JPH0579976A - ガス濃度測定装置 - Google Patents

ガス濃度測定装置

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JPH0579976A
JPH0579976A JP26911991A JP26911991A JPH0579976A JP H0579976 A JPH0579976 A JP H0579976A JP 26911991 A JP26911991 A JP 26911991A JP 26911991 A JP26911991 A JP 26911991A JP H0579976 A JPH0579976 A JP H0579976A
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喜代治 上原
Hideo Tai
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 大気の温度や圧力によらずガスの濃度を正確
に測定すること。 【構成】 レーザ変調兼制御器5により波長が所定の周
波数fで変調されかつ吸収線の中心に安定化制御された
半導体レーザ素子14から出射したレーザ光が、測定用
セル3内の大気を通過したのち受光器6により受光され
てその強度が電気信号に変換され、位相敏感検波器8で
得られる2倍波位相敏感検波信号I2f を、位相敏感検波
器7により得られる基本波位相敏感検波信号Ifで割算器
9を使って割り算して濃度を求める際、レーザの変調振
幅を吸収線の半値半幅のほぼ2.2倍に設定することに
より、I2f が圧力にほとんど依存しないようにするとと
もに、温度センサ12で測定した温度により信号処理器
13が濃度に補正を施すことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は半導体レーザ素子を用い
てガスの濃度を測定するガス濃度測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】特定の波長のレーザ光がある種の気体に
吸収されやすいことを利用してガスの有無を検出できる
ことが知られており、この原理を応用したセンシング技
術が工業計測、公害監視などに広く用いられている。そ
の一例として、He−Neレーザより発生される波長
3.392μmの光がメタンに強く吸収されることを利
用してメタンの有無を感度良く検出することが可能であ
る。メタンは都市ガスの主成分であるためメタンの検出
によって都市ガスの漏洩が検知できる。またメタンは大
気中に約2ppmの濃度で含まれているが近年増加の傾
向にあり、炭酸ガスに次いで地球温暖化の主要原因であ
ると言われているので、大気中のメタンの濃度を精度良
く測定することは重要である。ここで、濃度とは注目す
るガスの分圧と大気の全圧との比と定義する。
【0003】図8は従来のガス濃度測定装置の概略構成
図である。
【0004】ガス濃度測定装置は、大気中に含まれる特
定のガスの濃度を測定する装置であって、両端に反射鏡
1、2を有し、大気が自由に流入かつ流出できる筒状の
多重反射長光路セル3と、セル3の外部から内部の大気
を照射するレーザ発振器4と、レーザ発振器4の発振波
長を所定の周波数で変調しかつ注目しているガスの吸収
線の中心に安定化制御するレーザ変調兼制御器5と、セ
ル3を通過したレーザ光を受光する受光器6と、受光器
6の出力を位相敏感検波して基本波位相敏感検波信号If
を出力する位相敏感検波器7と、2倍波位相敏感検波信
号I2f を出力する位相敏感検波器8と、基本波位相敏感
検波信号Ifで2倍波位相敏感検波信号I2f を割り算する
割算器9とを有している。
【0005】このような装置を用いて大気中に含まれる
メタンの濃度を連続測定する場合、常にセル3の吸気口
10から大気を吸入し、排気口11から排出しながら測
定する。レーザ発振器4から照射されたレーザ光は、2
つの反射鏡1、2の間を複数回往復してから受光器6に
より受光されるため、セル3内の大気を通過する距離が
延長され測定感度が向上される。受光器6により受光さ
れたレーザ光は電気信号に変換され、位相敏感検波器
7、8に入力される。割算器9は、位相敏感検波器8か
ら出力される2倍波位相敏感検波信号I2f (レーザ光の
強度とメタンの濃度に比例する)を位相敏感検波器7か
ら出力される基本波位相敏感検波信号If(レーザ光の強
度に比例する)で割り算することによりメタンの濃度を
算出する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述のガス濃度測定で
は2倍波位相敏感検波信号I2f がガス濃度に比例するこ
とを利用している。しかし、後述の実施例の説明中に示
すように2倍波位相敏感検波信号I2f はガス濃度のほか
に大気の温度や圧力にも依存する。従来の技術ではこの
点が考慮されておらず、ガス濃度を正確に求めることが
できなかった。
【0007】本発明は上記の点にかんがみてなされたも
のであり、その目的は、大気の温度や圧力によらずガス
の濃度を正確に測定することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記目的は、本発明によ
ると、レーザ光を所定の周波数と振幅とを有する変調電
流により変調する変調手段と、濃度を測定すべきガスを
含む大気が流入しかつ流入した大気中をレーザ光が通過
するように形成された測定用セルと、測定用セル内の温
度を検知する温度センサと、測定用セル内の大気を通過
したレーザ光を受光する受光器と、受光器の出力から基
本波位相敏感検波信号を出力する第1の位相敏感検波器
と、受光器の出力から2倍波位相敏感検波信号を出力す
る第2の位相敏感検波器と、2倍波位相敏感検波信号を
基本波位相敏感検波信号で割り算することによりガスの
濃度を算出する割算器と、温度センサで測定した温度に
したがってガスの濃度に補正を施す信号処理器とを備
え、変調手段は、2倍波位相敏感検波信号が極大値をと
るように変調電流の振幅を最適値に設定できるガス濃度
測定装置によって達成される。
【0009】
【作用】本発明のガス濃度測定装置は、所定の周波数と
振幅とで変調された半導体レーザから出射されたレーザ
光を測定用セル内の大気中に通過させ、通過したレーザ
光を受光器によって受光し、受光器からの信号を2つの
位相敏感検波器に入力して得られる基本波位相敏感検波
信号と2倍波位相敏感検波信号とから濃度を求める際、
変調手段において、2倍波位相敏感検波信号が極大値を
とるように変調電流の振幅が最適値に設定される結果、
温度センサで測定した温度のみによって信号処理器が濃
度に補正を施すことができる。
【0010】
【実施例】以下本発明を図面に基づいて説明する。
【0011】図1は本発明によるガス濃度測定装置の一
実施例の概略構成図であり、図8に示した従来の装置と
同じ構成部分には同じ参照符号を用いた。ここではメタ
ンガスの濃度を測定する装置として説明するが、他のガ
スの濃度を測定する場合も原理は同じである。
【0012】ガス濃度測定装置は、大気中に含まれるメ
タンの濃度を測定する装置であって、両端に反射鏡1、
2を有し、大気が流入かつ流出できる多重反射長光路セ
ル3と、この多重反射長光路セル3内の大気にレーザ光
を照射するレーザ発振器4と、レーザ発振器4の発振波
長を所定の周波数で変調するとともにメタンの吸収線の
中心に安定化制御するレーザ変調兼制御器5と、多重反
射長光路セル3を通過したレーザ光を受光する受光器6
と、この受光器6からの出力を位相敏感検波して基本波
位相敏感検波信号Ifを出力する位相敏感検波器7と、2
倍波位相敏感検波信号I2fを出力する位相敏感検波器8
と、2倍波位相敏感検信号I2fを基本波位相敏感検波信
号Ifで割り算してガスの濃度を算出する割算器9と、多
重反射長光路セル3の内部に設けられた温度センサ12
により測定した大気の温度に基づいてメタンの濃度に補
正を施す信号処理器13とを有している。
【0013】多重反射長光路セル3は、ほぼ筒状の容器
であり、両端の2つの反射鏡1、2と、大気が流入する
吸気口10および大気が流出する排気口11とを有し、
排気口11の近傍には温度センサ12が取り付けられて
いる。反射鏡1、2は、レーザ発振器から入射したレー
ザ光を複数回反射して再び外部へ出射し、受光器6で受
光するように配置されている。なお、多重反射長光路セ
ル3はレーザ光を複数回往復させて大気中の光路長を長
くするためのセルであるが、これに限定されず、例えば
長いセルを用い、光を片道あるいは1往復だけ通過させ
てもよい。
【0014】温度センサ12にはサーミスタや熱電対な
どが用いられる。
【0015】信号処理器13は、本発明の本質的な部分
であり、後述の理論的検討に基づいて大気の温度からメ
タンの濃度を補正する機能を有する。信号処理器13に
は、好ましくはマイクロプロセッサが用いられる。
【0016】レーザ変調兼制御器5は、半導体レーザの
駆動電流を所定の周波数と振幅とで変調するとともに、
レーザ光の発振波長をメタンの吸収線の中心に安定化制
御する。
【0017】図2はレーザ発振器4とレーザ変調兼制御
器5の構造を示す概略構成図である。
【0018】レーザ発振器4は、前後両方向にレーザ光
を出射する半導体レーザ素子14と、電流の大きさや向
きに応じて発熱または吸熱してレーザ素子14の温度を
変え発振波長を変える役目をするペルチェ素子15と、
メタンが封入された参照用ガスセル16と、この参照用
ガスセル16を通過した後レーザ光を受光し電気信号に
変換する受光器17と、半導体レーザ素子14の前方レ
ーザ光を平行光にするコリメートレンズ18とを有して
いる。前方レーザ光は図1の多重反射長光路セル3に入
射される。
【0019】レーザ変調兼制御器5は、レーザ素子14
に一定の直流電流を供給する定電流源23と、所定の周
波数と振幅の交流電流を発生してレーザ素子14の発振
周波数を変調するための発振器19と、これらの直流電
流と交流電流とを重ねるための電流ミキサ24と、受光
器17からの信号により基本波位相敏感検波信号を出力
する位相敏感検波器20と、位相敏感検波器20の出力
電圧を積分する積分器21と、積分の際に一定のバイア
ス電圧を加えるためのバイアス電圧発生器25と、積分
器21の出力に応じてペルチェ素子15に供給する電流
を調節する電流源22と、発振器19の周波数を2倍に
して出力する倍周器26とを有している。
【0020】位相敏感検波器20は、レーザの中心発振
周波数がメタンの吸収線の中心周波数に比べてどれだけ
高いかあるいは低いかを判定し、それに応じた大きさと
符号を持った電圧を出力し、次にそれに応じてペルチェ
素子15の温度が変化し、レーザの中心発振周波数がメ
タンの吸収線の中心に自動的に合わされる。
【0021】このようにしてメタンの吸収線の中心に一
致した周波数をもち、かつ一定の振幅で周波数変調され
たレーザ光がレーザ素子14の前方にも出射され、この
光が図1の多重反射長光路セル3に入射され大気中のメ
タンの濃度が測定される。
【0022】そこで次に、図1の2つの位相敏感検波器
7、8の出力信号について考察する。
【0023】図3は位相敏感検波信号を図式的に求める
ための説明図である。曲線Aは、ω0 に中心をもつメタ
ンの吸収線付近での、レーザの発振周波数ω(横軸)と
受光器6の出力電圧V(縦軸)の関係を示している。吸
収がない時の出力電圧をV0とすると、この曲線Aは数
1で表わされる。
【0024】
【数1】V=V0 (1−αL) ここでαは吸収係数と呼ばれ、周波数ωの関数であり、
数2で表わされる。Lは光路長で、レーザ光が大気中を
通過する距離の全長である。
【0025】
【数2】α=α0 γ2 /[(ω−ω02 +γ2 ] 数2中のγは吸収線の半値半幅と呼ばれ、曲線AでV0
からの減少量が中心ω0での減少量の半分になる周波数
(2つある)とω0 との差で、図3に書き入れてある。
α0 は吸収の中心すなわちω=ω0 でのαの値であり、
メタンの濃度に依存する。
【0026】いま、上述のようにしてレーザの発振周波
数ωの中心が吸収線の中心ω0 に安定化され、かつ所定
の周波数fと振幅Mとで変調されたとすると、ωは時間
tの関数として数3のように表わされる。
【0027】
【数3】ω=ω0 +Mcosft 数3のωを時間tの関数として図3中に描くと、曲線B
となる。ここで縦軸は時間tである。ωはω0 を中心に
左右にMの幅で振動するので、曲線A上の対応する位置
は点aと点bの間を曲線Aに沿って振動する。その結
果、受光器の出力電圧は曲線Cのように変化する。ここ
では横軸が時間tである。注意すべきことは、ωが1回
振動する間にVは2回振動することである。したがっ
て、出力電圧Vは周波数2fで振動する成分をもつが、
周波数fで振動する成分をもたない。さらに、曲線Cは
単純な正弦波ではなく、2fのほかに4f、6fなどの
周波数成分の重ね合わせになる。位相敏感検波器8は、
この中から2f成分を抽出しその振幅I2f を求める役割
をもつ。図3から分かるように、この振幅I2f は変調振
幅Mに依存する。変調振幅Mが増大するにつれて、振幅
I2f は初めは増大するが、ある点で極大値をとった後に
徐々に減少する。詳しい解析(H.Wahlquis
t,J.Chem.Phys.35(1961)170
8)の結果を利用すると、変調振幅Mと振幅I2f との関
係は数4となる。
【0028】
【数4】I2f ∝V0 α0 Lx2 /(1+x21/2 (1
+(1+x21/22 ここで、xは変調振幅Mと半値半幅γとの比であり数5
で定義される。
【0029】
【数5】x=M/γ 特にx《1のときは数4は数6で近似される。
【0030】
【数6】I2f ∝V0 α0 Lx2 図4は、数4で表わされる振幅I2f とxとの関係を示す
グラフである。これより、I2f はx=2.2付近で極大
値をとることが分かる。
【0031】さて、数4によると振幅I2f はα0 に比例
し、α0 はメタン濃度に依存するので、予め既知の濃度
のメタンガスの信号強度を測っておけば、振幅I2f から
メタンの濃度が測定できる。これが濃度測定の原理であ
る。
【0032】しかし、受光器6で受光されるレーザ光強
度が、メタンの吸収以外の原因、たとえば大気中のほこ
り、反射鏡1、2の汚れ、光学系の変形などで変動する
ような場合には、振幅I2f の大きさから直ちにメタンの
濃度を求めることができない。そこで、受光器6で受光
されるレーザ光強度を何らかの方法で測りたい。位相敏
感検波器7はその役目をする。これまでの議論では、受
光器6の出力電圧Vには周波数fで振動する成分はない
ので、振幅Ifは常にゼロとなるはずであるが、実は振幅
Ifを生じる別の原因がある。すなわち、半導体レーザの
駆動電流を周波数fで変調すると、レーザの発振周波数
が数3のように変調されると同時に、レーザ出力も周波
数fで変調を受ける。その結果、受光器6の出力電圧は
数7で表わされる周波数fの成分をもつ。
【0033】
【数7】V′=V1 cos(ft+φ) ここで、振幅V1 は駆動電流の変調振幅に依存する。ま
た、φは位相のずれを表わす。したがって、位相敏感検
波器7の出力Ifは数8で与えられる。
【0034】
【数8】If∝V1 そこでI2f とIfとの比を求めると数9となる。
【0035】
【数9】I2f /If∝(V0 /V1 )α0 Lx2 /(1+
21/2 (1+(1+x21/22 そして、この比は受光器6に入る光強度に依存しない。
なぜなら、V0 とV1 とは共に光強度に比例するからで
ある。したがって、受光器6に入る光強度が変動しても
I2f /Ifからα0 を求め、メタンの濃度が測定できる。
割算器9はこの比を計算する機能を有する。
【0036】しかしながら、この比だけでは、まだ正確
にメタン濃度を求めることができない。なぜならα0
メタン濃度だけでなく、大気の温度や圧力にも依存す
る。また、数9中のxは数5のように吸収線の半値半幅
γに反比例するが、γも温度や圧力に依存する。したが
って、メタン濃度を正確に決めるには、大気の温度と圧
力との影響を考慮する必要がある。そこで、α0 とγと
が大気の温度Tと圧力Pとにどのように依存するかを考
える。
【0037】まず、数2で与えられるαをωの全領域に
わたって積分した値、すなわち積分強度は積α0 γに比
例するが、これは一方では、吸収を担う分子の数密度に
比例することが分かっている。したがって、メタンの全
分子数密度をn、そのうち注目する吸収遷移の下準位の
分布率をgとすると、数10が成り立つ。
【0038】
【数10】α0 γ∝gn これより、数11が得られる。
【0039】
【数11】α0 ∝gn/γ そこで、n、g、γのTおよびP依存性を調べる。
【0040】まず、nは気体の状態方程式から直ちに数
12のように求められる。
【0041】
【数12】n=ρP/kT ここでρは求めようとするメタン濃度であり、大気の全
圧に対するメタンの分圧の比を表わす。kはボルツマン
定数である。
【0042】次に、吸収線の半値半幅γは、その主な原
因が分子どうしの衝突である場合は、最も単純なモデル
を使うと全分子の密度と分子の平均速度に比例するの
で、数13が得られる。
【0043】
【数13】γ∝P/T1/2 最後に、分布率gのT依存性を調べる。一般に、ある準
位iのエネルギーをEi 、縮退度をwi とすると、熱平
衡状態での準位iの分布数はwi exp(−Ei /k
T)に比例する。したがって、準位iの分布率gi は数
14で与えられる。
【0044】
【数14】gi =wi exp(−Ei /kT)/Σwj
exp(−Ej /kT) ここで、Σはすべてのjについての和を意味する。メタ
ン型の分子に対して知られているEi とwi との表式を
使い和を実行すると、数14は数15のようになる。
【0045】
【数15】gJ ∝exp[−BJ(J+1)/kT]/
3/2 ここで、Jは分子の注目する回転準位の量子数、Bは分
子の回転定数である。
【0046】数11、数12、数13、数15の結果を
使うと、数4からI2f のTおよびP依存性として数16
を得る。
【0047】
【数16】I2f ∝V0 ρLx2 exp[−BJ(J+
1)/kT]/T2 (1+x21/2 (1+(1+x
21/22 ここで、x=M/γ∝MT1/2 /Pで,Mは数3で用い
た変調振幅である。
【0048】数16によると、I2f は濃度ρに比例する
が、同時に、温度Tと全圧Pにも依存する(xはT、
P、Mの関数であることに注意)。そこで、I2f がTと
Pとによってどのように変化するかが分かっていれば、
補正によりガス濃度を正確に求めることができる。
【0049】メタンに対しては、B=5.24cm-1
あり、さらに波長1.66μmの2ν3 吸収バンドのQ
(6)線に注目すると、J=6であるから、数16は数
17となる。
【0050】
【数17】I2f ∝V0 ρLx2 exp(−317/T)
/T2 (1+x21/2 (1+(1+x21/22 ここで、Tの単位はKである。
【0051】図5と図6とは、数17によって計算した
I2f のTおよびP依存性を示すグラフである。T=29
8K、P=1013mbarの状態を基準状態として、
その付近でI2f がTとPとによってどのように変化する
かを示している。両図で基準状態は点P0 で示してあ
る。
【0052】まず、図5は、変調振幅Mが吸収線の半値
半幅γ(基準状態での値)の1.5倍に等しい場合の図
であり、4通りの温度に対しI2f とPとの関係が実線で
示してある。この場合は、TとPとのいずれが変化して
もI2f が変化する。したがって、濃度を補正するには温
度と圧力の両方の測定が必要である。そして、測定した
温度と圧力とが仮に図中の点P1(T=288K、P=
1000mbar)とすると、P1 に対応する縦軸上の
点の読みは1.035であるから、割算器9の出力を
1.035で割った値が正しい濃度を与える。
【0053】一方、図6はM=2.2γの場合と同様の
図である。この場合の特徴は、実線がいずれもほぼ水平
になっていることであり、I2f が圧力Pにほとんど依存
しないことを示している。これは、図4でx=2.2の
ときにI2f が極大になり曲線の勾配がゼロになることに
対応している。したがって、M=2.2γとなるように
変調振幅を選んでおけば、濃度の補正は温度の測定だけ
で行なえることになる。そして、測定した温度が仮に点
2 (T=288K)であれば、点P2 に対応する縦軸
上の値1.032で割算器9の出力を割ることにより濃
度が補正される。信号処理器13は、温度センサ12で
測定した温度によりこの補正を施す役目をもち、例えば
マイクロプロセッサにより実現できる。
【0054】このように、温度の測定だけで濃度を補正
できる信号処理器を有することが、本発明の重要な特徴
である。
【0055】図7は、本実施例のガス濃度測定装置によ
るメタン濃度の時刻変化(a)およびガス温度の時刻変
化(b)の測定例を示す(1991年1月14日〜15
日測定)。図(a)は横軸が時刻(時:分)、縦軸がメ
タンの濃度(ppm)を示す。24時間の間に25%程
度の濃度の変動が見られる。図中で曲線が太くなってい
る部分は風により沼地その他のメタン発生源からメタン
が運ばれ濃度の変化が速くかつ大きいことを表わす。図
(b)の縦軸は温度(K)を示しているが、測定セル内
の温度変化は3K以内であった。
【0056】このように、本実施例によれば、所定の周
波数fで変調された半導体レーザ素子14から出射した
レーザ光が、多重反射長光路セル3内のメタンガスを含
む大気を通過したのち受光器6で受光されてその強さが
電気信号に変換され、位相敏感検波器7により得られる
基本波位相敏感検波信号Ifで、位相敏感検波器8により
得られる2倍波位相敏感検波信号I2f を割算器9を使っ
て割り算することによってメタンの濃度を求める際に、
変調振幅を半値半幅γの約2.2倍に設定することによ
りI2f が極大になり、その結果、大気の圧力には依存せ
ず温度がセンサ12による温度の測定だけから信号処理
器13により濃度が補正される。
【0057】
【発明の効果】以上説明したように本発明においては、
所定の周波数で変調された半導体レーザ素子から出射し
たレーザ光が測定用セル内のガスを通過したのち、その
強度が受光器により電気信号に変換され、2つの位相敏
感検波器により得られる基本波位相敏感検波信号と2倍
波位相敏感検波信号とから濃度を求める際に、変調振幅
が最適値に設定されているので、ガスの圧力によらずガ
スの温度だけによって、信号処理器がガスの濃度を正確
に補正することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるガス濃度測定装置の一実施例の概
略構成図である。
【図2】図1に示したレーザ発振器およびレーザ変調兼
制御器の概略構成図である。
【図3】レーザ光の発振周波数と受光器の出力との関
係、および、両者の変調の関係を示す図である。
【図4】変調振幅と2倍波位相敏感検波信号との関係を
示すグラフである。
【図5】2倍波位相敏感検波信号の温度および圧力依存
性を示す図である。
【図6】2倍波位相敏感検波信号の温度および圧力依存
性を示す図である。
【図7】本実施例のガス濃度測定装置による大気中のメ
タンの濃度の時刻変化(a)および温度の時刻変化
(b)の測定例を示すグラフである。
【図8】従来のガス濃度測定装置の概略構成図である。
【符号の説明】
1、2 反射鏡 3 測定用セル 4 レーザ発振器 5 レーザ変調兼制御器 6、17 受光器 7、8、20 位相敏感検波器 9 割算器 12 温度センサ 13 信号処理器 14 半導体レーザ素子 15 ペルチェ素子 16 参照用ガスセル 18 コリメータレンズ 19 発振器 21 積分器 23 定電流源 24 電流ミキサ 25 バイアス電圧発生器 26 倍周器

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レーザ光を所定の周波数と振幅とを有す
    る変調電流により変調する変調手段と、濃度を測定すべ
    きガスを含む大気が流入しかつ流入した該大気中を前記
    レーザ光が通過するように形成された測定用セルと、該
    測定用セル内の温度を検知する温度センサと、前記測定
    用セル内の大気を通過した後のレーザ光を受光する受光
    器と、該受光器の出力から基本波位相敏感検波信号を出
    力する第1の位相敏感検波器と、前記受光器の出力から
    2倍波位相敏感検波信号を出力する第2の位相敏感検波
    器と、前記2倍波位相敏感検波信号の値を前記基本波位
    相敏感検波信号の値で割り算することにより前記ガスの
    濃度を算出する割算器と、前記温度センサで測定した温
    度により前記濃度に補正を施す信号処理器とを備え、前
    記変調手段は、前記2倍波位相敏感検波信号の値が極大
    値をとるように前記変調電流の振幅を最適値に設定でき
    ることを特徴とするガス濃度測定装置。
  2. 【請求項2】 前記変調電流の振幅が前記レーザ光の周
    波数に対する吸収量の半値半幅のほぼ2.2倍に相当す
    る値であることを特徴とする請求項1に記載のガス濃度
    測定装置。
  3. 【請求項3】 前記ガスがメタンであり、該ガスの濃度
    ρと光路長Lとの積である濃度光路長積ρLを下記式 I2f ∝V0 ρLexp(−317/T)/T2 I2f は前記2倍波位相敏感検波信号の値 V0 は前記レーザ光の吸収がないときの受光器の出力電
    圧 Tは温度(K) を満足するように設定して補正することにより濃度光路
    長積を求めることを特徴とする請求項1に記載のガス濃
    度測定装置。
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