウム・
テルル(Hg1-x Cdx Te)のような化合物半導体結晶が用
いられている。
【0003】このHg1-x Cdx Te結晶を大面積でエピタキ
シャル成長する場合、大面積の単結晶が比較的得やすい
サファイア基板を、エピタキシャル成長用基板として用
い、その上にHg1-x Cdx Te結晶をエピタキシャル成長し
ている。
【0004】ところで、サファイア基板とHg1-x Cdx Te
結晶は格子定数が異なり、直接サファイア基板上にHg
1-x Cdx Te結晶をエピタキシャル成長することは不可能
で、そのため、サファイア基板上に気相成長法の一種で
あるMOCVD法(Metal Organic Chemical Vapor Dep
osition)を用いて格子定数の近接したCdTe結晶層を1μ
m 程度の薄層状態に形成した後、その上にHg1-x Cdx Te
結晶を成長速度が速い液相エピタキシャル成長方法を用
いて成長している。
【0005】
【従来の技術】従来のこのようなサファイア基板上にCd
Te結晶層を介してHg1-x Cdx Te結晶をエピタキシャル成
長する方法に付いて述べる。
【0006】図5(a)に示すように、石英よりなる反応管
1内には、カーボン製の基板加熱台2が設置され、その
上にエピタキシャル成長用基板となるサファイア基板3
が載置されている。この反応管1の周囲には、基板加熱
台2を加熱するための高周波誘導コイル4が設置され、
反応管1のガス導入管5は、ジメチルカドミウムを収容
したジメチルカドミウム(DMCd)蒸発器6、ジエチルテル
ルを収容したジエチルテルル(DETe)蒸発器7にそれぞれ
接続されている。またガス導入管5、各蒸発器のガス導
入側には各々バルブ8,9,11 を設けている。
【0007】更に反応管1のガス出口側には、ステンレ
ス製の開閉蓋12が設置され、この開閉蓋12には、バルブ
13を備えたガス排出管14が設けられ、その端部には図示
しないが排気ポンプが設置されている。
【0008】このような装置を用いてサファイア基板3
上にCdTe結晶層をMOCVD法にて形成する場合につい
て述べる。まず、開閉蓋12を開いて前記基板加熱台2上
にサファイア基板3を設置し、開閉蓋12を閉じて、バル
ブ13を開き、バルブ8を閉じてガス排出管14に連なる排
気ポンプより反応管1内を排気する。
【0009】次いでバルブ8,9,11を開放にして、ジメチ
ルカドミウム蒸発器6およびジエチルテルル蒸発器7内
に水素ガスを導入し、この水素ガスに担持されたジメチ
ルカドミウムガス、ジエチルテルルガスを反応管1内に
導入する。そして高周波誘導コイル4に高周波電流を通
電して、基板加熱台2を加熱することで、その上のサフ
ァイア基板3上に図5(c)に示すように、CdTe結晶層15を
気相成長する。
【0010】次いで図5(b)に示すように、上記CdTe結晶
層を形成したサファイア基板3を、エピタキシャル成長
用の治具16に設置し、この基板3の下側に水銀、カドミ
ウム、テルルの各々を所定量秤量して溶融後、固化した
Hg1-x Cdx Teのエピタキシャル成長用メルト( 合金)17
を設置した状態で、これらをアンプル18内に封入する。
【0011】そしてこのエピタキシャル成長用メルト17
を加熱溶融した後、該アンプル18を180 度矢印A方向に
沿って回転し、該基板3に溶融したエピタキシャル成長
用メルト17を基板に接触させたのち、該メルトの温度を
所定の温度勾配で降下させ、図5(c)に示すように、該基
板1上にHg1-x Cdx Te結晶19を液相エピタキシャル成長
する。
【0012】次いで図5(b)に示すように、アンプル18を
再び矢印B方向に沿って再び180 度回転し、基板1上よ
り該メルトを分離するワイプオフの操作を行って、該基
板1上にHg1-x Cdx Te結晶19を液相エピタキシャル成長
している。
【0013】なお、CdTe結晶層15はその上に形成された
Hg1-x Cdx Te結晶19との間で相互拡散を生じてHg1-x Cd
x Te結晶に変換される。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】然し、このような方法
では、CdTe結晶層15を形成したサファイア基板3を反応
管1より取り出した後、再びアンプル18内に封入してお
り、この基板3を大気中に出し入れする間に、CdTe結晶
層15を形成したサファイア基板3が大気中の水分や、酸
素等で汚染され、形成されるHg1-x Cdx Te結晶19のキャ
リア濃度を、所望の値に制御するのが困難となる問題が
ある。
【0015】そこで、前記した反応管1より前記基板3
を取り出すことは行わずに、反応管1 内でHg1-x Cdx Te
結晶19迄を気相成長する試みがなされている。然し、こ
の方法は形成されるHg1-x Cdx Te結晶19の組成や、この
結晶の厚さがHg1-x Cdx Te結晶19の表面内で均一に成り
難く、またキャリア濃度の制御も困難と成る欠点があ
る。
【0016】また気相成長によるHg1-x Cdx Te結晶19の
成長速度は、液相成長によるHg1-x Cdx Te結晶19の成長
速度に比較して遅く、Hg1-x Cdx Te結晶の成長作業に長
時間を要し、多くの工数を必要とする等欠点が多い。
【0017】本発明は上記した問題点を解決し、基板を
反応管より取り出す必要が無く、連続して同一反応管を
用いて気相成長と液相成長が行い得るような半導体結晶
の製造装置、並びに該装置を用いた半導体結晶の製造方
法の提供を目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明の半導体結晶の製
造装置は、反応管内に設置され、加熱可能で基板を保持
する凹部を有する基板加熱台と、該基板加熱台上をスラ
イドして移動し、エピタキシャル成長用メルトを収容す
るメルト溜めと、該加熱台を加熱する加熱手段と、該反
応管内にエピタキシャル成長用ガスを供給するガス供給
装置とを備えたことを特徴とする。
【0019】また前記メルト溜めを複数個設け、該メル
ト溜めの各々に組成の異なるエピタキシャル成長用メル
トを収容したことを特徴とする。更に前記基板加熱台の
凹部に基板を設置し、該基板上に所定のパターンに開口
されたマスク部材を設置したことを特徴とする。
【0020】また本発明の装置を用いて半導体結晶の製
造方法は、前記基板設置台に基板を設置し、該基板を加
熱しながらガス供給装置より反応管内にエピタキシャル
成長用ガスを供給して気相成長により該基板上に該基板
の構成原子を含まない結晶層を形成し、次いで該基板上
にメルト溜めを設置し、該メルト溜め内のエピタキシャ
ル成長用メルトを該基板に接触させて液相エピタキシャ
ル成長方法で前記結晶層の構成元素を含む半導体結晶
を、同一反応管内で連続的に液相エピタキシャル成長す
ることを特徴とするものである。
【0021】また半導体結晶を成長後、エピタキシャル
成長用ガスの一部を前記反応管内に導入しながら、該半
導体結晶を熱処理して該結晶のキャリア濃度を制御する
ことを特徴とする。
【0022】更にガス供給装置にドーピングガス供給装
置を設け、半導体結晶を液相エピタキシャル成長する過
程で前記反応管内にドーピングガスを導入し、該結晶に
ガスドーピングを行うことを特徴とする。
【0023】
【作用】本発明の装置は、基板を保持する凹部を設けた
カーボンよりなる基板加熱台を反応管内に設置する。そ
してこの基板加熱台上に該基板に形成すべきHg1-x Cdx
Te結晶のエピタキシャル成長用メルトを収容するメルト
溜めを設ける。そして反応管に連なり、該基板上に気相
成長方法でCdTe結晶層を形成するためのエピタキシャル
成長用のガス供給装置を設ける。
【0024】この反応管の基板設置台にサファイア基板
を設置し、前記したメルト溜めをこの基板より離間した
状態で基板を加熱し、ガス供給装置よりエピタキシャル
成長用ガスを反応管内に供給して気相成長方法によりCd
Te結晶層を形成する。
【0025】次いでメルト溜めを基板上に移動させ、基
板にメルト溜め内のエピタキシャル成長用メルトを接触
させ、CdTe結晶層を形成した基板上にHg1-x Cdx Te結晶
を液相エピタキシャル成長する。
【0026】このようにすると、同一反応管を用いて基
板上にCdTe結晶層を気相成長で形成でき、Hg1-x Cdx Te
結晶を液相成長で連続的に成膜できる。また基板上に所
定のパターンに開口されたマスク部材を設置すると、素
子形状をしたHg1-x Cdx Te結晶が選択的に成長できる。
【0027】またHg1-x Cdx Te結晶を液相エピタキシャ
ル成長した後、ガス供給装置より水銀ガスを反応管内に
供給して加熱処理することで、該結晶をN型に変換で
き、素子形成に必要なキャリア濃度を所望の値に制御で
きる。
【0028】またx値の異なるHg1-x Cdx Teのエピタキ
シャル成長用メルトを収容したメルト溜めを複数個設け
ると、x値の異なるHg1-x Cdx Te結晶が多層構造に形成
される。
【0029】またガス供給装置に砒素の水素化合物のア
ルシン(AsH3)等を収容したドーピングガス発生蒸発器を
設け、このドーピングガス発生器より砒素ガスを、Hg
1-x Cd x Te結晶を液相エピタキシャル成長する間に反応
管内に導入することで、液相エピタキシャル成長方法で
は不可能であったガスドーピングが行い得る。
【0030】
【実施例】以下、図面を用いて本発明の半導体結晶の製
造装置に付いて述べる。図1に示すように本発明の半導
体結晶の製造装置は、石英よりなる反応管1内に、カー
ボン製の基板加熱台2が設置され、この基板加熱台2に
は、エピタキシャル成長用のサファイア基板3を保持す
るための凹部21が設けられている。
【0031】そしてこの凹部21より離間した位置に、Hg
1-x Cdx Teのエピタキシャル成長用メルト17を収容し、
該基板加熱台2 上を移動棒22によってスライドして移動
するカーボン製のメルト溜め23が配置されている。
【0032】またこの反応管1の周囲には、サファイア
基板3、並びにメルト溜め23を加熱するための高周波誘
導コイル4が設置され、反応管1のガス導入管5は、ジ
メチルカドミウムを収容したジメチルカドミウム(DMCd)
蒸発器6、ジエチルテルルを収容したジエチルテルル(D
ETe)蒸発器7が接続されている。
【0033】更に液相エピタキシャル成長したHg1-x Cd
x Te結晶のキャリア濃度を制御する際の熱処理に用いる
水銀ガスのソースとなる水銀を収容した水銀蒸発器24、
液相エピタキシャル成長したHg1-x Cdx Te結晶に不純物
原子をガスドーピングするためのアルシンを収容したド
ーピングガス発生器25が接続されている。
【0034】またガス導入管5、各蒸発器のガス導入側
には各々バルブ8,9,11,26,27 を設けている。また水素
ガスを単独に反応管1 内に導入するためのバルブ29、お
よびガス導入管5Aが配置されている。
【0035】更に反応管1のガス出口側には、ステンレ
ス製の開閉蓋12が設置され、この開閉蓋12には、バルブ
13を備えたガス排出管14が設けられ、その端部には図示
しないが排気ポンプが設置されている。
【0036】このような本発明の半導体結晶の製造装置
を用いて基板上にHg1-x Cdx Te結晶をエピタキシャル成
長する方法に付いて述べる。図1および図2(a)に示すよ
うに、サファイア基板3よりメルト溜め23を離間させた
位置に設置した状態で、バルブ8 を閉じ、バルブ13を開
放にしてガス排出管14に連なる排気ポンプ( 図示せず)
を用いて反応管1内を排気する。
【0037】次いでバルブ8,29を開放にしてガス導入管
5A、ガス導入管5 より反応管1内に水素ガスを流し、高
周波誘導コイルに通電してサファイア基板3 を400 ℃の
温度に加熱する。
【0038】次いでバルブ9、11を開放にてしてジメチ
ルカドミウム蒸発器6 、ジエチルテルル蒸発器7 内に水
素ガスを導入し、該水素ガスに担持されたジメチルカド
ミウムガス、ジエチルテルルガスを反応管1内に導入す
る。
【0039】この場合、ガス導入管5Aより流す水素ガス
流量と、ジメチルカドミウム蒸発器6 、ジエチルテルル
蒸発器7 内に流れる水素ガス流量の総和は10リットル/
分とする。そして反応管1内に於けるジメチルカドミウ
ムガスとジエチルテルルガスの分圧は、それぞれ10-4
圧とし、ジエチルテルルガス内のTe原子量/ジメチルカ
ドミウムガス内のCd原子量=1 〜10の比になるように、
各々の蒸発器6,7 内に導入する水素ガス流量を調節し、
1 時間、これらのガスを反応管1内に導入してサファイ
ア基板3を400 ℃の温度に加熱して該基板上にCdTe結晶
層を1μm の厚さに気相成長する。
【0040】次いで図2(b)に示すように、バルブ8 とバ
ルブ14を閉じ、メルト溜め23を移動棒22を用いて、サフ
ァイア基板3 の近傍迄移動し、該メルト溜めを高周波誘
導コイル4 にて500 ℃の温度に加熱してメルト溜め内の
Hg1-x Cdx Teのエピタキシャル成長用メルト17を加熱し
て溶融する。
【0041】この状態で1 時間保ち、このメルト17の温
度を0.05℃/ 分の温度勾配で下降させ、このメルトの温
度が480 ℃に成る迄下降させる。次いで図2(c)に示すよ
うに、メルト溜め23を移動棒22を用いてサファイア基板
3 上に移動し、該メルト溜め23内のHg1-x Cdx Teのエピ
タキシャル成長用メルト17を該基板3 に接触し、高周波
誘導コイル4 に通電する高周波電力を調節してHg 1-x Cd
x Teのエピタキシャル成長用メルトの温度を所定の温度
勾配で下降させながら基板上にHg1-x Cdx Te結晶をエピ
タキシャル成長する。
【0042】次いで所定の時間経過した後、図2(d)に示
すように移動棒22にてメルト溜め23を基板3上より離間
する方向に移動し、該基板3よりエピタキシャル成長用
メルト17を分離することで基板上に所定の厚さのHg1-x
Cdx Te結晶を30μm の厚さに液相エピタキシャル成長す
る。
【0043】このようにすれば、CdTe結晶層を気相成長
後、反応管より該基板を取り出すことはせずに、連続し
てその上にHg1-x CdxTe結晶を液相エピタキシャル成長
できる。
【0044】このHg1-x Cdx Te結晶の液相エピタキシャ
ル成長時点、およびHg1-x Cdx Teのエピタキシャル成長
用メルトの溶融時点では、前記したようにバルブ8,13を
閉じて、蒸発によってHg1-x Cdx Teのエピタキシャル成
長用メルトの組成が変動するのを防止することが肝要で
ある。
【0045】また他の実施例として図3(a)の平面図、並
びに図3(a)のA−A´線断面図の図3(b)に示すように、
前記したカーボン製のメルト溜め23を延長したカーボン
板31に所定のパターンに開口部32を設けた石英板よりな
るマスク部材33としてはめ込む。
【0046】そして図3(c)に示すように、このマスク部
材33を有するメルト溜め23を、サファイア基板3 上に前
記マスク部材33がサファイア基板3 を覆うようにして設
置し、前記した方法でCdTe結晶層を気相エピタキシャル
成長すると、前記したマスク部材33の開口部32に対向す
る位置の基板上にCdTe結晶層が選択的に成長する。
【0047】そしてサファイア基板3 上には、直接Hg
1-x Cdx Te結晶はエピタキシャル成長しないため、前記
したCdTe結晶層が選択成長された基板領域にHg1-x Cdx
Te結晶が選択的に成長するので、赤外線検知素子の形状
に対応したマスク部材を用いることで、素子形状に応じ
たパターンのHg1-x Cdx Te結晶を選択成長することが可
能となる。
【0048】またその他の実施例として図4(a)に示すよ
うに、メルト溜め23を複数個、23A、23B のように複数
個設ける。そしてこの各々のメルト溜め23,23A,23Bに
は、それぞれx 値が異なるHg1-x Cd x Teのエピタキシャ
ル成長用メルトを充填しておく。
【0049】そしてCdTe結晶層を気相成長後、その上に
メルト溜め23、23A 、23B を順次スライド移動して、該
基板上に所定時間保つことで、該基板上に組成の異なる
Hg1- x Cdx Te結晶層を複数層形成することが可能とな
る。
【0050】またその他の実施例としてCdTe結晶層を気
相成長方法で形成後、Hg1-x Cdx Te結晶を液相成長し、
更にその上にCdTe結晶層を再度気相成長後、その上にHg
1-x Cdx Te結晶を液相成長し、これらの結晶成長した基
板を熱処理すると、所望のx値を有するHg1-x Cdx Te結
晶が多層構造に積層されて形成できる。
【0051】例えば、図4(a)のメルト溜め23にx=0.2
のHg1-x Cdx Teのエピタキシャル成長用メルトを充填
し、メルト溜め23A にx =0.1 のHg1-x Cdx Teのエピタ
キシャル成長用メルトを充填する。
【0052】そして図4(b)に示すように、サファイア基
板1上にCdTe結晶層15A を気相成長により1 μm の厚さ
に薄く形成し、その上にx=0.2 のHg1-x Cdx Te結晶19
A を厚さを変えて液相成長し、更にその上に気相成長法
でCdTe結晶層15B を厚さを変えて気相成長し、その上に
例えばx =0.1 のHg1-x Cdx Te結晶19B を厚さを変えて
液相成長すると図4(c)に示すようなx 値の変化したHg
1-x Cdx Te結晶が得られる。
【0053】またこのようにして形成した結晶を熱処理
すると、前記したCdTe結晶層15A,15B 、Hg1-x Cdx Te結
晶19A,19B で相互拡散がおこり、図4(d)および図4(e)に
示すようなx 値の変化したHg1-x Cdx Te結晶19を得るこ
とができる。
【0054】また、他の実施例としてこのHg1-x Cdx Te
結晶を液相エピタキシャル成長する過程で、反応管内に
図1 に示すアルシンガスの入ったドーピングガス発生器
25より砒素(As)ガスのドーピングガスを反応管内に導入
することで、Hg1-x Cdx Te結晶をP型に変換でき、液相
エピタキシャル成長では困難なガスドーピングを行うこ
ともできる。
【0055】また他の実施例として、このHg1-x Cdx Te
結晶は液相エピタキシャル成長した時点では、1018/cm3
のキャリア濃度のP型の導電型を示すが、このHg1-x Cd
xTe結晶を液相エピタキシャル成長した後に、水銀蒸発
器24より反応管1内に水素ガスに担持された水銀ガスを
導入する。そして熱処理温度を変化させ、或いは水銀蒸
発器を保温する保温器の温度を調節して熱処理すると、
1016/cm3のキャリア濃度のP型、或いは1014/cm3のN型
の導電型を示すようになる。そのため、Hg1-x Cdx Te結
晶をエピタキシャル成長後に最適のキャリア濃度、導電
型を得るように熱処理が可能となる。
【0056】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の装置および
方法によれば、エピタキシャル成長用の基板の表面を汚
染すること無しに、サファイアのような異種基板上に気
相成長したCdTe結晶層を介してHg1-x Cdx Te結晶を連続
的に液相成長法で形成できる。また従来、液相エピタキ
シャル成長では困難なガスドーピングも行い得る効果が
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の装置の説明図である。
【図2】 本発明の装置を用いた半導体結晶の成長方法
の説明図である。
【図3】 本発明の他の実施例の説明図である。
【図4】 本発明の他の実施例の説明図である。
【図5】 従来の装置の説明図である。
【符号の説明】
1 反応管 2 基板加熱台 3 サファイア基板 4 高周波誘導コイル 5,5A ガス導入管 6 ジメチルカドミウム蒸発器 7 ジエチルテルル蒸発器 8,9,11,13,26,27,29 バルブ 12 開閉蓋 14 ガス排出管 15,15A,15B CdTe結晶層 19,19A,19B Hg1-x Cdx Te結晶 17 エピタキシャル成長用メルト 21 凹部 22 移動棒 23 メルト溜め 24 水銀蒸発器 25 ドーピングガス発生器 31 カーボン板 32 開口部 33 マスク部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山本 功作 神奈川県川崎市中原区上小田中1015番地 富士通株式会社内 (72)発明者 江部 広治 神奈川県川崎市中原区上小田中1015番地 富士通株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 反応管(1) 内に設置され、加熱可能で基
    板を保持する凹部(21)を有する基板加熱台(2) と、 該基板加熱台(2) 上をスライドして移動し、エピタキシ
    ャル成長用メルト(17)を収容するメルト溜め(23)と、前
    記加熱台(2) を加熱する加熱手段(4) と、 該反応管(1) 内にエピタキシャル成長用ガスを供給する
    ガス供給手段(6,7,11,25,26,27,29)とを備えたことを特
    徴とする半導体結晶の製造装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のメルト溜め(23)を複数個
    設け、該メルト溜めの各々に組成の異なるエピタキシャ
    ル成長用メルト(17)を収容したことを特徴とする半導体
    結晶の製造装置。
  3. 【請求項3】 請求項1、或いは2のメルト溜め(23)に
    連なって板状部材(31)を設け、該板状部材(31)に基板
    (3) 上を被覆する所定のパターンの開口部(32)を備えた
    マスク部材(33)を配置したことを特徴とする半導体結晶
    の製造装置。
  4. 【請求項4】 請求項1、2、或いは3記載の半導体結
    晶の製造装置の基板加熱台(2) の凹部(21)に基板(3) を
    保持し、該基板(3) を加熱しながらガス供給手段(6,7,
    9,11,29) より反応管(1) 内にエピタキシャル成長用ガ
    スを供給して気相成長により該基板(3) 上に該基板の構
    成原子を含まない結晶層(15)を形成し、 次いで該基板(3) 上にメルト溜め(23)を設置し、該メル
    ト溜め(23)内のエピタキシャル成長用メルト(17)を該基
    板(3) に接触させて液相エピタキシャル成長方法で前記
    結晶層の構成元素を含む半導体結晶(19)を、同一反応管
    (1) 内で連続的に液相エピタキシャル成長することを特
    徴とする半導体結晶の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の半導体結晶(19)を成長
    後、エピタキシャル成長用ガスの一部を前記反応管(1)
    内に導入しながら、該半導体結晶(19)を熱処理すること
    を特徴とする半導体結晶の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項4記載のガス供給手段にドーピン
    グガス発生手段(25)を設け、半導体結晶(19)を液相エピ
    タキシャル成長する過程で前記反応管(1) 内にドーピン
    グガスを導入してガスドーピングを行うことを特徴とす
    る半導体結晶の製造方法。
JP23846991A 1991-09-19 1991-09-19 半導体結晶の製造装置および該装置を用いた半導体結晶の製造方法 Withdrawn JPH0582457A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2003068664A (ja) * 2001-08-29 2003-03-07 Shin Etsu Handotai Co Ltd 液相成長装置及びそれを使用する液相成長方法

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