JPH0578403U - 切削工具 - Google Patents

切削工具

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JPH0578403U
JPH0578403U JP1874992U JP1874992U JPH0578403U JP H0578403 U JPH0578403 U JP H0578403U JP 1874992 U JP1874992 U JP 1874992U JP 1874992 U JP1874992 U JP 1874992U JP H0578403 U JPH0578403 U JP H0578403U
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JP
Japan
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tool
tip
blade
cutting
finishing
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JP1874992U
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正彰 中山
昌之 大川
知 清水
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Mitsubishi Materials Corp
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Mitsubishi Materials Corp
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  • Cutting Tools, Boring Holders, And Turrets (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 工具本体11先端にその長手方向に沿って移
動可能に取り付けられたカートリッジ16に、工具先端
から基端側に向かう荒加工刃19Eを有する第一のチッ
プ19が装着されていて、荒加工刃19Eの位置が工具
先端側に向かって出没自在とされている。その下方には
被削材Wの回転方向Tに沿ってずらされ、工具送り方向
Fに沿って延びる仕上げ加工刃23Cを有する第二のチ
ップ23が装着されており、この仕上げ加工刃23Cは
工具送り方向Fにおいて荒加工刃19Eの工具先端側の
ノーズ部19Dよりも後方側に配置されている。 【効果】 荒加工と仕上げ加工とを同時に行うことがで
きるとともに、仕上げ加工刃17がきわめて曲率半径R
の大きな切刃形状を呈することとなるので、荒加工時の
切削条件によっても優れた仕上げ面を得ることができ、
また旋削径や仕上げ代等の変更にも容易に対応し得る。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、旋削加工に用いられるバイト等の切削工具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図8ないし図10は、このようなバイトの一例であって、切削に供される切刃 が工具本体の先端部に着脱自在に装着されるスローアウェイチップ(以下、チッ プと称する。)上に形成された、いわゆるスローアウェイ式のバイトを示すもの である。 これらの図において工具本体1は略四角柱状をなし、その基端部側にシャンク 部2を有するとともに、先端部の上面には該上面から一段窪むようにしてチップ 取付座3が形成されている。
【0003】 このチップ取付座3に装着されるチップ4は、これらの図に示す例では四角形 平板状をなすものであって、そのチップ厚さ方向を向く端面4Aを上方に向け、 またこの端面4Aの周囲に配置される一の周面4Bを当該バイトの送り方向F側 (図8において下側)に向け、さらに上記端面4Aの一角に形成される円弧状の ノーズ部切刃4Cを工具先端側に突出させて、レバーロック等の周知のクランプ 機構5によりシート部材6を介してチップ取付座3に固定されている。 そして工具本体1を上記送り方向Fに送り出すことにより、上記端面4Aと一 の周面4Bとの交差稜線部に形成された切刃4Dによって被削材を切削してゆく とともに、この切刃4Dに連なる上記ノーズ部切刃4Cにより、切削された加工 面を平滑に仕上げてゆく。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】
ところで、この切削された加工面の理論仕上げ面粗さhは、当該バイトの送り 量fと上記ノーズ部切刃4Cがなす円弧の曲率半径Rとによって決定されること が知られている。 すなわち図11に示すように、被削材Wの1回転当りの送り量fzが大きくな るとノーズ部切刃4Cによって削られる部分の間隔が大きくなり、これに伴って 仕上げ面に形成される谷部の底と山部の頂上との距離、つまり上記仕上げ面粗さ hも大きくなる。またノーズ部切刃4Cの曲率半径Rが小さくなると、上記谷部 または山部の傾斜が大きくなってしまい、やはり上記谷底と山頂との距離が大き くなって仕上げ面粗さhも大きくなる。 ちなみに、この仕上げ面粗さhは、近似的には送り量fの自乗に比例し、曲率 半径Rに反比例することが知られている。従ってこのような切削工具では、良好 な仕上げ面精度を得るためには送り量fを小さくするか、またはノーズ部切刃4 Cの曲率半径Rを大きく設定する必要がある。
【0005】 しかしながら、限られた大きさのチップ4に、荒加工に供される切刃4Dとと もに曲率半径Rが極端に大きなノーズ部切刃4Cをも形成することはきわめて困 難である一方、送り量fを小さくすることは取りも直さず加工効率の低下を招く こととなる。 このため、従来は一旦比較的大きな送り量で被削材を荒加工した後に、比較的 小さな送り量で仕上げ加工を行って加工効率の低下を阻止しつつも良好な仕上げ 面を得ようとしていたが、このような2工程を必要とする加工では工程管理や工 具管理がきわめて煩雑となるとともに、加工効率の低下を抑えるにも自ずと限界 があった。
【0006】 また、このような切削工具としては、例えば特公平3−41282号公報に記 載されているようにチップの切刃を被削材の回転の接線方向、すなわち主運動の 方向に対して傾斜するように配置し、仕上げ面に対して疑似的に切刃の曲率半径 が大きくなるようにしたスローアウェイ式の切削工具も提案されてはいるが、こ の切削工具では一度の切削においてチップの厚さ方向を向く端面と周面との交差 稜線部に形成された一の切刃を荒加工と仕上げ加工との両方に同時に使用するこ ととなるため、この切刃にきわめて大きな切削負荷が作用してしまうという問題 が生じる。 また、この切削工具ではチップがネガティブ形式のものであって、工具先端側 を向く上記端面に正面逃げ角を与えるためには切刃の前すくい角を負角側に設定 せざるを得ず、このため切削抵抗が大きくなって切刃への負荷はいっそう過大な ものとなるという不都合もあった。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本考案は、このような課題を解決するためになされたもので、工具本体の先端 部に、該工具本体の先端から基端側に向かって延びる荒加工刃と、工具本体の長 手方向に交差して当該工具本体の送り方向に沿って延びる仕上げ加工刃とを、主 運動の方向に沿ってずらして、かつ仕上げ加工刃が荒加工刃の先端に対して上記 送り方向の後方側に位置するように配設するとともに、これら荒加工刃および仕 上げ加工刃のうち少なくとも荒加工刃を、工具本体の先端部にその長手方向に沿 って移動可能に設けられたカートリッジに着脱自在に装着されたチップ上に形成 して、この荒加工刃を工具本体の先端側に向って出没自在としたことを特徴とす るものである。
【0008】
【作用】
このように上記構成の切削工具では、工具本体の先端部には工具本体先端から 基端側に向かう荒加工刃と、この荒加工刃の延びる工具本体の長手方向に交差し て当該工具本体の送り方向に沿う仕上げ加工刃とが、被削材の主運動の方向に沿 ってずらされ、かつ仕上げ加工刃が荒加工刃の先端よりも工具送り方向後方側に 位置するように、それぞれ別個に設けられている。このため、荒加工刃によって 略所定の寸法に切削された被削材の仕上げ面を、この荒加工刃の工具送り方向の 後方側に位置する仕上げ加工刃によって仕上げて行くことができ、これによって 荒加工と仕上げ加工とを同時に行うことが可能となる。
【0009】 さらに上記構成の切削工具では、少なくとも荒加工刃が工具先端部にカートリ ッジを介して着脱自在に装着されたチップ上に形成され、いわゆるスローアウェ イ式の構成とされているが、この荒加工刃と仕上げ加工刃とは上述のように主運 動の方向にずらされて別個に設けられているので、これら荒加工刃および仕上げ 加工刃の形状や大きさが互いの位置関係やチップの大きさ等によって拘束される ことはない。 このため、仕上げ加工刃をより大きな曲率半径の曲線状、あるいは被削材の回 転軸に平行な直線状に形成することができ、これによって送り量を大きくとった としても優れた仕上げ面を得ることが可能となる。
【0010】 また上記構成の切削工具では、荒加工刃が形成されるチップは工具本体先端部 に設けられたカートリッジに着脱自在に装着されており、このカートリッジは工 具本体の長手方向に沿って移動可能とされていて、これにより荒加工刃は該長手 方向に沿って工具先端側に向い出没自在とされている。 従って上記構成の切削工具によれば、このカートリッジを移動させてチップの 位置を変更することにより、荒加工刃と仕上げ加工刃との位置関係を適宜に設定 することができるので、旋削径や仕上げ代を簡単に変更し得て幅広い切削作業に 容易に対応することが可能となる。
【0011】 さらにまた上記構成の切削工具では、荒加工刃と仕上げ加工刃とを別個に設け ることによって各切刃のすくい角等もそれぞれ別個に設定することができ、各々 の切刃について切削条件に最適な切刃の設計を行うことが可能である。 また切削時に作用する負荷についても、荒加工刃と仕上げ加工刃とで切削負荷 が分割されて作用することとなるので、個々の切刃に作用する切削負荷の低減を 図ることが可能となる。
【0012】
【実施例】
図1ないし図4は、本考案の一実施例としてのスローアウェイ式バイトを示す ものである。 これらの図において符号11は、鋼材等から形成されて水平かつ被削材Wの回 転軸Oに対して垂直方向に保持される工具本体であり、その基端部には工作機械 側に取り付けられる四角柱状のシャンク部12が備えられているとともに、その 先端部13の上部には工具先端側および工具送り方向F側を向く角部に、当該先 端部13の上面13Aから下方に一段後退するようにしてカートリッジ取付部1 4が形成されている。
【0013】 このカートリッジ取付部14は、工具先端側から基端側に向かうに従い上方側 に向かうように傾斜する底面14Aと、この底面14Aから垂直に屹立して工具 先端側および工具送り方向F側を向く壁面14B,14Cとから構成されており 、さらにこの底面14Aには、該底面14Aに垂直に固定ネジ穴14Dが形成さ れている。 また、上記壁面14B,14Cのうち工具先端側を向く壁面14Bには、この 壁面14Bに垂直に調節ネジ穴14Eが形成されており、この調節ネジ穴14E は上記壁面14Bの工具基端側に形成された壁部13Bを貫通して上記先端部1 3の基端面13Cに開口せしめられている。そして、この調整ネジ穴14Eには 調整ネジ15がその先端を壁面14Bから突出させて螺着されている。
【0014】 本実施例ではこのような構成のカートリッジ取付部14に、略四角形平板状を なすカートリッジ16が、その下面16Aをカートリッジ取付部14の底面14 Aに、また一の側面16Bを工具送り方向F側を向く壁面14Cにそれぞれ密着 させるとともに、この側面16Bに隣合う他の一の側面16Cを工具基端側に向 けて上記調整ネジ15の先端に当接させ、装着されている。また、このカートリ ッジ16には、カートリッジ取付部14への装着状態において上記固定ネジ穴1 4Dの上方に臨む位置に、当該カートリッジ16をその厚さ方向に貫通する長穴 16Dが、工具本体11の長手方向(図1および図2において左右方向)に沿っ て形成されており、この長穴16Dに挿入された固定ネジ17を固定ネジ穴14 Dに締着することにより、当該カートリッジ16は上記底面14A側に押圧され て工具本体11に固定されている。
【0015】 さらに、このカートリッジ16の上面16Eには、上記装着状態において工具 先端側および工具送り方向F側を向く角部に、該上面16Eから一段凹むように して第一のチップ取付座18が形成されており、この第一のチップ取付座18に は超硬合金等の硬質材料からなる第一のチップ19が装着されている。 なお、上記上面16Eから一段低められたこの第一のチップ取付座18の底面 18Aは、本実施例では工具送り方向Fの前方側から後方側に向かうに従い上方 側に向かうように傾斜して形成されている。
【0016】 一方、この第一のチップ取付座18に装着される第一のチップ19は、本実施 例ではそのチップ厚さ方向からの平面視において菱形平板状を呈するポジ型のチ ップであり、このチップ厚さ方向を向いて菱形をなす一の端面19Aの中央部か らはクランプネジ20が挿通される取付孔が上記チップ厚さ方向に沿って貫設さ れている。 そしてこの第一のチップ19は、上記端面19Aを上方に向け、また当該第一 のチップ19の互いに隣接して鋭角に交差する一対の周面19B,19Cのうち 、一方の周面19Bを工具送り方向Fに向けるとともに他方の周面19Cを工具 先端側に向け、さらにこれら一対の周面19B,19Cが交差する角部Cを工具 送り方向F側かつ工具先端側に突出させて上記第一のチップ取付座18に装着さ れ、上記クランプネジ20によってカートリッジ16に固定されている。
【0017】 さらに、この第一のチップ19の端面19Aと工具送り方向Fを向く周面19 Bとの交差稜線部には、上記角部Cにノーズ部19Dを有する切刃が形成されて おり、従ってこの切刃は工具本体11の長手方向に沿ってその先端から基端側に 向かい配置されることとなって、この切刃が本実施例において荒加工に供される 荒加工刃19Eとなる。 なおここで、図2および図3に示すようにこの第一のチップ19は、上述した カートリッジ取付部14の底面14Aの傾斜と第一のチップ取付座18の底面1 8Aの傾斜に準じて、その端面19Aが上記ノーズ部19Dから離間して工具基 端側および工具送り方向Fの後方側に向かうに従いそれぞれ上方側に向かうよう に、水平面に対して傾斜して配置されており、これによって上記端面19Aが図 4に示すように被削材Wの回転方向Tの後方側を向くように設定されている。こ の傾斜角は被削材Wの切削径や切削条件等によって適宜設定されることとなるが 、本実施例では端面19Aと上記一方の周面19Bとの交差稜線部、つまり上記 荒切刃19Eが形成される交差稜線部の水平面に対する傾斜角αが20°〜26 °となるように、また端面19Aと上記他の周面19Cとの交差稜線部の水平面 に対する傾斜角βが0°〜6°となるように、それぞれ設定されている。従って 本実施例では、この傾斜角βに準じた負のすくい角が上記荒切刃19Eに与えら れることとなる。
【0018】 一方、工具本体11の先端面には、該先端面とカートリッジ16の工具先端側 を向く面とによって、工具基端側に凹む溝状のチップポケット21が工具送り方 向Fに沿って形成されている。 そして、このチップポケット21のさらに下方には、工具本体11の先端面か ら工具基端側に一段凹むようにして第二のチップ取付座22が形成されており、 この第二のチップ取付座22には、上記第一のチップ19と同様に超硬合金等の 硬質材料からなる第二のチップ23がクランプネジ20によって着脱自在に装着 されている。
【0019】 この第二のチップ23は、図3に示されてるようにチップ厚さ方向からの平面 視に正方形平板状をなすポジ型のチップであって、そのチップ厚さ方向を向く正 方形状の端面23Aを工具先端側に向けて上記第二のチップ取付座22に装着さ れており、すなわちこの端面23Aが上記被削材Wの回転方向Tに沿うように配 設されている。 そして、この端面23Aと各周面23B…との直線状の交差稜線部にはそれぞ れ切刃が形成されており、当該第二のチップ23はこれらの切刃のうちのいずれ か一つを水平かつ工具送り方向Fに沿わせて上記チップポケット21に臨ませて いる。従ってこの切刃は、工具本体11に対してはその長手方向に交差する方向 に配置されることとなり、また第一のチップ19の荒加工刃19Eに対しては、 主運動の方向、すなわち被削材Wの回転方向Tに沿ってその前方側にずらされ、 かつ上方側からの平面視に該荒加工刃19Eに略直交する方向に配置されること となる。すなわち、本実施例ではこの第二のチップ23のチップポケット21に 臨む切刃が仕上げ加工に供される仕上げ加工刃23Cとされる。
【0020】 さらに、この仕上げ加工刃23Cは、工具送り方向Fにおいて荒加工刃19E のノーズ部19Dよりも僅かに後方側に後退した位置に配置されている。また、 工具本体11の長手方向においてはこの仕上げ加工刃23Cは、荒加工刃19E の位置における被削材Wの加工面との水平方向の差および仕上げ代等を勘案して 、この荒加工刃19Eのノーズ部19Dよりも工具基端側に僅かに後退した位置 に配置されている。 なお、この第二のチップ23は上述したようにポジ型のチップであって、上記 仕上げ加工刃23Cには図4に示されるように正のすくい角γが与えられること となる。また該第二のチップ23は、その工具先端側を向く端面23Aが上記仕 上げ加工刃23Cから離間して下方に向かうに従い工具基端側に後退するように 僅かに傾斜して取り付けられており、これによって上記仕上げ加工刃23Cには 図4に示されるような逃げ角φが与えられることとなる。
【0021】 このような構成の切削工具は、図4に示されるように上記荒加工刃19Eが被 削材Wの回転軸Oに対する径方向に延びるように、また仕上げ加工刃23Cが上 記回転軸Oを含む水平面と被削材Wの仕上げ面Pとがなす交差稜線部に一致する ように、それぞれ配置される。従って、この時の当該切削工具の芯高の位置Hは 仕上げ加工刃23Cの位置に合わせられることとなり、これに対して荒加工刃1 9Eはオフセットされた位置に配置されることとなる。 なお、図4において符号Drは荒加工刃19Eによる切込み深さを、符号Dfは 仕上げ加工刃23Cによる切込み深さを、それぞれ示すものである。
【0022】 そして、被削材Wを上記回転軸O回りにT方向に回転しつつ、工具本体11を 工具送り方向Fに向かって移動させることにより、第一のチップ19に形成され た荒加工刃19Eによって被削材Wの外周が略所定の成形寸法にまで削り取られ て荒加工が施されると同時に、この荒加工が施された加工面を第二のチップ23 に形成された仕上げ加工刃23Cが切削してゆき、仕上げ面Pが形成される。 すなわち、上記構成の切削工具によれば、荒加工と仕上げ加工とを同時に行う ことが可能となり、従来の荒加工と仕上げ加工とを別の工程で行っていた場合に 比べ、加工効率の大幅な向上を図るとともに工程管理や工具管理に要する労力を 軽減させることができる。
【0023】 ここで、本実施例では上述のように仕上げ加工刃23Cが直線状に形成されて 、被削材Wの回転軸Oを含む水平面と仕上げ面Pとがなす交差稜線部に一致する ように水平に配置されている。このため、従来の切削工具の説明において図11 に示したところの曲率半径Rは本実施例では無限大となることとなり、従って被 削材Wの一回転当りの送り量Fzが当該仕上げ加工刃23Cよりも小さい範囲内 であるなら、常に平滑な仕上げ面Pを得ることが可能となる。 このように本実施例によれば、荒加工時における高切削速度および高送り量の 切削条件においても優れた仕上げ面精度を得ることができるので、上述のように 荒加工と仕上げ加工とを同時に行う際にも、荒加工の切削条件に合わせて切削を 行うことが可能となり、切削時間を短縮させて加工効率のより一層の向上を図り つつも、良好な仕上げ面Pを得ることができる。
【0024】 また本実施例では、第一のチップ19が装着されるカートリッジ16が工具本 体11の長手方向に沿って移動可能とされている。すなわち、当該カートリッジ 16は、固定ネジ17を締め付けることによりカートリッジ取付部14に取り付 けられて工具本体11に固定されているが、この固定ネジ17を緩めることによ って、該カートリッジ16に形成された長穴16Dとカートリッジ16の側面1 6Bが当接するカートリッジ取付部14の壁面14Cとに案内されて、工具本体 11の長手方向に沿って移動可能となり、これによって荒加工刃19Eのノーズ 部19Dが工具先端側に向かって出没自在となる。
【0025】 そこで、この固定ネジ17を緩めてカートリッジ16を移動可能とした後、調 整ネジ15を回動させてその壁面14Bからの突出量を調整し、次いでカートリ ッジ16を工具基端側に押し込んで、その側面16Cを調整ネジ15の先端に再 び当接させてカートリッジ16を位置決めし、固定ネジ17を締め付けてカート リッジ16を再度固定することにより、本実施例では荒加工刃19Eのノーズ部 19Dの工具先端側への突出量を調節することができる。 そしてこれにより、該ノーズ部19Dと仕上げ加工刃23Cとの上記長手方向 の位置関係を適宜に設定することが可能となり、被削材Wの旋削径の変更や仕上 げ代の変更、あるいは荒加工刃19Eによる切込み深さDrと仕上げ加工刃23 Cによる切込み深さDfとの調整などを、きわめて容易かつ短時間に行うことが できる。従って本実施例によれば、より幅広い切削条件にも簡単で、しかも柔軟 に対応し得る切削工具を提供することが可能となり、作業効率の向上を図ること ができる。
【0026】 さらに本実施例では、荒加工刃19Eおよび仕上げ加工刃23Cが工具本体1 1の先端部に装着された第一のチップ19および第二のチップ23にそれぞれ別 個に形成されたものであり、このためこれら荒加工刃19Eと仕上げ加工刃23 Cとは互いの位置関係等に拘束されることなく、比較的自由にそのすくい角等を 設計することが可能となる。しかして本実施例では、これにより比較的大きな切 削負荷が作用する荒加工刃19Eには上述のように負のすくい角を付してその刃 先強度の向上を図る一方、仕上げ加工刃においては正のすくい角を付して切れ味 の向上を図っている。 このように上記構成の切削工具によれば、それぞれの切刃の切削条件に応じて 最適なすくい角等が得られるように設計を行うことが可能であり、より合理的な 切削工具を提供することができる。なお本実施例では、仕上げ加工刃23Cが形 成される第二のチップ23が、その幅方向を大きな切削負荷のかかる主運動の方 向に沿わせて配設されており、このため高いチップ剛性を得ることができるとい う利点も得られている。
【0027】 また上記構成の切削工具によれば、荒加工刃19Eと仕上げ加工刃23Cとが 別個のチップ19,23に形成されており、切削時に生じる負荷もこれらの切刃 およびチップのそれぞれに分割されて作用することとなる。このため、個々の切 刃およびチップに掛かる切削負荷の低減を図ることができ、切刃の欠け等の発生 を抑えることができる。
【0028】 なお、本実施例では上述のように被削材Wの回転軸Oを含む水平面と仕上げ面 Pとがなす交差稜線部に一致するように仕上げ加工刃23Cを水平に配置したが 、本考案がこのようなもののみに限定されることはない。例えば、この交差稜線 部を含む上記仕上げ面Pへの接平面に仕上げ加工刃23Cが含まれるように、該 仕上げ加工刃23Cを水平面から傾斜させて配置してもよい。 この場合には、仕上げ加工刃23Cの各部位と上記回転軸Oとの距離の差によ って被削材Wはあたかも曲率半径Rのきわめて大きな凸円弧状の切刃によって仕 上げ加工を行われているのと同じ状態となり、やはり仕上げ面粗度は小さく抑え られることとなって優れた仕上げ面を得ることが可能となる。
【0029】 さらに、本実施例では第二のチップ23を正方形平板状に成形して仕上げ加工 刃23Cを直線状に形成したが、例えば図5および図6に示す本考案の他の実施 例のように、円盤状のチップ31を第二のチップとして用いて、このチップ31 のチップ厚さ方向を向く端面31Aと周面31Bとの交差稜線部に形成された曲 線状の切刃を仕上げ加工刃31Cとしてもよい。なお、この実施例において上記 実施例と同じ構成要素には同一の符号を配して説明を省略する。 この場合にも被削材Wは図7に示すように曲率半径Rの大きな凸円弧状の切刃 によって切削されることとなり、このため工具本体11の送り量を大きく設定し ても優れた仕上げ面Pを得ることが可能となって、上記実施例と同様の作用効果 を奏功することができる。
【0030】 なお、これらの実施例では上述のように、荒加工刃19Eに負のすくい角や傾 斜角αを与えたり、仕上げ加工刃23C(または31C)に正のすくい角を与え たりしたが、これらは切削条件等によって適宜に設定することが可能である。こ れはチップ19,23(または31)の配置や取り付け方についても同様であり 、荒加工刃を被削材の回転方向において仕上げ加工刃よりも前方側に配置したり 、荒加工刃が形成される第一のチップをその上記端面が被削材の回転方向に沿う ように取り付けたり、逆に仕上げ加工刃が形成される第二のチップをその上記端 面が被削材の回転方向後方側を向くように取り付けてもよい。ただし、荒加工刃 を仕上げ加工刃よりも被削材の回転方向前方側に配置した場合でも、工具送り方 向には仕上げ加工刃は荒加工刃の工具先端側に位置するノーズ部よりも後方側に 配置されなければならない。
【0031】 さらに本実施例では、仕上げ加工刃23C(または31C)を、工具本体11 の先端部に着脱自在に装着されたチップ23(または31)の各辺稜部に形成し たが、当該仕上げ加工刃23C(または31C)についてはこのようなスローア ウェイ式の構成のみならず、切刃を工具本体に直接形成したむくバイトやチップ をロウ付け等によって工具本体に固着した付け刃バイトにおいて本考案を実施し てもよい。
【0032】
【考案の効果】
以上説明したように本考案によれば、工具本体に荒加工刃と仕上げ加工刃とが 主運動の方向にずらされて別個に設けられており、これによって荒加工と仕上げ 加工とを同時に行うことができるとともに、仕上げ加工刃が工具送り方向に沿っ て設けられることによってこの仕上げ加工刃がきわめて曲率半径の大きな切刃形 状を呈することとなるので、荒加工時の切削条件においても優れた仕上げ面を得 ることができる。従って高い仕上げ面精度を維持しつつ、加工時間の短縮によっ て加工効率の大幅な向上を図ることができ、また工程管理や工具管理を簡略化す ることが可能となる。
【0033】 また、荒加工刃が形成されるチップの位置が、該チップが装着されるカートリ ッジを移動させることによって工具先端側に向かって出没自在とされているので 、旋削径や仕上げ代の変更等にも簡単に対応し得て、より幅広い切削条件に柔軟 かつ容易に対応し得る切削工具を提供でき、作業効率の向上を図ることが可能と なる。 さらに各切刃が別個に設けられることにより、それぞれに最適な切刃設計を行 うことが可能となるとともに、切削時に作用する負荷も分割されて個々の切刃に ついては低減されるので、切刃寿命の延長等を図ることができるという利点も得 られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の一実施例を示すスローアウェイ式バイ
トの平面図である。
【図2】図1に示す実施例のZZ断面が一部破断された
工具送り方向F側からの側面図である。
【図3】図1に示す実施例の工具先端側からの正面図で
ある。
【図4】図1に示す実施例によって被削材Wを切削する
状態を表わす切刃部分の拡大図である。
【図5】本考案の他の実施例を示すスローアウェイ式バ
イトの工具先端側からの正面図である。
【図6】図5に示す実施例によって被削材Wを切削する
状態を表わす切刃部分の拡大図である。
【図7】図5に示す実施例の仕上げ加工刃31Cによっ
て切削された被削材Wの仕上げ面Pを示す図である。
【図8】従来のスローアウェイ式バイトを示す平面図で
ある。
【図9】図8に示す従来例の先端部のX方向視の側面図
である。
【図10】図8に示す従来例の先端部のY方向視の正面
図である。
【図11】図8に示す従来例によって被削材Wを切削す
る状態を表わす拡大図である。
【符号の説明】
11 工具本体 14 カートリッジ取付部 15 調整ネジ 16 カートリッジ 17 固定ネジ 18,22 チップ取付座 19 第一のチップ 19D ノーズ部 19E 荒加工刃 20 クランプネジ 23,31 第二のチップ 23C,31C 仕上げ加工刃 F 工具送り方向 W 被削材 T 被削材Wの回転方向 P 仕上げ面 O 被削材Wの回転軸 H 芯高の位置 R 仕上げ加工刃がなす曲率半径 Df 仕上げ加工刃による切込み深さ Dr 荒加工刃による切込み深さ

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 工具本体の先端部に、該工具本体の先端
    から基端側に向かって延びる荒加工刃と、上記工具本体
    の長手方向に交差して当該工具本体の送り方向に沿って
    延びる仕上げ加工刃とが、主運動の方向に沿ってずらさ
    れ、かつ上記仕上げ加工刃が上記荒加工刃の先端に対し
    て上記送り方向の後方側に位置するように配設されてい
    るとともに、これら荒加工刃および仕上げ加工刃のうち
    少なくとも上記荒加工刃は、上記工具本体の先端部に上
    記長手方向に沿って移動可能に設けられたカートリッジ
    に着脱自在に装着されたスローアウェイチップ上に形成
    されていて、該荒加工刃が上記工具本体の先端側に向い
    出没自在とされていることを特徴とする切削工具。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009512567A (ja) * 2005-10-19 2009-03-26 スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー 微細複製工具を作製するための整列マルチダイヤモンド切削工具組立体

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009512567A (ja) * 2005-10-19 2009-03-26 スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー 微細複製工具を作製するための整列マルチダイヤモンド切削工具組立体

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