JPH0579836A - スタースキヤナ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【構成】スタースキャナは、平面鏡２を回転軸５回りに
回転させて任意の回転位置に固定できる回転部６と、恒
星を検出するためのレンズ３および受光部４とを備え
る。これにより、視野方向１は回転軸５回りの任意の方
向を向くことができる。平面鏡２はスピン安定型人工衛
星の機体側面８外に配置されている。 【効果】視野方向を変更できることにより、人工衛星機
体に対してどの方向にある星でも検出可能である。従っ
て、人工衛星機体がいかなる姿勢であっても星が検出可
能であり、従来のスタースキャナによって制限されてい
た人工衛星のとり得る姿勢の制限を無くすことができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明はスピン安定型人工衛星の
姿勢センサとして用いるスタースキャナに関する。

【０００２】

【従来の技術】人工衛星では姿勢を決定するために機体
に対して太陽や恒星等の方向を検出する必要がある。こ
のうち、スピン安定型の人工衛星で恒星の方向を検出す
る装置としてスタースキャナがある。

【０００３】従来使用されているスタースキャナの縦断
面図を図４に示す。

【０００４】スタースキャナは、光学部としてレンズ３
と受光部４とを含み、スピン安定型人工衛星の機体７に
固定される。そして、星からの光がレンズ３を通り受光
部４に当たる場合に受光部４は、星の光を検出すること
ができる。このため星が受光部４の視野方向１の範囲内
にあるとき検出可能である。

【０００５】図４に示したスタースキャナは、図５の受
光部視野方向図に示すように、人工衛星の機体７の上面
に取り付けられ、スピン軸１３回りにスピンする人工衛
星の機体７のスピンを利用して視野方向１を天球上に回
転させ、１スピンに１回、一定レベルより明るい星１４
ｄを検出するように使用される。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】上述した従来のスター
スキャナは、視野方向が人工衛星の機体に対して固定さ
れているので、人工衛星のスピン軸に対してある一定の
角度範囲にある星のみしか検出できない。このため、人
工衛星のとり得る姿勢は、その角度範囲に検出できる星
があることが条件となり、制限されるという欠点があ
る。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明のスタースキャナ
は、スピン安定型人工衛星に取り付けられ恒星を検出す
るためのレンズと受光部とを有するスタースキャナにお
いて、前記スピン安定型人工衛星の機体側面外に配置さ
れ前記レンズと前記受光部の中心を結ぶ線を軸として回
転可能であるとともに前記受光部の視野方向を９０°以
下の角度で曲げる平面鏡を備えている。

【０００８】

【実施例】次に本発明について図面を参照して説明す
る。

【０００９】図１は本発明によるスタースキャナの一実
施例の縦断面図である。

【００１０】図１において、１はスタースキャナの視野
方向、２は視野方向１を９０°以内の角度で曲げる平面
鏡、３は平面鏡２から入射した光を収束するレンズ、４
はレンズ３からの光を受ける受光部、５は平面鏡２の回
転軸、６は平面鏡２を回転させる回転部、７はスピン安
定型人工衛星の機体、８は円筒形の機体側面である。受
光部４の視野方向１に検出可能な明るさの星がある場
合、その光は機体側面８の外に突出配置された平面鏡２
で反射し、レンズ３を通り受光部４に到達し、検出され
る。回転軸５はレンズ３と受光部４の中心を通る線であ
る。回転部６は平面鏡２を固定しており、また機体７に
対して回転軸５回りに３６０°回転可能で任意の位置で
停止できる。なお、平面鏡２による視野方向１の曲がり
は９０°以下なので、星からの入射光が機体７に妨げら
れることはない。

【００１１】図２は、スピン安定型人工衛星の機体７に
図１の実施例を取り付けた上面図である。図２におい
て、１１は視野方向１の中心を示す視野中心方向、１２
は平面鏡２の回転の基点、１３は人工衛星のスピン軸、
θは平面鏡２の回転角である。視野中心方向１１は、視
野方向１の中心を図面の平面に投影した方向である。基
点１２は回転部６あるいはこれに固定されている平面鏡
２の回転の度合を示すための基準点であり、回転軸５か
ら見た基点１２方向と視野中心方向１１のなす角度を反
時計回りに計ったものを回転角θと定義する。図２では
回転角θ≒９０°となっている。また、人工衛星の機体
７はスピン軸１３を軸にスピンする。

【００１２】図３は、図２の配置におけるスタースキャ
ナの視野方向を示す図であり、平面鏡２の回転角θによ
って人工衛星機体に対して視野方向が変化する様子を図
３（ａ），（ｂ），（ｃ）に示す。

【００１３】図３（ａ）は回転角θ＝０°の場合であ
る。この場合は視野方向１はスピン軸１３方向に近い方
向になり、人工衛星の機体７のスピンに伴い、ドーナツ
状の領域内の星１４ａを検出できる。同様に図３（ｂ）
は回転角θ＝１８０°の場合であり、図３（ａ）のほぼ
反対の方向、図３（ｃ）は回転角θ＝２７０°の場合で
あり、スピン軸１３とほぼ垂直の方向の、それぞれドー
ナツ状の領域内の星１４ｂ、１４ｃを検出できる。この
ようにこのスタースキャナの視野方向１は、平面鏡２の
回転角θを３６０°の範囲で設定することにより、ほぼ
全天球をカバーすることができる。

【００１４】

【発明の効果】以上説明したように本発明は、視野方向
を９０°以下の角度で曲げる平面鏡の回転角を変更する
ことにより、人工衛星機体に対してどの方向にある星で
も検出可能である。これはいいかえれば人工衛星機体が
いかなる姿勢であっても星が検出可能であることで、従
来のスタースキャナによって制限されていた人工衛星の
とり得る姿勢の制限をなくすことができる効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例の縦断面図である。

【図２】図１の実施例のスタースキャナを人工衛星の機
体に取り付けた上面図である。

【図３】図２の配置におけるスタースキャナの視野方向
を示す図であり、図３（ａ）は平面鏡の回転角θが０
°，図３（ｂ）は回転角θが１８０°，図３（ｃ）は回
転角θが２７０°の場合を示す。

【図４】従来のスタースキャナの縦断面図である。

【図５】従来のスタースキャナの受光部視野方向を示す
図である。

【符号の説明】

１ 視野方向 ２ 平面鏡 ３ レンズ ４ 受光部 ５ 回転軸 ６ 回転部 ７ 機体 ８ 機体側面 １１ 視野中心方向 １２ 基点 １３ スピン軸 １４ａ，１４ｂ，１４ｃ 星

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 スピン安定型人工衛星に取り付けられ恒
   星を検出するためのレンズと受光部とを有するスタース
   キャナにおいて、前記スピン安定型人工衛星の機体側面
   外に配置され前記レンズと前記受光部の中心を結ぶ線を
   軸として回転可能であるとともに前記受光部の視野方向
   を９０°以下の角度で曲げる平面鏡を備えることを特徴
   とするスタースキャナ。