JPH0580197A - 放射性セラミツク廃棄物の固化方法 - Google Patents
放射性セラミツク廃棄物の固化方法Info
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- JPH0580197A JPH0580197A JP3243704A JP24370491A JPH0580197A JP H0580197 A JPH0580197 A JP H0580197A JP 3243704 A JP3243704 A JP 3243704A JP 24370491 A JP24370491 A JP 24370491A JP H0580197 A JPH0580197 A JP H0580197A
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Abstract
を含む炭酸塩といった放射性セラミック廃棄物を不都合
なく高密度で固化する。 【構成】 放射性物質を含むセラミック廃棄物20にア
ルカリ性水溶液を添加してこれらを金属カプセル10に
充填し、全体を熱間静水圧加圧処理することにより固化
体を形成する。
Description
る放射性セラミック廃棄物を固化及び安定化処理する方
法に関するものである。
再処理工程で剪断され、溶解されるが、このときTh,
14C,85Kr,127I,129I等の種々の揮発性放射性核
種が放出される。これらの核種は一般に半減期が長く、
環境に大きな影響を与えるため、これらの核種を中間保
管体として種々の方法で補集することが試みられてい
る。
は、再処理施設のオフガス内にほぼ全量導くことが可能
である。このオフガス中のヨウ素の分離回収法として
は、酸洗浄法、活性炭、ゼオライト等による固体吸収法
等が知られているが、このうち、NOxによる吸着能の
劣化や、高温時の劣化・発火・爆発といった欠点の少な
い金属交換ゼオライトによる吸着法が主流とされてい
る。
のカチオンをそのイオン交換性を利用して他の金属イオ
ンと置換することにより得られるものであり、一般に
は、X型ゼオライトあるいは合成モデルナイトを担体と
してAgイオンを置換した吸着剤(AgXあるいはAg
Zと呼称されている。)が広く実用に供されている。こ
こで、AgXあるいはAgZがヨウ素を吸着する形態と
しては、Agイオン交換ゼオライト中のAgとIとの反
応でAgIを生成するもの(すなわち化学吸着)が大半
であり、残りは単体のI2やCH3I等の有機ヨウ素が物
理吸着された形態で存在する。
無定形シリカあるいはアルミナに硝酸銀を添着したAg
SあるいはAgA等による放射性ヨウ素の捕獲も試みら
れている。
分に把握されていないが、その大部分はオフガス中に炭
酸ガスとして含まれていることが判明されている。この
炭酸ガスは、オフガス中のNOx及び水分を除去した状
態で、このオフガス中からゼオライト(−13X)の通
常の吸着作用を利用して回収することが可能であり、こ
のゼオライトから脱着したガスを水酸化カルシウムや水
酸化バリウム等の溶液に通し、炭酸カルシウムや炭酸バ
リウム等の炭酸塩として固化することにより、その中に
含まれる炭素元素を回収することが可能となる。
着した銀ゼオライトや放射性炭素を含有する炭酸塩は、
そのままの状態で保管されているのが現状であるが、そ
の一時貯蔵や処分を円滑に行うためには、これらの廃棄
物の固化、安定化、減用化等を効果的に行うことが大き
な課題となる。特に、上記炭酸塩は粉末状の状態で回収
されるので、その固化は廃棄処理上非常に重要なものと
なる。
は、放射性金属廃棄物を減容化する方法として、熱間静
水圧加圧法(以下、HIP法と称する。)が示されてい
るが、このHIP法を上記銀ゼオライトや炭酸塩に適用
して減容しても、比較的耐水性が低い固化物しか得られ
ず、その後の安全な貯蔵は実現しにくい。例えば、上記
銀ゼオライトを単にHIP処理しても、その表面に吸着
されたヨウ素等が依然として水に溶け出し易い状態で固
化体が形成されるため、この固化体を貯蔵した後の汚染
を完全に防ぐことは困難である。また、形成される固化
体の圧縮強度も十分とはいえず、地下深く埋蔵した場合
には土圧により上記固化体が圧壊するおそれもある。
等を含むセラミックスや放射性炭素を含む炭酸塩といっ
た放射性セラミック廃棄物を不都合なく高密度で固化す
ることができる方法を提供することを目的とする。
ラミックスにアルカリ性水溶液を添加し、これらをオー
トクレーブやホットプレスにより数百℃の温度、数百kg
/cm2の圧力で加熱加圧処理を行うことにより、高密度、
高強度の固化体が形成されることが知られている。ただ
し、この方法をそのまま上記放射性セラミック廃棄物の
固化処理に用いると、高温にまで加熱されたヨウ素等の
放射性元素が蒸発して廃棄物から分離してしまい、ま
た、この分離した放射性物質が上記アルカリ性水溶液と
ともに金型内面や押し棒先端に付着する等して、環境を
汚染する不都合が生じることになる。
ック廃棄物にアルカリ性水溶液を添加してこれらを金属
カプセルに充填し、全体を熱間静水圧加圧処理すること
により固化体を形成するようにしたものである(請求項
1)。ここで上記セラミック廃棄物としては、放射性ヨ
ウ素またはその化合物を含む銀ゼオライト等や、上記セ
ラミック廃棄物が放射性炭素を含む炭酸塩等が特に好適
である(請求項2,3)。具体的なアルカリ性水溶液の
添加量としては、0.5重量%以上20重量%以下が好
ましい(請求項4)。
セラミック粉末を添加し、あるいは予め酸化物系セラミ
ック粉末をアルカリ性水溶液に溶かしたものを上記セラ
ミック廃棄物に添加することがより好ましい(請求項
5,6)。
まれる水分及び揮発性物質を吸着する吸着剤を上記放射
性セラミック廃棄物とともに金属カプセルに充填し、全
体を熱間静水圧加圧処理するか、あるいは上記金属カプ
セルに脱気管を接続し、上記熱間静水圧加圧処理の際に
金属カプセル内に発生する水蒸気及び揮発性物質を上記
脱気管を通じて金属カプセル外へ導出することにより、
後述のようなより優れた効果が得られる(請求項7,
8)。
記熱間静水圧加圧処理中における金属カプセル内の圧力
を略一定に保つように脱気管による脱気流量を調整し
(求項9)、また、上記脱気管を流れるガスから放射性
物質を分離した後にこのガスを系外へ排出することが好
ましい(請求項10)。
質を含むセラミック廃棄物にアルカリ性水溶液を添加し
た状態で熱間静水圧加圧処理することにより、これらセ
ラミック廃棄物とアルカリ性水溶液との反応でセラミッ
クス粒子間の焼結が進行する。その結果、高密度の固化
体が形成され、その圧縮強度や耐水性はアルカリ性水溶
液を加えない場合よりも向上することとなる。
過多であると、金属カプセル内に多量の水蒸気等が発生
することにより却って廃棄物の緻密化が阻まれるが、請
求項4記載のように、上記アルカリ性水溶液の添加割合
が0.5重量%以上20重量%以下であれば、固化体の
著しい高密度化を達成することができる。
セラミック廃棄物に酸化物系セラミック粉末を添加し、
あるいは請求項6記載のように予め酸化物系セラミック
粉末をアルカリ性水溶液に溶かしたものを上記放射性セ
ラミック廃棄物に添加することにより、上記酸化物系セ
ラミック粉末がいわゆるバインダーの役目を果たし、固
化体の圧縮強度や耐水性をより向上させる。
間静水圧加圧処理の際に放射性セラミック廃棄物から放
出される水分や揮発性物質が、金属カプセル内において
吸着剤により吸着されるため、多量の水蒸気や揮発性物
質が金属カプセル内に充満することが防がれる。
間静水圧加圧処理の際に金属カプセル内から水蒸気及び
揮発性物質が脱気管を通じて金属カプセル外へ導出され
るため、金属カプセル内に多量の水蒸気や揮発性物質が
充満することが防がれる。
気管の脱気流量の調整で上記熱間静水圧加圧処理中にお
ける金属カプセル内の圧力を略一定に保つことにより、
上記金属カプセルの破損等が未然に防がれる。また、請
求項10記載の方法によれば、上記脱気管を流れるガス
から放射性物質が分離されることにより、ガスは無害の
状態で系外へ排出されることとなる。
な実験を行った。
I2を含むN2ガス気流中に放置し、25wt%のヨウ素
を含むAgX粉末を作成する。この粉末に、表1に示す
ようなアルカリ性水溶液を添加した後、これらをステン
レス鋼製カプセルに充填し、密封する。そして、このカ
プセルをHIP装置に挿入し、1000kg/cm2の圧力下
による加圧処理を先行させ、次いで600℃まで昇温す
るHIP処理を実行する。
除去し、試料の密度、圧縮強度、及び耐水性(90℃の
純水に対象物を100時間浸漬した後の重量減少率)等
を行った結果を上記表1に示す。
してアルカリ性水溶液を添加する、特に0.5wt%以
上20wt%以下の割合で添加することにより、高密度
化が達成され、その結果、圧縮強度及び耐水性の極めて
良好な固化体を形成することが可能である。これに対
し、水溶液を添加しない場合あるいは純水のみを添加し
た場合には上記効果は得られない。
ように、水溶液の添加量が20wt%を超えると上記の
ような高密度化が達成されないが、これは、過剰の水分
の添加のためにHIP処理中にカプセル内で水蒸気が充
満し、被処理剤の緻密化を阻害するためであると考察で
きる。ただし、この場合でも、カプセル内にCaO、M
gOシリカゲル等の吸水剤を封入して過剰の水分を吸着
させることにより、反応に必要な水分量をコントロール
することが可能である。例えば、試料No.1−10
は、No.1−5相当の混合物を10wt%のCaOと
ともにカプセル内部に入れ、HIP処理したものである
が、その結果を参照すれば、諸特性の改善度合いは明ら
かである。
重要であるが、上記ゼオライトに吸着されている主要な
ヨウ化物であるAgIの分解温度が1505℃であるた
め、処理温度はそれ未満、より具体的には1500℃以
下に設定することが極めて望ましい。また、ゼオライト
の良好な岩石化を図るため、上記処理温度としては最低
200℃以上が必要である。
めに100kg/cm2以上で高いほど好ましいが、一般に市
販されているHIP装置の能力や処理コストの点を考慮
すると、2000kg/cm2以下に設定することが望まし
い。
素を含むAgX粉末を作成し、この粉末に10N−Na
OH水溶液を5wt%添加するとともに、表2に示す市
販のセラミック粉末を添加し、混合する。そして、この
粉末を1000kg/cm2でラバープレス成形した後、ステ
ンレス鋼カプセルに充填、密封し、HIP処理する。そ
の後、各試料について調査した結果を表2に示す。
リ性水溶液を添加する際、さらにAl2O3、SiO、Z
rO2、ホウ珪酸ガラス、ソーダガラス等を粉砕して作
られたガラス粉末、あるいは珪酸成分を含む火山灰等の
酸化物系セラミック粉末を添加することにより、固化体
の強度及び耐水性をさらに向上させることができる。こ
れは、酸化物セラミック粉末がゼオライト粉末焼結時に
バインダーの役割を果たすためであると考察される。た
だし、その添加量が10wt%を超えると逆に緻密化が
阻害され、上記効果が大幅に減ぜられるため、上記添加
量は10wt%以下に設定することが非常に望ましい。
酸化物系セラミック粉末とを別個にAgX粉末に添加す
るようにしているが、予め酸化物系セラミック粉末をア
ルカリ性水溶液に溶かしたものを添加するようにしても
同様の効果が得られることは明らかである。例えば、珪
酸と水酸化ナトリウム水溶液との混合により得られる水
ガラス(珪酸ナトリウム)を水に溶かしたものをAgX
粉末に添加するようにしてもよい。
含むAgS及びAgAの粉末を作成し、これの粉末に表
3に示すアルカリ性水溶液及びセラミック粉末を添加し
て実験例その2と同様の方法によりステンレス鋼カプセ
ルに充填し、密封後HIP処理を行った。その後の調査
結果を表3に示す。
gS及びAgA等の粉末についても、アルカリ性水溶液
及び酸化物系セラミック粉末を添加してHIP処理する
ことにより、強度及び耐水性に優れた固化体を形成する
ことができる。
性水溶液、セラミック粉末等を添加し、この粉末をステ
ンレス製カプセルに充填し、密封する。そして、このカ
プセルをHIP装置内に入れて1000℃、1000kg
/cm2下でのHIP処理を1時間行う。その後、実験例そ
の1と同様の調査を行った結果を表4に示す。
ライト系セラミックスと同様に放射性炭酸塩の処理につ
いても有効であることを明らかにしている。すなわち、
上記炭酸塩に対してアルカリ性水溶液を添加する、より
好ましくは0.5〜20wt%の範囲で添加することに
より、炭酸塩の高密度化が達成され、特に圧縮強度及び
耐水性に優れた固化体を形成することができ、さらにセ
ラミック粉末を添加することにより、上記圧縮強度及び
耐水性を一層向上させることが可能となる。また、試料
No.4−10は実験例その1で用いたヨウ素を25w
t%含むAgXを添加したものであるが、その調査結果
から明らかなように、本発明では、2種類の放射性セラ
ミックス廃棄物を混合する場合にも有用であり、複数種
の放射性廃棄物を同時に処理することも可能である。
るものでなく、以下に記す第2実施例や第3実施例、そ
の他の態様をとることも可能である。
で水蒸気が発生する。しかも、ヨウ素を吸着した銀ゼオ
ライトを処理する場合には、この銀ゼオライトに不安定
な状態で吸着されているヨウ化メチルがゼオライトから
遊離することとなる。その結果、HIPカプセルの内圧
が高まり、その損傷を招くおそれがあるとともに、上記
カプセル内に生成した余剰の水蒸気が処理後に水滴とな
り、この水滴に遊離したヨウ化メチルや無機ヨウ素の一
部が溶解してHIPカプセルを腐食するおそれがある。
そこで、この実施例では、上記水蒸気やヨウ化メチル等
を吸着固定化する吸着剤を予めHIPカプセル内に充填
しておき、HIP処理中における水蒸気等の充満を防ぐ
ようにしている。
めのカプセル構造の一例を示したものである。図におい
て、10は金属カプセル本体であり、その上部に蓋12
が装着されるようになっている。この蓋12の中央には
上向きに窪んだ凹部14が形成されている。
すように金属カプセル本体10内に放射性セラミック廃
棄物20を充填するとともに、蓋12の凹部14内に上
記吸着剤18を充填し、この吸着剤18と放射性セラミ
ック廃棄物20とが混合しないように上記凹部14を図
示の金網18やその他焼結板等で防ぐ。そして、図1
(b)に示すように蓋12を金属カプセル本体10の上
部に固定し、HIP処理を行うことにより、この処理中
にカプセル内に発生する水蒸気やヨウ化メチル等を金網
18等を通して吸着剤16に吸着させることができ、こ
れによって前記の不都合を未然に回避することができ
る。
いが、具体的には、酸化カルシウム、酸化マグネシウ
ム、シリカゲル、ゼオライト、アルミナ等が好適であ
る。
したものを示しているが、本発明はこれに限らず、図2
(a)〜(c)に示すように金属カプセル本体10内を
金網18で区画し、この金属カプセル本体10の上部や
底部、外周部等に吸着剤18の収納室22を設けるよう
にしてもよい。
ついても特に問わず、例えば図3に示すようなベローズ
状に形成することにより、HIP処理によるカプセルの
圧縮変形をより容易化させることができ、特に低温低圧
下(例えば500℃、350気圧以下)で処理を行う場
合に有用となる。この場合、同図に示すように金属カプ
セル本体10のベローズ状側壁の内側に例えば円筒状の
金網24を設け、その内側に放射性セラミック廃棄物2
0を入れてこの放射性セラミック廃棄物20がカプセル
の圧縮変形時に上記ベローズの間に噛み込まれないよう
にすることにより、カプセル全体を一様に圧縮変形させ
ることが可能となる。
メチル等を吸着材18で吸着するようにしているが、こ
の実施例では上記ヨウ化メチル等をカプセル外で回収す
るようにしている。
のHIP装置26内にはバルブ28を介してタンク30
から適宜加圧媒体ガス(ここではアルゴンガス)が導入
されるようになっている。一方、HIP装置26内に収
納される金属カプセルの本体10の底部には排気管32
が接続され、HIP装置26の外部に導出されており、
この導出部分に、内圧調整バルブ34、触媒36、銀ゼ
オライト38、及びトラップ40が順に設けられてい
る。ここで触媒36は、酸化銅等からなり、有機ヨウ素
の無機化を促進させるものであり、トラップ40はオフ
ガス中の水蒸気を捕獲するものである。
は、下方に開口する圧力容器42を備え、この圧力容器
42の内側に断熱材44を有しており、その内側にヒー
タ48が設けられた状態で上記開口が底蓋46で塞がれ
るようになっている。一方、図6に示すように、上記排
気管32は、上記底蓋46及びこの底蓋46上に設けら
れた台座50の中央孔に挿通され、底蓋46との間で溶
接61により固定されている。上記金属カプセル本体1
0の底部の焼結体51には脱気管62が設けられてお
り、この脱気管62が上記台座50の上部に差し込ま
れ、ここに設けられたねじ部54にOリング56付ねじ
蓋52が螺合装着されることにより、排気管32との連
通がなされている。
内にタンク30から加圧媒体ガスを導入することにより
HIP装置26内を加圧するとともに、この加圧操作中
に内圧調整バルブ34を適宜開閉してHIP装置26内
の圧力を一定に保つようにする。ここで、上記内圧調整
バルブ34を開いた際に排気管32を通じて導出された
オフガスをまず触媒36に通し、ここでヨウ化メチル等
の有機ヨウ素の無機化を促進させた後、この無機化され
たヨウ素を銀ゼオライト38で主として化学吸着させる
ことによりオフガスから分離する。さらに、このオフガ
ス内の水蒸気をトラップ40で捕獲し、残りのガスを系
外へ放出する。上記ヨウ素を吸着した銀ゼオライト38
は図示の装置によって再処理する。
に金属カプセル内に水蒸気やヨウ化メチル等が充満する
のを防ぐことができ、良好な固化処理を実現することが
できる。しかも、セラミック廃棄物に含まれる放射性物
質を積極的に回収することが可能である。
の底部に脱気管62を接続したものを示したが、例えば
図7(a)に示すように、金属カプセルの上部に焼結体
51を介して脱気管62を接続するようにしてもよい。
また、前記図3に示したカプセルと同様に、図7(b)
に示すように金属カプセル本体10の一部または全部に
ベローズ部58を設け、その圧縮変形を容易化させるこ
とも可能である。この場合も、上記ベローズ部58の内
側に例えば円筒状の金網60を設け、この金網60の内
側における放射性セラミック廃棄物20が、圧縮変形す
るベローズ58に噛み込まれないようにすることが望ま
しい。
な効果を得ることができる。
性物質を含むセラミック廃棄物にアルカリ性水溶液を添
加した状態で熱間静水圧加圧処理することにより、高密
度の固化体を形成することができ、その圧縮強度や耐水
性をアルカリ性水溶液を加えない場合よりも向上させる
ことができる。従って、放射性ヨウ素等を含む銀ゼオラ
イト等や放射性炭素を含む炭酸塩といった元来耐水性の
低い廃棄物を処理する場合でも、耐水性に優れ、かつ強
度の高い固化体を形成することができ、これにより上記
放射性物質が水分中に溶け出すことによる二次汚染を未
然に防ぐことができるとともに、上記固化体を地下深く
埋蔵する場合でも、この固化体が土圧により圧壊等する
ことを防ぐことができる。しかも、処理中は放射性セラ
ミック廃棄物が終始金属カプセル内に封入されているの
で、環境が汚染されるおそれがない。
アルカリ性水溶液の添加割合が0.5重量%以上20重
量%以下とすることにより、アルカリ性水溶液が過多と
なるのを防ぎ、固化体の著しい高密度化を達成すること
ができる効果がある。
セラミック廃棄物に酸化物系セラミック粉末を添加し、
あるいは請求項6記載のように予め酸化物系セラミック
粉末をアルカリ性水溶液に溶かしたものを上記放射性セ
ラミック廃棄物に添加することにより、上記酸化物系セ
ラミック粉末にいわゆるバインダーの役目を担わせるこ
とができ、これにより固化体の圧縮強度や耐水性をより
向上させることができる効果がある。
間静水圧加圧処理の際に放射性セラミック廃棄物から放
出される水分や揮発性物質を金属カプセル内において吸
着剤により吸着させることにより、水蒸気や揮発性物質
が金属カプセル内に充満して廃棄物の緻密化を阻害する
ことを未然に防止することができる。
間静水圧加圧処理の際に金属カプセル内から水蒸気及び
揮発性物質を脱気管を通じて金属カプセル外へ導出する
ことにより、請求項7記載の方法と同様に廃棄物の良好
な緻密化を確保することができる。
気管の脱気流量の調整で上記熱間静水圧加圧処理中にお
ける金属カプセル内の圧力を略一定に保つことにより、
上記金属カプセルの破損等を未然に防ぐことができる。
また、請求項10記載の方法によれば、上記脱気管を流
れるガスから放射性物質を分離することにより、ガスを
無害の状態で不都合なく系外へ排出することができる。
プセル本体に蓋を装着する前の状態を示す断面図、
(b)は上記HIPカプセル本体に蓋を装着した後の状
態を示す断面図である。
に吸着剤の収納室を設けた例を示す断面図である。
を示す断面図である。
ムの全体構成図である。
る。
した例を示す正面図、(b)はHIPカプセルの一部を
ベローズ状に形成した例を示す一部断面正面図である。
Claims (10)
- 【請求項1】 放射性物質を含むセラミック廃棄物にア
ルカリ性水溶液を添加してこれらを金属カプセルに充填
し、全体を熱間静水圧加圧処理することにより固化体を
形成することを特徴とする放射性セラミック廃棄物の固
化方法。 - 【請求項2】 請求項1記載の放射性セラミック廃棄物
の固化方法において、上記セラミック廃棄物が放射性ヨ
ウ素またはその化合物を含むことを特徴とする放射性セ
ラミック廃棄物の固化方法。 - 【請求項3】 請求項1記載の放射性セラミック廃棄物
の固化方法において、上記セラミック廃棄物が放射性炭
素を含む炭酸塩であることを特徴とする放射性セラミッ
ク廃棄物の固化方法。 - 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の放射性
セラミック廃棄物の固化方法において、上記セラミック
廃棄物にアルカリ性水溶液を0.5重量%以上20重量
%以下の割合で添加することを特徴とする放射性セラミ
ック廃棄物の固化方法。 - 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載の放射性
セラミック廃棄物の固化方法において、上記セラミック
廃棄物に酸化物系セラミック粉末を添加することを特徴
とする放射性セラミック廃棄物の固化方法。 - 【請求項6】 請求項1〜4のいずれかに記載の放射性
セラミック廃棄物の固化方法において、予め酸化物系セ
ラミック粉末をアルカリ性水溶液に溶かしたものを上記
セラミック廃棄物に添加することを特徴とする放射性セ
ラミック廃棄物の固化方法。 - 【請求項7】 請求項1〜6のいずれかに記載の放射性
セラミック廃棄物の固化方法において、放射性セラミッ
ク廃棄物に含まれる水分及び揮発性物質を吸着する吸着
剤を上記放射性セラミック廃棄物とともに金属カプセル
に充填し、全体を熱間静水圧加圧処理することを特徴と
する放射性セラミック廃棄物の固化方法。 - 【請求項8】 請求項1〜6のいずれかに記載の放射性
セラミック廃棄物の固化方法において、上記金属カプセ
ルに脱気管を接続し、上記熱間静水圧加圧処理の際に金
属カプセル内に発生する水蒸気及び揮発性物質を上記脱
気管を通じて金属カプセル外へ導出することを特徴とす
る放射性セラミック廃棄物の固化方法。 - 【請求項9】 請求項8記載の放射性セラミック廃棄物
の固化方法において、上記熱間静水圧加圧処理中におけ
る金属カプセル内の圧力を略一定に保つように脱気管に
よる脱気流量を調整することを特徴とする放射性セラミ
ック廃棄物の固化方法。 - 【請求項10】 請求項8または9記載の放射性セラミ
ック廃棄物の固化方法において、上記脱気管を流れるガ
スから放射性物質を分離した後にこのガスを系外へ排出
することを特徴とする放射性セラミック廃棄物の固化方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3243704A JP3071513B2 (ja) | 1991-09-24 | 1991-09-24 | 放射性セラミック廃棄物の固化方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3243704A JP3071513B2 (ja) | 1991-09-24 | 1991-09-24 | 放射性セラミック廃棄物の固化方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0580197A true JPH0580197A (ja) | 1993-04-02 |
JP3071513B2 JP3071513B2 (ja) | 2000-07-31 |
Family
ID=17107747
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3243704A Expired - Lifetime JP3071513B2 (ja) | 1991-09-24 | 1991-09-24 | 放射性セラミック廃棄物の固化方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3071513B2 (ja) |
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