JPH058187A - ロボツト - Google Patents

ロボツト

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JPH058187A
JPH058187A JP16257491A JP16257491A JPH058187A JP H058187 A JPH058187 A JP H058187A JP 16257491 A JP16257491 A JP 16257491A JP 16257491 A JP16257491 A JP 16257491A JP H058187 A JPH058187 A JP H058187A
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JP
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force
control
robot
hand
tip
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JP16257491A
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English (en)
Inventor
Yasuyuki Nakada
康之 中田
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Fujitsu Ltd
Original Assignee
Fujitsu Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】力制御の負荷を軽減してロボット先端の振動発
生を抑制し、力制御の一層の高速化達成を可能にするこ
とを目的とする。 【構成】ロボット本体から延びたマニプレータの先端
に、力覚センサ及びハンドを取り付け、前記力覚センサ
によってハンドに働く外力を検出し、該検出値及び任意
の指令値に基づいて、前記ハンドと物体間の接触力をコ
ントロールするロボットにおいて、前記マニプレータの
先端と力覚センサの間を制御型の直動機構で連結し、前
記検出値及び指令値に基づいて演算される制御量で、該
直動機構を駆動するように構成したことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ロボット、特に力覚セ
ンサを備えたロボットであって倣い作業に好適なロボッ
トに関する。
【0002】ロボットによる倣い作業、すなわち対象物
体の表面形状に倣いながらその形状を正確になぞる作業
として、ロボットと物体間の接触力を一定に保つような
作業が行われる。こうした作業に力覚センサを備えたロ
ボットは好適であり、物体からの反力を力覚センサで検
出し、この検出値(以下、力検出値)が常に目標値と一
致するように制御(いわゆる力制御)できる。
【0003】ところで、力検出値は、物体表面上の接触
点における直角座標系として与えられ、その座標成分
は、物体の法線方向の軸(以下X軸)、物体表面の接線
方向の軸(以下Y軸)、そして、これら2軸と直交する
軸(以下、Z軸)の3軸で表される。
【0004】ここで、任意の曲率をもつ湾曲面上の複数
点ごとの直角座標系は互いに異なる系を構成する。これ
は、それぞれの点における法線方向が一致しないから
で、各座標系の成分方向(軸)が異なるからである。
【0005】このため、倣い作業用ロボットにあって
は、物体表面の各点ごとの座標系教示(ティーチング)
が必須であり、座標系設定の容易化技術が求められる。
【0006】
【従来の技術】そこで、本願発明者は先に、座標系設定
を容易化した「倣い制御装置」(特願平1−24189
7号、出願日平成元年9月20日)を提案している。
【0007】この先願の装置(以下、先願装置)では、
図11に示すような構造のロボットを使用する。すなわ
ち、このロボットは、本体底面の中心Oを基準座標系の
原点とする基準座標軸XO、YO及びZOを設定し、座標
軸ZO上に第1関節10を設け、この第1関節10に、
第1アーム11、第2関節12、第2アーム13及び第
3関節14を含むマニプレータ15を連結し、第3関節
14を介して力覚センサ16及びハンド(ロボット先端
と言うこともある)17を連結する構造を有している。
マニプレータ15の各関節10、12及び16が、図示
しない制御装置からの信号に応答してきわめて微小なス
テップで回転し、ロボット先端の位置及び接触力が複合
的に制御される。
【0008】図11はハンド17が任意曲率表面の物体
19に接触している状態を示しており、その接触点OW
を原点とする直角座標系(以下、倣い座標系)の座標軸
は、物体18の内向き法線と一致する軸XW、ハンド1
7の移動方向に一致する軸YW及びこれらの2軸に直交
する方向の軸ZWであり、各軸方向の単位ベクトルはそ
れぞれn、o、aで示されている。なお、正しいベクト
ル表記は、符号の頭に矢印(→)が付くが、本明細書中
では省略している。
【0009】nはハンド17によって物体19を垂直に
押す力(以下、押圧力)、oはハンド17の移動力であ
り、何れも力制御の制御対象(ハンド17)の状態量で
ある。なお、aはこれら状態量の外積(n×o)で与え
られる。
【0010】先願装置の特徴は、物体表面上の任意点の
位置情報、その点の力情報及び倣い動作の完了点の位置
情報に基づいて、任意点におけるn及びoを逐次求めて
いくアルゴリズムにある。
【0011】すなわち、アルゴリズムは、図12に示す
ように、力覚センサ17からの力情報により任意点O
Wiにおける反力Fiを求める、反力FiからOWi座標系
の単位ベクトルniを求める、このniを基準座標系の
単位ベクトルniに変換する、任意点OWiと倣い動作
の完了点PENDとを結ぶ直線上の単位ベクトルLiを求め
る、このLiと先のniとの外積により単位ベクトルa
iを求める、このaiとniとの外積により単位ベクト
ルoiを求める、という手順を含むものである。
【0012】これによれば、図13に示すように、任意
点OW1から完了点PENDに向かう単位ベクトルL1とその
点OW1における反力F1とにより、点OW1の各座標成分
(n 1、a1、o1)が求められる。これは、倣い動作の
進行に伴って点が移動した場合でも同様である。例えば
点OW2では、そのOW2から完了点PENDに向かう単位ベ
クトルL2とその点OW2における反力F2とにより、点O
W2の各座標成分(n2、a2、o2)が求められる。
【0013】したがって、各点の座標系が自動設定され
るので、倣い動作の開始点や完了点及びその間の目標押
圧力等の最小限度のティーチングで済ますことができ
る。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記の先願
装置は、必要最小限度のティーチングによって倣い作業
を実行できる点で有効なものの、制御速度を高速化しよ
うとすると、ロボット先端に振動が発生して押圧力の方
向を正確にコントロールし難くなる欠点があり、作業ス
ピードのより一層の高速化を図るという観点から見た場
合に改善すべき余地があった。
【0015】すなわち、先願装置は、マニプレータ15
の3つの関節で与えられる3自由度の動き(A、B、
C)により、ロボット先端の位置、姿勢及び接触力を複
合的にコントロールするものであるが、特に、物体表面
への鉛直方向の押圧力を微妙、且つ高速にコントロール
する力制御においては、ロボット本体の第1関節10
(換言すればマニプレータ15の根元部分の関節)によ
って与えられる自由度Aに主として依存するため、この
第1関節10が、ハンド18、力覚センサ17及びマニ
プレータ15を含む全ての可動部分(質量が大きくしか
も剛性が低い)を駆動しなければならず、駆動速度を一
層高めようとすると、大きな慣性力が発生してロボット
先端に振動が発生し易くなるといった問題点がある。
【0016】図14は振動発生時におけるロボット先端
のふるまいを示す例である。一般に、長尺体の振動現象
は、その物体の一端を揺動支点とする首振り運動であ
り、ロボット先端のふるまいも、程度こそ違うものの例
外ではない。すなわち、図14において、任意の曲面を
有する物体19の表面に接触する長尺体(この場合ハン
ド18)に振動が発生していなければ、図中のイに示す
ように、力制御によってハンド18の押圧力Fr(以
下、制御押圧力)の方向が正しくコントロールされ、物
体19の内部に向かう法線nの方向と正確に一致する
が、ハンド18に振動が発生すると、図中のロに示すよ
うに、制御押圧力Frの方向と法線nの方向とが一致し
なくなるため、Frから2つの分力(Frn及びFro)が
発生し、法線nと一致する分力Frnによって制御押圧力
rよりも小さい押圧力(実際の接触力)が作用すると
ともに、法線nと直交するFroによってハンド18の先
端に不本意な移動力(すなわちハンド18の先端をずれ
させる力)が作用することになる。すなわち、ハンド1
8の先端に振動が発生して制御押圧力Frの方向と法線
nの方向とが一致しなくなると、その不一致の程度に応
じて物体19の表面に作用する接触力が減少したり、し
かもハンド18の先端に不本意な移動力が作用したりす
るという好ましくない現象を生ずるのである。
【0017】そこで、本発明の目的は、力制御の負荷を
軽減してロボット先端の振動発生を抑制し、力制御の一
層の高速化達成を可能にすることにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するためその原理図を図1に示すように、ロボット本
体から延びたマニプレータの先端に、力覚センサ及びハ
ンドを取り付け、前記力覚センサによってハンドに働く
外力を検出し、該検出値及び任意の指令値に基づいて、
前記ハンドと物体間の接触力をコントロールするロボッ
トにおいて、前記マニプレータの先端と力覚センサの間
を制御型の直動機構で連結し、前記検出値及び指令値に
基づいて演算される制御量で、該直動機構を駆動するよ
うに構成したことを特徴とする。
【0019】
【作用】本発明では、ハンドと物体間の接触力制御すな
わち力制御の制御対象がマニプレータ先端の直動機構と
なり、この直動機構は、力覚センサ及びハンドといった
最小限の部分を駆動すればよいから、力制御の負担を軽
減してロボット先端の振動発生を抑制することができ、
力制御の一層の高速化達成を可能にすることができる。
【0020】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図2〜図6は本発明に係るロボットの一実施例を
示す図であり、倣い作業用のロボットに適用した例であ
る。
【0021】まず、構成を説明する。図2において、2
0はロボットであり、ロボット20は、本体底面の中心
Oを「基準座標系」の原点とする基準座標軸XO、YO
びZ Oを設定し、座標軸ZO上に第1関節21を設け、こ
の第1関節21に、第1アーム22、第2関節23、第
2アーム24及び第3関節25を含むマニプレータ26
を連結し、さらに第3関節25を介して制御型の直動機
構27、力覚センサ28及びハンド(ロボット先端と言
うこともある)29を連結する構造である。
【0022】図示しない制御部からの信号によって、上
記3つの関節21、23及び25の回転速度及び回転量
を複合的にコントロールし、これにより、マニプレータ
26の先端位置(図中の点OL参照)を制御する「位置
制御」と、同じく制御部からの別の信号によって、上記
直動機構27の直動速度及び直動量をコントロールし、
これにより、ハンド29と物体30間の接触力を制御す
る「力制御」とを同時並行的に行う。
【0023】図2は、ハンド29が任意曲率表面の物体
30に接触する状態を示している。ここに、接触点OW
を原点とする直角座標系「以下、倣い座標系」の座標軸
は、まず、物体30の内向き法線と一致する軸XW、そ
れにハンド29の移動方向と一致する軸YW及びこれら
の2軸に直交する方向の軸ZWの3つの軸であり、各軸
方向の単位ベクトルは、それぞれnW、oW、aWで示さ
れる。nWはハンド29によって物体30を垂直に押す
力(以下、制御押圧力)であり、またoWはハンド29
の移動力である。aWはこれら状態量の外積(nW×
W)で与えられる。
【0024】一方、マニプレータ26の先端位置OL
原点とする直角座標系「以下、手首座標系」の座標軸
は、直動機構27のスライド方向と一致する軸XL、ハ
ンド29の移動方向と並行する軸YL及びこれらの2軸
に直交する方向の軸ZLであり、各軸方向の単位ベクト
ルはそれぞれnL、oL、aLで示される。
【0025】図3は制御部を含むシステムの概略ブロッ
ク図である。このシステムでは、マニプレータ26の各
関節を制御対象とする第1の制御ループLP1と、ハン
ド29の手首に取り付けられた直動機構27を制御対象
とする第2の制御ループLP 2とが形成され、それぞれ
の制御ループには、制御指令生成部40からの位置指令
値「or」及び位置制御パラメータ「CPoo、oa」
が与えられるとともに、さらにLP2には、力指令値「o
r」及び力制御パラメータ「Cfon」が与えられ
る。なお、左上の添字oは、その添字を付した値が基準
座標系の記述によることを示している。
【0026】第1の制御ループLP1は、位置制御部4
1、操作部42及び位置検出部43を構成に含み、これ
らの各部によって、マニプレータ26の先端位置をフィ
ードバック制御する。一方、第2の制御ループLP
2は、位置制御部44、操作部45、位置検出部46及
び力制御部47を構成に含み、これらの各部によって、
直動機構27に接続されたハンド29の先端位置やハン
ド29と物体間に働く接触力をフィードバック制御す
る。
【0027】力覚センサ28の力検出値は、力検出部4
8の内部で座標変換(力覚センサ座標系から基準座標系
へ)された後、法線ベクトル算出部49に送られ、この
法線ベクトル算出部49によって、接触点における法線
方向の単位ベクトル「oW」が求められるとともに、移
動方向ベクトル算出部50によって、接触点における移
動方向の単位ベクトル「oW」が求められる。
【0028】図4は制御部を含むシステムの詳細ブロッ
ク図である。この図において、42は、補償器42a、
D/A変換器42b及びパワーアンプ42cを含むとと
もに、マニプレータ26を駆動するためのサーボモータ
42dを含む第1の制御ループLP1側の操作部であ
り、サーボモータ42dの回転情報すなわちマニプレー
タ26の各関節の回転角度θsが、タコメータ43a及
びエンコーダ&カウンタ43bを含む位置検出部43に
よって検出される。なお、51は、θsをマニプレータ
26の先端位置Xoに変換する座標変換部、52、53
は、それぞれ加算部、54は加算部53の出力Vkをマ
ニプレータ26の各関節の回転速度θ(ドット付)に変
換する逆ヤコビ変換部、VPは、位置制御部41で作ら
れる位置指令信号である。
【0029】一方、45は、補償器45a、D/A変換
器45b及びパワーアンプ45cを含むとともに、直動
機構27を駆動するためのサーボモータ45dを含む第
2の制御ループLP2側の操作部であり、サーボモータ
45dの回転情報、すなわち直動機構27のスライド情
報xが、速度計46a及び位置センサ46bを含む位置
検出部46によって検出される。なお、55は、xをハ
ンド29の先端位置X oに変換する座標変換部、56〜
58は、それぞれ加算部、Vfは力制御部47で作られ
る速度指令信号、VPは、位置制御部44で作られる位
置指令信号である。 次に、作用を説明する。
【0030】この実施例では、倣い動作の開始点
(PB)と終了点(PE)が与えられると、対象物体に一
定の接触力を加えながら、且つ、倣い動作時の接触点と
終点PEとを結ぶ直線と接触点の法線ベクトルnとのな
す平面上に、ロボット先端の移動方向ベクトルoが常に
存在するように制御が行われる。
【0031】始点PBでの法線ベクトルnBは、始点にお
いてロボットのハンドが対象物から受ける反力Fに従っ
て求められる。図6(b)はロボットのハンドが対象物
から受ける反力Fと力覚センサ座標系のOs−Xs
s、Zsの関係を示す図であり、力覚センサによれば、
反力Fの各センサ座標軸方向のそれぞれの分力fx
y、fzが検出されるため、反力sFをベクトル表示す
ると次式で与えられる。
【0032】sF=(fxyzT ……(1) ここで、sは反力Fが力覚センサ座標系Os−Xs
s、Zsで記述されていることを示している。なお、こ
こでは説明の簡単化のために力覚センサが検出するトル
ク成分については省略する。
【0033】力覚センサ座標系で表される法線ベクトル
sBは、sFと逆向きのベクトルであって、成分表示す
ると次式で与えられる。 ここで、Aはfx 2+fy 2+fz 2であり、また、ベクトル
Fの大きさは|sF|で与えられる。
【0034】力覚センサ座標系で表された法線ベクトル
sBを基準座標系で表すためには、力覚センサ座標系か
ら基準座標系への座標変換行列が必要である。力覚セン
サ座標系の各座標軸Xs、Xs、Xsの方向の単位ベクト
ルを基準座標系で成分表示したものが次式で与えられる
とする。
【0035】os=(nsxsyszT os=(osxsyszT ……(3)os=(asxsyszT ここで、例えば力覚センサ座標系の座標軸Xs方向の単
位ベクトルosのoは、基準座標系で記述されているこ
とを示している。上式(3)から座標変換行列は次式で
与えられる。
【0036】os=(os os os) ……(4) この座標変換行列を用いると、基準座標系表示の法線ベ
クトルoBは次式で与えられる。
【0037】oBos sB ……(5) このようにして法線ベクトルoBを求めた後は、以下の
演算によって始点PBにおけるロボットハンドの移動方
向ベクトルoBを算出する。移動方向ベクトルoBは、法
線ベクトルnBに直交し、且つ始点PBと終点PEとを結
ぶ直線と、法線ベクトルnBとのなす平面上に存在する
ベクトルである。始点PBと終点PEとを結ぶ直線の方向
の単位ベクトルLBは、基準座標系における始点PBと終
点PEの位置ベクトルoBoEとを用いて次式で与え
られている。
【0038】oB=(oEoB)/|oEoB| ……(6) この時、倣い座標系の座標軸方向の単位ベクトルのひと
つであるoBは、始点P Bにおいて対象物体表面に接す
る接平面上にあり、oBoBとを用いて次式で与えら
れている。
【0039】oB=(oB×oB)/|oB×oB| ……(7) 但し、oBoB さらに、ロボットハンドの移動方向ベクトルoBは、同
様に接平面上のベクトルとして次式で与えられる。
【0040】oBoB×oB ……(8) 本実施例の力制御ロボットでは、図4の制御指令生成部
40からの制御指令がマニプレータ26を操作する第1
の制御ループLP1の位置制御部41に与えられると共
に、直動機構27を操作する第2の制御ループLP2
位置制御部44及び力制御部47にも与えられるが、力
指令値だけについては第2の制御ループLP2のみに与
えられる。
【0041】力指令値orは、図6(b)に示すよう
に、力の大きさがFr、方向がnBの力であり、次式で与
えられる。or=Fr×oB ……(9) また、始点PBでのロボットの位置指令値は、始点PB
らの相対位置指令として与えられる。始点PBからの移
動方向は、前式(8)の移動方向ベクトルoBで与えら
れており、これを用いて位置指令値は次式で与えられ
る。
【0042】or=α×oB ……(10) なお、αは、倣い座標系の修正を行うべき距離に相当す
る適当な定数である。以上は、始点PBにおける法線ベ
クトルnB、移動方向ベクトルoB、力指令値or及び位
置指令値orの設定であるが、始点PB以後の倣い動作
途中点における法線ベクトルni、移動方向ベクトル
i、力指令値or及び位置指令値orの設定も同様な
手順で行われる。すなわち、図5にその演算フローを示
すように、まず、ステップ60で各種の初期パラメータ
を取込んだ後、ステップ61で力覚センサによって反力
Fを検出する。次いで、ステップ62で式(2)を用い
て法線ベクトルsBを算出し、ステップ63で座標変換
行列osを算出する。そして、ステップ64で式(4)
によりsBを座標変換してoBを算出し、ステップ65
で異常発生を判定して正常であれば、ステップ66で式
(7)により単位ベクトルoBを算出する。次に、式
(8)を用いて移動方向ベクトルoBを算出し、制御指
令生成部40に転送する。ステップ68では、制御指令
生成部40で手首機構制御用の力指令値Fr及び位置指
令値を発生し、第2の制御ループLP2の力制御部47
及び位置制御部44に転送して、これらの制御部により
直動機構27を駆動する。さらに、ステップ69では、
法線ベクトルoBに基づいてマニプレータ26の位置指
令値等を発生し、これを第1の制御ループLP1の位置
制御部に転送してマニプレータ26を駆動する。
【0043】以上のように、本実施例では、マニプレー
タ26の先端に取り付けた直動機構27を唯一のアクチ
ュエータとする力制御としたので、この直動機構27は
力覚センサ28やハンド29といった最小限の部分、言
い替えれば軽量且つ剛性の高い部分だけを負担して駆動
すればよいから、ロボット先端の振動発生を抑制するこ
とができ、力制御の一層の高速化達成を可能とすること
ができる。
【0044】なお、上記の実施例では、アーム剛性の高
いロボットを対象としているが、これに限るものではな
い。例えば、ハンドにあたかもバネを有するが如き弾性
的な反応を起こさせる、いわゆるコンプライアンス制御
機能を備えたロボットにも適用できる。図7〜図10は
コンプライアンス制御型ロボットへの適用実施例図であ
り、上記の実施例と相違する部分には新たな符号を付し
てある。
【0045】一般に、コンプライアンス制御では、次式
(11)に示すように、ハンドの目標先端位置xdとハ
ンドの実際の先端位置との差(xd−x)に応じた接触
力Fを発生し、実際の接触力=目標接触力となるように
(F=Fr)目標位置xdを微修正しながら接触力Fを
制御する。
【0046】F=kp(xd−x) ……(11) 但し、kpは位置フィードバックゲインである。
【0047】こうしたコンプライアンス制御型のロボッ
トにおいても、ロボット先端に振動が発生すると押圧力
の方向が法線方向からずれ易くなる。すなわち、図10
に示すように、先端位置xと目標位置xdとを結ぶ直線
が物体表面の法線方向nと異なっていると、実際に物体
に加えられる力は、押圧力Frのn方向への分力Frn
なり、F≠Frnとなって正しい接触力を得られない。
【0048】そこで、検出された先端位置xと力の目標
値Frとにより、次式(12)に従って目標位置xdを
求める。 xd=x+Fr/kp ……(12) このコンプライアンス制御型ロボットは、図7に示すよ
うに、第2の制御ループLP2にコンプライアンス制御
部70を備える点で前記実施例と相違する。すなわち、
図7の詳細構成を示す図8において、コンプライアンス
制御部70は、位置フィードバックゲインkp設定部7
1、速度フィードバックゲインkv設定部72、力フィ
ードバックゲインkf設定部73及び加・減算部74〜
78を含み、目標位置Xdと実際位置Xoとの偏差にゲイ
ンkpを与えるとともに、目標速度X(dot)dと実際速度
(dot)との偏差にゲインkvを与えてそれらの加算値a
を求め、そしてその加算値aと実際の力の検出値Fo
の偏差に対してゲインkfを与えた後、再び加算値aと
加算してその加算値bから力の制御量F’を生成する。
なお、図7において、79は直動機構27のスライド量
Xを基準座標系に変換してハンドの位置Xoを求める座
標変換部、80はスライド速度を基準座標系に変換して
ハンドの速度X(dot)oを求める座標変換部、81は制御
値F’を直動機構27の駆動力に変換する座標変換行列
部である。
【0049】ここで、制御値F’は、 (a−Fo)+a×kf ……(13) で与えられる。すなわち、(13)式は力の検出値Fo
が大きいほど力の制御値F’が小さくなることを示して
いるから、直動機構27を含むハンドは、あたかもバネ
を有する如き弾性的な反応を示すこととなり、いわゆる
コンプライアンス制御機能を発揮するのである。
【0050】図9はコンプライアンス制御を行う場合の
フロー図である。前記実施例のフロー図(図5参照)と
の相違点は、ステップ80、81において、現在位置X
oを検出し、目標位置Xdを算出した後、これらのXd
(dot)dを転送して直動機構27を含むハンドを駆動す
る点に集約される。なお、60番台のステップは図5と
共通である。
【0051】以上のように、本発明を適用したコンプラ
イアンス制御型のロボットにおいても、マニプレータ2
6の先端に取り付けた直動機構27を唯一のアクチュエ
ータとしてコンプライアンス制御を行うことができ、駆
動負担を軽減してロボット先端の振動発生を抑制でき
る。したがって、実際に物体に加えられる力の方向と法
線方向とを一致させることができ、設定値どおりの正し
い接触力を与えることができる。
【0052】
【発明の効果】本発明によれば、マニプレータの先端と
力覚センサの間を制御型の直動機構で連結したので、力
制御の負荷を軽減してロボット先端の振動発生を抑制で
き、力制御の一層の高速化達成を可能にすることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理図である。
【図2】一実施例の構成図である。
【図3】一実施例の制御系ブロック図である。
【図4】一実施例の詳細ブロック図である。
【図5】一実施例の処理フロー図である。
【図6】一実施例の力の関係を示す図である。
【図7】他の実施例の制御系ブロック図である。
【図8】他の実施例の詳細ブロック図である。
【図9】他の実施例の処理フロー図である。
【図10】コンプライアンス制御における不具合説明図
である。
【図11】従来例の構成図である。
【図12】従来例の座標系設定アルゴリズムの概念図で
ある。
【図13】従来例の倣い動作の概念図である。
【図14】従来例の不具合説明図である。
【符号の説明】
20:ロボット 26:マニプレータ 28:力覚センサ 29:ハンド 27:直動機構

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】ロボット本体から延びたマニプレータの先
    端に、力覚センサ及びハンドを取り付け、前記力覚セン
    サによってハンドに働く外力を検出し、該検出値及び任
    意の指令値に基づいて、前記ハンドと物体間の接触力を
    コントロールするロボットにおいて、 前記マニプレータの先端と力覚センサの間を制御型の直
    動機構で連結し、前記検出値及び指令値に基づいて演算
    される制御量で、該直動機構を駆動するように構成した
    ことを特徴とするロボット。
JP16257491A 1991-07-03 1991-07-03 ロボツト Pending JPH058187A (ja)

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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0740272A (ja) * 1993-08-03 1995-02-10 Kajima Corp 視覚センサを用いた建設用部材ハンドリング方法
US7953509B2 (en) 2008-02-26 2011-05-31 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Power assist apparatus and control method thereof
JP2021053787A (ja) * 2019-10-02 2021-04-08 トライエンジニアリング株式会社 ロボット装置
JP2022012868A (ja) * 2020-07-02 2022-01-17 株式会社ダイフク フローティングユニット
WO2022113952A1 (ja) * 2020-11-24 2022-06-02 株式会社ダイワメカニック 3次元対象物の形状を認識し、その形状に沿って多関節ロボットを作動させる装置及び方法

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