JPH0578402U - 切削工具 - Google Patents
切削工具Info
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- JPH0578402U JPH0578402U JP1870892U JP1870892U JPH0578402U JP H0578402 U JPH0578402 U JP H0578402U JP 1870892 U JP1870892 U JP 1870892U JP 1870892 U JP1870892 U JP 1870892U JP H0578402 U JPH0578402 U JP H0578402U
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- tip
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 工具本体11の先端部に、被削材Wの回転方
向Tに沿ってずらされて装着されたスローアウェイチッ
プ14,18に、工具本体11の先端から基端側に向か
う荒加工刃14Eと、工具本体11の長手方向に交差し
て工具本体の送り方向Fに沿って延びる仕上げ加工刃1
8Cとを、それぞれ別個に形成する。仕上げ加工刃18
Cは工具送り方向Fにおいて荒加工刃13Eの工具先端
側のノーズ部13Dよりも後方側に配置されている。 【効果】 荒加工と仕上げ加工とを同時に行うことがで
きるとともに、しかも仕上げ加工刃17がきわめて曲率
半径Rの大きな切刃形状を呈することとなるので、荒加
工時の切削条件によって優れた仕上げ面を得ることがで
きる。
向Tに沿ってずらされて装着されたスローアウェイチッ
プ14,18に、工具本体11の先端から基端側に向か
う荒加工刃14Eと、工具本体11の長手方向に交差し
て工具本体の送り方向Fに沿って延びる仕上げ加工刃1
8Cとを、それぞれ別個に形成する。仕上げ加工刃18
Cは工具送り方向Fにおいて荒加工刃13Eの工具先端
側のノーズ部13Dよりも後方側に配置されている。 【効果】 荒加工と仕上げ加工とを同時に行うことがで
きるとともに、しかも仕上げ加工刃17がきわめて曲率
半径Rの大きな切刃形状を呈することとなるので、荒加
工時の切削条件によって優れた仕上げ面を得ることがで
きる。
Description
【0001】
本考案は、旋削加工に用いられるバイト等の切削工具に関するものである。
【0002】
図10ないし図12は、このようなバイトの一例であって、切削に供される切 刃が工具本体の先端部に着脱自在に装着されるスローアウェイチップ(以下、チ ップと称する。)上に形成された、いわゆるスローアウェイ式のバイトを示すも のである。 これらの図において工具本体1は略四角柱状をなし、その基端部側にシャンク 部2を有するとともに、先端部の上面には該上面から一段窪むようにしてチップ 取付座3が形成されている。
【0003】 このチップ取付座3に装着されるチップ4は、これらの図に示す例では四角形 平板状をなすものであって、そのチップ厚さ方向を向く端面4Aを上方に向け、 またこの端面4Aの周囲に配置される一の周面4Bを当該バイトの送り方向F側 (図10において下側)に向け、さらに上記端面4Aの一角に形成される円弧状 のノーズ部切刃4Cを工具先端側に突出させて、レバーロック等の周知のクラン プ機構5によりシート部材6を介してチップ取付座3に固定されている。 そして工具本体1を上記送り方向に送り出すことにより、上記端面4Aと一の 周面4Bとの交差稜線部に形成された切刃4Dによって被削材を切削してゆくと ともに、この切刃4Dに連なる上記ノーズ部切刃4Cにより、切削された加工面 を平滑に仕上げてゆく。
【0004】
ところで、この切削された加工面の理論仕上げ面粗さhは、当該バイトの送り 量fと上記ノーズ部切刃4Cがなす円弧の曲率半径Rとによって決定されること が知られている。 すなわち図13に示すように、被削材Wの1回転当りの送り量fzが大きくな るとノーズ部切刃4Cによって削られる部分の間隔が大きくなり、これに伴って 仕上げ面に形成される谷部の底と山部の頂上との距離、つまり上記仕上げ面粗さ hも大きくなる。またノーズ部切刃4Cの曲率半径Rが小さくなると、上記谷部 または山部の傾斜が大きくなってしまい、やはり上記谷底と山頂との距離が大き くなって仕上げ面粗さhも大きくなる。 ちなみに、この仕上げ面粗さhは、近似的には送り量fの自乗に比例し、曲率 半径Rに反比例することが知られている。従ってこのような切削工具では、良好 な仕上げ面精度を得るためには送り量fを小さくするか、またはノーズ部切刃4 Cの曲率半径Rを大きく設定する必要がある。
【0005】 しかしながら限られた大きさのチップ4に、荒加工に供される切刃4Dととも に曲率半径Rが極端に大きなノーズ部切刃4Cをも形成することはきわめて困難 である一方、送り量fを小さくすることは取りも直さず加工効率の低下を招くこ ととなる。 このため、従来は一旦比較的大きな送り量で被削材を荒加工した後に、比較的 小さな送り量で仕上げ加工を行って加工効率の低下を阻止しつつも良好な仕上げ 面を得ようとしていたが、このような2工程を必要とする加工では工程管理や工 具管理がきわめて煩雑となるとともに、加工効率の低下を抑えるにも自ずと限界 があった。
【0006】 また、このような切削工具としては、例えば特公平3−41282号公報に記 載されているようにチップの切刃を被削材の回転の接線方向、すなわち主運動の 方向に対して傾斜するように配置し、仕上げ面に対して疑似的に切刃の曲率半径 が大きくなるようにしたスローアウェイ式の切削工具も提案されてはいるが、こ の切削工具では一度の切削においてチップの厚さ方向を向く端面と周面との交差 稜線部に形成された一の切刃を荒加工と仕上げ加工との両方に同時に使用するこ ととなるため、この切刃にきわめて大きな切削負荷が作用してしまうという問題 が生じる。 また、この切削工具ではチップがネガティブ形式のものであって、工具先端側 を向く上記端面に正面逃げ角を与えるためには切刃の前すくい角を負角側に設定 せざるを得ず、このため切削抵抗が大きくなって切刃への負荷はいっそう過大な ものとなるという不都合もあった。
【0007】
本考案は、このような課題を解決するためになされたもので、工具本体の先端 部に、該工具本体の先端から基端側に向かう荒加工刃と、上記工具本体の長手方 向に交差して当該工具本体の送り方向に沿って延びる仕上げ加工刃とを、主運動 の方向に沿ってずらして設けるとともに、上記仕上げ加工刃を荒加工刃の先端に 対して上記送り方向の後方側に配置したことを特徴とするものである。
【0008】
このような構成の切削工具では、工具本体の先端部には工具本体先端から基端 側に向かう荒加工刃と、この荒加工刃の延びる工具本体の長手方向に交差して当 該工具本体の送り方向に沿う仕上げ加工刃とが、被削材の主運動の方向に沿って ずらされ、かつ仕上げ加工刃が荒加工刃の先端よりも工具送り方向後方側に位置 するように、それぞれ別個に設けられている。従って、荒加工刃によって略所定 の寸法に切削された被削材の仕上げ面を、この荒加工刃の工具送り方向の後方側 に位置する仕上げ加工刃によって仕上げて行くこととなり、荒加工と仕上げ加工 とを同時に行うことが可能となる。
【0009】 そして、例えば当該切削工具をスローアウェイ式とした場合等には、工具本体 の先端部には二つのチップが装着されて、これらのチップの一方に荒加工刃が設 けられるとともに他方に仕上げ加工刃が設けられることとなる。このため、荒加 工刃との位置関係やチップの大きさ等によって拘束されることなく、仕上げ加工 刃をより大きな曲率半径あるいは被削材の回転軸に平行な直線状に形成すること ができ、これによって送り量を大きくとったとしても優れた仕上げ面を得ること が可能となる。
【0010】 さらに上記構成の切削工具では、荒加工刃と仕上げ加工刃とがそれぞれ上述の ようにずらされて別個に設けられているので、各切刃のすくい角等もそれぞれ別 個に設定することができ、各々の切刃について切削条件に最適な切刃の設計を行 うことが可能である。 また切削時に作用する負荷についても、荒加工刃と仕上げ加工刃とで切削負荷 が分割されて作用することとなるので、個々の切刃に作用する切削負荷の低減を 図ることが可能となる。
【0011】
図1ないし図4は、本考案の一実施例としてのスローアウェイ式バイトを示す ものである。 これらの図において符号11は、鋼材等から形成されて水平かつ被削材Wの回 転軸Oに対して垂直方向に保持される工具本体であり、その基端部には工作機械 側に取り付けられる四角柱状のシャンク部12が備えられているとともに、その 先端上部には工具先端側および工具送り方向F側を向く角部に、当該工具本体1 1の先端部上面から下方に一段後退するようにして第一のチップ取付座13が形 成されている。
【0012】 この第一のチップ取付座13に装着される第一のチップ14は、超硬合金等の 硬質材料から形成されたポジ型のチップであって、本実施例ではそのチップ厚さ 方向からの平面視において菱形平板状を呈しており、このチップ厚さ方向を向い て菱形をなす一の端面14Aの中央部からはクランプネジ15が挿通される取付 孔が上記チップ厚さ方向に沿って貫設されている。 そしてこの第一のチップ14は、上記端面14Aを上方に向け、また当該第一 のチップ14の互いに隣接して鋭角に交差する一対の周面14B,14Cのうち 、一方の周面14Bを工具送り方向Fに向けるとともに他方の周面14Cを工具 先端側に向け、さらにこれら一対の周面14B,14Cが交差する角部Cを工具 送り方向F側かつ工具先端側に位置させて装着され、上記クランプネジ15によ って工具本体11に固定されている。
【0013】 さらに、この第一のチップ14の端面14Aと工具送り方向Fを向く周面14 Bとの交差稜線部には、上記角部Cにノーズ部14Dを有する切刃が形成されて おり、この切刃が本実施例において荒加工に供される荒加工刃14Eとされてい る。従って、この荒切刃14Eは工具本体11の長手方向に沿ってその先端から 基端側に向かい配置されることとなる。 なおここで、図2および図3に示すようにこの第一のチップ14は、その端面 14Aが上記ノーズ部14Dから離間して工具基端側および工具送り方向Fの後 方側に向かうに従いそれぞれ上方側に向かうように、水平面に対して傾斜して配 置されており、これによって上記端面14Aが被削材Wの回転方向Tの後方側を 向くように設定されている。この傾斜角は被削材Wの切削径や切削条件等によっ て適宜設定されることとなるが、本実施例では端面14Aと上記一方の周面14 Bとの交差稜線部、つまり上記荒切刃14Eが形成される交差稜線部の水平面に 対する傾斜角αが20°〜26°となるように、また端面14Aと上記他の周面 14Cとの交差稜線部の水平面に対する傾斜角βが0°〜6°となるように、そ れぞれ設定されている。従って本実施例では、この傾斜角βに準じた負のすくい 角が上記荒切刃14Eに与えられることとなる。
【0014】 一方、工具本体11の先端面には、第一のチップ取付座13に装着された第一 のチップ14の工具先端側を向く上記他方の周面14Cの下方に連なるように、 工具基端側に凹む溝状のチップポケット16が工具送り方向Fに沿って形成され ている。 そして、このチップポケット16のさらに下方には、工具本体11の先端面か ら工具基端側に一段凹むようにして第二のチップ取付座17が形成されており、 この第二のチップ取付座17には、上記第一のチップ14と同様に超硬合金等の 硬質材料からなる第二のチップ18がクランプネジ19によって着脱自在に装着 されている。
【0015】 この第二のチップ18は、図3に示されてるようにチップ厚さ方向からの平面 視に正方形平板状をなすポジ型のチップであって、そのチップ厚さ方向を向く正 方形状の端面18Aを工具先端側に向けて上記第二のチップ取付座17に装着さ れており、すなわちこの端面18Aが上記被削材Wの回転方向Tに沿うように配 設されている。 そして、この端面18Aと各周面18B…との交差稜線部にはそれぞれ切刃が 形成されており、当該第二のチップ18はこれらの切刃のうちのいずれか一つを 水平かつ工具送り方向Fに沿わせて上記チップポケット16に臨ませていて、こ の切刃が本実施例において仕上げ加工に供される仕上げ加工刃18Cとされてい る。従って、この仕上げ加工刃18Cは工具本体11の長手方向に交差する方向 に配置されることとなり、さらに第一のチップ14の荒加工刃14Eに対しては 図1に示すように工具上方側からの平面視に該荒加工刃14Eに略直交する方向 に、また図4に示されるように主運動の方向に沿って、すなわち被削材Wの回転 方向Tに沿ってその前方側にずらされて配置されることとなる。
【0016】 さらに、この仕上げ加工刃18Cは、図1に示すように工具送り方向Fにおい て荒加工刃14Eのノーズ部14Dよりも僅かに後方側に後退した位置に配置さ れている。また、工具本体11の長手方向においてはこの仕上げ加工刃18Cは 、荒加工刃14Eの位置における被削材Wの加工面との水平方向の差を勘案して 、この荒加工刃14Eのノーズ部14Dよりも工具基端側に僅かな距離tだけ後 退した位置に配置されている。 なお、この第二のチップ18は上述したようにポジ型のチップであって、上記 仕上げ加工刃18Cには図4に示されるように正のすくい角γが与えられること となる。また該第二のチップ18は、その工具先端側を向く端面18Aが上記仕 上げ加工刃18Cから離間して下方に向かうに従い工具基端側に後退するように 僅かに傾斜して取り付けられており、これによって上記仕上げ加工刃18Cには 図4に示されるような逃げ角φが与えられることとなる。
【0017】 このような構成の切削工具は、図4に示されるように上記荒加工刃14Eが被 削材Wの回転軸Oに対する径方向に延びるように、また仕上げ加工刃18Cが上 記回転軸Oを含む水平面と被削材Wの仕上げ面Pとがなす交差稜線部に一致する ように、それぞれ配置される。従って、この時の当該切削工具の芯高の位置Hは 仕上げ加工刃18Cの位置に合わせられることとなり、これに対して荒加工刃1 4Eはオフセットされた位置に配置されることとなる。 なお、図4において符号Drは荒加工刃14Eによる切込み深さを、符号Dfは 仕上げ加工刃18Cによる切込み深さを、それぞれ示すものである。
【0018】 そして、被削材Wを上記回転軸O回りに回転しつつ工具本体11を工具送り方 向Fに向かって移動させることにより、第一のチップ14に形成された荒加工刃 14Eによって被削材Wの外周が略所定の成形寸法にまで削り取られて荒加工が 施されると同時に、この荒加工が施された加工面を第二のチップ18に形成され た仕上げ加工刃18Cが切削してゆき、仕上げ面Pが形成される。 すなわち、上記構成の切削工具によれば、荒加工と仕上げ加工とを同時に行う ことが可能となり、従来の荒加工と仕上げ加工とを別の工程で行っていた場合に 比べ、加工効率の大幅な向上を図るとともに工程管理や工具管理に要する労力を 軽減させることができる。
【0019】 ここで、本実施例では上述のように仕上げ加工刃18Cが被削材Wの回転軸O を含む水平面と仕上げ面Pとがなす交差稜線部に一致するように水平に配置され ている。このため、従来の切削工具の説明において図13に示したところの曲率 半径Rは本実施例では無限大となることとなり、従って被削材Wの一回転当りの 送り量Fzが当該仕上げ加工刃18Cよりも小さい範囲内であるなら、常に平滑 な仕上げ面Pを得ることが可能となる。 このように本実施例によれば、荒加工時における高切削速度および高送り量の 切削条件においても優れた仕上げ面精度を得ることができるので、上述のように 荒加工と仕上げ加工とを同時に行う際にも、荒加工の切削条件に合わせて切削を 行うことが可能となり、切削時間を短縮させて加工効率のより一層の向上を図り つつも、良好な仕上げ面Pを得ることができる。
【0020】 さらに本実施例では、荒加工刃14Eおよび仕上げ加工刃18Cが工具本体1 1の先端部に装着された第一のチップ14および第二のチップ18にそれぞれ別 個に形成されたものであり、このためこれら荒加工刃14Eと仕上げ加工刃18 Cとは互いの位置関係等に拘束されることなく、比較的自由にそのすくい角等を 設定することが可能となる。しかして本実施例ではこれにより、比較的大きな切 削負荷が作用する荒加工刃14Eには上述のように負のすくい角を付してその刃 先強度の向上を図る一方、仕上げ加工刃においては正のすくい角を付して切れ味 の向上を図っている。 このように上記構成の切削工具によれば、それぞれの切刃の切削条件に応じて 最適なすくい角等が得られるように設計を行うことが可能であり、より合理的な 切削工具を提供することができる。なお本実施例では、仕上げ加工刃18Cが形 成される第二のチップ18がその幅方向を大きな切削負荷のかかる主運動の方向 に沿わせて配設されており、このため高いチップ剛性を得ることができるという 利点も得られている。
【0021】 また上記構成の切削工具によれば、荒加工刃14Eと仕上げ加工刃18Cとが 別個のチップ14,18に形成されており、切削時に生じる負荷もこれらの切刃 およびチップのそれぞれに分割されて作用することとなる。このため、個々の切 刃およびチップに掛かる切削負荷の低減を図ることができ、切刃の欠け等の発生 を抑えることができる。
【0022】 なお、本実施例では上述のように被削材Wの回転軸Oを含む水平面と仕上げ面 Pとがなす交差稜線部に一致するように仕上げ加工刃18Cを水平に配置したが 、本考案がこのようなもののみに限定されることはない。例えば、この交差稜線 部を含む上記仕上げ面Pへの接平面に仕上げ加工刃18Cが含まれるように、該 仕上げ加工刃18Cを水平面から傾斜させて配置してもよい。 この場合には、仕上げ加工刃18Cの各部位と上記回転軸Oとの距離の差によ って被削材Wはあたかも曲率半径Rのきわめて大きな凸円弧状の切刃によって仕 上げ加工を行われているのと同じ状態となり、やはり仕上げ面粗度は小さく抑え られることとなって優れた仕上げ面を得ることが可能となる。
【0023】 さらに、本実施例では第二のチップ18を正方形平板状に成形して仕上げ加工 刃18Cを直線状に形成したが、例えば図5ないし図8に示す本考案の他の実施 例のように円盤状のチップ21を第二のチップとして用いて、このチップ21の チップ厚さ方向を向く端面21Aと周面21Bとの交差稜線部に形成された曲線 状の切刃を仕上げ加工刃21Cとしてもよい。なお、この実施例において上記実 施例と同じ構成要素には同一の符号を配して説明を省略する。 この場合にも被削材Wは図9に示すように曲率半径Rの大きな凸円弧状の切刃 によって切削されることとなり、このため工具本体11の送り量を大きく設定し ても優れた仕上げ面Pを得ることが可能となって、上記実施例と同様の作用効果 を奏功することができる。
【0024】 なお、これらの実施例では上述のように、荒加工刃14Eに負のすくい角や傾 斜角αを与えたり、仕上げ加工刃18C(または21C)に正のすくい角を与え たりしたが、これらは切削条件等によって適宜に設定することが可能である。こ れはチップ14,18(または21)の配置や取り付け方についても同様であり 、荒加工刃を被削材の回転方向において仕上げ加工刃よりも前方側に配置したり 、荒加工刃が形成される第一のチップをその上記端面が被削材の回転方向に沿う ように取り付けたり、逆に仕上げ加工刃が形成される第二のチップをその上記端 面が被削材の回転方向後方側を向くように取り付けてもよい。ただし、荒加工刃 を仕上げ加工刃よりも被削材の回転方向前方側に配置した場合でも、工具送り方 向には仕上げ加工刃は荒加工刃の工具先端側に位置するノーズ部よりも後方側に 配置されなければならない。 さらに本実施例では、これらの荒加工刃14Eおよび仕上げ加工刃18C(ま たは21C)を、工具本体11の先端部に着脱自在に装着されたチップ14,1 8(または21)の各辺稜部に形成したが、このようなスローアウェイ式の切削 工具のみならず、切刃を工具本体に直接形成したむくバイトやチップをロウ付け 等によって工具本体に固着した付け刃バイトにおいて本考案を実施してもよい。 また、荒加工刃や仕上げ加工刃の一方のみをこのような構成としてもよい。
【0025】
以上説明したように本考案によれば、工具本体に荒加工刃と仕上げ加工刃とが 主運動の方向にずらされて別個に設けられており、これによって荒加工と仕上げ 加工とを同時に行うことができるとともに、仕上げ加工刃が工具送り方向に沿っ て設けられることによってこの仕上げ加工刃がきわめて曲率半径の大きな切刃形 状を呈することとなるので、荒加工時の切削条件においても優れた仕上げ面を得 ることができる。 従って高い仕上げ面精度を維持しつつ、加工時間の短縮によって加工効率の大 幅な向上を図ることができ、また工程管理や工具管理を簡略化することが可能と なる。 また各切刃が別個に設けられることにより、それぞれに最適な切刃設計を行う ことが可能となるとともに、切削時に作用する負荷も分割されて個々の切刃につ いては低減されるので、切刃寿命の延長等を図ることができる。
【図1】本考案の一実施例を示すスローアウェイ式バイ
トの平面図である。
トの平面図である。
【図2】図1に示す実施例の工具送り方向F側からの側
面図である。
面図である。
【図3】図1に示す実施例の工具先端側からの正面図で
ある。
ある。
【図4】図1に示す実施例によって被削材Wを切削する
状態を表わす切刃部分の拡大図である。
状態を表わす切刃部分の拡大図である。
【図5】本考案の他の実施例を示すスローアウェイ式バ
イトの平面図である。
イトの平面図である。
【図6】図5に示す実施例の工具送り方向F側からの側
面図である。
面図である。
【図7】図5に示す実施例の工具先端側からの正面図で
ある。
ある。
【図8】図5に示す実施例によって被削材Wを切削する
状態を表わす切刃部分の拡大図である。
状態を表わす切刃部分の拡大図である。
【図9】図5に示す実施例の仕上げ加工刃21Cによっ
て切削された被削材Wの仕上げ面Pを示す図である。
て切削された被削材Wの仕上げ面Pを示す図である。
【図10】従来のスローアウェイ式バイトを示す平面図
である。
である。
【図11】図10に示す従来例の先端部のX方向視の側
面図である。
面図である。
【図12】図10に示す従来例の先端部のY方向視の正
面図である。
面図である。
【図13】図10に示す従来例によって被削材Wを切削
する状態を表わす拡大図である。
する状態を表わす拡大図である。
11 工具本体 13,17 チップ取付座 14 第一のチップ 14D ノーズ部 14E 荒加工刃 15,19 クランプネジ 18,21 第二のチップ 18C,21C 仕上げ加工刃 F 工具送り方向 W 被削材 T 被削材Wの回転方向 P 仕上げ面 O 被削材Wの回転軸 H 芯高の位置 R 仕上げ加工刃がなす曲率半径 Df 仕上げ加工刃による切込み深さ Dr 荒加工刃による切込み深さ
Claims (2)
- 【請求項1】 工具本体の先端部に、該工具本体の先端
から基端側に向かう荒加工刃と、上記工具本体の長手方
向に交差して当該工具本体の送り方向に沿って延びる仕
上げ加工刃とが、主運動の方向に沿ってずらされて設け
られているとともに、上記仕上げ加工刃が上記荒加工刃
の先端に対して上記送り方向の後方側に配置されている
ことを特徴とする切削工具。 - 【請求項2】 上記荒加工刃および仕上げ加工刃のうち
少なくとも一方が、上記工具本体の先端部に着脱自在に
装着されたスローアウェイチップ上に形成されているこ
とを特徴とする請求項1記載の切削工具。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1870892U JPH0578402U (ja) | 1992-03-31 | 1992-03-31 | 切削工具 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1870892U JPH0578402U (ja) | 1992-03-31 | 1992-03-31 | 切削工具 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0578402U true JPH0578402U (ja) | 1993-10-26 |
Family
ID=11979155
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1870892U Withdrawn JPH0578402U (ja) | 1992-03-31 | 1992-03-31 | 切削工具 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0578402U (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010269398A (ja) * | 2009-05-21 | 2010-12-02 | Kobe Steel Ltd | 切削加工装置および方法 |
JP2016203286A (ja) * | 2015-04-20 | 2016-12-08 | 村田機械株式会社 | 工作機械及び切削方法 |
-
1992
- 1992-03-31 JP JP1870892U patent/JPH0578402U/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010269398A (ja) * | 2009-05-21 | 2010-12-02 | Kobe Steel Ltd | 切削加工装置および方法 |
JP2016203286A (ja) * | 2015-04-20 | 2016-12-08 | 村田機械株式会社 | 工作機械及び切削方法 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 19960606 |