JP3564706B2 - 光学活性な3−置換アルキル基を有する化合物 - Google Patents

光学活性な3−置換アルキル基を有する化合物

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、新規な光学活性な液晶性化合物及び液晶材料に係わり、特に応答性、メモリー性等に優れた強誘電性液晶表示用材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
液晶表示素子は、その優れた特徴(低電圧作動、低消費電力、薄型表示が可能、明るい場所でも使用でき目が疲れない。)によって、現在広く用いられている。しかしながら、そのうち最も一般的な表示方式であるTN型においては、CRT等の他の発光型表示方式と比較すると応答が極めて遅く、かつ印加電場を切った場合の表示の記憶(メモリー効果)が得られないため、高速応答の必要な光シャッター、プリンターヘッド、あるいは更に時分割駆動の必要なテレビなど動画面への応用には多くの制約があり、必ずしも適した表示方式とはいえなかった。
【0003】
最近になって、強誘電性液晶を用いる表示方式が報告され、これによるとTN型液晶の100〜1000倍という高速応答とメモリー効果とが得られるため、次世代液晶表示素子として期待され、現在盛んに研究開発が進められている。
【0004】
強誘電性液晶の液晶相はチルト系のキラルスメクチック相に属するものであるが、そのうちキラルスメクチックC(以下、SCと省略する)相が最も低粘性であり最も望ましい。SC相を示す液晶化合物は既に数多く合成され検討されているが、強誘電性液晶素子として用いるための以下の条件、即ち、(イ)室温を含む広い温度範囲でSC相を示すこと、(ロ)良好な配向性を得るためにSC相の高温側に適当な相系列を有し、かつその螺旋ピッチが大きいこと、(ハ)適当なチルト角を有すること、(ニ)粘性が小さいこと、(ホ)充分な自発分極を有すること、(ヘ)高速応答を示すこと、を単独で満足するような化合物は知られていない。そのため、数種あるいはそれ以上の化合物を混合してSC相を示す液晶組成物(以下、SC液晶組成物と省略する)として用いる必要がある。
【0005】
SC液晶組成物の調製方法としては、アキラルな化合物からなりスメクチックC(以下、SCと省略する)相を示す母体液晶(以下、SC母体液晶と省略する)に、光学活性化合物からなるキラルドーパントを添加する方法が、より低粘性の組成物を得ることができ、高速応答が可能となるので、最も一般的である。キラルドーパントとして用いる化合物は単独では必ずしもSC相を示す必要はなく、また液晶相すら示す必要もないが、添加することにより液晶組成物に充分な自発分極を誘起することや、キラルドーパントとして誘起する螺旋のピッチが充分大きいことなどの性質を示すことが必要である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
強誘電性液晶の応答時間(τ)はその粘度に比例し、自発分極に反比例することはよく知られている。従って、応答時間を短くするには液晶組成物の粘度を低くして、自発分極を大きくすればよいことになる。しかしながら、自発分極については、あまり大きくするとメモリー性に悪影響を及ぼし、また組成物の粘度を大きくしてしまうため、実際にはある程度以上には大きくできないのが実状である。従って、キラルドーパントとしては、組成物の粘度を大きくしないようにできるだけ少量の添加で充分な自発分極を誘起するか、あるいはやや多量に添加しても組成物の粘度を大きくしないように、キラルドーパント自体の粘性を小さくする必要がある。
【0007】
このために、少量の添加でも大きい自発分極を誘起できるような光学活性化合物及び低粘性の光学活性化合物がこれまでにも多数合成されてきた。しかしながら、大きい自発分極を誘起できる化合物ではその粘性が大きすぎ、少量の添加にもかかわらず、組成物の粘度を大きくするものが多く、また低粘性の化合物では自発分極が非常に小さいため、高速応答のためには添加量が非常に多くなり、組成物の温度範囲等に悪影響を及ぼすことが多かった。
【0008】
本発明が解決しようとする課題は、キラルドーパントとして母体液晶に添加することにより、充分な自発分極を誘起して、高速応答が可能となる低粘性の光学活性な化合物を提供し、またそれを用いて上記の性質を示すような強誘電性液晶表示用材料を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題を解決するために、一般式(I)
【0010】
【化2】
Figure 0003564706
【0011】
(式中、Rは置換されていてもよい炭素原子数1〜18のアルキル基を表わすが、好ましくは炭素原子数2〜14の直鎖状アルキル基を表わす。Xは単結合又は−O−を表わす。環Aは1個又は2個のフッ素原子により置換されていてもよい1,4−フェニレン基、トランス−1,4−シクロヘキシレン基、ピリジン−2,5−ジイル基、ピリミジン−2,5−ジイル基又はピラジン−2,5−ジイル基を表わすが、好ましくは1,4−フェニレン基又はピリミジン−2,5−ジイル基を表わし、特に好ましくはピリミジン−2,5−ジイル基を表わす。Yは−OH、−OCH、−OCF又はフッ素原子を表わすが、−OH又はフッ素原子が好ましく、特に粘性を小さくするためにフッ素原子が好ましい。Rは炭素原子数1〜18のアルキル基を表わすが、好ましくは炭素原子数1〜10の直鎖状アルキル基を表わす。*はその炭素原子が(S)又は(R)配置の光学活性な不斉炭素であることを表わす。)で表わされる光学活性な3−置換アルキル基を有する化合物を提供する。
【0012】
また、本発明はこの一般式(I)で表わされる光学活性な化合物を含有する液晶組成物も提供するものである。
【0013】
本発明の液晶組成物は、上記一般式(I)の化合物の少なくとも1種を構成成分として含有するものであり、特に強誘電性液晶表示用としては、主成分であるSC相を示す母体液晶(以下、SC母体液晶と省略する)中に、上記一般式(I)の化合物の少なくとも1種をキラルドーパントの一部又は全部として添加してなるSC液晶組成物が適している。また、本発明の一般式(I)の化合物をネマチック液晶に少量添加することにより、TN型液晶としていわゆるリバースドメインの防止に、あるいはSTN型液晶としての用途などに利用できる。こうした用途には一般式(I)において、R及びRはそれぞれ独立的に炭素原子数1〜7の直鎖状アルキル基であることが好ましい。
【0014】
本発明に係わる一般式(I)の化合物は、例えば次の製造方法に従って製造することができる。
即ち、一般式(II)
【0015】
【化3】
Figure 0003564706
【0016】
(式中、R、X、環A、R及び*は一般式(I)におけると同じ意味を表わす)で表わされる光学活性な1,3−ジチアン誘導体を、ラネーニッケルで還元することにより、3−ヒドロキシアルキル基を有する化合物、即ち一般式(I)において、Yが−OHである一般式(Ia)の化合物を得ることができる。
【0017】
この一般式(Ia)の化合物を三フッ化ジメチルアミノ硫黄(DAST)等のフッ素化剤と反応させることにより、一般式(I)においてYがフッ素原子である下記一般式(Ib)の化合物を得ることができる。
【0018】
また、一般式(Ia)の化合物を塩基存在下に、ヨウ化メチル、ジメチル硫酸等のメチル化剤と反応させることにより、一般式(I)においてYが−OCHである下記一般式(Ic)の化合物を得ることができる。
【0019】
また、一般式(Ia)の化合物をジチオ炭酸エステルとした後に、フッ素化剤と反応させることにより、一般式(I)においてYが−OCFである下記一般式(Id)の化合物を得ることができる。
【0020】
【化4】
Figure 0003564706
【0021】
ここで一般式(II)の光学活性な1,3−ジチアン誘導体も、本発明者らが初めて見いだした化合物であり、一般式(III)
【0022】
【化5】
Figure 0003564706
【0023】
(式中、R、X及び環Aは一般式(I)におけると同じ意味を表わす)で表わされるベンズアルデヒド誘導体から、例えば以下のようにして製造することができる。
【0024】
一般式(III)のベンズアルデヒド誘導体と1,3−プロパンジチオールを反応させて得られる1,3−ジチアン誘導体(IV)
【0025】
【化6】
Figure 0003564706
【0026】
(式中、R、X及び環Aは一般式(I)におけると同じ意味を表わす)をブチルリチウム等の強塩基と反応させてアニオンとし、これを一般式(V)
【0027】
【化7】
Figure 0003564706
【0028】
(式中、R及び*は一般式(I)におけると同じ意味を表わす)で表わされる光学活性エポキシ化合物と反応させることにより、一般式(II)の化合物を得ることができる。
【0029】
ここで原料として用いられる一般式(V)の光学活性エポキシ化合物は、Rが直鎖状の基である一部の化合物は市販されており、市販されていない化合物も、市販の光学活性エピクロロヒドリンから容易に合成することができる。
【0030】
また他の合成原料として用いた一般式(III)のベンズアルデヒド誘導体は、液晶化合物の合成原料としてよく用いられているものであり、対応する安息香酸誘導体の酸塩化物の還元、あるいは対応するハライドから導かれるグリニヤール化合物のホルミル化等により、容易に得ることができる。
【0031】
あるいは一般式(IV)の1,3−ジチアン誘導体は、特に環Aが複素環である場合には、2−フェニルジチアン誘導体を原料として環Aを形成することにより合成することも可能である。
【0032】
例えば、環Aが5−置換ピリミジン−2−イル基の場合、2−(4−シアノフェニル)−1,3−ジチアンをアミジン塩酸塩とし、これと一般式(VI)で表わされるアクロレイン誘導体とを反応させて得ることができる。
【0033】
【化8】
Figure 0003564706
【0034】
(式中、R及びXは一般式(I)におけると同じ意味を表わす。)
または、環Aが5−置換ピリジン−2−イル基の場合には、2−(4−アセチルフェニル)−1,3−ジチアンを一般式(VII)で表わされる過塩素酸塩と反応させてピリリウム塩とし、これをアンモニウム塩と反応させて得ることができる。
【0035】
【化9】
Figure 0003564706
【0036】
(式中、R及びXは一般式(I)におけると同じ意味を表わす。)
また、環Aが5−置換ピラジン−2−イル基の場合には、2−(4−アセチルフェニル)−1,3−ジチアンのアセチル基を臭素化し、一般式(VIII)で表わされる臭化物及びアンモニア水と反応させることにより得ることができる。
【0037】
【化10】
Figure 0003564706
【0038】
(式中、R及びXは一般式(I)におけると同じ意味を表わす。)
上記のようにして本発明の一般式(I)の化合物を得ることができるが、これらに属する個々の具体的な化合物は、融点などの相転移温度、赤外吸収スペクトル(IR)、核磁気共鳴スペクトル(NMR)、質量スペクトル(MS)等の手段により確認することができる。
【0039】
斯くして得られた一般式(I)の化合物の代表的なものの例を第1表に掲げる。
【0040】
【表1】
Figure 0003564706
【0041】
(表中、Crは結晶相を、SAはスメクチックA相を、Iは等方性液体相をそれぞれ表わす。)
【0042】
本発明の一般式(I)の化合物の優れた特徴のひとつは、母体液晶に添加することにより充分な自発分極を誘起し、高速応答が可能となる点にある。
例えば、第1表中のNo.1の化合物20重量%及びSC相を示すフェニルピリミジン系の母体液晶80重量%からなるSC液晶組成物では、25℃において64μ秒という高速応答性を示した。このときの自発分極は−12.3nC/cmであった。
【0043】
更に、一般式(I)の化合物の優れた特徴としては粘性が小さいことをあげることができる。これは一般式(I)においてYがフッ素原子である一般式(Ib)の化合物の場合に特に顕著である。例えば、第1表中のNo.3の化合物10重量%及び上記と同じ母体液晶90重量%からなるSC液晶組成物では、自発分極は−3.6nC/cm程度であるが、その応答速度は90μ秒であり、その自発分極の大きさのわりには高速であった。強誘電性液晶の開発初期の化合物であるデシルオキシベンジリデンアミノ桂皮酸(S)−2−メチルブチル(DOBAMBC)は、同程度の自発分極を示すが、その応答は約400μ秒以上である。このことからも、一般式(I)、特に一般式(Ib)の化合物の粘性は非常に小さいことが理解できる。
【0044】
第1表から明らかなように、一般式(I)の化合物は単独ではSC相を示さない場合が多い。しかしながら、液晶組成物に少量添加する程度ではそのSC相の温度範囲をほとんど狭くすることはない。ただし、多量に添加する場合には母体液晶としてSC相の温度範囲の広い液晶組成物を用いる必要がある。
【0045】
本発明の一般式(I)の化合物をキラルドーパントとして添加する母体液晶に用いられるSC化合物としては、例えば下記一般式(A)
【0046】
【化11】
Figure 0003564706
【0047】
(式中、R及びRは直鎖状又は分岐状のアルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アルカノイルオキシ基又はアルコキシカルボニルオキシ基を表わし、同一であっても異なっていてもよい。)で表わされるフェニルベンゾエート系化合物や一般式(B)
【0048】
【化12】
Figure 0003564706
【0049】
(式中、R及びRは一般式(A)におけると同じ意味を表わす。)で表わされるフェニルピリミジン系化合物を挙げることができる。
また一般式(A)、(B)を含めて一般式(C)
【0050】
【化13】
Figure 0003564706
【0051】
(式中、R及びRは一般式(A)におけると同じ意味を表わし、環L及び環Mはそれぞれ独立的に、1,4−フェニレン基、1,4−シクロヘキシレン基、ピリジン−2,5−ジイル基、ピリミジン−2,5−ジイル基、ピラジン−2,5−ジイル基、ピリダジン−3,6−ジイル基、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル基あるいはこれらのハロゲン置換体を表わし、互いに同一であっても異なっていてもよく、Zは−COO−、−OCO−、−CHO−、−OCH−、
−CHCH−、−C≡C−又は単結合を表わす。)で表わされる化合物も同様の目的に使用することができる。
【0052】
また、SC相の温度範囲を高温域に拡大する目的には一般式(D)
【0053】
【化14】
Figure 0003564706
【0054】
(式中、R及びRは一般式(A)におけると同じ意味を表わし、環L、環M及び環Nは前記一般式(C)における環L、環Mと同じ意味を表わし、互いに同一であっても異なっていてもよく、Z及びZはそれぞれ一般式(C)における
と同じ意味を表わし、同一であっても異なっていてもよい。)で表わされる3環の化合物を用いることができる。
【0055】
これらの化合物は混合してSC母体液晶として用いるのが効果的であるが、組成物としてSC相を示せばよいのであって、個々の化合物については必ずしもSC相を示す必要はない。
【0056】
こうして得られたSC母体液晶に本発明の一般式(I)の化合物、及び必要とあれば他の光学活性化合物をキラルドーパントとして加えることにより、容易に室温を含む広い温度範囲でSC相を示す液晶組成物を得ることができる。
【0057】
また、本発明の一般式(I)の化合物を上記SC母体液晶に添加して得られたSC液晶組成物は、2枚の透明ガラス電極間に1〜20μm程度の薄膜として封入することにより、表示用セルとして使用できる。良好なコントラストを得るためには均一に配向したモノドメインとする必要がある。良好な配向性を得るため多くの方法が試みられているが、液晶材料としては、高温側からI相−N(キラルネマチック)相−SA(スメクチックA)相−SC相又はI相−SA相−
SC相の相系列を示し、N相及びSC相における螺旋ピッチが大きいことが必要である。螺旋ピッチを大きくするには、一般には互いに捩れの向きが逆のキラル化合物を適量混合する方法が用いられているが、本発明の一般式(I)の化合物では誘起する螺旋ピッチは比較的大きいので、その調整は容易である。
【0058】
【実施例】
以下に実施例をあげて、本発明を具体的に説明するが、勿論本発明の主旨、及び適用範囲は、これらの実施例により制限されるものではない。
【0059】
なお、相転移温度の測定は温度調節ステージを備えた偏光顕微鏡及び示差走査熱量計(DSC)を併用して行った。また、化合物の構造はNMR、IR、MS及び元素分析により確認した。IRにおける(neat)は液膜による測定を、(KBr)は錠剤成形による測定を表わす。NMRにおけるCDClは溶媒を表わし、sは1重線、dは2重線、tは3重線、quintetは5重線、mは多重線を表わし、また例えば、dtは2重の3重線を表わし、broadは幅広い吸収を表わす。MSにおけるMは親ピークを表わし、( )内の数値はそのピークの相対強度を表わす。温度は「℃」を表わし、組成物中における「%」はすべて『重量%』を表わす。
【0060】
(参考例1) 2−(4−シアノフェニル)−1,3−ジチアンの合成
【0061】
【化15】
Figure 0003564706
【0062】
4−シアノベンズアルデヒド10g、プロパンジチオール10g、ポリリン酸トリメチルシリル−ジクロロメタン溶液60mlを室温で10時間攪拌した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液200mlを加え、反応生成物をエーテル200ml、酢酸エチル100mlで抽出した。抽出液を濃縮した後、ヘキサン/酢酸エチル(9/1)混合溶媒から再結晶させて、2−(4−シアノフェニル)−1,3−ジチアン14.9g(収率88%)を得た。
無色針状晶
融点 112℃
【0063】
(参考例2) 2−[4−(5−ヘキシルピリミジン−2−イル)フェニル]−1,3−ジチアンの合成
【0064】
【化16】
Figure 0003564706
【0065】
参考例1で得られた2−(4−シアノフェニル)−1,3−ジチアン10g、エタノール3.5g、ジクロロメタン40ml、エーテル80ml混合溶液を塩化水素雰囲気下、室温で5日間攪拌した。反応液を減圧濃縮した後、得られた残渣にメタノール100mlを加え、アンモニアガス雰囲気下、室温で3日間攪拌した。反応液を減圧濃縮した後、得られた残渣にエーテル100mlを加えて、析出した白色沈澱を濾別して乾燥し、4−(1,3−ジチアン−2−イル)ベンズアミジン塩酸塩13.7gを得た。この4−(1,3−ジチアン−2−イル)ベンズアミジン塩酸塩2.25gに1−(N,N−ジメチルアミノ)−2−ホルミル−1−オクテン2.25g、メタノール25mlを加え、更にナトリウム1gとメタノール20mlより調製したナトリウムメトキシド−メタノール溶液を加え、9時間加熱還流した。反応液を減圧濃縮した後、得られた残渣に水を加え、反応生成物を酢酸エチルで抽出した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=8/1)を用いて分離精製して、2−[4−(5−ヘキシルピリミジン−2−イル)フェニル]−1,3−ジチアン1.5gを得た。
無色針状晶
融点 110℃
【0066】
(参考例3) (R)−2−[4−(5−ヘキシルピリミジン−2−イル)フェニル]−2−(2−ヒドロキシオクチル)−1,3−ジチアンの合成
【0067】
【化17】
Figure 0003564706
【0068】
ジイソプロピルアミン425mgのTHF16ml溶液に−78℃で1.5Mブチルリチウム−ヘキサン溶液2.7mlを加えて30分間攪拌した。これに参考例2で得られた2−[4−(5−ヘキシルピリミジン−2−イル)フェニル]−1,3−ジチアン1.25g、(R)−1,2−エポキシオクタン550mgのTHF16ml溶液を加え、30分かけて−50℃に昇温した。これを2M塩酸で処理し、酢酸エチルで反応生成物を抽出した後、抽出液を濃縮し、得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(Kieselgel60,ヘキサン/酢酸エチル=6/1)を用いて精製して、(R)−2−[4−(5−ヘキシルピリミジン−2−イル)フェニル]−2−(2−ヒドロキシオクチル)−1,3−ジチアン1.25g(収率74%,91%ee)を得た。
【0069】
無色粘稠性油状物質
[α] +22.3゜(c=1.0,CHCl,20℃)
IR(neat) 3500,2950,1590,1430,800cm−1
H NMR(CDCl) δ 0.83(t,J=7.0Hz,3H),0.89(t,J=7.1Hz,3H),1.17〜1.45(m,16H),1.67(quintet,J=7.8Hz,2H),1.90〜2.02(m,2H),2.16(dd,J=15.0and1.6Hz,1H),2.25(s,1H),2.28(dd,J=15.0and8.8Hz,1H),2.64(t,J=7.8Hz,2H),2.73〜2.82(m,4H),3.59〜3.65(m,1H),8.05(d,J=8.7Hz,2H),8.42(d,J=8.7Hz,2H),8.63(s,2H)
MS m/z 486(M,16),357(30),267(100),265(38),55(25),43(28)
高分解能MS C2842OSとしてM
計算値 m/z 486.2736
実測値 m/z 486.2760
【0070】
(参考例4) 2−[4−(5−オクチルピリミジン−2−イル)フェニル]−1,3−ジチアンの合成
参考例2と同様にして、4−(1,3−ジチアン−2−イル2,6−ジチオシクロヘキシル)ベンズアミジン塩酸塩3gと1−(N,N−ジメチルアミノ)−2−オクチル−2−プロペナール3gを反応させ、2−[4−(5−オクチルピリミジン−2−イル)フェニル]−1,3−ジチアン2.1g(収率50%)を得た。
無色板状晶
融点 99℃
【0071】
(参考例5) (R)−2−(2−ヒドロキシデシル)−2−[4−(5−オクチルピリミジン−2−イル)フェニル]−1,3−ジチアンの合成
参考例3と同様にして、2−[4−(5−オクチルピリミジン−2−イル)フェニル]−1,3−ジチアン650mgと(R)−1,2−エポキシデカン250mgより、(R)−2−(2−ヒドロキシデシル)−2−[4−(5−オクチルピリミジン−2−イル)フェニル]−1,3−ジチアン790mg(収率86%,86%ee)を得た。
無色粘稠性油状物質
[α] +22.4゜(c=1.0,CHCl,20℃)
【0072】
(参考例6) 2−[4−(5−オクチルオキシピリミジン−2−イル)フェニル]−1,3−ジチアンの合成
参考例2と同様にして、4−(1,3−ジチアン−2−イル)ベンズアミジン塩酸塩と3−(N,N−ジメチルアミノ)−2−オクチルオキシ−2−プロペナールを反応させ、2−[4−(5−オクチルオキシピリミジン−2−イル)フェニル]−1,3−ジチアンを得た。
無色針状晶
融点 107.5℃
【0073】
(参考例7) (R)−2−(2−ヒドロキシオクチル)−2−[4−(5−オクチルオキシピリミジン−2−イル)フェニル]−1,3−ジチアンの合成
参考例3と同様にして、2−[4−(5−オクチルオキシピリミジン−2−イル)フェニル]−1,3−ジチアン1.1gと(R)−1,2−エポキシオクタン410mgより、(R)−2−(2−ヒドロキシオクチル)−2−[4−(5−オクチルオキシピリミジン−2−イル)フェニル]−1,3−ジチアン1.2g(収率83%,89%ee)を得た。
無色粘稠性油状物質
[α] +21.2゜(c=1.0,CHCl,20℃)
【0074】
(実施例1) (R)−5−ヘキシル−2−[4−(3−ヒドロキシノニル)フェニル]ピリミジンの合成
【0075】
【化18】
Figure 0003564706
【0076】
参考例3で得られた(R)−2−[4−(5−ヘキシル−2−ピリミジン−2−イル)フェニル]−2−(2−ヒドロキシオクチル)−1,3−ジチアン705mgのアセトン15ml溶液に、ラネーニッケル(W−4)エタノール懸濁液20mlを加え、30分間加熱還流した。反応液をセライト濾過した後、濾液を濃縮し、得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(ワコーゲルC−200,ヘキサン/酢酸エチル=6/1)を用いて精製して、(R)−5−ヘキシル−2−[4−(3−ヒドロキシノニル)フェニル]ピリミジン438mg(収率79%)を得た。これを更にヘキサンから再結晶させて、(R)−5−ヘキシル−2−[4−(3−ヒドロキシノニル)フェニル]ピリミジン288mg(収率52%,99%ee)を得た。
【0077】
無色針状晶
融点 56℃
[α] −10.0゜(c=1.1,CHCl,20℃)
IR(KBr) 3420,2950,2880,1595,1550,1470,1430,800cm−1
H NMR(CDCl) δ 0.87(t,J=6.9Hz,3H),0.89(t,J=7.0Hz,3H),1.23〜1.58(m,17H),1.58〜1.68(m,2H),1.70〜1.87(m,2H),2.61(t,J=7.8Hz,2H),2.74(ddd,J=13.7,9.4and6.9Hz,1H),2.86(ddd,J=13.7,9.5and5.8Hz,1H),3.58〜3.68(m,1H),7.32(d,J=8.4Hz,2H),8.32(d,J=8.4Hz,2H),8.60(s,2H)
MS m/z 382(M,18),364(54),279(65),267(44),266(34),254(100),253(39),241(47),182(26),55(30),43(41)
元素分析:C2538Oとして
計算値:C,78.49%;H,10.01%;N,7.32%
実測値:C,78.42%;H, 9.94%;N,7.28%
【0078】
(実施例2) (S)−2−[4−(3−フルオロノニル)フェニル]−5−ヘキシルピリミジンの合成
【0079】
【化19】
Figure 0003564706
【0080】
実施例1で得られた(R)−5−ヘキシル−2−[4−(3−ヒドロキシノニル)フェニル]ピリミジン250mgのジクロロメタン12ml溶液に−78℃で三フッ化ジメチルアミノ硫黄(DAST)0.2mlを加え、1時間かけて−40℃まで昇温した。反応液に飽和食塩水を加えて反応生成物をエーテルで抽出し、抽出液を濃縮した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=9/1)を用いて分離精製し、更に分取用高速液体クロマトグラフィー(東ソー,Silica−60,ヘキサン/酢酸エチル=60/1)を用いて分離精製して、(S)−2−[4−(3−フルオロノニル)フェニル]−5−ヘキシルピリミジン201mg(収率80%)を得た。
【0081】
無色針状晶
相転移温度 30℃(Cr→I)、23℃(SA−I)
[α] +14.0゜(c=1.0,CHCl,20℃)
IR(KBr) 2940,2870,1595,1550,1470,1430,795cm−1
H NMR(CDCl) δ 0.88(t,J=7.0Hz,3H),0.89(t,J=7.0Hz,3H),1.23〜1.75(m,18H),1.75〜2.07(m,2H),2.61(t,J=7.8Hz.2H),2.75(ddd,J=13.9,9.4and7.1Hz,1H),2.88(ddd,13.9,9.8and5.2Hz,1H),4.49(dm,J=49.3Hz,1H),7.52(d,J=8.4Hz,2H),8.33(d,J=8.4Hz,2H),8.61(s,2H)
19F NMR(CDCl) δ −182(m)
MS m/z 384(M,46),267(58),255(88),253(100),182(33),43(34),41(31)
元素分析:C2537Fとして
計算値:C,78.08%;H,9.70%;N,7.28%
実測値:C,77.91%;H,9.67%;N,7.30%
【0082】
(実施例3) (R)−2−[4−(3−ヒドロキシウンデシル)フェニル]−5−オクチルピリミジンの合成
【0083】
【化20】
Figure 0003564706
【0084】
実施例1と同様にして、参考例5で得られた(R)−2−(2−ヒドロキシデシル)−2−[4−(5−オクチルピリミジン−2−イル)フェニル]−1,3−ジチアン750mgより、(R)−2−[4−(3−ヒドロキシウンデシル)フェニル]−5−オクチルピリミジン470mg(収率78%,86%ee)を得た。これを更にヘキサン/エーテル(20/1)混合溶媒から再結晶させて精製して、(R)−2−[4−(3−ヒドロキシウンデシル)フェニル]−5−オクチルピリミジン290mg(収率48%,97%ee)を得た。
【0085】
無色針状晶
融点 68℃
[α] −7.3゜(c=1.0,CHCl,20℃)
IR(KBr) 3270,2950,2870,1600,1470,1430,800,640cm−1
H NMR(CDCl) δ 0.87(t,J=7.3Hz,3H),0.88(t,J=7.1Hz,3H),1.20〜1.15(m,25H),1.62〜1.71(m,2H),1.73〜1.90(m,2H),2.61(t,J=7.8Hz,2H),2.74(ddd,J=13.8,9.4and6.9Hz,1H),2.86(ddd,J=13.8,9.6and6.0Hz,1H),3.61〜3.69(m,1H),7.32(d,J=8.4Hz,2H),8.32(d,J=8.3Hz,2H),8.60(s,2H)
MS m/z 438(M,21),420(50),307(45),296(2),265(49),283(23),282(100),281(33),269(49),182(31),57(26),55(38),43(71),41(59)
元素分析:C2946Oとして
計算値:C,79.40%;H,10.57%;N,6.39%
実測値:C,79.39%;H,10.62%;N,6.34%
【0086】
(実施例4) (S)−2−[4−(3−フルオロウンデシル)フェニル]−5−オクチルピリミジンの合成
【0087】
【化21】
Figure 0003564706
【0088】
実施例2と同様にして、実施例2で得られた(R)−2−[4−(3−ヒドロキシウンデシル)フェニル]−5−オクチルピリミジン270mgとDAST0.3mlを反応させ、カラムクロマトグラフィー(ワコーゲルC−200,ヘキサン/酢酸エチル=20/1)を用いて分離精製して、(S)−2−[4−(3−フルオロノニル)フェニル]−5−オクチルオキシピリミジン214mg(収率79%)を得た。これを更にヘキサンから再結晶させて精製した(177mg)。
【0089】
無色針状晶
相転移温度 37℃(Cr→SA)、47℃(SA−I)
[α] +9.8゜(c=1.0,CHCl,20℃)
IR(KBr) 2950,2870,1600,1470,1430,800cm−1
H NMR(CDCl) δ 0.87(t,J=7.0Hz,3H),0.88(t,J=7.0Hz,3H),1.20〜1.75(m,26H),1.78〜2.18(m,2H)2.61(t,J=7.8Hz,2H),2.75(ddd,J=13.9,9.3,and7.1Hz,1H),2.8(ddd,J−13.9,9.7,and5.2Hz,1H),4.49(dm,J=49.3Hz,1H),7.31(d,J=8.3Hz,,2H),8.33(d,J=8.3Hz,2H),8.60(s,2H)
MS m/z 442(M+2,29),441(M+1,87),296(22),295(82),283(21),282(100),281(63),182(40),43(64),41(45)
元素分析:C2945Fとして
計算値:C,79.04%;H,10.29%;N,6.36%
実測値:C,79.16%;H,10.41%;N,6.40%
【0090】
(実施例5) (R)−2−[4−(3−ヒドロキシノニル)フェニル]−5−オクチルオキシピリミジンの合成
【0091】
【化22】
Figure 0003564706
【0092】
実施例1と同様にして、参考例7で得られた(R)−2−(2−ヒドロキシオクチル)−2−[4−(5−オクチルオキシピリミジン−2−イル)フェニル]−1,3−ジチアン1gより(R)−2−[4−(3−ヒドロキシノニル)フェニル]−5−オクチルオキシピリミジン686mg(収率85%,89%ee)を得た。これを更にヘキサン/エーテル(40/1)混合溶媒から再結晶させて精製して、(R)−2−[4−(3−ヒドロキシノニル)フェニル]−5−オクチルオキシピリミジン537mg(収率67%,97%ee)を得た。
【0093】
無色針状晶
相転移温度 56℃(Cr→SA)、65℃(SA−I)
[α] −6.9゜(c=1.0,CHCl,20℃)
IR(KBr) 3400,2940,2870,1475,1435,13001270,790cm−1
H NMR(CDCl) δ 0.88(t,J=6.9Hz,3H),0.89(t,J=6.8Hz,3H),1.22〜1.60(m,21H),1.70〜1.88(m,4),2.73(ddd,J=13.9,8.8and6.9Hz,1H),2.85(ddd,J=13.9,9.5and5.8Hz,1H),3.60〜3.68(m,1H),4.09(t,J=6.5Hz,2H),7.30(d,J=8.4Hz,2H),8.25(d,J=8.4Hz,2H),8.44(s,2H)
MS m/z 426(M,42),408(48),298(48),285(31),211(30),199(22),198(27),186(22),185(46),57(37),55(50),43(100),41(63)
元素分析:C2742として
計算値:C,76.01%;H,9.92%;N,6.57%
実測値:C,76.13%;H,9.94%;N,6.51%
【0094】
(実施例6) (S)−2−[4−(3−フルオロノニル)フェニル]−5−オクチルピリミジンの合成
【0095】
【化23】
Figure 0003564706
【0096】
実施例2と同様にして、(R)−2−[4−(3−ヒドロキシノニル)フェニル]−5−オクチルオキシピリミジン425mgとDAST0.2mlを反応させ、カラムクロマトグラフィー(ワコーゲルC−200,ヘキサン/酢酸エチル=20/1)で分離精製し、(S)−2−[4−(3−フルオロノニル)フェニル]−5−オクチルピリミジン382mg(収率90%)を得た。更にヘキサンから再結晶させて精製した(305mg,収率71%)。
【0097】
無色柱状晶
相転移温度 35℃(Cr→SA)、82℃(SA−I)
[α] +11.3゜(c=1.0,CHCl,20℃)
IR(KBr) 2950,2870,1440,1290,790cm−1
H NMR(CDCl) δ 0.88(t,J=7.0Hz,3H),0.89(t,J=6.8Hz,3H),1.20〜1.75(m,20H),1.75〜2.05(m,4H),2.74(ddd,J=13.8,9.3and7.1Hz,1H),2.87(ddd,13.8,9.8and5.2Hz,1H),4.09(t,J=6.5Hz,2H),4.49(dm,J=49.2Hz,1H),7.31(d,J=8.3Hz,2H),8.26(d,J=8.3Hz,2H),8.44(s,2H)
19F NMR(CDCl) δ −182(m)
MS m/z 429(M+1,32),428(M,100),186(34),185(66),57(32),43(61),41(40)
元素分析:C2741OFとして
計算値:C,75.66%;H,9.64%;N,6.54%
実測値:C,75.75%;H,9.62%;N,6.49%
【0098】
(実施例7) SC液晶組成物の調製
以下の組成からなるSC相を示す母体液晶(H−1)を調製した。
【0099】
【化24】
Figure 0003564706
【0100】
この母体液晶の相転移温度は以下の通りであった。
12.5℃(Cr→SC)、55.5℃(SC−SA)、64.5℃(SA−N)、70℃(N−I)
また、以下の組成からなる母体液晶(H−2)を調製した。
【0101】
【化25】
Figure 0003564706
【0102】
この母体液晶の相転移温度は以下の通りであった。
13℃(Cr→SC)、63.5℃(SC−SA)、73.5℃(SA−N)、83.5℃(N−I)
これらの母体液晶75〜95%及び第1表の一般式(I)の化合物を5〜25%からなるSC液晶組成物(M−1)〜(M−11)を調製した。その組成及び相転移温度を下記第2表に示した。なお、融点は明瞭でないものが多いため省略した。
【0103】
【表2】
Figure 0003564706
(上記中、相転移温度は数字の左側の相と右側の相との間の転移温度を表わし、例えば、SC49.5 SAはキラルスメクチックC相とスメクチックA相との間の相転移温度が49.5℃であることを表わす。)
【0104】
(実施例8) 液晶表示素子の作製
実施例7で得られたSC液晶組成物(M−1)を等方性液体(I)相まで加熱し、これを厚さ2μmの2枚の透明電極板(ポリイミドコーティング−ラビングによる配向処理を施してある)からなるガラスセルに充填して、表示用素子を作製した。これを室温まで徐冷したところ均一に配向したSC相のセルを得た。 このセルに電界強度10Vp−p/μm、50Hzの矩形波を印加して、その電気光学的応答速度を測定したところ、25℃で127μ秒という高速応答が確認できた。またこのときの自発分極の極性は−で、その大きさは2.2nC/cmであった。この組成物のN相の螺旋ピッチは30μm以上と非常に大きく、配向性が良く、コントラストは非常に良好であった。
【0105】
同様にして、SC液晶組成物(M−2)〜(M−11)を用いて表示用素子を作製し、その電気光学的応答速度を測定した。その結果を併せて第3表に示す
【0106】
【表3】
Figure 0003564706
【0107】
【発明の効果】
本発明の一般式(I)で表わされる光学活性な3−置換アルキル基を有する化合物は、SC母体液晶にキラルドーパントとして添加することにより充分な自発分極を誘起し、またその粘性が小さいので、広い温度範囲で高速応答が可能な液晶組成物を提供することができる。
【0108】
また本発明の一般式(I)の化合物は、工業的にも容易に製造でき、無色で水、光等に対する化学的安定性に優れており実用的である。
更に、本発明におけるキラルスメクチック液晶組成物を用いることにより、50μ秒以下の高速応答を実現することも容易であり、表示用光スイッチング素子として極めて有用である。

Claims (5)

  1. 一般式(I)
    Figure 0003564706
    (式中、R1は炭素原子数1〜18のアルキル基を表わし、Xは単結合又は−O−を表わし、環Aはフッ素原子によって置換されていてもよい1,4−フェニレン基、トランス−1,4−シクロヘキシレン基、ピリジン−2,5−ジイル基、ピリミジン−2,5−ジイル基又はピラジン−2,5−ジイル基を表わし、Yはフッ素原子を表わし、R2は炭素原子数2〜18のアルキル基を表わし、*はその炭素原子が光学活性な不斉炭素であることを表わす。)で表わされる化合物。
  2. 環Aがピリミジン−2,5−ジイル基である請求項1記載の化合物。
  3. 請求項1記載の一般式(I)で表わされる化合物を含有する液晶組成物。
  4. 強誘電性キラルスメクチック相を示す請求項3記載の液晶組成物。
  5. 請求項3又は4記載の液晶組成物を用いた液晶表示素子。
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