JPH0578464A - 酸無水物結合含有芳香族ポリエステルの製造方法 - Google Patents

酸無水物結合含有芳香族ポリエステルの製造方法

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JPH0578464A
JPH0578464A JP3270058A JP27005891A JPH0578464A JP H0578464 A JPH0578464 A JP H0578464A JP 3270058 A JP3270058 A JP 3270058A JP 27005891 A JP27005891 A JP 27005891A JP H0578464 A JPH0578464 A JP H0578464A
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acid
group
polymer
aromatic dicarboxylic
acid anhydride
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JP3270058A
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Soichiro Kishimoto
聡一郎 岸本
Munehiro Miyake
宗博 三宅
Kenji Yasue
健治 安江
Akio Motoyama
秋男 本山
Takamasa Owaki
隆正 大脇
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Unitika Ltd
Original Assignee
Unitika Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 無色透明であり,適度な反応性を有している
ので,他の樹脂に対して相溶性がよくアロイ化に適して
いる酸無水物結合含有芳香族ポリエステルの製造方法を
提供する。 【構成】 芳香族ジカルボン酸ハライド例えばテレフタ
ル酸クロライド及びイソフタル酸クロライド,二価フェ
ノール化合物例えば2,2−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)プロパン,ヒドロキシル基置換カルボン酸誘導体
例えばパラヒドロキシフェニル酢酸及び/または芳香族
ジカルボン酸例えばテレフタル酸を,相間移動触媒例え
ばトリブチルベンジルアンモニウムクロライドの存在下
で界面重合させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は酸無水物結合含有芳香族
ポリエステルの製造方法に関するものであり,詳細に
は,適度な反応性を有しているので,他の樹脂に対して
相溶性がよくアロイ化に適しているとともに無色透明で
ある酸無水物結合含有芳香族ポリエステルの製造方法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】芳香族ポリエステルは高い熱変形温度を
有しており,化学的特性や機械的特性にも優れているの
, これらの特性を利用して他の樹脂とアロイ化するこ
とが行われている。アロイ化し得る樹脂としては,例え
ばポリエチレン,ポリスチレン,ABS樹脂,AS樹
脂,SBR,ポリカーボネート類,ポリエチレンテレフ
タレートやポリブチレンテレフタレート等のポリエステ
ル類,ナイロン6,ナイロン12,ナイロン46,ナイ
ロン66等のポリアミド類,あるいはこれらの混合物が
挙げられる。そしてアロイ化した樹脂組成物に対して
は,それらの樹脂の持つ優れた特性が発現されることが
期待される。しかしながら一般に,異種の樹脂同士を単
に混合しただけでは, 混合前の樹脂の特長を混合後に発
現させることは難しい。
【0003】そこで,他の樹脂と相溶性がよく,混合前
の樹脂の特長を生かし得る樹脂組成物が得られるものと
して,特公平2−46606号公報あるいは特開平3−
64317号公報に,分子内部に酸無水物結合を持つ芳
香族ポリエステルが開示されている。
【0004】ところで,酸無水物結合を持つ芳香族ポリ
エステルの製造方法としては,テレフタル酸,イソフタ
ル酸のジフェニルエステルと二価フェノールを加熱混合
する溶融重合法,二価フェノールのジアセテートとテレ
フタル酸,イソフタル酸を加熱混合する溶融重合法,テ
レフタル酸,イソフタル酸のジハライドと二価フェノー
ルを溶液中で重合させる溶液重合法,およびテレフタル
酸,イソフタル酸ジハライドの有機溶剤溶液と2価フェ
ノールのアルカリ溶液を混合する界面重合法等が知られ
ている。
【0005】そして,前記特公平2−46606号公報
に開示されている芳香族ポリエステルは,界面重合時に
酸ハライドを溶解する有機溶剤中の含水率を制御するこ
とによって, 酸無水物結合が導入されており,この方法
によれば有機溶剤中の水分によって酸ハライド基が加水
分解され, これと酸ハライドが反応して酸無水物結合が
形成される。しかしながら,通常有機溶剤中の含水率を
制御することは困難であり,含水率のばらつきによって
安定に酸無水物結合を形成させることが困難であると言
う問題を有していた。
【0006】また,前記特開平3−64317号公報に
開示されている芳香族ポリエステルは,ビスフェノール
, イソフタル酸,テレフタル酸及び酸無水物を溶融重
合することによって芳香族ポリエステル中へ酸無水物結
合を導入しており,この方法によれば酸無水物結合を定
量的に導入できるが,溶融重合法では,得られる芳香族
ポリエステルが長時間の加熱により着色し無色で透明な
ポリマーが得られないという問題を有していた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】このような状況に鑑み
, 本発明の課題は,特定量の酸無水物結合が安定的に含
有されており適度な反応性を有しているので,他の樹脂
に対して相溶性がよくアロイ化に適しているともに,無
色で透明である酸無水物結合含有芳香族ポリエステルの
製造方法の提供にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者等は上記の課題
を解決するために鋭意検討した結果, 芳香族ジカルボン
酸ハライド,2価フェノール化合物およびヒドロキシル
基置換カルボン酸誘導体及び/又は芳香族ジカルボン酸
を,相間移動触媒の存在下界面重合させると,特定量の
酸無水物結合が安定的に導入された無色透明の芳香族ポ
リエステルが得られるという知見を得,この知見に基づ
いて本発明に到達した。
【0009】すなわち,本発明の要旨は,芳香族ジカル
ボン酸ハライド,二価フェノール化合物,ヒドロキシル
基置換カルボン酸誘導体及び/又は芳香族ジカルボン酸
を,相間移動触媒の存在下で界面重合させることを特徴
とする酸無水物結合含有芳香族ポリエステルの製造方法
である。
【0010】本発明の芳香族ポリエステルの製造方法に
おいて用いられる,芳香族ジカルボン酸ハライドは,一
般式(1)で表される化合物を利用することができる。
【0011】
【化1】
【0012】但し,式中ZはAr,Ar−Ar,Ar−
X−Ar,O−Ar−X−Ar−Oを表す。なお,Ar
は,フェニレン核,ナフチレン核のような芳香族基を表
し,これらの芳香族基はアルキル基またはハロゲン原子
で置換されたものでもよい。Xは単結合またはCZ1
2 (但し,Z1およびZ2 の各々は,水素原子,アルキ
ル基,アリール基か,脂肪族間を形成するのに必要な原
子を表す。),CO,O,S,SO,またはSO2 を表
す。さらに,Yはハロゲン原子を表す。
【0013】好適な芳香族ジカルボン酸ハライドの具体
例としては,テレフタル酸クロライド,イソフタル酸ク
ロライド,フタル酸クロライド等が挙げられる。もちろ
ん,これらの化合物は単独で用いる必要はなく二種以上
の混合物としても使用する事が出来る。
【0014】本発明で用いられる2価フェノール化合物
は一般式(2)で表される化合物を利用することができ
る。
【0015】
【化2】
【0016】但し,式中Ar’はフェニレン核,ビフェ
ニレン核またはナフチレン核のような芳香族基を表す。
1 は水素原子,アルキル基(例えばメチル基,エチル
基),ハロゲン化アルキル基,アリール基(例えばフェ
ニル基,ナフチル基),ハロゲン化アリール基,アラル
キル基(例えばベンジル基,フェネチル基),ハロゲン
化アラルキル基,アルキル置換アリール基,ハロゲン化
アルキル置換アリール基,脂環基またはハロゲン化脂環
基を表す。X1 はメチレン基,エチレン基,プロピレン
基,エチリデン基,プロピリデン基およびイソプロピリ
デン基,芳香族基,第三級アミノ基,エーテル基(−O
−),カルボニル基(−CO−)あるいは硫黄含有基,
例えばサルファイド(−S−),スルフォキサイド(−
SO−),またはスルフォニル(−SO2 −)基により
相互に連結された2つまたはそれ以上のアルキレンまた
はアルキリデン基を表す。Y’は,ハロゲン原子,ニト
ロ基またはR2 もしくはOR2 (ただしR2 は前記のR
1 と同じである。)で示される基,mは0ないしX1
置換可能なまでの水素原子の数(整数),nは0ないし
芳香族核Ar’に置換可能なまでの水素原子の数(整
数),pは少なくとも1の整数,qは0ないし1の整
数,rは整数(但しqが0であるときはrは0でよい)
を表す。
【0017】上式で示した二価フェノール化合物におい
て1個以上の置換基Y’があるときは,これら置換基は
同一でも異なっていてもよい。同じことがR1 およびR
2 についてもいえる。芳香族核の置換基Y’と水酸基
は,オルト,メタまたはパラ位のいずれでもよい。
【0018】好適な二価フェノール化合物の例として
は,ビス(4−ヒドロキシフェニル)−メタン,2,2
−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン,4,4’
−ジヒドロキシジフェニル,1,1−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)−1−フェニルエタン,2,2−ビス
(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチル)プロパン等を挙
げることが出来る。
【0019】また本発明で用いられるヒドロキシル基置
換カルボン酸誘導体としては,一般式(3)で表される
化合物を好適に用いることができる。 HO−R3 −COOH ─(3) 但し,式中R3 は,メチレン基,エチレン基等のアルキ
レン基,フェニレン基,ナフチレン基等のアリーレン
基,あるいは両基を共に有する複合基であって,これら
の結合基としてR3 中に,−CO−,−CO2 −,−O
−,−S−,−SO−,−SO2 −,−NHCO−,−
NHCOO2 −等の結合を含んでいても良い。
【0020】特に好ましいヒドロキシル基置換カルボン
酸として,サリチル酸,メタ−ヒドロキシ安息香酸,パ
ラ−ヒドロキシ安息香酸,2−ヒドロキシフェニル酢
酸,3−ヒドロキシフェニル酢酸,4−ヒドロキシフェ
ニル酢酸,3−ヒドロキシフェニルプロピオン酸,4−
ヒドロキシフェニルプロピオン酸,4−ヒドロキシメチ
ルフェニルプロピオン酸,4−ヒドロキシメチル安息香
酸,4−ヒドロキシメチルフェニル酢酸,4−ヒドロキ
シ−2−メチル安息香酸,4−ヒドロキシ−3−メチル
安息香酸,ヒドロキシ酢酸,2−ヒドロキシプロピオン
酸,3−ヒドロキシプロピオン酸,4−ヒドロキシブタ
ン酸等を挙げることができる。もちろん,ヒドロキシル
基置換カルボン酸はここに挙げたものに限定されるわけ
ではない。
【0021】これらのヒドロキシル基置換カルボン酸化
合物は,単独で用いることが出来るが,もちろん2種以
上を組み合わせてもよく, さらに後述する芳香族ジカル
ボン酸化合物と組み合わせて使用することができる。
【0022】さらに,本発明で用いることができる芳香
族ジカルボン酸としては一般式(4)で表される化合物
を好適に利用することができる。
【0023】 HOOC−Z−COOH ─(4) 〔但し式中Zは前述の一般式(1)のZと同じものを表
す。〕これらの中でもテレフタル酸,イソフタル酸,フ
タル酸が特に好適に用いられる。これらの芳香族ジカル
ボン酸は,単独で用いることが出来るが,もちろん2種
以上を組み合わせてもよくさらに前述した通りヒドロキ
シル基置換カルボン酸化合物と組み合わせて好適に使用
することができる。
【0024】本発明の方法において用いられる相間移動
触媒としては,トリメチルベンジルアンモニウムハライ
ド,トリエチルベンジルアンモニウムハライド,トリブ
チルベンジルアンモニウムハライド,テトラブチルアン
モニウムハライド,テトラブチルアンモニウムヒドロジ
ェンスルフェート等の四級アンモニウム塩類,トリフェ
ニルメチルホスホニウムハライド,セチルトリ−n−ブ
チルホスホニウムハライド等の第四級ホスホニウム塩
類,18−クラウン−6,15−クラウン−5,ベンゾ
−18−クラウン−6等のクラウンエーテル類,トリメ
チルアミン,トリエチルアミン,N,N−ジメチルアニ
リン等の第三級アミン類等を挙げることができる。前記
ハライドとしては,Cl,Br,Iであるものが好まし
い。さらに,これらは,単独または二種以上の混合物と
して用いることができる。
【0025】酸無水物結合含有芳香族ポリエステルの製
造にあたって, その構成成分の使用割合は,広範囲に適
宜変えることが出来るが,特定量の酸無水物結合を安定
的に含有し,他の樹脂との相溶性がよく, また,適度な
反応性を有するとともに,無色透明な酸無水物結合含有
芳香族ポリエステルを得るためには,芳香族ジカルボン
酸ハライド(A), 二価フェノール化合物(B),ヒド
ロキシル基置換カルボン酸誘導体(C)及び/又は芳香
族ジカルボン酸(D)の使用割合は,モル比で〔(B)
+(C)+(D)〕/(A)が0.8〜1.2であるこ
とが好ましく,この値が,0.8〜1.2の範囲外にあ
ると重合時のモルバランスが崩れるので,重合後に未反
応モノマーの量が増加し,さらに得られるポリマーの物
性が低下したりすることがあるので好ましくない。
【0026】さらにまた,二価フェノール化合物
(B),ヒドロキシル基置換カルボン酸誘導体(C),
芳香族ジカルボン酸(D)の使用モル量の比率,
〔(C)+(D)〕/(A)の値が0.001〜0.3
の範囲にあることが好ましい。この値が0.001より
小さいと,得られるポリマー中に形成される酸無水物結
合量が少なくなり他の樹脂との相溶性や反応性が悪くな
ったりすることがあるので好ましくない。また〔(C)
+(D)〕/(A)の値が0.3より大きいと,ポリマ
ーの分子量が十分に上がらなかったり,生成したポリマ
ーの熱的安定性が悪くなったりする傾向があるので好ま
しくない。
【0027】本発明においては界面重合法が適用され,
2価フェノール化合物と,ヒドロキシル基置換カルボン
酸誘導体及び/又は芳香族ジカルボン酸の混合物のアル
カリ水溶液(水相)と,水に相溶性のない有機溶剤に溶
かした芳香族ジカルボン酸ハライドの溶液(有機相)を
混合攪拌することによって行われる。また,このような
界面重合法を適用することによって, 無色透明なポリマ
ーが得られる。
【0028】アルカリ水溶液としては,水酸化ナトリウ
ム,水酸化カリウム等のアルカリ水溶液が好ましく用い
られる。
【0029】有機溶剤としては,生成する酸無水物結合
含有芳香族ポリエステルを良く溶かし,さらに前述した
芳香族ジカルボン酸ハライドを良く溶かしかつ既述した
モノマー類と反応しないものであればいかなるものでも
使用することができる。かかる有機溶剤を例示すれば,
塩化メチレン,クロロフォルム,1,2−ジクロロエタ
ン,四塩化炭素等のハロゲン化アルキル化合物類,クロ
ロベンゼン,ジクロロベンゼン等の芳香族ハロゲン化物
類,ベンゼン,トルエン,キシレン等の芳香族炭化水素
類等が挙げられる。
【0030】本発明においては,重合反応を円滑に進め
るために前述した相間移動触媒を水相に加える。相間移
動触媒の水相中のモル濃度は,10-4〜10-1mol/
lにすることが望ましい。水相中の濃度が,10-1mo
l/lより大きいと重合後のポリマーに残留して完全に
除去することが困難になったり,得られたポリマーの物
性が損なわれたりすることがあるので好ましくない。さ
らに,10-4mol/lより小さいと,重合反応が遅く
なって十分に分子量が上がらなかったりすることがある
ので好ましくない。
【0031】また,本発明においては分子量を調製する
ために,o−クレゾール,p−tert−ブチルフェノ
ール,o−フェニルフェノール等の一官能性フェノール
化合物を水相に加えることができる。前記一官能性フェ
ノール化合物の添加量は,所望するポリマーの分子量に
よって適宜選択することが出来るが,二官能性フェノー
ル化合物に対し15mol%以下であることが望まし
い。15mol%より大きいと重合反応が阻害されて未
反応のモノマーが増加する傾向があるので好ましくな
い。
【0032】重合反応終了後のポリマーの単離精製には
公知の方法を採用することができる。例えば,重合終了
後,静置するかあるいは遠心分離機等を用いて機械的に
無機塩を含む水相とポリマーを含む有機相に分離し,こ
のポリマーの溶解した有機相を必要に応じて濾過または
抽出等の洗浄操作を施した後,アセトン,メタノール等
の溶媒に加えてポリマーを析出させ,濾過,乾燥して目
的とするポリマーが得られる。
【0033】本発明により合成したポリマーの重量平均
分子量は,ゲルパーミエーションクロマトグラフィー
(以下GPCと略す。)による測定で,1000〜30
0000にあることが好ましい。重量平均分子量が10
00未満であるとポリマーとしての物性が不十分にな
り,300000より大きいと他の樹脂との溶融混合が
困難になったりすることがあるので好ましくない。
【0034】さらに,本発明により合成されるポリマー
中の酸無水物結合の含有量は,IRスペクトル測定,粘
度測定,GPC測定等の公知の方法を用いることにより
求められる。例えば,本発明方法で合成したポリマーを
アルカリの存在下でフェノールと加熱処理して,主鎖中
の酸無水物結合を切断し,切断前後の分子量をGPCで
測定することによって求められる。また,本発明で合成
されるポリマーは酸無水物結合切断前の重量平均分子量
(M1 )と切断後の分子量(M2 )の比,M1 /M2
値が1.03〜5.0の範囲にあることが好ましい。
1.03より小さいと,酸無水物結合の含有量が少なく
て他の樹脂との反応性が悪くなったりすることがあった
り,また5.0より大きいと酸無水物結合の含有量が多
過ぎてポリマーの熱的安定性が悪くなったりすることが
あるので好ましくない。
【0035】
【実施例】以下本発明を実施例によりさらに具体的に説
明するが,本発明はこれらに限定されるものではない。
また本実施例および比較例の評価に用いた測定法は以下
の通りである。
【0036】(1) 重量平均分子量 実施例および比較例で得られた溶融押出前の芳香族ポリ
エステルについて,テトラヒドロフラン,40℃でのG
PCによるポリスチレン換算重量平均分子量(M1 )を
測定した。また, 酢酸ナトリウムを0.01モル/リッ
トルの割合で含むテトラクロロエタン/フェノール=4
0/60(重量比)混合溶媒にこの芳香族ポリエステル
を溶解し,40℃で2時間処理して酸無水物結合を切断
したのち,メタノール中に沈澱させて,濾過,回収した
ものについて,同じく重量平均分子量(M2 )を測定し
た。
【0037】(2) 引張強度および破断伸度 実施例および比較例で得られた溶融押出前の芳香族ポリ
エステル50重量部とナイロン6(ユニチカK.K.
製,98%H2 SO4 中,濃度1.0g/dl,温度2
5℃での相対粘度2.90)50重量部をドライブレン
ドした後,100℃で10時間減圧乾燥したものを28
0℃で溶融押出した。得られたペレットを270℃で射
出成形し,得られた試料片についてASTM D−63
8により引張強度および破断伸度を測定した。
【0038】(3) 曲げ強度 前記(2) と同様にして射出成形を行い,ASTM D−
790により曲げ強度を測定した。
【0039】(4) アイゾッド衝撃強度 前記(2) と同様にして射出成形を行い,ASTM D−
256によりアイゾッド衝撃強度を測定した。
【0040】実施例1 攪拌装置を備えた反応容器中に,2,2−ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)プロパン5.7モル,パラヒドロキ
シフェニル酢酸0.3モル,水酸化ナトリウム624g
及び相間移動触媒としてトリブチルベンジルアンモニウ
ムクロライド11.2gを全量が20リットルとなるよ
う水に溶解した(水相)。これとは別にテレフタル酸ク
ロライドおよびイソフタル酸クロライドの等量混合物6
モルを全量が10リットルとなるように塩化メチレンに
溶解した(有機相)。反応内を20℃に保ち,強攪拌下
においてすみやかに有機相を水相に添加し, 窒素雰囲気
下で3時間反応を行った後,酢酸を600ml添加して
反応を停止した。静置により分離したポリマーを含む粘
凋な有機相を大量の水で数回洗浄した後,大量のメタノ
ール中に投下してポリマーを単離した。単離したポリマ
ーをさらに80℃の熱水で洗浄した後,120℃で12
時間減圧乾燥を行った。
【0041】実施例2 実施例1においてパラヒドロキシフェニル酢酸のかわり
にパラヒドロキシ安息香酸を用いた以外はすべて実施例
1と同様に行った。
【0042】実施例3 実施例1においてパラヒドロキシフェニル酢酸のかわり
にテレフタル酸を用いた以外はすべて実施例1と同様に
行った。
【0043】実施例4 実施例1においてパラヒドロキシフェニル酢酸0.3モ
ルのかわりにパラヒドロキシフェニル酢酸0.15モル
およびテレフタル酸0.15モルを用いた以外はすべて
実施例1と同様に行った。
【0044】実施例5 実施例1においてパラヒドロキシフェニル酢酸0.3モ
ルのかわりにパラヒドロキシフェニル酢酸0.15モル
およびパラターシャリーブチルフェノール0.15モル
を用いた以外はすべて実施例1と同様に行った。
【0045】比較例1 実施例1においてパラヒドロキシフェニル酢酸のかわり
にパラターシャリーブチルフェノールを用いた以外はす
べて実施例1と同様に行った。
【0046】比較例2 実施例1において2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)プロパン 6.0モルを用い,パラヒドロキシフェ
ニル酢酸を加えない以外はすべて実施例1と同様に行っ
た。
【0047】実施例1〜5,比較例1,2で得られたポ
リマーの物性およびアロイ化後の物性を,表1及び表2
に示す。なお,これらのポリマーは界面重合で製造され
ているので,溶融重合法で得られるものに比べて無色透
明であった。
【0048】
【発明の効果】以上のように構成されているので,本発
明によって得られる酸無水物結合含有芳香族ポリエステ
ルは,特定量の酸無水物結合が安定的に含有されており
適度な反応性を有するので他の樹脂に対して相溶性がよ
い。したがって,他の樹脂とアロイ化するとそれぞれの
樹脂のもつ特長が生かされる樹脂組成物が得られ,特に
ポリアミドとの樹脂組成物は衝撃強度等の機械的な物性
が優れたものとなる。
【0049】また,本発明は界面重合法を採用している
ので,得られる酸無水物結合含有芳香族ポリエステルは
無色で透明性に優れている。したがって,この樹脂と他
の透明な樹脂との樹脂組成物は化学的・機械的特性に優
れているとともに無色透明となるので,光ディスクやレ
ンズ等の光学機器の用途分野にも好適に用いることがで
きる。
【表1】
【表2】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 本山 秋男 京都府宇治市宇治小桜23番地 ユニチカ株 式会社中央研究所内 (72)発明者 大脇 隆正 京都府宇治市宇治小桜23番地 ユニチカ株 式会社中央研究所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 芳香族ジカルボン酸ハライド,二価フェ
    ノール化合物,ヒドロキシル基置換カルボン酸誘導体及
    び/又は芳香族ジカルボン酸を,相間移動触媒の存在下
    で界面重合させることを特徴とする酸無水物結合含有芳
    香族ポリエステルの製造方法。
JP3270058A 1991-09-20 1991-09-20 酸無水物結合含有芳香族ポリエステルの製造方法 Pending JPH0578464A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20170130572A (ko) * 2015-06-15 2017-11-28 오에스지 가부시키가이샤 리머

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20170130572A (ko) * 2015-06-15 2017-11-28 오에스지 가부시키가이샤 리머

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