JPH0579319B2 - - Google Patents

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JPH0579319B2
JPH0579319B2 JP24028886A JP24028886A JPH0579319B2 JP H0579319 B2 JPH0579319 B2 JP H0579319B2 JP 24028886 A JP24028886 A JP 24028886A JP 24028886 A JP24028886 A JP 24028886A JP H0579319 B2 JPH0579319 B2 JP H0579319B2
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lactic acid
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porous
coloring reagent
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Fumitada Arai
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Fuji Photo Film Co Ltd
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  • Investigating Or Analyzing Non-Biological Materials By The Use Of Chemical Means (AREA)
  • Investigating Or Analysing Biological Materials (AREA)
  • Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
[産業上の利用分野] 本発明は、血液、血清などの水性液体試料中の
乳酸含量を定量分析するために用いられる乾式分
析要素である乳酸定量用一体型多層分析要素に関
するものである。 [従来技術] 乳酸は解糖代謝の最終産物であつて、嫌気的に
ピルビン酸より生産される。このため、ピルビン
酸と同様に体液中の乳酸測定は糖代謝障害を調べ
る上で重要である(「実践臨床化学」、医歯薬出版
株式会社発行参照)。 乳酸の測定法としては、乳酸脱水素酵素(ラク
テートデヒドロゲナーゼ)を用いて、NADを下
記式: 乳酸+NAD→ピルビン酸+NADH に従つて、NADHに変え、このNADHを紫外部
吸収測定する方法、またはジアホラーゼ等の電子
伝達性化合物を用いて電子受容性色素形成性化合
物であるテトラゾリウム塩を還元させて可視部吸
収測定を行なう方法があるが、乳酸脱水素酵素を
用いてピルビン酸を生成する上記の反応には、高
いPH(PH8.0〜10)が必要になり、一方NADやテ
トラゾリウム塩は高いPH環境下では安定性が低い
との問題がある。これらの方法の欠点については
CLINICAL CHEMISTRY、Vol.18、1041頁
(1972)に詳しく記載されている。 別に、乳酸オキシダーゼを用いる方法も、特公
昭58−4557号公報に記載されているように知られ
ており、この方法は、乳酸脱水素法の欠点を解決
した有用な方法であるが、このオキシダーゼ法を
用いる場合、ビリルビン、ヘモグロビンの影響を
受け易く、これに対する対策を考える必要があ
る。 従つて、乳酸を乾式分析要素で定量する方法の
利用に関して、その分析要素に含有させる検出反
応用の呈色試薬の保存性が良く、干渉物の妨害を
受けにくい定量法の開発が望まれている。 [発明の要旨] 本発明の目的は、微量の検体(水性液体試料)
を用いて乳酸(乳酸塩であつてもよい)を迅速か
つ正確に測定することができ、かつ含有する検出
反応呈色試薬の保存安定性を向上させた一体型乾
式多層型分析要素を提供することにある。 本発明は、光透過性水不透過性支持体の上に、
ラクテートデヒドロゲナーゼ、酸化型ニコチンア
ミド補酵素、電子伝達性化合物およびテトラゾリ
ウム塩を含む乳酸検出用呈色試薬組成物と親水性
ポリマーバインダーとを含有する乳酸検出呈色試
薬層、および該乳酸検出呈色試薬層の上に設けら
れた多孔性展開層を有する乳酸定量用一体型多層
分析要素において、上記多孔性展開層が、該層に
水性液体試料が点着供給された際に分析要素内の
PH値を8.0〜10.0の範囲に調整するようなPH緩衝
剤を含むことを特徴とする乳酸定量用一体型多層
分析要素にある。 [発明の詳細な記述] 本発明の乳酸定量用一体型多層分析要素は、そ
の層構成として、基本的には光透過性水不透過性
支持体上に、少なくとも検出試薬層と展開層を有
していれば良いが、更に反射層、多孔質展開層、
光遮蔽層、濾過層、検出(registration)層、吸
水層、下塗層などの補助層を一または二以上を含
む多重層からなる分析要素であつてもよい。 上記のような構成の一体型多層分析要素につい
ては、米国特許第3992158号および同第4042335号
各明細書に開示されている。 本発明の乳酸定量用一体型多層分析要素の層構
成として、実用的に好ましい層構成を以下に挙げ
る。 (1) 支持体上に、乳酸検出呈色試薬層と多孔性展
開層とを有するもの。 (2) 支持体上に、吸水層、乳酸検出呈色試薬層お
よび展開層をこの順に有するもの。 (3) 支持体上に、乳酸検出呈色試薬層、反射層ま
たは濾過層、そして多孔性展開層をこの順に有
するもの。 (4) 支持体上に、吸水層、乳酸検出呈色試薬層、
濾過層、そして多孔性展開層をこの順に有する
もの。 本発明の乳酸定量用一体型多層分析要素におい
て用いられる光透過性水不透過性支持体の例とし
ては、ポリエチレンテレフタレート、ビスフエノ
ールAのポリカルボネート、ポリスチレン、セル
ロースエステル(例、セルロースジアセテート、
セルローストリアセテート、セルロースアセテー
トプロピオネート等)等のポリマーからなる厚さ
約50μmから約1mm、好ましくは約80μmから約
300μmの範囲のフイルム、もしくはシート状の
透明支持体を挙げるとができる。 光透過性水不透過性支持体の上には、前述のよ
うに、吸水層を設けることができる。吸水層は、
点着された水性液体試料中の水分を吸収して、検
出反応の効率を高めるために設ける層であつて、
通常、親水性ポリマーから形成される層である。
この親水性ポリマーは、一般には水吸収時の膨潤
率が30℃で約1.5〜20、好ましくは約2.5〜15の範
囲の天然または合成親水性ポリマーが用いられ、
その親水性ポリマーの例としては、ゼラチン
(例、アルカリ処理ゼラチン、酸処理ゼラチン
等)、ゼラチン誘導体(例、フタル化ゼラチン
等)、アガロース、ポリアクリルアミド、ポリビ
ニルアルコール、ポリビニルピロリドン等を挙げ
ることができる。吸水層には、さらに必要に応じ
て、界面活性剤(カチオン性、両性または非イオ
ン性の界面活性剤)を含有させることもできる。 光透過性水不透過性支持体の上に直接、あるい
は上記のように、吸水層を設けた上で、乳酸検出
用呈色試薬組成物と親水性ポリマーバインダーと
を含有する乳酸検出呈色試薬層が設けられる。 乳酸検出用呈色試薬組成物は、ラクテートデヒ
ドロゲナーゼ、酸化型ニコチンアミド補酵素、電
子伝達性化合物およびテトラゾリウム塩を含む組
成物である。 ラクテートデヒドロゲナーゼは、乳酸脱水素酵
素とも呼ばれ、乳酸の分析に一般的に用いれられ
ている酵素である。ラクテートデヒドロゲナーゼ
(乳酸脱水素酵素)[EC 1.1.1.27]は、分析要素
の面積1m3当り2000〜2500Uの量で用いるのが好
ましい。 酸化型ニコチンアミド補酵素とは、具体的には
NAD+(ニコチンアミド・アデニンジヌクレオチ
ド酸化型)またはNADP+(ニコチンアミド・ア
デニンジヌクレオチド・ホスフエート酸化型)を
意味する。NAD+およびNADP+のうち、どちら
を使用するかは、検出反応に関与するラクテート
デヒドロゲナーゼの種類に応じて決定される。
NAD+あるいはNADP+は0.05〜2.0g/m2の範囲
の量で使用するのが好ましい。 電子伝達性化合物は、水性液体試料中の被検物
質(アナライト)の反応により生成した還元型ニ
コチンアミド補酵素(電子供与体)から電子を受
け取つて、後述する電子受容性色素形成性化合物
であるテトラゾリム塩を還元する機能を有する化
合物である。このような電子伝達性化合物の具体
例としては、5−メチルフエナジニウム・メチル
スルフエートあるいは1−メトキシ−5−メチル
フエナジニウム・メチルスルフエート等のN−メ
チルフエナジン・メトサルフエート類およびジア
ホラーゼ(ジヒドロリポアミドレダクテーザ、
EC1.6.4.3)等を挙げることができる。 電子伝達性化合物としては、上記の5−メチル
フエナジウム・メチルスルフエートのような化学
合成物とジアホラーゼのような天然物のいずれも
用いることが可能であり、5−メチルフエナジニ
ウム、メチルスルフエートを用いる場合には、分
析要素の面積に対して0.2〜1.0g/m2の範囲の量
で用いるのが好ましく、またジアホラーゼ
(EC1.6.4.3)は臓器由来、Bacillus
stearolhermophilus、Clostridium Kluyveri由来
等のものが使用でき、500〜20000U/m2で用いる
のが好ましい。 テトラゾリウム塩は、電子受容性色素(染料)
形成性化合物であり、上記電子伝達性化合物によ
り還元され、長波長領域において検出可能な色素
(染料)を形成する物質である。 そのような電子受容性色素(染料)形成性のテ
トラゾリウム塩の具体例としては、下記の化合物
を挙げることができる。 3、3′−(3、3′−ジメトキシ−4、4′−ビフエ
ニレン)−ビス−[2−(p−ニトロフエニル)−
2H−テトラゾリウムクロリド(=NBT); 3−(p−ヨードフエニル)−2−(p−ニトロ
フエニル)−5−フエニル−2H−テトラゾリウム
クロリド(=INT); 3−(4,5−ジメチル−2−チアゾリル)−
2H−テトラゾリウムブロミド(=MTT); 3、3′−(4、4′−ビフエニレン)−ビス(2,
5−ジフエニル)−2H−テトラゾリウムクロリ
ド; 3,3′−(3,3′−ジメトキシ−4,4′−ビフエ
ニレン)−ビス(2,5−ジフエニル)−2H−テ
トラゾリウムクロリド;および、 3,3′−(3,3′−ジメトキシ−4,4′−ビフエ
ニレン)−ビス[2,5−ビス(p−ニトロフエ
ニル)−2H−テトラゾリウムクロリド]。 テトラゾリウム塩は乾式分析要素の面積当り、
0.05〜1.0g/m2の量で用いるのが好ましい。 なお、上記酸化型ニコチンアミド補酵素、電子
伝達性化合物およびテトラゾリウム塩を含む検出
反応系の詳細については、 A.L.Babson等によるCLINICA CHIMICA
ACTA Vol.12、210〜215頁(1965); R.J.Gay等によるCLINICAL CHEMISTRY
Vol.14(8)、740−753頁(1968);および、 R.D.Capps等によるCLINICAL
CHEMISTRY Vol.12(7)、406−413頁(1966) 等の文献に詳しく記載されている。 テトラゾリウム塩は0.05〜10g/m2で用いるの
が好ましい。 なお乳酸検出呈色試薬層は一層構成でもよく、
複数の層から構成してもよい。 特にNAD+とテトラゾリウム塩を同一塗布液で
溶解した場合には、カブリが生じ易いので、これ
らを二つの塗布液に分けて別層に塗布すると、塗
布液調製時のカブリが低減されて、達成される分
析精度が向上する。 なお、乳酸を乳酸脱水素酵素を用いて反応させ
ると、その生成物としてピルビン酸が生成する。
このピルビン酸の生成量が増えると、乳酸脱水素
酵素の反応が低下する。これに対処するために、
生成したピルビン酸を分解させることが有用であ
り、このためには、硫酸ヒドラジンやグルタミン
酸とグルタミン酸とピルビン酸トランスアミナー
ゼ等を乳酸検出呈色試薬層に添加することが有効
である。 乳酸検出呈色試薬層の上には直接、あるいは吸
水層、接着層、濾過層、反射層(光遮蔽層)など
のような一もしくは二以上の補助層を介して多孔
性展開層が設けられる。 ここで設けることのできる吸水層は、支持対上
に設ける態様として前述した構成をとることがで
きる。 接着層は、親水性ポリマーからなる層であり、
用いられる親水性ポリマーは、一般には水吸収時
の膨潤率が30℃で約1.5〜20、好ましくは約2.5〜
15の範囲の天然または合成親水性ポリマーであ
る。その例としては、ゼラチン(例、アルカリ処
理ゼラチン、酸処理ゼラチン等)、ゼラチン誘導
体(例、フタル化ゼラチン等)、アガロース、ポ
リアクリルアミド、ポリビニルアルコール、ポリ
ビニルピロリドン等を挙げることができる。さら
に必要に応じて界面活性剤(カチオン性、両者ま
たは非イオン性界面活性剤)を含有させることも
できる。 なお、接着層は乳酸検出呈色試薬の上以外に
も、他の層間の接着力を向上させるため所望の層
の上に設けてもよい。 光遮蔽層は一般に、上記のような皮膜形成能を
有する親水性ポリマーをバインダーとして、光反
射性微粒子が分散含有されている水浸透性の層で
ある。光反射性微粒子は、乳酸検出呈色試薬層
(または、吸水層)に生じた検出可能な変化(色
変化、発色等)を光透過性を有する支持体側から
反射測光する際に、多孔性展開層に点着供給され
た水性液体試料の色、特に試料が全血である場合
のヘモグロビンの赤色等を遮蔽するとともに、光
反射層または背景層としても機能する。 光反射性を有する微粒子の例としては、二酸化
チタン微粒子、硫酸バリウム微粒子が好ましい。
本発明において、必要に応じ展開層中にも上記の
ごとき光遮蔽性微粒子を含有させてもよい。 多孔性展開層とは、その表面に点着供給された
水性液体試料を、その中に含有している成分(特
にアナライト)を実質的に偏在させることなく、
横(水平)方向に単位面積当りほぼ一定量の割合
で広げる作用を有するものであり、既に多くの乾
式分析要素において使用されている。 展開層のマトリツクスを構成する材料として
は、試薬類の保持性の点で、織物生地および編物
生地に代表される繊維質層を用いることが特に好
ましい。本発明の乾式分析要素に用いることがで
きる織物生地または編物生地は水洗等の脱脂処理
により少なくとも糸製造時、織物製造時あるいは
編物編成時に供給または付着した油脂類を実質的
に除去した織物または編物生地が好ましい。 上記織物または編物生地を一体型多層分析要素
の展開層として用いる場合には、さらにその織物
または編物生地に特開昭57−66359号公報に開示
の物理的活性化処理(好ましくはグロー放電処理
またはコロナ放電処理等)を生地の少なくとも片
面に施すか、あるいは特開昭55−164356号、特開
昭57−66359号公報等に開示の親水性ポリマー含
浸処理等の親水化処理またはこれらの処理工程を
逐次実施することにより織物または編物を親水化
し、下側(支持体に近い側)の層との接着力を強
化することができる。 織物または編物生地からなる一体型多層分析要
素の展開層を前述した吸水層または接着層に接
着、積層するには、特開昭55−164356号および特
開昭57−66359号各公報等に開示の方法に従つて
作成することができる。すなわち、吸水層または
接着層の塗布後、未乾燥のうちに、または乾燥後
の層に水(または界面活性剤を少量含む水)を実
質的に均一に供給して層を膨潤させ、ついで織物
または編物生地を湿潤または膨潤している層の上
に実質的に均一に軽く圧力をかけながら接着、積
層し一体化する。 本発明の分析要素の多孔性展開層は、展開を制
御するために親水性ポリマーを含有することがで
き、更に界面活性剤を含浸することができる。親
水性ポリマーとしてはセルロース誘導体、ポリビ
ニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリア
クリルアミドを挙げることができる。 界面活性剤としては、非イオン性、両性、カチ
オン性、アニオン性などの界面活性剤から分析項
目より適宜選択して用いることできる。また、塗
布層を通過し難い親油性高分子量物質などの検出
物質(アナライト)の分析のために、この多孔性
展開層に分解酵素を含浸することもできる。 本発明の分析要素の多孔性展開層には、PH緩衝
剤が含浸される。PH緩衝剤の例としては、2−ア
ミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール、
2−アミノ−2−エチル−1,3−プロパンジオ
ール、ジエタノールアミン、エタノールアミン、
2−アミノ−2−メチル−1−プロパンジオー
ル、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、
トリメチルアミン等の各種のアミン系化合物が挙
げられる。このほかに用いうるPH緩衝剤として
は、日本化学会編「化学便覧 基礎編」(東京、
丸善(株)、1966年発行、1312−1320頁、R.M.C.
Dawson et al編「Data for Biochemical
Research」第2版(Oxford at the Clarendon
Press、1969年発行)476−508頁、
「Biochemistry」、467頁以降(1966年)、
「Analytical Biochemistry」104300−310頁
(1980)等に記載のPH緩衝剤系がある。 PH緩衝剤(PH調製剤)は、その種類および/ま
たは含浸量を選んで、その多孔性展開層に水性液
体試料が点着供給された際に、分析要素内のPH値
を、8.0〜10.0の範囲に調整することのできるよ
うに多孔性展開層に加える。 本発明の分析要素の製造方法においては、PH緩
衝剤と、併用される親水性ポリマーとを乳酸検出
用呈色試薬組成物を実質的に溶解せず、かつ呈色
試薬層の親水性ポリマーバインダーを実質的に膨
潤させない有機溶媒に溶解または分散させて多孔
性展開層に加えることが望ましい。従つて、展開
層用の親水性ポリマーと呈色試薬層用の親水性ポ
リマーとは異なる溶解性(特に有機溶媒に対する
溶解性)を有するものであることが望ましい。但
し、それらの層間に他の層を介在させる場合に
は、必ずしもそのような配慮は必要ではない。 有機溶媒はこのような条件を満たすものであれ
ばよいが、一般的には沸点が100℃以下の極性溶
媒がよく、例えば、脂肪族アルコール(例、メタ
ノール、エタノール、プロパノール、ブタノー
ル、イソプロピルアルコール)、ジアルキルケト
ン(例、アセトン)、ジアルキルエーテル(例、
ジメチルエーテル)、脂肪族環状エーテル(例、
テトラヒドロフラン、ジオキサン)等が適当であ
る。これらのなかでは脂肪族アルコールが好まし
く、作業環境等も考慮すると、エタノール、プロ
パノール、ブタノール、イソプロピルアルコール
等の人体の毒性の小さいアルコールが特に望まし
い。溶液または分散液の濃度は含有を容易に行な
うことができかつ多孔性展開層に均一に浸透させ
うる範囲でなるべ高濃度にするのがよく、これは
PH緩衝剤と、併用される親水性ポリマーの種類等
にもよるが、例えば約0.2〜10%、好ましくは約
0.3〜7%の範囲で用いられる。この溶液の調製
は常法により行なうことができる。乳酸検出用呈
色試薬組成物の多孔性展開層へのマイグレーシヨ
ン(混入)が実質的に生じない範囲で有機溶媒に
水を混合して用いることができる。 多孔性展開層に界面活性剤を含有せしめる場合
には、PH緩衝剤および親水性ポリマーと界面活性
剤との混合溶液にしてもよく、別々の溶液にして
別個に含有させてもよい。 PH緩衝剤の多孔性展開層への導入は、該展開層
を積層した後に行なうのがよい。展開層がミクロ
フイルター、編物あるいは織物などの構造体の場
合には、先に含有させてから積層することもでき
るが、その場合には含有量のコントロールが難し
いという問題点がある。従つて、多孔性展開層を
呈色試薬層の上に(直接、または接着層等を介し
て)設けた後に、PH緩衝剤を展開層中に含有させ
るのが、得られる分析要素の分析精度、および製
造コストの点で有利である。PH緩衝剤を、積層し
た多孔性展開層に導入するには、例えば多孔性展
開層の上から公知の方法により均一に塗布あるい
は噴霧すればよい。乾燥は風乾あるいは減圧乾燥
等によつて行なえばよい。 本発明の乾式分析要素は、一辺約15mmから約30
mmの正方形またはほぼ同サイズの円形等の小片に
裁断し、特開昭57−63452号、特開昭54−156079
号、実開昭56−142454号、実開昭58−32350号お
よび特表昭58−501144号等の各公報等に開示のス
ライド枠等に納めて分析スライドとして用いるの
が製造、包装、輸送、保存および測定操作等の全
ての観点で好ましい。 本発明の乾式分析要素の使用に際しては、約
5μから約30μ、好ましくは約8μから約15μ
の水性液体試料を多孔性展開層に点着供給し、
必要に応じて約20℃から約45℃の範囲の実質的に
一定の温度でインクベーシヨンする。その後、一
方の側から(一体型多層分析要素においては光透
過性支持体側から)、乾式分析要素内に発生する
色変化、発色等の検出可能な変化を反射測光し、
比色法の原理により液体試料中の測定対象成分
(アナライト)を定量分析する。 次に、本発明の実施例と比較例とを記載する。 実施例 1 ゼラチン下塗が施されている厚さ180μmの透
明ポリエチレンテレフタレート(PET)フイル
ムの上に、下記の塗布量になるようにして、乳酸
検出用呈色試薬組成物と親水性ポリマーとを水溶
液を用いて塗布し、乾燥して乳酸検出用呈色試薬
層を設けた。 乳酸検出用呈色試薬層の塗布量(1m2当り) アルカル処理ゼラチン 20g ノニルフエニルポリグリシジルエーテル(平均
10グリシジル単位含有) 200mg 乳酸デヒトロゲナーゼ(EC1.1.1.27ブタ心筋起
源) 12000U ジアホラーゼ(EC1.6.4.3;細菌起源) 5600U NAD+ 600mg テトラゾリウムブルー* 400mg クエン酸ナトリウム 6.0g *:3,3′−(3,3′−ジメトキシ−4,4′−ビ
フエニリレン)ビス(2,5−ジフエニル)
−2H−テトラゾリウム)ジクロリド 次に、乳酸検出用呈色試薬層の上に、下記塗布
量になるようにして光遮蔽層形成用塗布液(水分
散液)を塗布、乾燥して光遮蔽層を形成した。 アルカル処理ゼラチン 5.0g/m2 ルチル型二酸化チタン 28g/m2 ノニルフエノキシポリエトキシエタノール(平
均15オキシエチレン含有) 100mg/m2 そして、光遮蔽層の上に下記の塗布量になるよ
うにして接着層を水溶液を用いて塗布し、乾燥し
て設けた。 アルカリ処理ゼラチン 2.7g/m2 ノニルフエノキシポリエトキシエタノール(平
均15オキシエチレン含有) 270mg/m2 次に、接着層の上に、30g/m2の割合で水を、
湿し水として供給し、湿潤させたのち、グロー放
電処理で親水化したポリエチレンテレフタレート
紡績糸(太さ50デニール)からなるニツト編物生
地(平均厚さ250μm)を圧着ラミネートして展
開層を設けた。 次いで、この多孔性展開層に下記PH緩衝剤含有
塗布液を塗布した。 PH緩衝剤含有塗布液の組成 エチルアルコール 500ml ノニルフエノキシポリエトキシエタノール(平
均9−10グリシジル単位含有) 5g 2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジ
オール 9g ポリビニルピロリドン(平均分子量36万)16g このようにして作成した乳酸定量用一体型多層
分析要素は、ヒト血清などの水性液体試料を点着
した場合に、内部のPH雰囲気は8.2〜8.8の範囲と
なる。 完成した分析要素を、1.5cm×1.5cmの正方形の
チツプに裁断し、特開昭57−63452号公報の第4
図に記載のプラスチツクマウントに収めて乳酸定
量用分析スライドを完成した。 次に、0、0.5、1.5、10、15、20mg/dlの乳酸
水溶液をそれぞれ調製し、37℃、6分間のインキ
ユベーシヨンを行なつた後、中心波長540nmの
測定光でPET支持体側で発色の反射光学濃度を
測定した結果、第1表により表わされる定量性の
優れた検量線が得られた。
【表】 実施例 2 実施例1で作成した乳酸定量用分析スライドを
用いて、水性液体試料中のビリルビンによる干渉
を調べた。 ビリルビン含有量の検定値30mg/dlのコントロ
ール血清(OMEGA Cemistry Control Serum
Elevated Bilirubin)、と乳酸塩を乳酸に換算し
て8mg/dl(検定値)を含有するコントロール血
清を水性液体試料として用いて、第2表に記載の
組成の溶液を調製し、実施例1と同様の方法で反
応させてビリルビンの影響を調べた。その結果を
第2表に示す。
【表】 注:基準値はビリルビンまたはヘモ
グロビン不含有の水性液体試料で
の反射光学濃度値
上記の実験結果より、乳酸含有量4mg/dl(正
常値の下限)のレベルにおいて、ビリルビンを含
まない場合から、15mg/dl(正常値の上限の15倍
に相当する異常に高いビリルビン含有量)にいた
る範囲まで、ビリルビンによる誤差が実質的に発
生することなし(誤差=±0.65%以内)に乳酸塩
含有量を定量分析できることが確認された。 実施例 3 実施例1で作成した乳酸定量用分析スライドを
用いて、水性液体試料中のヘモグロビンによる干
渉を調べた。 ヘモグロビン含有量検定値1400mg/dlのコント
ロール血清と乳酸を8mgとを含む血清を用いて第
3表に示された組成の三種の水性液体試料を調製
した。 そして、この水性液体試料を用いて、実施例1
と同様の方法で反応させてヘモグロビンの影響を
調べた。
【表】 上記の実験結果より、乳酸含有量4mg/dl(正
常値の下限)のレベルにおいて、ビリルビンを含
まない場合から、700mg/dl(溶血全血、溶血血
漿または溶血血清に相当する異常に高いヘモグロ
ビン含有量)の範囲で、ヘモグロビンよる誤差が
実質的に発生することなし(誤差:−1.90%以
内)に乳酸含有量を定量分析できることが確認さ
れた。 実施例 4 実施例1で作成した乳酸定量用分析スライドを
乾燥剤(シリカゲル)で乾燥させた密閉暗黒容器
内で35℃に保存してバツクグラウンド着色(すな
わちカブリ)の経時保存の変化を調べた。 乾燥暗所中における35℃加温強制劣化試験の4
週間までにおいて、バツクグラウンド着色による
光学濃度の増加は実質的に現われなかつた。 従つて、本発明の乳酸定量用一体型多層分析要
素は長期の保存経時での劣化がなく、安定である
ことが確認された。 比較例 1 実施例1で多孔性展開層に添加したものと同じ
PH緩衝剤を、単位面積当りの塗布量が同じ量にな
るように乳酸検出用呈色試薬層に添加し、一方、
多孔性展開層からPH緩衝剤を除いた以外は全て実
施例1と同じ方法で作成した乳酸定量用分析スラ
イドを比較例1として用意し、実施例1の乳酸定
量用分析スライドと同時にカブリの経時保存性の
変化を、実施例4に記載の方法と同じ方法で反射
光学濃度を測定し、その測定結果を比較した。 結果を第4表に示す。
【表】 第4表に示した結果から、本発明の乳酸定量用
一体型多層分析要素では長期の保存によつてもカ
ブリが発生せず、優れた保存安定性を示すことが
明らかである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 光透過性水不透過性支持体の上に、ラクテー
    トデヒドロゲナーゼ、酸化型ニコチンアミド補酵
    素、電子伝達性化合物およびテトラゾリウム塩を
    含む乳酸検出用呈色試薬組成物と親水性ポリマー
    バインダーとを含有する乳酸検出呈色試薬層、お
    よび該乳酸検出呈色試薬層の上に設けられた多孔
    性展開層を有する乳酸定量用一体型多層分析要素
    において、上記多孔性展開層が、該層に水性液体
    試料が点着供給された際に分析要素内のPH値を
    8.0〜10.0の範囲に調整するようなPH緩衝剤を含
    むことを特徴とする乳酸定量用一体型多層分析要
    素。
JP24028886A 1986-10-09 1986-10-09 乳酸定量用一体型多層分析要素 Granted JPS6394995A (ja)

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JP2504032Y2 (ja) * 1991-03-06 1996-07-03 株式会社松井色素化学工業所 感温変色性複合繊維
JP4934398B2 (ja) * 2006-10-20 2012-05-16 パイロットインキ株式会社 感温変色性組成物及びそれを用いた感温変色性繊維

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