JPH0578902A - 強度の優れたポリビニルアルコール系繊維の製造法 - Google Patents

強度の優れたポリビニルアルコール系繊維の製造法

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JPH0578902A
JPH0578902A JP26720391A JP26720391A JPH0578902A JP H0578902 A JPH0578902 A JP H0578902A JP 26720391 A JP26720391 A JP 26720391A JP 26720391 A JP26720391 A JP 26720391A JP H0578902 A JPH0578902 A JP H0578902A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高重合度でゲル紡糸法並みの強度を有する凝
固紡糸法でのポリビニルアルコール系繊維を製造せんと
するもの。 【構成】 有機溶媒系高重合度PVA原液を、有機溶媒
系凝固浴中に湿式あるいは乾湿式紡糸するに際し、第一
ゴデットローラー部での凝固糸の溶媒残存率が25〜8
0%になるように紡糸するもの。これによりジャンクシ
ョンポイントの均一な凝固糸條とすることができ、比較
的低い全延伸倍率で高強度繊維を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、主として強度の優れた
ポリビニルアルコール(以下PVAと略記する)系繊維
を製造するために利用される湿式あるいは乾湿式紡糸方
法に関するもので、さらにはその凝固紡糸に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】PVA繊維はポリアミド、ポリエステ
ル、ポリアクリロニトリル系繊維に比べて強度、弾性率
が高いため、その主用途である産業資材用繊維としては
もとより、近年ではセメント、プラスチックなど各種補
強材に利用されつつある。
【0003】このような高強度なPVA系繊維を製造す
る方法として、超高分子量ポリエチレンのゲル紡糸−超
延伸の考え方をPVAに応用した特開昭59−1303
14号公報などが知られ、更にはゲル紡糸にかえ、高重
合度PVAを用い、有機溶媒を使用して湿式あるいは乾
湿式紡糸で凝固紡糸することも特開昭59−10071
0号公報、特開昭60−126312号公報や特開昭6
3−99315号公報などで知られている。
【0004】しかし、従来公知技術で採用されている凝
固紡糸の場合、高重合度では必ずしもゲル紡糸ほどの高
強度なPVA繊維を得ることができない。従って本発明
は、従来公知の凝固紡糸では何故に高強度なPVA繊維
を得ることができないかを追及し、その顕著な一因が紡
糸原液の固化抽出過程にあることを見出した。
【0005】前記の如く、従来の紡糸法は超高分子量ポ
リエチレンのゲル紡糸の考えを応用したもので、高強度
化のためには凝固過程では急速固化、遅延溶媒抽出が重
要とされてきた。
【0006】本発明者等は、凝固紡糸での固化抽出過程
を詳しく解析した結果、紡糸実験より経験的に得られて
いたドープ温度、凝固浴温度、凝固浴組成、ドープ中の
PVA濃度、PVA重合度、溶媒の種類等の諸条件の高
強度化の方向は、遅延溶媒抽出の方向とは必ずしも一致
せず、固化糸中の溶媒残存率の高い方向と一致すること
を見出した。
【0007】凝固紡糸法はゲル紡糸法に比べて低コスト
で工業化の際に有利である。すなわち、ゲル紡糸では凝
固紡糸に比べて紡糸原液が高温で、固化浴が低温になる
ため設備費が割高になり、紡糸原液が高温のため重合度
低下が大きくなり、乾湿式にせざるを得ないので膠着防
止のためノズルの穴ピッチが大きくなりコンパクト化で
きない。一方、凝固紡糸では紡糸原液低温、固化浴高
温、コンパクトで多ホール化可能である。しかし、従来
の凝固紡糸では特に高重合度でゲル紡糸より強度が低め
の傾向があるという問題があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従って本発明は、原液
溶媒と凝固浴のいずれもが有機溶媒系を使用するPVA
系繊維の凝固紡糸法において、如何にしたら、高重合度
でゲル紡糸法に匹敵する強度の優れたPVA系繊維を製
造できるかを追及したものである。
【0009】ここでいう凝固紡糸とは、有機溶媒にPV
Aを溶解した原液を、ノズルから湿式あるいは乾湿式法
で凝固能を有する有機溶媒系の凝固浴に押し出し、凝固
浴が紡糸原液中へ浸透し、紡糸原液の組成が変化するこ
とにより原液を固化せしめる紡糸法であり、ゲル紡糸と
は組成変化を伴わずに固化する能力(ゲル化能)を有す
る有機溶媒にPVAを溶解した原液をノズルから湿式法
あるいは乾湿式法でゲル化温度以下である固化浴あるい
は気体層および固化浴に押し出し、PVA原液の組成変
化を伴わずに固化せしめる紡糸法である。本発明の方法
は、前者の凝固紡糸法をその対象としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、「粘
度平均重合度3500以上のポリビニルアルコール系ポ
リマーを有機溶媒に溶解して得られた紡糸原液を、湿式
法あるいは乾湿式法で、凝固能を有する有機溶媒系の凝
固浴中に押し出し、バスドラフト1未満の状態で糸條を
形成させる、ポリビニルアルコール系繊維の凝固紡糸に
おいて、第一ゴデットローラー部での凝固糸に含まれる
溶媒残存率が原液溶媒量に対して25〜80%になるよ
うに紡糸することを特徴とするポリビニルアルコール系
繊維の製造法。」である。
【0011】本発明に用いるPVAは30℃の水溶液で
粘度法により求めた平均重合度が3500以上のものを
対象とする。3500より低くなると従来法の凝固紡糸
でもゲル紡糸より高強度PVA繊維を得ることができ
る。粘度平均重合度が7000以上、好ましくは150
00以上であると本発明紡糸法の効果がより顕著とな
る。
【0012】用いるPVAのケン化度には特別な限定は
ないが98.5モル%以上が好ましく、99.9モル以
上であると更に好ましい。また用いるPVAは、他のビ
ニル基を有するモノマー、例えばエチレン、イタコン
酸、ビニルピロリドンなどのモノマーを10モル%以
下、好ましくは2モル%以下の比率で共重合したポリビ
ニルアルコール系ポリマーであってもよい。
【0013】本発明に用いる溶媒としてはPVAを溶解
することができ、メタノール等の凝固能を有する有機溶
媒の浸透によってこのPVA原液を固化させることがで
きる有機溶媒なら特に限定はなく、ジメチルスルホキシ
ド(DMSO)、ジメチルホルムアミド、ジメチルイミ
ダゾリジノンなどの極性溶媒があげられる。またこれら
溶媒の混合物なども使用しうる。数多い溶媒の中でもD
MSOは80℃以下の低温で溶解することができ、PV
Aの重合度低下を少なくすることができ好ましい溶媒で
ある。
【0014】紡糸原液のPVA濃度はPVAの重合度や
溶媒の種類によって異なるが、通常2〜30重量%、好
ましくは3〜20重量%とする。特に本発明では高強度
繊維を得ることを目的としており、このためには紡糸時
の単糸切れや糸斑、単糸間膠着などが生じない範囲内で
PVA濃度を低くした方が好ましい。
【0015】また、紡糸原液にはPVAと溶媒以外にも
目的に応じて種々の添加剤、例えば顔料などの着色剤、
酸化防止剤、架橋剤、紫外線吸収剤、界面活性剤、酸な
どのpH調整剤などを所要量添加してもよい。更にDMS
Oの如く比較的高い凍結温度を有する溶媒に対しては、
メタノールなどの凝固作用を有するものでもPVAが凝
固しない範囲内で添加すると、凝固浴を溶媒の凍結温度
以下としても紡糸原液が凍結しないので好ましい場合が
ある。
【0016】バスドラフト(原液がノズルを通過する際
の吐出線速度に対する第一ゴデットローラー速度の比)
は0.1〜0.5が好ましい。ノズルの孔径はバスドラ
フトがこの範囲となるよう選択する。より好ましいバス
ドラフトは0.15〜0.3である。
【0017】本発明の紡糸方式に特別な限定はない。ノ
ズルが凝固浴と直接接触している湿式紡糸法でも、ノズ
ルと凝固浴の間に空気層を介在させる乾湿式紡糸法でも
よいが、設備のコンパクト化が可能である湿式紡糸法の
ほうが好ましい場合がある。
【0018】凝固浴としてはPVAに対して凝固能を有
する溶媒を用いる。例えばメタノール、エタノールなど
のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトンなどの
ケトン類などPVAに凝固能を有するものなら特に限定
はないが、中でも凝固性のバランス及びコストの点でメ
タノールが好ましい。本発明においては凝固浴中に原液
溶媒を5〜70%含有すると好ましい。原液溶媒の含有
量は凝固能を有する有機溶媒の種類などによって変化す
るが、5%未満であると原液組成との差が大きく、急激
なPVAの凝集により不均一な凝固となり易い。一方7
0%を越えると凝固速度が遅く繊維形成が充分に行われ
ないため、得られた糸が膠着し易い傾向がある。凝固浴
中の原液溶媒含有量が10〜50重量%であると更に好
ましく、15〜45%であるともっと好ましい。
【0019】凝固浴温度は特に限定はないが、20℃を
越えると,凝固糸はボイドが多く不透明化し、均質でな
く高強度繊維が得られにくい。凝固浴温度が15℃以下
であるとより好ましく、10℃以下であると均一凝固糸
を得る点で更に好ましい。ただし、凝固浴温度が余りに
低いとノズルより吐出される紡糸原液が凍結し、吐出不
能となることがあるのでこの点を配慮すべきである。
【0020】次に第一ゴデットローラー部での凝固糸に
含まれる溶媒残存率を25%〜80%になるようにする
ことが本発明の最も重要なポイントの一つである。この
点に関する本発明の大まかな考え方は、凝固浴中での抽
出は、その溶媒抽出量を固化糸條が形成される範囲にお
いて抑制することにより、固化糸條の構造が出来るかぎ
り均一になるようにつくる、というものであり、その指
標として凝固浴離浴時の糸條での溶媒残存率に着目する
ものである。溶媒残存率は凝固浴内滯留時間の変更、す
なわち凝固浴を構成する紡糸筒の筒長(凝固浴長)と凝
固浴上の第一ゴデットローラーでの引取り速度の変更な
どによって設定することができる。すなわち、本発明で
の主旨は、凝固糸に含まれる溶媒残存率が上記の如き範
囲内に入るようにするために紡糸筒内での滯留時間を短
縮することであり、より具体的には紡糸筒の短縮化や引
取り速度の高速化によって達成されるものである。溶媒
残存率が80%を越えると凝固が不十分になり得られた
糸が膠着したり、極端には正常な紡糸が困難になる。溶
媒残存率が25%未満になると、ゲル紡糸に匹敵する高
強度繊維が得られなくなる。溶媒残存率が30〜60%
であると好ましく高強度繊維が得られ易い。
【0021】なお本発明において第一ゴデットローラー
部での凝固糸に含まれる溶媒残存率は以下のようにして
測定した。まず第一ゴデットローラー部での凝固糸を表
面付着液を拭き取り、2つ同じ時間サンプリングする。
1つはソックスレー抽出し、絶乾することによりPVA
重量(A)を求める。もう1つは水に溶解しガスクロマ
トグラフで分解することにより原液溶媒の重量(B)を
求める。紡糸原液中のPVAに対する溶媒の重量比
(C)とすると、第一ゴデットローラー部での凝固糸に
含まれる溶媒残存率は100B/ACで求めることがで
きる。
【0022】凝固浴中あるいは凝固浴上の第一ゴデット
ローラーに引き取られた凝固糸條は、以下の工程にした
がって繊維化される。すなわち、凝固能を有する有機溶
媒などよりなる抽出浴により、凝固糸條中の原液溶媒な
どを抽出洗浄除去し乾燥する。第一ローラー直後から乾
燥前に至るいずれかの工程において1段或いはより好ま
しくは多段で合計2段以上の湿延伸を施しておくと、乾
燥時の膠着を防止することができ好ましい。より好まし
い湿延伸倍率は2.5〜5.5倍である。乾燥温度は4
0〜150℃が乾燥効率、性能の点で好ましい。さらに
乾燥温度を多段で上げていくことが好ましい。
【0023】次いで高温で熱延伸を施し、PVA繊維を
配向結晶化させて高強度繊維とする。熱延伸温度は好ま
しくは210℃以上、更に好ましくは220〜255℃
で行うのがよい。このとき全延伸倍率は従来法では16
倍以上、より好ましくは18倍以上で行うが、本発明方
法での特徴は、12〜18倍という比較的低倍率延伸で
十分な強度を得ることができることである。熱延伸は乾
熱でもシリコンなどの熱媒中でも、高温蒸気中などの湿
熱でもよい。また温度を多段に制御することにより、2
段以上で熱延伸してもよい。更に必要に応じて熱処理や
熱収縮を施してもよい。
【0024】何故に第一ゴデットローラー部での凝固糸
の溶媒残存率が繊維性能に大きな影響を与えるかは不明
であるが、第一ゴデットローラー部での凝固糸を定長で
抽出、乾燥したサンプルの小角X線散乱強度の絶対値が
従来法のものに比べて低いことより、従来法のものより
ジャンクションポイントが均一分布しているため、全延
伸倍率が低くても実効延伸が効き、高配向となり高強度
化につながっていると考えられる。
【0025】本発明で溶媒残存率を測定する凝固糸のサ
ンプリング部位を第一ゴデットローラー部にしたのは以
下の理由に基づく。ノズルから吐出された糸條は第一ゴ
デットローラーまでの凝固浴中ではバックドラフト(バ
スドラフトが1未満の状態)がかかっているため、非常
に低い張力下で溶媒抽出が行われている。一方、第一ゴ
デットローラー以後の複数段の抽出浴では溶媒抽出に伴
う糸條の収縮及び湿延伸の実施により、溶媒抽出は高張
力下でなされているという違いがある。第一ゴデットロ
ーラー以後の複数段の抽出浴は全く同じで紡糸筒長のみ
を変化させた場合、抽出浴の同じ部位でのサンプリング
糸條の溶媒残存率が同じでも、そのサンプリング糸條の
小角X線散乱強度を測定すると、紡糸筒長を短縮した方
のそれの絶対値が低下していた。このことより、バック
ドラフトの効いている低張力下での溶媒抽出挙動が凝固
糸の構造形成に重要であることが分かり、第一ゴデット
ローラー部での凝固糸の溶媒残存率に着目した。
【0026】以上の如く、凝固糸での第一ゴデットロー
ラー部での凝固糸の溶媒残存率を特定範囲に制御するこ
とにより、均質な原糸を得ることができ、全延伸倍率が
12〜16倍でもゲル紡糸に匹敵する強力の優れたPV
A繊維を安定にかつ再現性良く製造することが実現でき
たものである。
【0027】
【実施例】以下実施例により具体的に説明するが、本発
明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0028】実施例1: 粘度平均重合度7800、鹸
化度99.9モル%のPVAを6.5重量%となるよう
にDMSOに添加し、更に凍結防止剤としてメタノール
を2.0重量%添加し、80℃にて窒素雰囲気下8時間
溶解し、孔径0.15mm、孔数300のノズルより、0
℃のメタノール/DMSOの重量比が75/25よりな
る凝固浴中に紡糸筒長0.6m、第一ゴデットローラー
速度8m/分で湿式紡糸した。このときの溶媒残存率は
45%であった。
【0029】得られた凝固糸條をメタノール浴に浸漬
し、DMSOを抽出すると共に4.0倍の湿延伸を施
し、100℃熱風で乾燥した。次いで第1炉170℃、
第2炉245℃の熱風炉内で全延伸倍率が15倍になる
よう熱延伸した。得られたヤーン強度は21.5g/d
rであった。
【0030】比較例1: 実施例1で用いた紡糸原液を
紡糸筒長2.5m、第一ゴデットローラー速度4m/分
で実施例1と同様に湿式紡糸した。このときの溶媒残存
率は20%であった。以後、実施例1と同様操作を実施
し、全延伸倍率は24倍が可能であったがヤーン強度は
19.5g/drであった。
【0031】実施例2: 粘度平均重合度17000、
鹸化度99.9モル%のPVAを4.0重量%となるよ
うにDMSOに添加し、更に凍結防止剤としてメタノー
ルを3.0重量%添加し、80℃にて窒素雰囲気下で8
時間溶解し、孔径0.16mm、孔数300のノズルよ
り、−3℃のメタノール/DMSOの重量比が80/2
0よりなる凝固浴中に紡糸筒長0.6m、第一ゴデット
ローラー速度6m/分で湿式紡糸した。このときの溶媒
残存率は55%であった。
【0032】得られた凝固糸條をメタノール浴に浸漬
し、DMSOを抽出すると共に4.0倍の湿延伸を施
し、100℃熱風で乾燥した。次いで第1炉160℃、
第2炉250℃の熱風炉内で全延伸倍率が16.0倍に
なるよう熱延伸した。得られたヤーン強度は22.5g
/drであった。実施例1より高重合度PVAを用いて
おり高強度になった。
【0033】比較例2: 実施例2で用いた紡糸原液を
紡糸筒長2.5m、第一ゴデットローラー速度4m/分
で実施例2と同様に湿式紡糸した。このときの溶媒残存
率は23%であった。以後、実施例2と同様操作を実施
し、全延伸倍率が23倍であったが、ヤーン強度は2
0.0g/drであった。
【0034】
【発明の効果】従来の凝固紡糸での高強力PVA繊維の
製造法では、凝固浴中で急速固化、遅延溶媒抽出が重要
と考えられてきたので、凝固浴中での滞留時間が長く、
第一ゴデットローラー部での凝固糸の溶媒残存率が低過
ぎ、このため高重合度ではゲル紡糸に匹敵する高強度繊
維の製造が困難であった。これに対し本発明では、紡糸
筒長、第一ゴデットローラー速度を変更し、バックドラ
フト下での凝固浴滞留時間を短縮し、凝固糸の溶媒残存
率を高めに設定することにより高強力繊維の製造を可能
としたものである。従って本発明により得られた強度の
優れたPVA繊維はパラ系アラミド繊維など他の高強度
繊維や従来のPVA繊維に比べてコストパフォーマンス
に優れており、自動車用タイヤやホースなどのゴム資材
分野や、FRC及びFRPなどの補強分野などに広く有
効に用いることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉持 駛視 岡山県倉敷市酒津1621番地 株式会社クラ レ内 (72)発明者 大森 昭夫 岡山県倉敷市酒津1621番地 株式会社クラ レ内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粘度平均重合度3500以上のポリビニ
    ルアルコール系ポリマーを有機溶媒に溶解して得られた
    紡糸原液を、湿式法あるいは乾湿式法で、凝固能を有す
    る有機溶媒系の凝固浴中に押し出し、バスドラフト1未
    満の状態で糸條を形成させる、ポリビニルアルコール系
    繊維の凝固紡糸において、第一ゴデットローラー部での
    凝固糸に含まれる溶媒残存率が原液溶媒量に対して25
    〜80%になるように紡糸することを特徴とするポリビ
    ニルアルコール系繊維の製造法。
  2. 【請求項2】 全延伸倍率が12〜18倍である請求項
    1に記載のポリビニルアルコール系繊維の製造法。
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