JPH0579897U - 電界発光灯 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 電界発光灯の防振構造を安価でかつ薄い構造
にする。 【構成】 背面外皮フィルム６として金属フィルム４を
吸湿性の有機フィルム３，５で上下から挟着して積層さ
れた透湿のないフレキシブルな積層フィルムを用い、背
面外皮フィルム６と、表面外皮フィルム２と、透明電極
から導出されたリード線７とを金属ハトメ１８で同時に
かしめて、背面外皮フィルム６の金属フィルム４と透明
電極から導出されたリード線１７とを電気的に接続す
る。 【効果】 防振フィルムと背面外皮フィルムとを併用し
たため、安価でかつ薄い電界発光灯がえられる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は電界発光灯に関し、詳しくは液晶表示装置のバックライト等に使用さ れ、防振構造を有する有機型電界発光灯に関する。

【０００２】

【従来の技術】

以下に、従来の技術を図５〜図７を参照しながら説明する。図５は従来の電界 発光灯の防振構造を示す断面図，図６は従来の電界発光灯の防振構造を示す平面 図，図７は従来の電界発光灯の防振構造を示す要部拡大断面図である。

【０００３】 有機型電界発光灯は、背面電極、反射絶縁層、発光層及び透明電極からなる積 層体を外皮フィルムで上下から挟着して密閉封止した構造のものが一般的である 。この電界発光灯を液晶表示装置のバックライトに使用する場合、上記電界発光 灯の背面電極側に、液晶駆動回路部品を実装したプリント基板を配設し、その透 明電極側に液晶装置を配設して背面電極と透明電極間に交流電圧を印加している 。この時、交流電圧が高いためプリント基板上の液晶駆動回路部品に静電ノイズ が発生したり、背面電極と透明電極が印加電界により伸縮してうなりが生じて振 動音が発生する。

【０００４】 そこで、上記電界発光灯には、振動音発生を防止する構造を有するものがある 。この種の電界発光灯は、図５から図７に示すように後述の積層体からなる略矩 形の平面形状を有する電界発光素子１をリン青銅等のリード１６，１７を導出し た状態でフッ素系樹脂等の防湿性を有するフレキシブルな外皮フィルム２，２０ により気密封止した構造を有する。上記電界発光素子１は、下層から順に、アル ミニウム箔等の背面電極８、有機バインダにチタン酸バリウム等を分散した反射 絶縁層９、有機バインダに銅で活性化した硫化亜鉛等の蛍光体を分散した発光層 １０、ＩＴＯ等の透明電極１１、および、この透明電極１１の基材である透明な プラスチックシート１２を順次積層することによって形成されている。尚、図中 、７，１３は、上記電界発光素子１の上下に配置されたポリアミド等の吸湿フィ ルムである。上記背面電極８のリード１６は、背面電極８の一端部に粘着テープ １５で仮止し、外皮フィルム２，２０の封着により吸湿フィルム７と背面電極８ との間に挟み込み、その挾み付け力によって固定されている。また、透明電極１ １のリード１７は、透明電極１１の一端部に粘着テープ１４で仮止し、外皮フィ ルム２，２０の封着により発光層１０と透明電極１１との間に挟み込み、その挾 み付け力によって固定されている。

【０００５】 上記電界発光灯の防振構造は、アルミニウムあるいは銅等の金属フィルム２１ を絶縁性を有するプラスチックフィルム２３に貼着して上記金属フィルム２１の 上面の一端部にリン青銅等のリード２５を粘着テープ２６で固定した防振フィル ム２４を、背面電極側の外皮フィルム２０下面に両面テープ２２で貼着し、この リード２５を透明電極１１のリード１７と半田接続したものである。

【０００６】 上記防振構造により、電界発光灯を液晶表示装置のバックライトに使用した場 合、プリント基板上の液晶駆動回路部品と背面電極８との間に金属フィルム２１ が介在し、両者の間が静電的に遮断される。また、リード１７，２５で接続され た透明電極１１と金属フィルム２１とを接地すると、背面電極が印加電界により 透明電極１１と金属フィルム２１とから互に反対向きの力を受けるため、伸縮し なくなってうなりが減少して振動音も発生しない。

【０００７】

【考案が解決しようとする課題】

従来の背面電極側の外皮フィルム下面に両面テープにて防振フィルムを貼着し 、防振フィルムより導出したリードと透明電極のリードとを半田接続したもので は、防振フィルムのリードと透明電極のリードとの位置を合わせて貼るため位置 合わせがむずかしく、かつ、前記のリードを半田接続する際、リードを重ねるた め半田付けしにくく、工数がかかる。また、背面電極側の外皮フィルムに両面テ ープで貼着するため、両面テープの密着性の劣化によるはがれ等が生じ信頼性に とぼしい。その他、防振フィルムを貼着するため電界発光灯の厚さがまし、商品 価値が低下するという問題点があった。

【０００８】 本考案の目的は、上記課題を解決した安価で信頼性の高い、薄型の電界発光灯 を提供することである。

【０００９】

【課題を解決するための手段】

上記課題の解決しようとする課題として本考案では、背面電極、反射絶縁層、 発光層及び透明電極の積層体を含む電界発光素子を、前記透明電極および背面電 極から第１および第２のリードをそれぞれ導出して表面外皮フィルムと背面外皮 フィルムとで上下から挟着封止した電界発光灯において、前記背面外皮フィルム が、金属フィルムを具備する有機フィルムであって、該金属フィルムと、透明電 極から導出したリードとを固定金具または第３のリード線を介して、電気的に接 続したことを特徴とする。

【００１０】

【作用】

本考案による電界発光灯の防振構造では、背面電極側の外皮フィルムに金属フ ィルムを含む防湿性の有機フィルムを用い、前記金属フィルムと透明電極から導 出したリードとを金属フィルムに固定した金具を介して電気的に接続したため、 防振フィルムを背面電極側の外皮フィルムにリード位置を合わせて貼着したり、 リードを半田接続したりする作業が不要となり、工数が削減し、かつ、信頼性が 向上し、電界発光灯が厚くなることもない。

【００１１】

【実施例】

以下、本考案の第１の実施例を図１〜図３を参照しながら説明する。

【００１２】 図１は本考案の電界発光灯の防湿構造を示す断面図、図２は本考案の電界発光 灯の防振構造を示す平面図，図３は本考案の電界発光灯の防振構造の要部拡大断 面図、図４は本考案の第２の実施例の電界発光灯の防振構造を示す平面図である 。図１から図３に示す第１の実施例において、１は略矩形の平面形状を有する積 層体である電界発光素子、２はフッ素系樹脂等からなる防湿性を有するフレキシ ブルな表面外皮フィルム、６は金属フィルム４を吸湿性の有機フィルム３，５で 上下から挟着して積層された積層体からなる透湿のないフレキシブルな背面外皮 フィルム、１６はアルミニウム箔等の背面電極８から導出されたリン青銅等のリ ード線、１７はＩＴＯ等の透明電極１１から導出されたリン青銅等のリード線、 １８は金属製のハトメである。

【００１３】 本考案の特徴は、透明電極１１から導出されたリード線１７と、表面外皮フィ ルム２と、背面外皮フィルム６とを金属ハトメ１８で同時にかしめ、透明電極１ １から導出されたリード線１７と、背面外皮フィルム６の金属フィルム４とを金 属ハトメ１８により電気接続したことである。これにより特別な防湿フィルムの ない、安価でかつ薄い防湿構造を有する電界発光灯を提供することができる。

【００１４】 また、前記の透明電極１１から導出されたリード線１７の金属ハトメ１８によ るかしめ部のリード線幅は、信頼性確保のため、金属ハトメの外径より数ｍｍ広 い形状が必要である。しかし、リード線幅に制限がある場合は、金属ハトメのか わりに、径の小さい、金属製のピンまたはホッチキスの針等の小型係止金具を用 い、リード線幅を小さく設計することができる。

【００１５】 第２の実施例として、図４に示すように、金属ハトメ１８のかしめ位置を、リ ード線１７を回避した表面外皮フィルム２と背面外皮フィルム６のみの積層部の 形状設計上障害にならない位置とし、この金属ハトメ１８と透明電極１１から導 出されたリード線１７とを第３リード線２８で半田付けすることにより金属フィ ルム４とリード線１７とを電気接続する。これにより、リード線１７のリード線 幅の制限がなくなり、リード線１７の形状設計、リード線１７周辺部の形状設計 が容易におこなえる。

【００１６】 また、前記の第３リード線２８で電気接続をするかわりに、金属ハトメ１８と リード線１７とを液晶表示装置のプリント基板（図示せず）の同ライン上に直接 半田付けをおこなってもよい。

【００１７】

【考案の効果】

本考案によれば、背面電極側の外皮フィルムとして金属フィルムを具備した防 湿性の有機フィルムを使用し、かつ金属フィルムと透明電極から導出したリード 線を金属フィルムに固定した金具を介して電気的に接続したので、防湿フィルム が不用となり、防湿フィルムの貼り付け工数、リードの半田付け工数及び防湿フ ィルムのコストが削減でき、かつ、電界発光灯の厚さも増加しないため、コスト の低減及び商品価値の向上、信頼性の向上がはかれる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本考案の第１の実施例の電界発光灯の防振構
造を示す断面図

【図２】 本考案の第１の実施例の電界発光灯の防振構
造を示す平面図

【図３】 本考案の第１の実施例の電界発光灯の防振構
造の要部拡大断面図

【図４】 本考案の第２の実施例の電界発光灯の防振構
造を示す平面図

【図５】 従来の電界発光灯の防振構造を示す断面図

【図６】 従来の電界発光灯の防振構造を示す平面図

【図７】 従来の電界発光灯の防振構造の要部拡大断面
図

【符号の説明】

１ 電界発光素子 ２ 表面外皮フィルム ３，５ 有機フィルム ４ 金属フィルム ６ 背面外皮フィルム １６ 背面電極側リード １７ 透明電極側リード １８ 金属ハトメ １９，２９ 電界発光灯 ２８ 第３リード線 ３０ 半田

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】背面電極、反射絶縁層、発光層および透明
   電極の積層体を含む電界発光素子を、前記透明電極およ
   び背面電極から第１および第２のリードをそれぞれ導出
   して表面外皮フィルムと背面外皮フィルムとで上下から
   挟着封止した電界発光灯において、 前記背面外皮フィルムが金属フィルムを具備する有機フ
   ィルムであって、該金属フィルムに固定し導通した金具
   を介して、前記透明電極から導出した第１のリードと前
   記金属フィルムとを電気的に接続したことを特徴とする
   電界発光灯。
2. 【請求項２】前記金具で同時に前記第１のリードを固定
   することにより、金属フィルムと第１のリードとを電気
   的に接続したことを特徴とする請求項１記載の電界発光
   灯。
3. 【請求項３】前記金属フィルムに固定した金具と前記第
   １のリードとを第３のリード線で電気的に接続したこと
   を特徴とする請求項１記載の電界発光灯。
4. 【請求項４】前記第３のリード線による電気的接続が他
   の部材上に形成されたランドを介して行われることを特
   徴とする請求項３記載の電界発光灯。