JP2888497B2 - 強度の優れたポリビニルアルコール系繊維の製法 - Google Patents

強度の優れたポリビニルアルコール系繊維の製法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、強力の優れたポリビニ
ルアルコール(以下PVAと略記する)系繊維を長期に
わたって安定に得る方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来PVA系繊維はポリアミド、ポリエ
ステル、ポリアクリロニトリル系繊維に比べて強度、弾
性率が高く、その主用途である産業資材用繊維としては
もちろん、最近ではアスベスト代替のセメント補強材あ
るいはプラスチック補強材などに利用されつつある。さ
らに技術の進歩につれてますます強度の優れたPVA系
繊維に対するニーズは強くなっている。
【0003】一方超高分子量ポリエチレンの稀薄溶液を
ゲル紡糸し超延伸することにより高強力繊維を得るとい
う考え方をPVAに応用し、有機溶媒にPVAを溶解
し、凝固能を有する有機溶媒系の凝固浴に湿式あるいは
乾湿式紡糸することにより、高強力PVA繊維を得るこ
とが特開昭59−130314号公報、特開昭59−1
00710号公報、特開昭61−108711号公報、
特開昭63−99315号公報などに提案されている。
【0004】しかしこれ等発明で採用されている方法で
は、長期にわたって安定に強力の優れたPVA系繊維を
得ることができない。そこで従来公知の方法では何故に
長期にわたって強力の優れたPVA系繊維を得ることが
できないかを凝固浴に着目し、その顕著な一因を見出し
た。
【0005】従来の紡糸法では、凝固浴にメタノール、
エタノール、アセトンなどの親水性の有機溶媒を使用し
ており、これが大気中の水分を吸湿し、凝固浴が1%以
上の水分を含むこととなる。1%以上の水分を含む凝固
浴を用いると、安定して高強度のPVA繊維を得ること
が困難であることがわかった。特に凝固浴組成が原液溶
媒を含有し、温度が20℃以下である場合顕著であるこ
とを見出した。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従って本発明は、原液
溶媒と凝固浴のいずれもが有機溶媒系を使用するPVA
系繊維の紡糸法において、如何にしたら、強力の優れた
PVA系繊維を長期にわたって安定に製造しうるかを追
及したものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、「粘
度平均重合度が1500以上のPVA系ポリマーを有機
溶媒に溶解し、得られた紡糸原液を該ポリマーに対して
凝固能を有する有機溶媒を含有する凝固浴中に湿式ある
いは乾湿式紡糸するに際して、凝固浴が以下の(1)ない
し(3)の条件を満足することを特徴とする強度の優れた
PVA系繊維を安定に製造する方法。 (1)凝固浴温度を20℃以下とする (2)凝固浴中に原液溶媒と同じ有機溶媒を5〜70%
含有させる (3)凝固浴と接触する気体の水分を0.1%以下とす
るか、あるいは凝固浴を除湿剤と接触させることによ
り、凝固浴中の水分を0.8%以下とする」である。
【0008】本発明に用いるPVAは、30℃の水溶液
で粘度法により求めた平均重合度が1500以上のもの
でなければならない。1500より低くなると高強度P
VA繊維が得られない。粘度平均重合度が3000以
上、好ましくは4000以上であると高強力PVA繊維
が得られ易い。重合度が7000以上であると、欠陥に
なり易い分子末端がさらに少なくなりさらに高強度繊維
が得られ易い。
【0009】用いるPVAのケン化度には特別な限定は
ないが98.5モル%以上が好ましく、99.9モル%
以上であると特に耐熱水性が優れるのでさらに好まし
い。また用いるPVAは、他のビニル基を有するモノマ
ー、例えばエチレン、イタコン酸、ビニルピロリドンな
どのモノマーを10モル以下、好ましくは2モル%以下
の比率で共重合したポリビニルアルコール系ポリマーで
あってもよい。
【0010】本発明に用いる溶媒としてはPVAを溶解
する有機溶媒なら特に限定はなく、ジメチルスルホキシ
ド(DMSO)、ジメチルホルムアミド、ジメチルイミ
ダゾリジンなどの極性溶媒やグリセリン、エチレングリ
コールなどの多価アルコールなどがあげられる。またこ
れら溶媒の混合物なども使用しうる。後述の如く凝固浴
中の水分を少なくすることが本発明の重要なポイントで
あるので、原液中2%以上の水分は含有させるべきでは
ない。原液中の水分は0.5%以下が好ましく、0.2
%以下であるとさらに好ましい。数多い溶媒の中でもD
MSOは80℃以下の低温で溶解することができ、PV
Aの重合度低下を少なくすることが出来好ましい溶媒で
ある。
【0011】紡糸原液のPVA濃度はPVAの重合度や
溶媒の種類によって異なるが、通常2〜30重量%、好
ましくは3〜20重量%とする。特に本発明では高強度
繊維を得ることを目的としており、このためには紡糸時
の単糸切れや糸斑、単糸間膠着などが生じない範囲内で
PVA濃度を低くした方が分子鎖のからみが少なく高倍
率延伸が可能となるので好ましい。
【0012】また、紡糸原液にはPVAと溶媒以外にも
目的に応じて種々の添加剤、例えば顔料などの着色剤、
酸化防止剤、紫外線吸収剤、界面活性剤、酸などのPH
調整剤、硼酸などのゲル化促進剤などを所要量添加して
もよい。さらにDMSOの如く比較的高い凍結温度を有
する溶媒に対しては、メタノールなどの凝固作用を有す
るものでもPVAが凝固しない範囲内で添加すると、凝
固浴を溶媒の凍結温度以下としても紡糸原液が凍結しな
いので好ましい場合がある。
【0013】凝固浴としてはPVAに対して凝固能を有
する有機溶媒を用いる。例えばメタノール、エタノール
などのアルコール類、アセトン、メチルエチルケトンな
どのケトン類などPVAに凝固能を有するものなら特に
限定はないが、中でも凝固性のバランス及びコストの点
でメタノールが好ましい。高強力繊維を得るために本発
明においては凝固浴中に原液溶媒も含有する。原液溶媒
の含有量は凝固能を有する有機溶媒の種類などによって
変化するが、5〜70重量%である。5%未満であると
原液組成との差が大きく、急激なPVAの凝集により不
均一な凝固となる。一方70%を越えると凝固速度が遅
く繊維形成が充分に行なわれないため、得られた糸が膠
着したり、極端には正常な紡糸が困難となる。凝固浴中
の原液溶媒含有量が10〜50重量%であると好まし
く、15〜45重量%であるともっと好ましい。
【0014】次に凝固浴中の水分を低く維持することが
本発明の重要なポイントの1つである。原液溶媒も凝固
浴がいずれも有機溶媒を用いて高強力繊維を得る方法は
前述の如く数多く提案されている。確かに比較的小さい
スケールで短期間(例えば連続紡糸時間1日以下)の紡
糸試験では好適な紡糸条件を採用することにより強度の
優れたPVA繊維を得ることが出来ることを認めたが、
大きいスケールで長期間紡糸すると、得られるPVA繊
維の強度が低下する場合があることを認めた。
【0015】この原因を追突したところ、意外にも凝固
浴が大気中の水分を吸い、凝固浴水分が1%を越えるこ
とと関連することを見出した。凝固浴に水を積極的に添
加しなくとも、凝固浴中の水分を後述のガスクロで分析
すると、例えばDMSO−メタノール系凝固浴の場合、
大気からの吸湿になり5重量%にも達することがわかっ
た。特に本発明の如く、凝固浴に吸湿性の大きい原液溶
媒をかなり含有し、しかも後述の如く低温に維持する場
合凝固浴の水分は多くなり、その影響が顕在化し易い。
【0016】本発明においては凝固浴の水分を0.8重
量%以下としなければならない。0.8%を越えると、
長期わたって安定に再現性よく強力の優れたPVA繊維
を得ることがでない。凝固浴中の水分が0.4%以下で
あるとさらに好ましい。前述の如く、原液溶媒に極性有
機溶媒や多価アルコール類、凝固能を有する有機溶媒と
してアルコール類やケトン類を使用する場合、いずれも
親水性が大きいので凝固浴は大気に放置すると吸湿して
1%以上となる。
【0017】従って本発明においては凝固浴が吸湿しな
いよう、乾燥空気や乾燥窒素によりシールするか、或い
は凝固液をモレキュラーシーブなどの除湿剤により除湿
することにより、凝固浴の水分を0.8%以下に維持す
る必要がある。乾燥窒素によりシールすると、引火性の
高い凝固浴の防爆対策にもなるので好ましい。また乾燥
窒素によるシールと除湿剤による除湿を併用すると凝固
浴中の水分をさらに低下させることができるので好まし
い。
【0018】何故に凝固浴中の少量の水分が繊維性能に
大きな影響を与えるかは不明であるが、溶解状態のPV
Aは凝固浴中の水を選択的に吸着し、その後のPVAの
凝集固化形態に大きな影響を及ぼすためと考えられる。
例えばDMSOを溶媒とするPVAの紡糸原液をメタノ
ール/DMSO/水の重量比が70/27/3よりなる
凝固浴中に凝固させた場合、凝固糸篠を充分に凝固浴に
浸漬して平衡に達せしめ、糸篠の組成を分析すると、糸
篠中のメタノール/DMSO比は凝固浴中のメタノール
/DMSO比の70/27にほぼ一致するのに対し、糸
篠中のメタノール/水比は70/10となり凝固浴中の
メタノール/水比=70/3に比し、水分が著しく大き
くなっており、 糸篠に水が選択的に吸着されているこ
とがわかった。
【0019】なお本発明において凝固浴の組成は、TC
D法ガスクロマトグラフにより、内部標準としてジグラ
イムを用いて次の条件により測定した。 カラム初期温度と保持時間 ・・・・・ 70℃で5分 カラム昇温速度 ・・・・・ 10℃/分 カラム最終温度と保持時間 ・・・・・ 200℃で7分 気化室温度とディテクタ温度 ・・・・・ 250℃と20
0℃ リテンションタイム ・・・・・ メタノール;約
2.8分、水;約6.7分、ジグライム;約14分、D
MSO;約18分 各ピークの面積より凝固浴組成を求めた。
【0020】凝固浴温度は20℃以下としなければなら
ない。20℃を越えると、凝固糸はボイドが多く不透明
化し、均質でなく高強度繊維が得られない。凝固浴温度
が15℃以下であるとより好ましく、10℃以下である
と均一凝固糸を得る点でさらに好ましい。ただし、凝固
浴温度があまりに低いとノズルより吐出される紡糸原液
が凍結し、吐出不能となることがあるのでこの点を配慮
すべきである。
【0021】本発明の紡糸方式に特別な限定はない。ノ
ズルが凝固浴と直接接触している湿式紡糸法でも、ノズ
ルと凝固浴の間に空気層を介在させる乾湿式紡糸法でも
よい。なお紡糸法の別の分類方法として固化形態の違い
によりゲル紡糸と凝固紡糸に分類する場合があるが、本
発明ではゲル紡糸でもノズルと凝固浴の間に空気層が介
在する場合には乾湿式紡糸と称することとする。湿式紡
糸はノズル吐出直後に凝固するためノズル孔ピッチを小
さくしても膠着することなく多孔化が容易であるという
特徴を有し、一方乾湿式紡糸は空気層が断熱層の役割を
果すため原液と凝固浴の温度を各々独立して制御しうる
ため均一吐出され、繊維断面の斑が小さいという特徴を
有しており、目的に応じて適宜選択することが出来る。
【0022】バスドラフト(原液がノズルを通過する際
の吐出線速度に対する第一ゴデットローラー速度の比)
は0.1〜0.5が好ましい。ノズルの孔径はバスドラ
フトがこの範囲となるよう選択する。より好ましいバス
ドラフトは0.15〜0.3である。
【0023】凝固浴中あるいは凝固浴上の第1ローラー
に引き取られた凝固糸篠は、以下の工程にしたがって繊
維化される。すなわち、凝固能を有する有機溶媒などよ
りなる抽出浴により、凝固糸篠中の原液溶媒などを抽出
洗滌除去し乾燥する。第1ローラー直後から乾燥前に至
るいずれかの工程において1段あるいはより好ましくは
多段で合計2倍以上の湿延伸を施こしておくと、乾燥時
の膠着を防止することが出来好ましい。より好ましい湿
延伸倍率は2.5倍〜5.5倍である。また抽出浴も吸
湿するが、膠着や性能の上で抽出浴も水分が少ない方が
好ましい。従って水分低下対策としては、凝固浴と同様
乾燥窒素によるシール及び/または除湿剤による除湿が
好ましい。乾燥温度は40〜150℃が乾燥効率、性能
の点で好ましい。さらに乾燥温度を多段に上げていくこ
とが好ましい。本発明においては糸篠が含む水分が少な
いので乾燥し易く、さらに厳しい乾燥を行なって膠着な
どのトラブルは起こらない。
【0024】次いで高温高倍率で熱延伸を起こし、PV
A分子を配向結晶化させて高強度繊維とする。熱延伸は
好ましくは210℃以上、さらに好ましくは220〜2
55℃で全延伸倍率が16倍以上、より好ましくは18
倍以上となるよう実施する。熱延伸は乾熱でもシリコン
などの熱媒浴中でも、高温蒸気中などの湿熱でもよい。
また温度を多段に制御することにより、2段以上で熱延
伸してもよい。さらに必要に応じて熱処理や熱収縮を施
こしてもよい。
【0025】以上の如く、凝固浴中の原液溶媒濃度と凝
固浴温度を特定範囲に制御することにより均一凝固をさ
せるとともに、さらに特に凝固浴の水分を特定濃度以下
とすることによりPVAの凝固する瞬間における水の微
妙な影響を抑制することにより、均質な原糸を得、これ
をさらに全延伸倍率が16倍以上といった高倍率延伸を
行なうことによって強力の優れたPVA繊維を長期にわ
たって安定にかつ再現性よく製造することが実現出来た
ものである。
【0026】
【実施例】以下実施例により具体的に説明するが、本発
明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0027】実施例1: 粘度平均重合度が4050、
ケン化度が99.9モル%のPVAを8.5重量%とな
るようDMSOに添加し、70℃にて窒素雰囲気下10
時間溶解した。得られた紡糸原液を50℃とし、孔径
0.14mm、孔数500のノズルより、3℃のメタノ
ール/DMSO/水=70.0/29.8/0.2の重
量比よりなる凝固浴中に湿式紡糸し、得られた凝固糸篠
を第1ゴデットローラーに引きとった。この際凝固浴及
びゴデットローラー室を糸篠が通過する通路及び凝固浴
循環槽の大気開放管以外は全て密閉し、中に乾燥窒素を
吹き込み、大気に対し僅かながら陽圧とし、凝固浴の水
分を0.2%に維持するように工夫した。
【0028】得られた凝固糸篠をメタノール浴に浸漬
し、DMSOを抽出するとともに、2段階で合計4倍の
湿延伸を施こし、100℃熱風で乾燥した。次いで18
0−200−235℃の温度勾配を有する熱風炉中で全
延伸倍率が22.5倍となるよう熱延伸した。
【0029】この紡糸を1週間連続して行なったが、全
工程、全期間を通じて、ローラー捲き付きなどのトラブ
ルはなく安定していた。得られたヤーンの強度は初めも
終りも20.5g/dであり、20g/dを越してい
た。
【0030】1週間紡糸後一旦停止し、ノズルを再び取
り付けて同様に紡糸したところ、トラブルなく、ヤーン
強度も20.3g/dと20g/d以上であり、再現性
がよかった。
【0031】比較例1: 凝固浴を大気開放し自由に吸
湿させる以外は実施例1と同様に紡糸した。紡糸開始時
はトラブルもなく、ヤーン強度は20.3g/dと良好
であったが、紡糸開始して2日間経過したところヤーン
強度は19.6g/dに低下した。この時の凝固浴中の
水分は1.2%であった。
【0032】比較例2: メタノール及びDMSOを混
合して凝固浴を調製後、気温25℃、相対湿度80%の
大気に1週間以上放置したところ、凝固浴のメタノール
/DMSO/水の重量比は68/28/4となった。こ
の凝固浴を用いて実施例1と同様に紡糸したところ、ヤ
ーン強度は19.2g/dであった。
【0033】実施例2: 粘度平均重合度が8100、
ケン化度99.8モル%のPVA、メタノール、DMS
OをPVA/メタノール/DMSOの重量比が8/1/
91となるよう混合し、80℃にて窒素雰囲気下12時
間溶解した。得られた紡糸原液を60℃とし、孔径0.
15mm、孔数150のノズルより、5mmの空気層を
介在させて、5℃のメタノール/DMSO/水の重量比
が71.0/28.9/0.1よりなる凝固浴に乾湿式
紡糸した。この際凝固浴及びゴデットローラー室は実施
例1と同様に乾燥窒素でシールするとともに、凝固浴循
環ラインの配管途中にモレキュラーシーブ4Aを詰めた
カラムを設け、凝固浴をモレキュラーシーブと接触せて
除湿し、凝固浴中の水分を0.1%以下に維持した。
【0034】得られた凝固糸篠をメタノール浴に浸漬
し、DMSOを抽出するとともに3段階で合計4.5倍
の湿延伸を施こし、100℃熱風で乾燥した。次いで1
70−190−240℃の温度勾配を有する熱風炉中で
全延伸倍率が23倍となるよう熱延伸した。ローラー捲
き付きなどのトラブルなく安定に運転でき、しかもヤー
ン強度は22.2g/dと優れていた。
【0035】
【発明の効果】従来の高強力PVA繊維の製法では、凝
固浴中の水分がPVAの凝固挙動に微妙な影響をしてい
たため強度、長期工程安定性、再現性が工業化レベルの
技術に達していなかったのに対し、本発明では凝固浴の
水分と原液溶媒濃度及び凝固浴温度を特定化することに
より、強度、長期工程安定性、再現性を向上させ、これ
により強力の優れたPVA繊維を安定に提供することを
可能にしたものである。従って本発明により得られた強
力の優れたPVA繊維、パラ系アラミド繊維など他の高
強度繊維や従来の高強力PVA繊維に比べてコストパー
フォマンスに優れており、自動車用タイヤやホースなど
のゴム資材分野や、FRCおよびFRPなどの補強材分
野などに広く有効に用いることが出来る。
フロントページの続き (72)発明者 中原 文夫 岡山市海岸通1丁目2番1号 株式会社 クラレ内 審査官 渕野 留香 (56)参考文献 特開 昭62−162010(JP,A) 特開 平1−280012(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) D01F 6/14

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】粘度平均重合度が1500以上のポリビニ
    ルアルコール系ポリマーを有機溶媒に溶解し、得られた
    紡糸原液を該ポリマーに対して凝固能を有する有機溶媒
    を含有する凝固浴中に湿式あるいは乾湿式紡糸するに際
    して、凝固浴が以下の(1)ないし(3)の条件を満足する
    ことを特徴とする強度の優れたポリビニルアルコール系
    繊維を安定に製造する方法。 (1)凝固浴温度を20℃以下とする (2)凝固浴中に原液溶媒と同じ有機溶媒を5〜70%
    含有させる (3)凝固浴と接触する気体の水分を0.1%以下とす
    るか、あるいは凝固浴 を除湿剤と接触させることによ
    り、凝固浴中の水分を0.8%以下とする
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