JPH0580444B2 - - Google Patents
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- JPH0580444B2 JPH0580444B2 JP62206382A JP20638287A JPH0580444B2 JP H0580444 B2 JPH0580444 B2 JP H0580444B2 JP 62206382 A JP62206382 A JP 62206382A JP 20638287 A JP20638287 A JP 20638287A JP H0580444 B2 JPH0580444 B2 JP H0580444B2
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- tobacco
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Landscapes
- Agricultural Chemicals And Associated Chemicals (AREA)
- Protection Of Plants (AREA)
- Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
Description
(産業上の利用分野)
本発明は、シユドモナス属C−3
(Pseudomonas sp.C−3)菌株(以下、これを
単に「C−3」という)及び/又はシユドモナス
セパシアB−5(Pseudomonas cepaciaB−
5)菌株(以下、これを単に「B−5」という)
とともに、米ぬか及び/又はふすまを用いるタバ
コ立枯病及びナス科植物青枯病の防除方法に関す
る。 (従来の技術) タバコ立枯病及びナス科植物青枯病(以下、こ
れらを単に「本病」という。)は、病原菌である
シユドモナス・ソラナシアルム(Pseudomonas
solanacearum。以下、これを「本病原菌」とい
う。)が土壌中で長く生存し、寄主植物体中で容
易に増殖し、伝染力も強いので、きわめて防除困
難な土壌伝染性病害であり、例年にわたつて本病
による被害面積が大きい。 本病防除には、従来から輪作、堆肥の増施、土
壌の湛水、抵抗性品種の利用等の耕種的防除及び
クロールピクリンなどの薬剤を用いた土壌消毒が
行われているが、これら従来法においては、病原
菌が土壌に定着しやすい特性があるため、上記の
各種の防除手段を総合的に実施した場合でも確実
な効果が得がたく、また圃場条件によつては効果
が不安定で、被害を大幅に軽減することができな
いのが実態である。 薬剤による土壌消毒の方法は、経費が高くつく
うえに取り扱い上に危険をともなうほか土壌中の
有用な微生物の生息密度を低下させるなど多くの
問題点がある。 上記従来の耕種的防除方法のうち、土壌の湛水
処理による防除方法は、2か月間を越えて連続湛
水した水田の後作としてタバコを栽培した場合
に、タバコ立枯病の発生が少ないという経験に基
づき生まれた防除方法であるが、そん効果が極め
て不安定であるだけでなく、最近では、水田の耕
作方法の改良により一般に連続的な湛水期間が短
縮され、さらにその防除効果が期待できなくなつ
ている。 (発明が解決しようとする問題点) 本発明者らは、従来の湛水処理による防除方法
の上記問題点を解決するために、特開昭62−
123673号の発明(以下、これを「先願発明」とい
う)を提案した。本発明は、C−3及びB−5
(以下、これらを「拮抗菌」という)を利用して、
先願発明を一層確実な防除効果を挙げられるよう
に改良した本病防除方法を提供することを目的と
する。 (問題点を解決するための手段) 本発明は、拮抗菌とともに、米ぬか、ふすま又
はこれらの混合物(以下、これらを「穀物残滓」
という)を土壌中に混入したのち、該土壌に湛水
処理を施すことを特徴とする本病防除方法を要旨
とするものである。 本発明に利用される拮抗菌は、工業技術院微生
物工業研究所に寄託番号微工研菌寄第9396号
(FERM P−9396)として寄託されたC−3及
び同第9395号(FERM P−9395)として寄託さ
れたB−5である。 拮抗菌は、次の方法により分離、取得れた。即
ち、土壌中にわら、青草などの未分解有機物を混
入し、30℃で20日間湛水処理したのち、土壌懸濁
液を採取した。これを滅菌水で100〜1000倍に希
釈し、0.1mlをクリスタルバイオレツト5ppm加用
のPSA培地を入れ9cmペトリ皿に滴下後、ガラ
ス棒で培地表面へ塗抹、30℃で3日間培養して、
ペトリ皿1枚当たり200〜300個の独立した細菌集
落を形成させた。これらの細菌集落を個別に滅菌
コルク抜きを用い、培地とともに直径3mmの円盤
状に切り取り、寒天部を下側にして、別に作製し
た本病原菌を107個/ml濃度で混合し平板にした
PSA培地の表面へペトリ皿1枚につき3〜4個
ずつ置床した。これを30℃、24時間培養し、本病
原菌の生育面で阻止円を形成した細菌の円盤を選
別し、そこから白金耳を用い試験管内の滅菌した
PSA培地に移植した。以上の方法によつて、本
病原細菌に対する拮抗細菌の30株を分離した。 このようにして分離した30株の中から、実用性
のある本発明拮抗菌を選択するためには、次の方
法によつた。即ち、畑の汚染土壌(病原細菌濃度
106個/g乾土)50gを直径5cm、長さ20cmの試
験管に入れ、穀物残滓0.1gを混合し、これに分
離した30株の各拮抗細菌をPSA培地で24時間培
養して、105/g乾土の濃度で添加したのち、50
ml滅菌水を入れ、軽く振りませて湛水状態とし
た。これらを30℃の定温器に移し、定期的にこの
土壌懸濁液の一部を取り出し、次の第1表にその
組成を示す、本病原菌の選択培地を用いて、本病
原菌の生存密度を測定した。この測定結果から最
も強い抑制作用を示す拮抗菌C−3及びB−5を
得たのである。
(Pseudomonas sp.C−3)菌株(以下、これを
単に「C−3」という)及び/又はシユドモナス
セパシアB−5(Pseudomonas cepaciaB−
5)菌株(以下、これを単に「B−5」という)
とともに、米ぬか及び/又はふすまを用いるタバ
コ立枯病及びナス科植物青枯病の防除方法に関す
る。 (従来の技術) タバコ立枯病及びナス科植物青枯病(以下、こ
れらを単に「本病」という。)は、病原菌である
シユドモナス・ソラナシアルム(Pseudomonas
solanacearum。以下、これを「本病原菌」とい
う。)が土壌中で長く生存し、寄主植物体中で容
易に増殖し、伝染力も強いので、きわめて防除困
難な土壌伝染性病害であり、例年にわたつて本病
による被害面積が大きい。 本病防除には、従来から輪作、堆肥の増施、土
壌の湛水、抵抗性品種の利用等の耕種的防除及び
クロールピクリンなどの薬剤を用いた土壌消毒が
行われているが、これら従来法においては、病原
菌が土壌に定着しやすい特性があるため、上記の
各種の防除手段を総合的に実施した場合でも確実
な効果が得がたく、また圃場条件によつては効果
が不安定で、被害を大幅に軽減することができな
いのが実態である。 薬剤による土壌消毒の方法は、経費が高くつく
うえに取り扱い上に危険をともなうほか土壌中の
有用な微生物の生息密度を低下させるなど多くの
問題点がある。 上記従来の耕種的防除方法のうち、土壌の湛水
処理による防除方法は、2か月間を越えて連続湛
水した水田の後作としてタバコを栽培した場合
に、タバコ立枯病の発生が少ないという経験に基
づき生まれた防除方法であるが、そん効果が極め
て不安定であるだけでなく、最近では、水田の耕
作方法の改良により一般に連続的な湛水期間が短
縮され、さらにその防除効果が期待できなくなつ
ている。 (発明が解決しようとする問題点) 本発明者らは、従来の湛水処理による防除方法
の上記問題点を解決するために、特開昭62−
123673号の発明(以下、これを「先願発明」とい
う)を提案した。本発明は、C−3及びB−5
(以下、これらを「拮抗菌」という)を利用して、
先願発明を一層確実な防除効果を挙げられるよう
に改良した本病防除方法を提供することを目的と
する。 (問題点を解決するための手段) 本発明は、拮抗菌とともに、米ぬか、ふすま又
はこれらの混合物(以下、これらを「穀物残滓」
という)を土壌中に混入したのち、該土壌に湛水
処理を施すことを特徴とする本病防除方法を要旨
とするものである。 本発明に利用される拮抗菌は、工業技術院微生
物工業研究所に寄託番号微工研菌寄第9396号
(FERM P−9396)として寄託されたC−3及
び同第9395号(FERM P−9395)として寄託さ
れたB−5である。 拮抗菌は、次の方法により分離、取得れた。即
ち、土壌中にわら、青草などの未分解有機物を混
入し、30℃で20日間湛水処理したのち、土壌懸濁
液を採取した。これを滅菌水で100〜1000倍に希
釈し、0.1mlをクリスタルバイオレツト5ppm加用
のPSA培地を入れ9cmペトリ皿に滴下後、ガラ
ス棒で培地表面へ塗抹、30℃で3日間培養して、
ペトリ皿1枚当たり200〜300個の独立した細菌集
落を形成させた。これらの細菌集落を個別に滅菌
コルク抜きを用い、培地とともに直径3mmの円盤
状に切り取り、寒天部を下側にして、別に作製し
た本病原菌を107個/ml濃度で混合し平板にした
PSA培地の表面へペトリ皿1枚につき3〜4個
ずつ置床した。これを30℃、24時間培養し、本病
原菌の生育面で阻止円を形成した細菌の円盤を選
別し、そこから白金耳を用い試験管内の滅菌した
PSA培地に移植した。以上の方法によつて、本
病原細菌に対する拮抗細菌の30株を分離した。 このようにして分離した30株の中から、実用性
のある本発明拮抗菌を選択するためには、次の方
法によつた。即ち、畑の汚染土壌(病原細菌濃度
106個/g乾土)50gを直径5cm、長さ20cmの試
験管に入れ、穀物残滓0.1gを混合し、これに分
離した30株の各拮抗細菌をPSA培地で24時間培
養して、105/g乾土の濃度で添加したのち、50
ml滅菌水を入れ、軽く振りませて湛水状態とし
た。これらを30℃の定温器に移し、定期的にこの
土壌懸濁液の一部を取り出し、次の第1表にその
組成を示す、本病原菌の選択培地を用いて、本病
原菌の生存密度を測定した。この測定結果から最
も強い抑制作用を示す拮抗菌C−3及びB−5を
得たのである。
【表】
これらの拮抗菌の菌学的性質は、次の第2表に
示す通りである。 これらの拮抗菌は、土壌の穀物残滓などの植物
性有機成分とともに混入して、湛水状態となつた
とき、はじめて増殖して本病原菌を強く抑制する
作用を有する。
示す通りである。 これらの拮抗菌は、土壌の穀物残滓などの植物
性有機成分とともに混入して、湛水状態となつた
とき、はじめて増殖して本病原菌を強く抑制する
作用を有する。
【表】
用
【表】
トンの生成
【表】
タバコ、ナス、ピーマン、ジヤガイモなどのナ
ス科植物を栽培しようとする圃場の地表面に、拮
抗菌とともに、10a当たり少なくとも50Kgの穀物
残滓とを散布し、ついで、ロータリ型耕耘機ある
いは鍬を用いて土壌を耕起攪拌することによつ
て、土壌中に混入する。拮抗菌と穀物残滓とを混
入すべき範囲は、作物の根群が高密度で伸長、分
布する範囲であつて、各作物によつて異なる。拮
抗菌と穀物残滓とを土壌中に混入したのち、その
圃場を湛水処理する。湛水処理をおこなうのは、
一般の屋外圃場では、地温、水温が20℃以上に持
続する7月から9月の間が好ましく、作物施設栽
培圃地で保温設備が備えてあれば、いつでも差し
支えない。 湛水処理期間は、少なくとも15日(一般に15〜
30日間が好適である。)とし、その後は水抜きを
し、土壌を乾燥したのち必要に応じ耕起し、植物
の作付けに備える。 穀物残滓を混合して粒状化することは、本発明
方法実施上極めて好都合である。穀物残滓は、粉
状のままだと、風によつて散布時に吹き飛ばされ
る不都合が生じる。粒状化すればその不都合は解
消される。また、粒状化すれば、土壌中へ混合す
るときにも土壌の深部まで分散し易いという利点
がある。 米ぬか単独又は米ぬかとふすまの混合物は、こ
の粒状化に極めて好都合である。米ぬか単独又は
米ぬかとふすまの混合物に適宜の水(通常100〜
200重量%)を加えて、混練し、その混練物を押
出成形機(例えば、挽き肉用のミンチなど)にい
れて押し出し、そのまま乾燥すれば不整形の粒状
体となる。この際、米ぬかに含まれているデンプ
ンが糊の役割をはたし、他に何も加えなくとも粒
状化するのである。ふすま単独の粒状化には、例
えば、デンプン、CMCなど適宜の結合剤を加え
る必要がある。 (作用) 拮抗菌とともに穀物残滓を土壌中に混入したの
ち、湛水処理することによつて、本病が防除でき
るのは、次の機作による。すなわち、拮抗菌とと
もに穀物残滓を土壌中に混入し、湛水処理するこ
とによつて、拮抗菌C−3、B−5が急激に増殖
し、その増殖過程において本病原菌に対する拮抗
作用を発揮し、土壌中の本病原菌が顕著に抑制さ
れるためである。 (実施例) 本発明について、さらに詳細に次の実施例をも
つて説明する。 実施例 1 発病畑から採取したタバコ立枯病の汚染土壌を
1/5000アールポツトに入れ、PSA培地で培
養・増殖した拮抗菌C−3又はB−5各1.1×
1010個とともに、米ぬかとふすまを1対2の割合
で含む粒状化した穀物残滓2.0g(10アール当り
100Kg相当)を土壌に混合し、30℃のガラス温室
に入れ、湛水処理した。 この土壌中の立枯病菌を特異的に選択分離でき
る培地(組成は、前掲第1表に示す。)を用いて
所定時期毎に検出・定量した。 また、17日後に水抜きを行い、乾かした土壌を
9cmスヤキ鉢10個に分けて移し、本病罹病性品
種・ブライトエロー4号のタバコ苗(10葉期苗)
を1鉢につき1本ずつ植え付け、30℃のガラス温
室で栽培、32日後に発病状態を調査する方法によ
つて、土壌検定を行つた。 被害度は、第3表に示すように、発病指数を0
から10までの5段階に区別し、以下の式により算
出した。 被害度=Σ(指数×指数に該当する個体数
)/供試株数×10×100
ス科植物を栽培しようとする圃場の地表面に、拮
抗菌とともに、10a当たり少なくとも50Kgの穀物
残滓とを散布し、ついで、ロータリ型耕耘機ある
いは鍬を用いて土壌を耕起攪拌することによつ
て、土壌中に混入する。拮抗菌と穀物残滓とを混
入すべき範囲は、作物の根群が高密度で伸長、分
布する範囲であつて、各作物によつて異なる。拮
抗菌と穀物残滓とを土壌中に混入したのち、その
圃場を湛水処理する。湛水処理をおこなうのは、
一般の屋外圃場では、地温、水温が20℃以上に持
続する7月から9月の間が好ましく、作物施設栽
培圃地で保温設備が備えてあれば、いつでも差し
支えない。 湛水処理期間は、少なくとも15日(一般に15〜
30日間が好適である。)とし、その後は水抜きを
し、土壌を乾燥したのち必要に応じ耕起し、植物
の作付けに備える。 穀物残滓を混合して粒状化することは、本発明
方法実施上極めて好都合である。穀物残滓は、粉
状のままだと、風によつて散布時に吹き飛ばされ
る不都合が生じる。粒状化すればその不都合は解
消される。また、粒状化すれば、土壌中へ混合す
るときにも土壌の深部まで分散し易いという利点
がある。 米ぬか単独又は米ぬかとふすまの混合物は、こ
の粒状化に極めて好都合である。米ぬか単独又は
米ぬかとふすまの混合物に適宜の水(通常100〜
200重量%)を加えて、混練し、その混練物を押
出成形機(例えば、挽き肉用のミンチなど)にい
れて押し出し、そのまま乾燥すれば不整形の粒状
体となる。この際、米ぬかに含まれているデンプ
ンが糊の役割をはたし、他に何も加えなくとも粒
状化するのである。ふすま単独の粒状化には、例
えば、デンプン、CMCなど適宜の結合剤を加え
る必要がある。 (作用) 拮抗菌とともに穀物残滓を土壌中に混入したの
ち、湛水処理することによつて、本病が防除でき
るのは、次の機作による。すなわち、拮抗菌とと
もに穀物残滓を土壌中に混入し、湛水処理するこ
とによつて、拮抗菌C−3、B−5が急激に増殖
し、その増殖過程において本病原菌に対する拮抗
作用を発揮し、土壌中の本病原菌が顕著に抑制さ
れるためである。 (実施例) 本発明について、さらに詳細に次の実施例をも
つて説明する。 実施例 1 発病畑から採取したタバコ立枯病の汚染土壌を
1/5000アールポツトに入れ、PSA培地で培
養・増殖した拮抗菌C−3又はB−5各1.1×
1010個とともに、米ぬかとふすまを1対2の割合
で含む粒状化した穀物残滓2.0g(10アール当り
100Kg相当)を土壌に混合し、30℃のガラス温室
に入れ、湛水処理した。 この土壌中の立枯病菌を特異的に選択分離でき
る培地(組成は、前掲第1表に示す。)を用いて
所定時期毎に検出・定量した。 また、17日後に水抜きを行い、乾かした土壌を
9cmスヤキ鉢10個に分けて移し、本病罹病性品
種・ブライトエロー4号のタバコ苗(10葉期苗)
を1鉢につき1本ずつ植え付け、30℃のガラス温
室で栽培、32日後に発病状態を調査する方法によ
つて、土壌検定を行つた。 被害度は、第3表に示すように、発病指数を0
から10までの5段階に区別し、以下の式により算
出した。 被害度=Σ(指数×指数に該当する個体数
)/供試株数×10×100
【表】
結果は、第4表に示す。
【表】
【表】
第4表から、ポツトに入れた汚染土壌に拮抗菌
とともに粒状化した穀物残滓を混入した処理区で
は、いずれも3日以降に本病原菌が検出できなく
なつた。これに対し、穀物残滓のみの処理区で
は、16日後に本病原菌が検出できなくなり、無処
理区では本病原菌の減少は見られなかつた。 土壌検定の結果でも、拮抗菌とともに穀物残滓
を混入した処理区及び穀物残滓のみの処理区で、
発病率及び被害度が0となつた。無処理区では、
タバコに立枯病が発生した。 実施例 2 立枯病の汚染土壌を1/5000アールポツトに入
れ、ふすまをポツト当り4.0gから1.0gまで段階
別に土壌へ混入し、湛水状態にしたのち、30℃の
ガラス温室へ移し、実施例1と同様な方法で本病
原菌数を所定時期毎に測定したほか、土壌にタバ
コを植え土壌検定を実施した。 結果は、第5表に示す。
とともに粒状化した穀物残滓を混入した処理区で
は、いずれも3日以降に本病原菌が検出できなく
なつた。これに対し、穀物残滓のみの処理区で
は、16日後に本病原菌が検出できなくなり、無処
理区では本病原菌の減少は見られなかつた。 土壌検定の結果でも、拮抗菌とともに穀物残滓
を混入した処理区及び穀物残滓のみの処理区で、
発病率及び被害度が0となつた。無処理区では、
タバコに立枯病が発生した。 実施例 2 立枯病の汚染土壌を1/5000アールポツトに入
れ、ふすまをポツト当り4.0gから1.0gまで段階
別に土壌へ混入し、湛水状態にしたのち、30℃の
ガラス温室へ移し、実施例1と同様な方法で本病
原菌数を所定時期毎に測定したほか、土壌にタバ
コを植え土壌検定を実施した。 結果は、第5表に示す。
【表】
第5表から、1/5000アールポツトに4.0g、2.0
gあるいは1.0gの穀物残滓を拮抗菌B−5とと
もに土壌中に混入し、湛水処理した場合は、いず
れも5〜9日以降、本病原菌の密度が大幅に低下
し、拮抗菌C−3の場合でも、19日後に本病原菌
数が減少した。 土壌検定の結果でも、拮抗菌とともに、穀物残
滓を混入した区では、明らかに病害の抑制効果を
示している。 実施例 3 日本たばこ産業株式会社岡山試験場の病害検定
用圃場で、1986年7月に拮抗菌B−5の生菌を、
穀物残滓に対して106個/gとともに、穀物残滓
を200Kg/10a、100Kg/10a及び50Kg/10aの区別
で土壌中に混入し、直ちに湛水処理を行つた。対
照として無処理湛水区を設けた。湛水20日後に排
水し、施肥、畦立てしたのち、タバコ(品種:ブ
ライトエロー4号)の10葉期苗を各区に20本ずつ
植え付けて栽培した。 タバコ立枯病の発生状況は、実施例1の第3表
の基準に従い被害度を算出し、以下の式により防
除率を計算した。 防除率(%)=(1−処理区の被害度/対
照無処理区の被害度)×100 タバコ移植後48日目に発病状況を調査し、その
結果を第1図に示す。 この結果は、タバコ立枯病が発生しやすい夏期
の高温時期にタバコの幼苗を栽培して調査された
ことを勘案とすると、本発明防除方法が極めて有
効であることを示している。 実施例 4 高知県南国市久礼田で水田あと地のタバコ立枯
病発生畑を選定し、1986年7月20日に、実施例3
と同様な方法で作製した拮抗菌添加の穀物残滓を
100Kg/10aの割合で土壌面へ散布し、ロータリ
ー耕耘機によつて、土壌中に混入後直ちに河川水
を引き入れて湛水状態にした。また、対照とし
て、隣接した別のタバコ立枯病発生畑で湛水処理
だけの試験畑を設けた。これらの試験畑は、湛水
20日後に水抜きして、土壌の乾燥後に耕耘整地を
行つた。 試験畑の土壌検定は、7月20日に湛水処理後、
8月4日、8月18日及び9月9日の3回にわた
り、土壌を深さ別に採取し、直径9cmのスヤキ鉢
に入れ、タバコ(品種:ブライトエロー4号)10
葉期苗を各試験区当たり10本ずつ植え付け、実施
例1の第3表の基準に従つて、28〜33日後に発病
状況を調査した。その調査結果を第6表に示す。
gあるいは1.0gの穀物残滓を拮抗菌B−5とと
もに土壌中に混入し、湛水処理した場合は、いず
れも5〜9日以降、本病原菌の密度が大幅に低下
し、拮抗菌C−3の場合でも、19日後に本病原菌
数が減少した。 土壌検定の結果でも、拮抗菌とともに、穀物残
滓を混入した区では、明らかに病害の抑制効果を
示している。 実施例 3 日本たばこ産業株式会社岡山試験場の病害検定
用圃場で、1986年7月に拮抗菌B−5の生菌を、
穀物残滓に対して106個/gとともに、穀物残滓
を200Kg/10a、100Kg/10a及び50Kg/10aの区別
で土壌中に混入し、直ちに湛水処理を行つた。対
照として無処理湛水区を設けた。湛水20日後に排
水し、施肥、畦立てしたのち、タバコ(品種:ブ
ライトエロー4号)の10葉期苗を各区に20本ずつ
植え付けて栽培した。 タバコ立枯病の発生状況は、実施例1の第3表
の基準に従い被害度を算出し、以下の式により防
除率を計算した。 防除率(%)=(1−処理区の被害度/対
照無処理区の被害度)×100 タバコ移植後48日目に発病状況を調査し、その
結果を第1図に示す。 この結果は、タバコ立枯病が発生しやすい夏期
の高温時期にタバコの幼苗を栽培して調査された
ことを勘案とすると、本発明防除方法が極めて有
効であることを示している。 実施例 4 高知県南国市久礼田で水田あと地のタバコ立枯
病発生畑を選定し、1986年7月20日に、実施例3
と同様な方法で作製した拮抗菌添加の穀物残滓を
100Kg/10aの割合で土壌面へ散布し、ロータリ
ー耕耘機によつて、土壌中に混入後直ちに河川水
を引き入れて湛水状態にした。また、対照とし
て、隣接した別のタバコ立枯病発生畑で湛水処理
だけの試験畑を設けた。これらの試験畑は、湛水
20日後に水抜きして、土壌の乾燥後に耕耘整地を
行つた。 試験畑の土壌検定は、7月20日に湛水処理後、
8月4日、8月18日及び9月9日の3回にわた
り、土壌を深さ別に採取し、直径9cmのスヤキ鉢
に入れ、タバコ(品種:ブライトエロー4号)10
葉期苗を各試験区当たり10本ずつ植え付け、実施
例1の第3表の基準に従つて、28〜33日後に発病
状況を調査した。その調査結果を第6表に示す。
【表】
第6表から、本発明方法である拮抗菌とともに
穀物残滓を混入し、湛水処理した地表及び地下10
cm区において発病率の低下及び被害度の減少が顕
著に見られた。拮抗菌や穀物残滓の混入のない心
土においては、発病率、被害度ともに高かつた。 (発明の効果) 本発明の防除方法に用いる米ぬか及びふすま
は、穀物残滓であり、安価に容易に手にはいる。
拮抗菌とともにこのような穀物残滓を用いること
によつて、従来行われていた湛水による本病防除
の不安定性をなくし、しかも湛水処理の期間を短
縮することができる。
穀物残滓を混入し、湛水処理した地表及び地下10
cm区において発病率の低下及び被害度の減少が顕
著に見られた。拮抗菌や穀物残滓の混入のない心
土においては、発病率、被害度ともに高かつた。 (発明の効果) 本発明の防除方法に用いる米ぬか及びふすま
は、穀物残滓であり、安価に容易に手にはいる。
拮抗菌とともにこのような穀物残滓を用いること
によつて、従来行われていた湛水による本病防除
の不安定性をなくし、しかも湛水処理の期間を短
縮することができる。
第1図は、本発明方法によるタバコ立枯病の防
除効果を示すグラフである。
除効果を示すグラフである。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 シユドモナス属C−3菌株及び/又はシユド
モナス セパシアB−5菌株とともに、米ぬか、
ふすま又はこれらの混合物を土壌中に混入したの
ち、該土壌に湛水処理を施すことを特徴とするタ
バコ立枯病及びナス科植物青枯病の防除方法。 2 米ぬか、ふすま又はこれらの混合物を粒状化
したことを特徴とする特許請求の範囲第1項記載
のタバコ立枯病及びナス科植物青枯病の防除方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62206382A JPS6450805A (en) | 1987-08-21 | 1987-08-21 | Method for controlling bacterial wilt of tobacco and plant of solanaceae family |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62206382A JPS6450805A (en) | 1987-08-21 | 1987-08-21 | Method for controlling bacterial wilt of tobacco and plant of solanaceae family |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6450805A JPS6450805A (en) | 1989-02-27 |
JPH0580444B2 true JPH0580444B2 (ja) | 1993-11-09 |
Family
ID=16522415
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP62206382A Granted JPS6450805A (en) | 1987-08-21 | 1987-08-21 | Method for controlling bacterial wilt of tobacco and plant of solanaceae family |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS6450805A (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH02233752A (ja) * | 1989-03-08 | 1990-09-17 | Kansai Paint Co Ltd | 硬化性組成物 |
JP2612533B2 (ja) * | 1992-04-15 | 1997-05-21 | 日本たばこ産業株式会社 | シュードモナス属新菌株 |
KR20020057463A (ko) * | 2001-01-05 | 2002-07-11 | 이병길 | 식물병 억제 길항균의 선발방법 및 그로부터 선발된 신규미생물 |
KR101178867B1 (ko) | 2011-03-30 | 2012-09-03 | 김주한 | 원격진료 청진기 |
-
1987
- 1987-08-21 JP JP62206382A patent/JPS6450805A/ja active Granted
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS6450805A (en) | 1989-02-27 |
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