JPH0578303A - 光学活性化合物及びそれを含む液晶組成物 - Google Patents

光学活性化合物及びそれを含む液晶組成物

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JPH0578303A
JPH0578303A JP6861091A JP6861091A JPH0578303A JP H0578303 A JPH0578303 A JP H0578303A JP 6861091 A JP6861091 A JP 6861091A JP 6861091 A JP6861091 A JP 6861091A JP H0578303 A JPH0578303 A JP H0578303A
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optically active
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active compound
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Application number
JP6861091A
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English (en)
Inventor
Sadao Takehara
貞夫 竹原
Masashi Osawa
政志 大沢
Kayoko Nakamura
佳代子 中村
Tamejirou Hiyama
為次郎 檜山
Tetsuo Kusumoto
哲生 楠本
Akiko Nakayama
昭子 中山
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DIC Corp
Sagami Chemical Research Institute
Original Assignee
Sagami Chemical Research Institute
Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】 式(I) (式中、Rは炭素原子数2〜18のアルカノイル基、
アルコキシカルボニル基、アルコキシアルカノイル基、
アルキル基又はアルコキシアルキル基を表わし、R
炭素原子数1〜18のアルキル基を表す。)で表される
光学活性シアノシクロプロパン誘導体及びこの光学活性
シアノシクロプロパン誘導体を含有する液晶組成物、特
に強誘電性液晶組成物及びそれを用いた液晶表示素子。 【効果】 式(I)の化合物を用いて広い温度範囲で高
速応答が可能な強誘電性液晶組成物を得ることができ
る。この組成物は螺旋ピッチが大きく配向性が良好であ
り、良好なコントラストが得られる。また、水、光、特
に酸、塩基等に対する化学的安定性にも優れており、表
示用液晶光スイッチング素子の材料として有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規な光学活性化合物
および液晶材料に係わり、特に応答性、メモリー性に優
れた強誘電性液晶表示用材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】液晶表示素子は、その優れた特徴(低電
圧作動、低消費電力、薄型表示が可能、明るい場所でも
使用でき目が疲れない。)によって、現在、広く用いら
れている。しかしながら、そのうち最も一般的な表示方
式であるTN型においては、CRT等の他の発光型表示
方式と比較すると応答が極めて遅く、かつ印加電場を切
った場合の表示の記憶(メモリー効果)が得られないた
め、高速応答の必要な光シャッター、プリンターヘッ
ド、あるいはさらに時分割駆動の必要なテレビなど動画
面への応用には多くの制約があり、必ずしも適した表示
方式とはいえなかった。
【0003】最近になって、強誘電性液晶を用いる表示
方式が報告され、これによると、TN型液晶の100〜100
0倍という高速応答とメモリー効果とが得られるため、
次世代液晶表示素子として期待され、現在盛んに研究開
発が進められている。
【0004】強誘電性液晶は、液晶相としてはチルト系
のキラルスメクチック相に属するものであるが、そのう
ちキラルスメクチックC(以下、SC*と省略する。)
相が最も低粘性であり最も望ましい。SC*相を示す液
晶化合物(以下、SC*液晶化合物と省略する。)は既
に数多く合成され検討されているが、強誘電性液晶素子
として用いるための以下の条件、すなわち(イ)室温を
含む広い温度範囲でSC*相を示すこと、(ロ)良好な
配向性を得るためにSC*相の高温側に適当な相系列を
有し、かつその螺旋ピッチが大きいこと、(ハ)適当な
チルト角を有すること、(ニ)粘性が小さいこと、
(ホ)自発分極がある程度大きいこと、(ヘ)高速応答
を示すこと、を単独で満足するような化合物は知られて
いない。そのため、数種あるいはそれ以上の化合物を混
合してSC*相を示す液晶組成物(以下、SC*液晶組成
物と省略する。)として用いる必要がある。
【0005】SC*液晶組成物の調製方法としてはアキ
ラルな化合物からなり、スメクチックC(以下SCと略
記する)相を示す母体液晶に、光学活性化合物からなる
ドーパントを、いわゆるキラルドーパントとして添加す
る方法が、より低粘性の組成物を得ることができ、高速
応答が可能となるので、最も一般的である。キラルドー
パントとして用いる化合物は、単独では必ずしもSC*
相を示す必要はなく、また、液晶相すら示す必要もない
が、少量の添加で液晶組成物に充分な自発分極を誘起す
ることや、キラルドーパントとして誘起する螺旋のピッ
チが充分大きいことなどの性質を示すことが必要であ
る。
【0006】キラルドーパントとして大きな自発分極を
誘起するためには、強い双極子モーメントを有する基が
化合物分子の中心骨格(コア)および不斉炭素になるべ
く近接し、固定されていることが必要であることは既に
知られている。このような考えに基づき本発明者らは一
般式(A)
【0007】
【化3】
【0008】(式中、Mesは液晶骨格を表わし、Xは
−COO−または−CH2O−を表わし、Rはアルキル
基を表わす。)で表わされる光学活性シアノシクロプロ
パン誘導体を合成し、この化合物が、少量の添加で充分
大きな自発分極を誘起し、高速応答性のSC*液晶組成
物の調製が可能となることを見いだした。(第16回液
晶討論会予稿集36ページ)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この一
般式(A)の化合物には連結基Xが存在し、化合物の粘
性をやや高めるため、得られるSC*液晶組成物の応答
性によくない影響を与えていた。
【0010】本発明が解決しようとする課題は、キラル
ドーパントとして母体液晶に少量添加することにより大
きな自発分極を誘起し、より高速応答が可能となるよう
な光学活性化合物を提供し、また、そのような強誘電性
液晶表示用材料を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するために一般式(I)
【0012】
【化4】
【0013】(式中、R1は炭素原子数2〜18のアル
カノイル基、アルコキシカルボニル基、アルコキシアル
カノイル基、アルキル基又はアルコキシアルキル基を表
わし、R2は炭素原子数1〜18のアルキル基を表わ
し、シクロプロパン環の1位および2位の不斉炭素原子
は各々独立的に(R)または(S)配置である。)で表
わされる光学活性化合物を提供する。一般式(I)にお
いて、好ましくはR1は一般式(II)
【0014】
【化5】
【0015】(式中、R3は炭素原子数1〜15のアル
キル基を表わし、C*は(R)または(S)配置の不斉
炭素原子を表わす。)で表わされる光学活性な基であ
り、さらに好ましくは、R3は炭素原子数1〜8の直鎖
状のアルキル基を表わし、また好ましくは、R1は炭素
原子数2〜12の直鎖状のアルカノイル基を表わす。ま
た好ましくはR2は炭素原子数1〜8の直鎖状のアルキ
ル基を表わす。
【0016】本発明は、また、これらの一般式(I)で
表わされる光学活性化合物を用いた液晶組成物を提供す
るものである。
【0017】本発明の液晶組成物は、上記一般式(I)
で表わされる化合物の少なくとも1種を構成成分として
含有するものであり、特に強誘電性液晶表示用として
は、主成分であるSC相を示す母体液晶中に上記一般式
(I)の化合物の少なくとも1種をキラルドーパントの
一部または全部としてなるSC*液晶組成物が適してい
る。また本発明の一般式(I)の化合物をネマチック液
晶に少量添加することにより、TN型液晶としていわゆ
るリバースドメインの防止に、あるいはSTN型液晶と
しての用途などに利用できる。
【0018】本発明に係わる一般式(I)の化合物は、
例えば、次の製造方法に従って製造することができる。
【0019】一般式(I)において、R1がアルカノイ
ル基、アルコキシカルボニル基またはアルコキシアルカ
ノイル基を表わされる化合物の場合、一般式(III)
【0020】
【化6】
【0021】(式中、R2及びシクロプロパン環上の不
斉炭素の絶対配置は、一般式(I)におけると同じ意味
を表わす。)で表わされる光学活性化合物と対応するカ
ルボン酸とをDCC(ジシクロヘキシルカルボジイミ
ド)等の縮合剤存在下反応させるか、あるいは一般式
(III)の化合物と対応する酸クロリドとをピリジン等
の塩基存在下反応させることにより容易に得ることがで
きる。
【0022】一般式(I)においてR1がアルキル基、
あるいはアルコキシアルキル基を表わされる化合物の場
合には、一般式(III)で表わされる化合物と対応する
臭化アルキル、あるいは臭化アルコキシアルキルまたは
その塩化物とを、塩基存在下に反応させることにより得
ることができる。
【0023】ここで一般式(III)で表わされる光学活
性化合物は、以下のようにして製造することができる。
即ち、4−(4−メトキシフェニル)フェニルアセトニ
トリルと一般式(IV)
【0024】
【化7】
【0025】(式中、R2は一般式(I)におけると同
じ意味を表わす。)で表わされる光学活性エポキシドと
をブチルリチウムあるいはリチウムジイソプロピルアミ
ド(LDA)等の強塩基存在下に反応させて一般式
(V)
【0026】
【化8】
【0027】(式中、R2は式(I)におけると同じ意
味をもつ。)で表わされる光学活性化合物を得る。この
化合物をピリジン存在下に塩化p−トルエンスルホニル
によりOH基をトシル化した後、このトシル基を有する
化合物を強塩基と反応させてシクロプロパン環を有する
メトキシ誘導体を得ることができる。この化合物はジア
ステレオマー混合物であるが、シリカゲルカラムクロマ
トグラフィー等の通常の分離手段により分離が可能であ
り、各異性体を得ることができる。次いでメチル基を塩
化アルミニウム−ジメチルスルフィドと反応させる等に
より脱メチル化し、一般式(III)で表わされる化合物
を得ることができる。
【0028】ここで一般式(IV)で表わされる光学活性
オキシラン誘導体は、一部市販されており、市販されて
いない誘導体も市販の光学活性エピクロルヒドリンから
容易に合成することができる。
【0029】上記のようにして本発明の一般式(I)で
表わされる化合物を得ることができるが、これらに属す
る個々の具体的な化合物は、融点などの相転移温度、赤
外吸収スペクトル(IR)、核磁気共鳴スペクトル(N
MR)、質量スペクトル(MS)等の手段により確認す
ることができる。
【0030】斯くして得られた一般式(I)で表わされ
る化合物の代表的なものの例を第1表に掲げる。
【0031】
【表1】
【0032】(表中、Crは結晶相を、Iは等方性液体
相を夫々表わす。)
【0033】一般式(I)で表わされる化合物の優れた
特徴の1つとしては、充分に大きい自発分極を誘起でき
ることをあげることができる。例えば、後述の実施例1
に示された化合物をSC相を示す母体液晶にわずかに2
重量%添加して得られるSC *液晶組成物では、25℃
における自発分極の値は3.2nC/cm2であり、5
%添加した場合の自発分極の値は13.8nC/cm2
である。これは液晶における不斉源として最も普通に用
いられる(S)−2−メチルブタノール由来のSC*
晶化合物、例えば4−(4−デシルオキシベンジリデン
アミノ)ケイ皮酸−(S)−2−メチルブチル(DOB
AMBC)の自発分極が母体液晶に添加することなく単
独でも4nC/cm2程度であることと比較すると非常
に大きいことがわかる。このため、非キラルの母体液晶
に1重量%程度以上添加すれば、高速応答に充分な程度
の自発分極を誘起することが可能となる。
【0034】本発明の一般式(I)で表わされる化合物
に於いては、そのシクロプロパン環の1位および2位に
それぞれ不斉炭素が存在する。1位の不斉炭素はシアノ
基のα位にあたるわけであるが、4級の炭素であるの
で、活性水素が存在しない。そのため、塩基等に対して
非常に安定であり、1位の不斉炭素の絶対配置が異性化
することはない。
【0035】前述のように、本発明の一般式(I)で表
わされる化合物は、単独で用いるよりも、液晶組成物と
して添加することにより好適に用いられる。この液晶組
成物は一般式(I)で表わされる光学活性化合物の少な
くとも1種と、必要に応じて他の光学活性化合物とから
なるキラルドーパントとを、これ以外の液晶化合物また
は液晶組成物に加えてなるものである。特に強誘電性液
晶表示素子として用いる場合には、主成分としてのSC
相を示すキラルでない母体液晶組成物に加えてなる組成
物が望ましい。一般式(I)で表わされる化合物は、充
分大きな自発分極を誘起し得るものであるので、母体液
晶中に1重量%程度以上添加すれば高速応答が可能な強
誘電性SC*液晶組成物を得ることができる。
【0036】一般式(I)で表わされる化合物は、単独
では液晶相を示さないが、少量添加するだけでよいの
で、液晶相、特にSC*相の温度範囲を狭くすることは
ほとんどない。
【0037】本発明の一般式(I)で表わされる化合物
をドーパントとして添加する母体液晶に用いられるSC
相を示す化合物(以下、SC化合物と省略する。)とし
ては、例えば下記一般式(B)
【0038】
【化9】
【0039】(式中、RaおよびRbはアルキル基、アル
コキシル基、アルコキシカルボニル基、アルカノイルオ
キシ基またはアルコキシカルボニルオキシ基を表わし、
同一であっても異なっていてもよい。)で表わされるフ
ェニルベンゾエート系化合物や一般式(C)
【0040】
【化10】
【0041】(式中、RaおよびRbは、一般式(B)に
おけると同じ意味を表わす。)で表わされるピリミジン
系化合物を挙げることができる。
【0042】また、一般式(B)、(C)を含めて一般
式(D)
【0043】
【化11】
【0044】(式中、RaおよびRbは一般式(B)にお
けると同じ意味を表わし、環Lおよび環Mはそれぞれ
1,4−フェニレン基、1,4−シクロヘキシレン基、
ピリジン−2,5−ジイル基、ピリミジン−2,5−ジ
イル基、ピラジン−2,5−ジイル基、ピリダジン−
3,6−ジイル基、1,3−ジオキサン−2,5−ジイ
ル基あるいはこれらのハロゲン置換体を表わし、同一で
あっても異なっていてもよく、Zaは−COO−、−O
CO−、−CH2O−、−OCH2−、−CH2CH2−、
−C≡C−または単結合を表わす。)で表わされる化合
物も同様の目的に使用することができる。
【0045】また、SC相の温度範囲を高温域に拡大す
る目的には一般式(E)
【0046】
【化12】
【0047】(式中、RaおよびRbは一般式(B)にお
けると同じ意味を表わし、環L、環Mおよび環Nは前記
一般式(D)における環L、環Mと同じ意味を表わし、
同一であっても異なっていてもよく、ZaおよびZbはそ
れぞれ前記一般式(D)のZaと同じ意味を表わし、同
一であっても異なっていてもよい。)で表わされる3環
の化合物を用いることができる。
【0048】これらの化合物は混合してSC液晶組成物
として用いるのが効果的であるが、組成物としてSC相
を示せばよいのであって、個々の化合物については必ず
しもSC相を示す必要はない。
【0049】こうして得られたSC液晶組成物に、本発
明の一般式(I)で表わされる化合物、および必要とあ
れば他の光学活性化合物をキラルドーパントとして加え
ることにより、容易に室温を含む広い温度範囲で、SC
*相を示すような液晶組成物を得ることができる。
【0050】また本発明の一般式(I)で表わされる化
合物を、上記SC母体液晶組成物に添加して得られた液
晶組成物は、2枚の透明ガラス電極間に1〜20μm程
度の薄膜として封入することにより、表示用セルとして
使用できる。良好なコントラストを得るためには均一に
配向したモノドメインとする必要がある。このため多く
の方法が試みられているが、良好な配向性を示すために
は液晶材料としては、高温側からI(等方性液体)相−
*(キラルネマチック)相−SA(スメクチックA)
相−SC*相の相系列を示し、N*相およびSC*相にお
ける螺旋ピッチを大きくすることが必要であるといわれ
ている。螺旋ピッチを大きくするには、一般には互いに
捩れの向きが逆のキラル化合物を適量混合する方法が用
いられているが、本発明の化合物では高速応答のために
必要な添加量は少なく、その程度の添加では誘起する螺
旋のピッチはかなり大きいのでその調整は容易である。
特に、R1として、2−アルコキシプロパノイル基を用
いた場合には、その不斉炭素の絶対配置を選択すること
により、自発分極を強めながら、螺旋ピッチを大きくす
ることが可能であり、キラルドーパントとして望ましい
性質を示す。
【0051】
【実施例】以下に実施例をあげて、本発明を具体的に説
明するが、勿論本発明の主旨、および適用範囲は、これ
らの実施例により制限されるものではない。
【0052】なお、化合物の構造はNMR、IR、およ
びMSにより確認した。相転移温度の測定は、温度調節
ステージを備えた偏光顕微鏡および示差走査熱量計(D
SC)を併用して行った。IRにおける(Nujol)
は流動パラフィン中の懸濁状態での測定を表わす。NM
RにおけるCDCl3は溶媒を表わし、sは1重線、d
は2重線、qは4重線、mは多重線を表わし、Jはカッ
プリング定数を表わす。温度は℃を表わし、組成物中に
おける「%」はすべて「重量%」を表わす。
【0053】(参考例) 一般式(III)で表わされる
化合物の合成
【0054】4−(4−メトキシフェニル)フェニル
酢酸エチルの合成
【0055】
【化13】
【0056】ジクロロビス(トリフェニルフォスフィ
ン)ニッケル2.6g(4.0ミリモル)と、トリフェ
ニルフォスフィン2.1g(8.0ミリモル)のエーテ
ル30ml溶液をアルゴン雰囲気下、0℃に冷却し、1.
8M臭化エチルマグネシウム−エーテル溶液4.4ml
(8.0ミリモル)を加え、1時間攪拌した。反応終了
後、溶媒を減圧下に溜去して得られた残渣に、4−ブロ
モ−4’−メトキシビフェニル4.3g(16.4ミリ
モル)のテトラヒドロフラン(THF)20ml及びジメ
トキシメタン30mlの混合溶媒の溶液を加え、ヘキサメ
チルリン酸トリアミド(HMPA)10mlを加えた。こ
れに、ブロム酢酸エチル10.0g(60.0ミリモ
ル)、亜鉛6.5g(100ミリモル)、メチラール1
0mlより調製したReformatoskii反応剤を0℃で加え、
室温で一晩攪拌した。反応終了後、3M塩酸50mlを加
え、反応生成物をエーテル250mlで抽出し、抽出液を
精製水で洗滌した後、減圧下濃縮した。得られた残渣を
カラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=5
/1)を用いて分離精製して4−(4−メトキシフェニ
ル)フェニル酢酸エチルの無色板状結晶2.16gを得
た(収率51%)。このものの融点は68℃であった。
【0057】4−(4−メトキシフェニル)フェニル
酢酸の合成
【0058】
【化14】
【0059】4−(4−メトキシフェニル)フェニル酢
酸エチル250mg(0.93ミリモル)のエタノール3
0ml溶液に、氷冷下40%水酸化ナトリウム溶液5mlを
加え室温で2日間攪拌した。反応混合物を3M塩酸で中
和し、減圧下溶媒を溜去した。さらに3M塩酸でpH1
とし、エーテル200mlで抽出した後、抽出液を飽和食
塩水で洗滌し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。濾過
後、抽出液を濃縮して、4−(4−メトキシフェニル)
フェニル酢酸の無色板状結晶524mg(収率94%)を
得た。このものの融点は186〜188℃であった。
【0060】4−(4−メトキシフェニル)フェニル
アセトニトリルの合成
【0061】
【化15】
【0062】4−(4−メトキシフェニル)フェニル酢
酸1.0g(5.4ミリモル)のポリリン酸エチル(P
PE)20ml溶液をアンモニア雰囲気下2時間攪拌し
た。更にPPE10mlを加え、アルゴン雰囲気下2時間
加熱攪拌した。反応混合物に飽和炭酸ナトリウム水溶液
を加えて中和し、反応生成物をエーテル250mlで抽出
し、飽和食塩水で洗滌した後、抽出液を減圧下濃縮し
た。得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(ヘキサ
ン/酢酸エチル=3/1)を用いて分離精製して4−
(4−メトキシフェニル)フェニルアセトニトリルの無
色結晶809mg(収率67%)を得た。このものの融点
は129〜130℃であった。
【0063】(4R)−2−シアノ−4−ヒドロキシ
−2−[4−(4−メトキシフェニル)フェニル]デカ
ンニトリルの合成
【0064】
【化16】
【0065】4−(4−メトキシフェニル)フェニルア
セトニトリル1.02g(4.6ミリモル)のTHF4
0ml溶液に、−78℃で1.5Mブチルリチウム−ヘキ
サン溶液3.6ml(5.5ミリモル)を加え、1時間攪
拌した。反応生成物に、(R)−1,2−エポキシオク
タン705mg(5.5ミリモル)のTHF20ml溶液及
びHMPA5mlを加え、室温まで昇温し1時間攪拌し
た。反応混合物を3M塩酸で中和し、反応生成物を酢酸
エチル300mlで抽出した後、抽出液を飽和食塩水で洗
滌し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。抽出液を濃縮
した後、残渣をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/
酢酸エチル=3/1)を用いて分離精製して、(4R)
−2−シアノ−4−ヒドロキシ−2−[4−(4−メト
キシフェニル)フェニル]デカンニトリルの無色結晶
1.05g(収率65%)を得た。
【0066】(4R)−2−シアノ−4−トシルオキ
シ−2−[4−(4−メトキシフェニル)フェニル]デ
カンニトリルの合成
【0067】
【化17】
【0068】(4R)−2−シアノ−4−ヒドロキシ−
2−[4−(4−メトキシフェニル)フェニル]デカン
ニトリル186mg(0.53ミリモル)のピリジン10
ml溶液に塩化p−トルエンスルホニル303mg(1.6
ミリモル)のピリジン20ml溶液及び4−N,N−ジメ
チルアミノピリジン10mgを加え、室温で1晩攪拌し
た。減圧下、ピリジンを溜去し、残渣をカラムクロマト
グラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=4/1)を用いて
分離精製して、(4R)−2−シアノ−4−トシルオキ
シ−2−[4−(4−メトキシフェニル)フェニル]デ
カンニトリルの無色粘稠性液体130mg(収率49%)
を得た。
【0069】(1R,2S)−1−シアノ−2−ヘキ
シル−1−[4−(4−メトキシフェニル)フェニル]
シクロプロパンの合成
【0070】
【化18】
【0071】水素化ナトリウム(60%油性)107mg
(2.8ミリモル)のN,N−ジメチルホルムアミド
(DMF)10ml溶液に、氷冷下(4R)−2−シアノ
−4−トシルオキシ−2−[4−(4−メトキシフェニ
ル)フェニル]デカンニトリル1.13g(2.2ミリ
モル)のDMF10ml溶液を加え、室温で1時間攪拌し
た。反応混合物を3M塩酸で中和し、反応生成物を酢酸
エチル250mlで抽出した。抽出液を減圧下濃縮し、残
渣をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル
=10/1)を用いて分離し、さらに分取用高速液体ク
ロマトグラフィー(東ソー、Silikagel−60、21.
5mmID×300mm,ヘキサン/酢酸エチル=20/1)
を用いて分離精製して、非極性成分として(1R,2
S)−1−シアノ−2−ヘキシル−1−[4−(4−メ
トキシフェニル)フェニル]シクロプロパンの無色板状
晶641mg(収率86%)(融点 101〜102℃)
及び極性成分として(1S,2S)−1−シアノ−2−
ヘキシル−1−[4−(4−メトキシフェニル)フェニ
ル]シクロプロパン66mg(収率9%)を得た。
【0072】(1R,2S)−1−シアノ−2−ヘキ
シル−1−[4−(4−ヒドロキシフェニル)フェニ
ル]シクロプロパンの合成
【0073】
【化19】
【0074】塩化アルミニウム562mg(4.2ミリモ
ル)及びジメチルスルフィド3mlのジクロロメタン20
ml溶液に、0℃で(1R,2S)−1−シアノ−2−ヘ
キシル−1−[4−(4−メトキシフェニル)フェニ
ル]シクロプロパン468mg(1.4ミリモル)のジク
ロロメタン10ml溶液を加え、30分間加熱攪拌した。
反応生成物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で中和し、
セライト濾過した後、反応生成物をエーテル250mlで
抽出し、抽出物をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン
/酢酸エチル=3/1)を用いて分離精製して(1R,
2S)−1−シアノ−2−ヘキシル−1−[4−(4−
ヒドロキシフェニル)フェニル]シクロプロパンの無色
柱状晶358mg(収率79%)を得た。このものの融点
は114〜115℃であった。
【0075】(実施例1) 一般式(I)の化合物の合
成:(S)−2−プロポキシプロパン酸4−[4−
[(1R,2S)−1−シアノ−2−ヘキシルシクロプ
ロピル]フェニル]フェニルの合成(第1表のNo.1
の化合物)
【0076】
【化20】
【0077】(S)−乳酸エチルから得られた(S)−
2−プロポキシプロパン酸クロリド110mg(0.18
ミリモル)及び参考例で得られた(1R,2S)−1−
シアノ−2−ヘキシル−1−[4−(4−ヒドロキシフ
ェニル)フェニル]シクロプロパン116mg(0.36
ミリモル)をジクロロメタン10mlに溶解し、この溶液
にピリジン1mlを加え、溶媒還流下3時間攪拌した。放
冷後、反応生成物にエーテル100mlを加え、反応生成
物を抽出し、抽出液を1M塩酸、水、飽和食塩水で順次
洗滌し、無水硫酸ナトリウムで脱水した。抽出液から溶
媒を溜去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマト
グラフィー(ヘキサン/ジクロロメタン=1/1)を用
いて分離精製して、無色粘稠性油状物である(S)−2
−プロポキシプロパン酸4−[4−[(1R,2S)−
1−シアノ−2−ヘキシルシクロプロピル]フェニル]
フェニル106mg(収率68%)を得た。
【0078】IR(Nujol) 2250、177
0、1605、1550、1200、1170、112
0、1010、905、880、815、530c
-11H NMR(CDCl3) δ 0.7−1.
1(m,6H)、1.1−1.9(m,15H)、1.
57(d,J=8Hz,3H)、3.2−3.7(m,
2H)、4.18(q,J=8Hz,1H)、7.1−
7.7(m,8H)
【0079】(実施例2) 一般式(I)の化合物の合
成:オクタン酸4−[4−[(1R,2S)−1−シア
ノ−2−ヘキシルシクロプロピル]フェニル]フェニル
の合成(第1表のNo.2の化合物)
【0080】
【化21】
【0081】実施例1において(S)−2−プロポキシ
プロパン酸クロリドに代えて、オクタン酸クロリドを用
いた以外は、実施例1と同様にして表記化合物を得た。
【0082】(実施例3) SC*液晶組成物の調製:
以下の組成からなる母体液晶(H)を調製した。
【0083】
【化22】
【0084】この組成物は冷却下、70℃以下でネマチ
ック(N)相を、65℃以下でSA相を、56℃以下で
SC相を各々示した。また、その融点は12℃であっ
た。次に、この母体液晶(H)98%に実施例1で得た
(S)−2−プロポキシプロパン酸4−[4−[(1
R,2S)−1−シアノ−2−ヘキシルシクロプロピ
ル]フェニル]フェニル2%を加えてSC*液晶組成物
(M−1)を調製した。この組成物は冷却下、67℃以
下でキラルネマチック(N*)相を、60.5℃以下で
SA相を、54℃以下でSC*相を各々示した。また、
母体液晶(H)を95%、(S)−2−プロポキシプロ
パン酸4−[4−[(1R,2S)−1−シアノ−2−
ヘキシルシクロプロピル]フェニル]フェニルを5%と
してSC*液晶組成物(M−2)を調製した。この組成
物は冷却下、62℃以下でキラルネマチック(N*)相
を、53℃以下でSA相を、49.5℃以下でSC*
を各々示した。
【0085】(実施例4) 表示用素子の作製
【0086】実施例3で得られたSC*液晶組成物(M
−1)を加熱して等方性液体相とした。これを間隔約2
μmの2枚の透明電極板(ポリイミドコーティング−ラ
ビングによる配向処理を施してある。)からなるガラス
セル間に充填し、表示用素子を作成した。これを室温ま
で徐冷して、均一に配向したSC*相のセルを得た。配
向性は極めて良好であった。このセルに電界強度10V
p-p/μm、50Hzの矩形波を印加して、その25℃
における電気光学的応答を測定したところ、68μ秒と
いう高速応答性を示した。このときの自発分極は3.2
nC/cm2であった。また、チルト角は22.3゜で
あり、コントラストは非常に良好であった。また、SC
*液晶組成物(M−2)を用いて同様に表示用素子を作
成し測定を行ったところ、応答は76μ秒、自発分極は
13.8nC/cm2、チルト角は25.4゜でありコ
ントラストも良好であった。
【0087】
【発明の効果】本発明の一般式(I)で表わされる光学
活性化合物は、他の母体液晶組成物にいわゆるキラルド
ーパントとして添加することにより、大きい自発分極を
誘起することができ、広い温度範囲で高速応答が可能な
液晶組成物を提供することができる。また、本発明の一
般式(I)で表わされる化合物は、工業的にも容易に製
造でき、無色で水、光、また特に酸、塩基等に対する化
学的安定性に非常に優れており実用的である。さらに、
本発明におけるキラルスメクチック液晶組成物では10
0μ秒以下の高速応答を実現することも可能である。し
かも、こうして得られたキラルスメクチック液晶組成物
のN相における螺旋ピッチは充分大きく、良好な配向性
を得ることができ、得られた表示素子のコントラストは
良好である。従って、表示用光スイッチング素子として
極めて有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 檜山 為次郎 神奈川県相模原市上鶴間4−29−3−101 (72)発明者 楠本 哲生 神奈川県相模原市栄町3−16−104 (72)発明者 中山 昭子 東京都町田市山崎町1380−K−702

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I) 【化1】 (式中、R1は炭素原子数2〜18のアルカノイル基、
    アルコキシカルボニル基、アルコキシアルカノイル基、
    アルキル基又はアルコキシアルキル基を表わし、R2
    炭素原子数1〜18のアルキル基を表わし、シクロプロ
    パン環の1位および2位の不斉炭素原子は各々独立的に
    (R)または(S)配置である。)で表わされる光学活
    性化合物。
  2. 【請求項2】 R1が一般式(II) 【化2】 (式中、R3は炭素原子数1〜15のアルキル基を表わ
    し、C*は(R)または(S)配置の不斉炭素原子を表
    わす。)で表わされる光学活性基である請求項1記載の
    光学活性化合物。
  3. 【請求項3】 R1がアルカノイル基である請求項1記
    載の光学活性化合物。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の光学活性化合物を含有す
    る液晶組成物。
  5. 【請求項5】 強誘電性キラルスメクチック相を示す請
    求項4記載の液晶組成物。
  6. 【請求項6】 請求項4または5記載の液晶組成物を用
    いた液晶表示素子。
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