JPH0579400A - エンジンのシリンダブロツク構造 - Google Patents

エンジンのシリンダブロツク構造

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JPH0579400A
JPH0579400A JP24165991A JP24165991A JPH0579400A JP H0579400 A JPH0579400 A JP H0579400A JP 24165991 A JP24165991 A JP 24165991A JP 24165991 A JP24165991 A JP 24165991A JP H0579400 A JPH0579400 A JP H0579400A
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JP
Japan
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cylinder
liner
engine
cylinder block
wall portion
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Application number
JP24165991A
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English (en)
Inventor
Takuji Sasada
卓司 笹田
Mitsuo Mimura
光生 三村
Koji Nakahara
康志 中原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mazda Motor Corp
Original Assignee
Mazda Motor Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 シリンダーライナーを備えたシリンダブロッ
クにおいて、その軽量化と、シリンダーライナーの締結
強度の向上を図る。 【構成】 シリンダボア10部分を形成するシリンダ部
2を、外壁部4とこれに内挿されたシリンダーライナー
5とで構成する一方、上記外壁部4の下端に形成したラ
イナー取付面41に対して、上記シリンダーライナー5
の下端部に形成したフランジ部52をボルト締着してな
るエンジンのシリンダブロックにおいて、上記ライナー
取付面41上に、該ライナー取付面41に開口し且つシ
リンダボア配列方向に延びる凹部15を形成したもの。
かかる構成により、上記凹陥部15の分だけシリンダブ
ロックの軽量化が図れるとともに、上記外壁部4とシリ
ンダーライナー5との間における熱膨張差に起因して取
付ボルト8にかかる応力が可及的に吸収緩和されその締
結強度が向上せしめられる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本願発明は、エンジンのシリンダ
ブロック構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般にエンジンのシリンダブロックは、
その上部に位置してシリンダボア部分を構成するシリン
ダ部と、下部に位置してクランクケースを構成するスカ
ート部とで構成され、しかも該スカート部はエンジン幅
方向の両側に分離した状態で形成されることからエンジ
ン幅方向における剛性確保が難しく、またこのスカート
部のエンジン幅方向への変形は上記シリンダボアの変形
に少なからぬ影響を及ぼすため、極力抑制することが必
要となる。
【0003】また一方、シリンダブロックは、従来はこ
れを鋳鉄等によって一体的に形成するのが一般的であっ
たが、近年においてはエンジンの軽量化の要請から、シ
リンダブロックを、耐摩耗性が要求されるシリンダボア
部分のみ鋳鉄製のシリンダーライナーで構成し、その他
の部分はたとえばアルミ合金等の径金属で構成するのが
主流となっている。
【0004】このような背景から、シリンダーライナー
を備えたシリンダブロックにおいて、該シリンダーライ
ナーによってスカート部のエンジン幅方向への拡開変形
を防止しもってシリンダボアの真円度を確保するという
思想が生じ、これを具現化する一つの方法として、例え
ば実開昭62ー69044号公報に開示される如く、シ
リンダーライナーの下端にエンジン幅方向に延出するフ
ランジ部を形成する一方、該シリンダーライナーを内挿
せしめる外壁部の下端面にライナー取付面を形成し、該
ライナー取付面に対して上記シリンダーライナーのフラ
ンジ部を衝合させ、これら両者を取付ボルトによって下
方側から締着固定し、もって該シリンダーライナーのフ
ランジ部によりシリンダブロックのエンジン幅方向の剛
性を高めるようにしたものが知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、このように
単に外壁部のライナー取付面に対してシリンダーライナ
ーのフランジ部をボルト締結する構成とした場合には、
熱膨張率の大きいアルミ合金製とされる外壁部と熱膨張
率の小さい鋳鉄製とされるシリンダーライナーとの間に
おける熱膨張差により、この両者を衝合状態で締着固定
する取付ボルトに対してその剪断方向に大きな応力が作
用し、該外壁部とシリンダーライナーの締結強度が損な
われ、延いてはシリンダーライナーのフランジ部による
シリンダブロックの剛性向上効果が十分に発揮できない
という問題があった。
【0006】さらに、このようにシリンダーライナーに
フランジ部を付設するとそれだけ該シリンダーライナー
の重量が増加することから、シリンダブロックの剛性ア
ップは図れるものの、エンジンの軽量化の要請に反する
ということもかねてより指摘されていた。
【0007】そこで本願発明は、シリンダーライナーを
備えたシリンダブロックにおいて、外壁部とシリンダー
ライナーとの締結強度を高めてシリンダブロックの剛性
向上を図るとともに、その軽量化をも同時に達成せんと
してなされたものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本願発明ではかかる課題
を解決するための具体的手段として、請求項1記載の発
明では、シリンダブロックの上部に位置してシリンダボ
ア部分を形成するシリンダ部を、エンジン外壁の一部を
形成する外壁部と、該外壁部の内側に嵌挿配置されると
ともにその内部をシリンダボアとしたシリンダーライナ
ーとで構成する一方、上記外壁部の下端面をシリンダボ
ア軸方向に直交する方向に延びるライナー取付面とする
とともに、上記シリンダーライナーの下端部にはその径
方向外方へ延出するフランジ部を形成し、上記ライナー
取付面に対して上記フランジ部を衝合させ且つこれら相
互間を取付ボルトによって締結することで上記外壁部と
シリンダーライナーとを一体的に結合し得る如くしたエ
ンジンのシリンダブロック構造において、上記ライナー
取付面上のしかも上記シリンダーライナーの外周面と上
記取付ボルトの取付位置との中間に位置する部位に、該
ライナー取付面に開口し且つシリンダボア配列方向に延
びる凹陥部を形成したことを特徴とする。
【0009】請求項2記載の発明では、請求項1記載の
エンジンのシリンダブロック構造において、上記外壁部
の内面と上記シリンダーライナーの外周面との間にウォ
ータージャケットを形成したことを特徴としている。
【0010】請求項3記載の発明では、請求項1記載の
エンジンのシリンダブロック構造において、複数のシリ
ンダボアにそれぞれ対応して設けられた複数の上記凹陥
部を相互に連続させ、且つその連続方向における断面積
を大小交互に変化させるとともに、そのライナー取付面
側への開口端を上記各シリンダーライナーのフランジ部
によって覆蓋してこれをブローバイガス通路とし、該ブ
ローバイガス通路の一端側から他端側に向けてブローバ
イガスを流通せしめ得る如くしたことを特徴としてい
る。
【0011】
【作用】本願各発明ではかかる構成とすることによって
それぞれ次のような作用が得られる。
【0012】 請求項1記載の発明では、エンジンの
運転に伴ってエンジン温度が上昇すると、通常アルミ合
金等の軽金属で構成された熱膨張率の大きい外壁部と、
鋳鉄で構成され比較的熱膨張率の小さいシリンダーライ
ナーとの間における熱膨張差が次第に大きくなり、相互
に衝合固定される上記外壁部のライナー取付面とシリン
ダーライナーのフランジ部との間においては、上記熱膨
張差に起因して該ライナー取付面側には圧縮力が、フラ
ンジ部側には引張力がそれぞれ作用し、この結果、これ
らを相互に衝合状態で締結固定する取付ボルトにはその
剪断方向に大きな応力が発生することとなる。
【0013】しかしこの場合、このライナー取付面上の
しかも該取付ボルトと上記シリンダーライナーの外周面
との間に凹陥部が形成されていることから、該ライナー
取付面部分におけるライナー取付面側の圧縮力が、該凹
陥部が適度に変形することで効果的に吸収緩和され、こ
の両者間に比較的大きな熱膨張差があるにもかかわら
ず、上記取付ボルトにかかる応力は可及的に小ならしめ
られるものである。
【0014】また一方、シリンダーライナーの下端に一
体的に延出形成されたフランジ部によってシリンダブロ
ックの左右両側壁が相互に結合されることから、該シリ
ンダブロックのスカート部の拡幅変形が可及的に抑制さ
れるものである。
【0015】 請求項2記載の発明では、上記シリン
ダーライナーが、その外周面が直接ウォータージャケッ
トの壁面の一部を構成するいわゆるウェットライナーと
されていることから、該シリンダーライナーはウォータ
ージャケット内の冷却水によってより効率良く冷却さ
れ、結果的に、該シリンダーライナーと、該シリンダー
ライナーの構成の如何にかかわらずその内周面がウォー
タージャケットの壁面の一部を構成する構造とされるの
が通例である外壁部との間における温度差、即ち熱膨張
差がさらに拡大することとなる。
【0016】しかし、この場合においても、上記に記
載したと同様に、外壁部のライナー取付面に形成した凹
陥部が適度に変形することにより該外壁部のライナー取
付面側の熱膨張変形の影響が取付ボルト側に及ぶのが効
果的に吸収緩和されることから、該外壁部とシリンダー
ライナーとの間の熱膨張差に起因して取付ボルトにかか
る剪断方向における応力は可及的に小ならしめられるも
のである。
【0017】 請求項3記載の発明では、上記記載
の作用に加えて、各シリンダボアに対応してそれぞれ形
成された各凹陥部を相互に連通させ且つその断面積をそ
の連続方向に大小交互に変化させるとともにその開口端
をシリンダーライナーのフランジ部によって覆蓋してこ
れをブローバイガス通路としていることから、ブローバ
イガスを該ブローバイガス通路の一端側から他端側に向
けて流すことにより、該ブローバイガス中に混入してい
るオイル成分は、該ブローバイガスがその流通途中にお
いて圧縮と膨張とを交互に繰り返すことでガス成分から
容易に分離除去されることとなる。
【0018】そして、特にシリンダーライナーがウォー
タージャケットの壁面の一部を構成する構造のものにあ
っては、該シリンダーライナーの冷却性が高いことか
ら、該シリンダーライナーのフランジ部によって覆蓋さ
れたブローバイガス通路の内部を流れるブローバイガス
もその温度が低くなり、それだけオイル分離作用がより
一層促進されるものである。
【0019】
【発明の効果】従って、本願各発明のエンジンのシリン
ダブロック構造によればそれぞれ次のような効果が得ら
れる。
【0020】(a) 請求項1記載のエンジンのシリンダブ
ロック構造によれば、外壁部のライナー取付面上に凹陥
部を形成するという簡単な構成により、該外壁部とシリ
ンダーライナーとの間の熱膨張差に起因して取付ボルト
にかかる剪断方向の応力が可及的に低減されることか
ら、該取付ボルトによる外壁部とシリンダーライナーと
の間における締結強度がより一層向上せしめられ、延い
ては該シリンダーライナーのフランジ部によるシリンダ
ブロックの剛性アップ効果がより確実ならしめられるも
のである。
【0021】また、上記外壁部のライナー取付面に凹陥
部を形成したことにより、シリンダーライナーにフラン
ジ部を形成したことによる重量アップが相殺されること
から、シリンダブロックの剛性アップをその重量増を招
くことなく達成することができ、シリンダブロックの剛
性アップと軽量化とを両立し得るという効果が得られる
ものである。
【0022】(b) 請求項2記載のエンジンのシリンダブ
ロック構造によれば、外壁部のライナー取付面に形成し
た凹陥部により該外壁部とシリンダーライナーとの間に
おける熱膨張差に起因して取付ボルトにかかる剪断方向
の応力が効果的に抑制されることから、特にこの発明の
如くシリンダーライナーがいわゆるウェットライナー構
造とされている場合(即ち、外壁部とシリンダーライナ
ーとの熱膨張差がさらに大きいような場合)には、該外
壁部とシリンダーライナーとの締結強度の向上という効
果がより顕著となるものである。尚、その他に上記記
載のものと同様の効果が得られることは勿論である。
【0023】(c) 請求項3記載のエンジンのシリンダブ
ロック構造によれば、上記(a)又は(b)記載の効果に加え
て、外壁部のライナー取付面に形成した凹陥部をブロー
バイガス通路として機能させてブローバイガス中のオイ
ル成分の分離除去を行わしめるようにしていることか
ら、専用のブローバイガス通路を別に設ける必要がな
く、それだけエンジンの構造の簡略化が図れるものであ
り、特にシリンダーライナーをいわゆるウェットライナ
ー構造とした場合にはブローバイガスの冷却効果も加わ
って、さらに高いオイル分離性能を確保することができ
るものである。
【0024】
【実施例】以下、添付図面に示す実施例に基づいて本願
発明のエンジンのシリンダブロック構造を具体的に説明
すると、図1A及び図1Bには本願の各請求項に記載の
発明の実施例にかかる自動車用4気筒エンジンのシリン
ダブロックZが示されており、該シリンダブロックZ
は、後述するブロック本体1とシリンダーライナー5と
で構成されている。
【0025】上記シリンダーライナー5は、鋳鉄鋳物に
よって一体形成されるものであって、その内周面5bで
シリンダボア10を構成する円筒状の直筒部51と、該
直筒部51の下端に連続し且つシリンダボア中心を挟ん
で径方向外方へそれぞれ延出する左右一対のフランジ部
52,52とで構成されている。
【0026】上記ブロック本体1は、アルミ合金鋳物に
よって4つの気筒を一体的に形成したものであって、そ
の上部は上記各シリンダーライナー5,5,・・とともに
各シリンダボア部分を構成する外壁部4とされ、またそ
の下部はエンジン幅方向両側に分離した状態で位置する
左右一対のスカート部3,3とされ、さらにこの各スカ
ート部3,3の間は、下方に開口するクランク軸受部1
2をそれぞれ備えた5つのバルクヘッド11,11,・・
によってエンジン幅方向に連結されている。
【0027】さらに、上記外壁部4の内周面4aは、上
記シリンダーライナー5が嵌挿されるライナー嵌挿穴4
aとされるとともに、該ライナー嵌挿穴4aの上下方向中
段位置には各気筒間に跨がるようにして凹部42が形成
されている。そして、この凹部42は、上記ライナー嵌
挿穴4a内にその下端側から上記シリンダーライナー5
を嵌挿せしめた状態において該シリンダーライナー5の
外周面5aとの間でウォータージャケット6を形成す
る。
【0028】また、上記外壁部4の下端は、各シリンダ
ボア10,10,・・に対応する部分においてそれぞれ上
記ライナー嵌挿穴4aから上記スカート部3に向って水
平方向外方へ延びる平坦面とされ、これをそれぞれライ
ナー取付面41,41,・・としている。そして、上記シ
リンダーライナー5は、その直筒部51を上記ライナー
嵌挿穴4aに嵌挿せしめるとともに、そのフランジ部5
2を上記ライナー取付面41に衝合させた状態で外壁部
4側に装着されるとともに、上記フランジ部52を取付
ボルト8,8によってライナー取付面41側に締着する
ことで該外壁部4と一体化されている。尚、該シリンダ
ーライナー5の上端部は、上記外壁部4のライナー嵌挿
穴4aに対して圧入嵌合せしめられている。また、この
ブロック本体1の外壁部4とその内部に嵌挿固定された
シリンダーライナー5とで、特許請求の範囲中のシリン
ダ部2が構成されている。
【0029】さらに、この各シリンダボア10,10,・
・に対応した左右両側の各ライナー取付面41,41の
しかも上記取付ボルト8の取付位置と上記ライナー嵌挿
穴4a(即ち、上記シリンダーライナー5の外周面5a)と
の中間位置には、それぞれ所定幅及び所定深さをもって
該ライナー取付面41から上方に凹入する凹陥部15,
15,・・が形成されている。そして、この実施例のも
のにおいては、図1Bに示すように、シリンダボア10
をエンジン幅方向に挟んで対向する左右一対の各ライナ
ー取付面41,41に設けられる各凹陥部15,15のう
ち、その一方側(図面下側)に位置する凹陥部15は、
これを上記ライナー嵌挿穴4aに沿って隣合う一対のバ
ルクヘッド11,11間に跨がるようにして形成してい
る。従って、この一方側に位置する各凹陥部15,15,
・・は、それぞれ独立した構成となっている。
【0030】これに対して、シリンダボア10の他方側
(図面上側)に位置する各ライナー取付面41,41,・・
にそれぞれ形成される各凹陥部15,15,・・は、上記
各バルクヘッド11,11,・・を貫通した状態で相互に
連通せしめられている。そして、このシリンダブロック
Zの軸方向の一端側から他端側に連続して延びる各凹陥
部15,15,・・は、上記各シリンダーライナー5,5,
・・の各フランジ部52,52によってそれぞれ閉塞さ
れることでシリンダボア配列方向に延びる一連の通路を
形成しており、特にこの実施例においてはこの通路をブ
ローバイガス通路20として利用している。また、この
場合、このブローバイガス通路20は、各凹陥部15,
15,・・のシリンダボア10側寄りの壁面を該シリン
ダボア10に沿う如く湾曲形状とする一方、反シリンダ
ボア10側寄りの壁面をほぼ直線状とすることで、その
一端側から他端側に向ってその通路断面積が大小交互に
変化するようにしている。
【0031】尚、このブローバイガス通路20は、その
一端側においてはライナー取付面41上に開口するガス
入口21に連通せしめられ、また他端側においてはガス
出口22に連通せしめられており、クランクケース内に
発生したブローバイガスは、このガス入口21がブロー
バイガス通路20内に導入され、そのガス出口22から
排出されるようになっている。また、図1Aにおいて符
号7はピストンである。
【0032】このように構成されたシリンダブロックZ
を備えたエンジンにおいては、各シリンダーライナー5
の各フランジ部52,52により外壁部4を介して左右
両側の各スカート部3,3が相互に接続された状態とな
っていることから、該各スカート部3,3のエンジン幅
方向への拡開変形が可及的に抑制され、それだけ該シリ
ンダブロックZのエンジン幅方向における剛性が高めら
れることとなる。従って、各シリンダボア10,10,・
・の真円度も適正水準に維持され、それだけピストンリ
ングの耐摩耗性あるいはエンジンのポンピングロスが低
減されるものである。
【0033】また一方、エンジン始動後、燃焼熱により
次第にエンジン温度が上昇するが、これに伴ってブロッ
ク本体1の外壁部4及びシリンダーライナー5もそれぞ
れ熱膨張する。ところが、上述のように、この外壁部4
は熱膨張率の大きいアルミ合金で構成されているのに対
して、これに嵌挿されたシリンダーライナー5はアルミ
合金に比して熱膨張率の小さい鋳鉄で構成されているこ
とから、この両者間における熱膨張差がエンジン温度の
上昇とともに次第に大きくなる。
【0034】この両者の熱膨張差による影響を、相互に
衝合せしめられた上記外壁部4のライナー取付面41と
シリンダーライナー5のフランジ部52の部分において
考察すると、該ライナー取付面41部分は上記取付ボル
ト8の取付位置とライナー嵌挿穴4aとの間で径方向に
膨張し、また上記シリンダーライナー5のフランジ部5
2も同様に該取付ボルト8の取付位置と直筒部51との
間で径方向に膨張する。しかし、この両者の膨張量には
大きな差があることから、該ライナー取付面41側には
圧縮力が、またフランジ部52側には引張力がそれぞれ
作用することとなり、結果的に上記取付ボルト8にその
剪断方向に大きな応力が作用し、該両者間における締結
強度が低下し、延いては該フランジ部52を設けてシリ
ンダブロックZのエンジン幅方向における剛性アップを
図ったにもかかわらずその効果が十分に得られないこと
になることは既述の通りである。
【0035】ところが、この実施例のものにおいては、
上記ライナー取付面41の上記取付ボルト8取付位置と
ライナー嵌挿穴4aとの中間位置にシリンダボア配列方
向に延びる凹陥部15を形成していることから、上記ラ
イナー取付面41側に作用する圧縮力はこの凹陥部15
部分が適度に変形することで効果的に吸収緩和されるこ
とになり、この結果、該外壁部4とシリンダーライナー
5との間に本来大きな熱膨張差があるにもかかわらず、
上記取付ボルト8にはその剪断方向の応力がほとんどか
からず、それだけ該取付ボルト8による上記外壁部4と
シリンダーライナー5との間の締結強度がより高水準に
維持されることとなり、延いてはシリンダブロックZの
エンジン幅方向の剛性アップが図られるものである。
【0036】また、このように外壁部4側に凹陥部15
を形成した場合には、これが形成されていない場合に比
して、該凹陥部15の分だけブロック本体1の重量が軽
減され、延いてはシリンダブロックZの軽量化に寄与で
きるものである。また、見方をかえれば、シリンダーラ
イナー5にフランジ部52を形成したことによる重量ア
ップが凹陥部15を形成することで相殺されることか
ら、シリンダブロックZの重量アップを招くことなくそ
の剛性アップを図れるとも言える。
【0037】さらに、この実施例の如くシリンダーライ
ナー5が直接ウォータージャケット6の壁面を構成する
いわゆるウェットライナーにあっては、該シリンダーラ
イナー5の冷却性が良い分だけ、逆に外壁部4とシリン
ダーライナー5との間における熱膨張差が増大し、取付
ボルト8の応力低減という点においては不利となるが、
この場合にも上記凹陥部15によってこれが効果的に抑
制されることから、何等問題は生じず、このことからし
て特にウェットライナーを備えたものにおいてその効果
がより顕著であると言える。
【0038】一方、エンジンの運転継続に伴ってクラン
クケース内に発生したブローバイガスは、上記ガス入口
21からブローバイガス通路20内に導入され、そのガ
ス出口22から外部へ排出される。この場合、このブロ
ーバイガス通路20が、その通路面積が大小交互に変化
するように設定されていることから、該ブローバイガス
はこのブローバイガス通路20内を流通する間に交互に
膨張作用と圧縮作用を受けることとなり、該ブローバイ
ガス中に混入していたオイル成分は容易にガス成分から
分離除去されることとなる。このように、この実施例の
如く各凹陥部15,15,・・を連続させてこれでブロー
バイガス通路20を構成するようにした場合は、専用の
ブローバイガス通路及びオイルセパレーター機構を付設
する必要がないことから、それだけシリンダブロックZ
の構造の簡略化が図れるものである。
【0039】また、この場合、この実施例のようにウェ
ットライナー方式とした場合には、ブローバイガス通路
20の通路壁の一部を構成する各シリンダーライナー
5,5,・・のフランジ部52も冷却水によって効率良く
冷却されその温度が低く保持されることから、該ブロー
バイガス通路20内を流れるブローバイガス温度も低下
し、それだけブローバイガスからのオイル分離性能がさ
らに向上せしめられることとなる。
【0040】尚、この実施例においては、各シリンダボ
ア10,10,・・にそれぞれ対応して設けられた各一対
の凹陥部15,15のうち、エンジン幅方向の一方側の
各凹陥部15,15,・・のみを連続させてこれをブロー
バイガス通路20としたが、本願発明の他の実施例にお
いては他方側の各凹陥部15,15,・・をもブローバイ
ガス通路20として機能させることができることは勿論
である。また、各15,15,・・を全て相互に連通させ
ることもできるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1A】本願発明の実施例にかかるシリンダブロック
構造を備えたシリンダブロックの縦断面図である。
【図1B】図1AのI-I矢視図である。
【符号の説明】
1はブロック本体、2はシリンダ部、3はスカート部、
4は外壁部、5はシリンダーライナー、6はウォーター
ジャケット、7はピストン、8は取付ボルト、10はシ
リンダボア、11はバルクヘッド、12はクランク軸受
部、15は凹陥部、20はブローバイガス通路、21は
ガス入口、22はガス出口、41はライナー取付面、4
2は凹部、51は直筒部、52はフランジ部、Zはシリ
ンダブロックである。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリンダブロックの上部に位置してシリ
    ンダボア部分を形成するシリンダ部を、エンジン外壁の
    一部を形成する外壁部と、該外壁部の内側に嵌挿配置さ
    れるとともにその内部をシリンダボアとしたシリンダー
    ライナーとで構成する一方、上記外壁部の下端面をシリ
    ンダボア軸方向に直交する方向に延びるライナー取付面
    とするとともに、上記シリンダーライナーの下端部には
    その径方向外方へ延出するフランジ部を形成し、上記ラ
    イナー取付面に対して上記フランジ部を衝合させ且つこ
    れら相互間を取付ボルトによって締結することで上記外
    壁部とシリンダーライナーとを一体的に結合し得る如く
    したエンジンのシリンダブロック構造であって、上記ラ
    イナー取付面上のしかも上記シリンダーライナーの外周
    面と上記取付ボルトの取付位置との中間に位置する部位
    に、該ライナー取付面に開口し且つシリンダボア配列方
    向に延びる凹陥部を形成したことを特徴とするエンジン
    のシリンダブロック構造。
  2. 【請求項2】 請求項1において、上記外壁部の内面と
    上記シリンダーライナーの外周面との間にウォータージ
    ャケットを形成したことを特徴とするエンジンのシリン
    ダブロック構造。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2において、複数のシリン
    ダボアにそれぞれ対応して設けられた複数の上記凹陥部
    を相互に連続させ、且つその連続方向における断面積を
    大小交互に変化させるとともに、そのライナー取付面側
    への開口端を上記各シリンダーライナーのフランジ部に
    よって覆蓋してこれをブローバイガス通路とし、該ブロ
    ーバイガス通路の一端側から他端側に向けてブローバイ
    ガスを流通せしめ得る如くしたことを特徴とするエンジ
    ンのシリンダブロック構造。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007035047A (ja) * 2005-07-28 2007-02-08 Robert Bosch Gmbh アナログ信号のサンプリングにより得られたデータを処理する方法および装置
CN113330206A (zh) * 2019-02-01 2021-08-31 卡特彼勒公司 具有下衬套支承件的用于发动机气缸的衬套

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