JPH0578138A - インクジエツトヘツドの製造方法 - Google Patents

インクジエツトヘツドの製造方法

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JPH0578138A
JPH0578138A JP24143591A JP24143591A JPH0578138A JP H0578138 A JPH0578138 A JP H0578138A JP 24143591 A JP24143591 A JP 24143591A JP 24143591 A JP24143591 A JP 24143591A JP H0578138 A JPH0578138 A JP H0578138A
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宣裕 近藤
Toshio Matsumura
敏雄 松村
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 感光性ガラスを用い、エッチング面の表面粗
さを改善し、工程を短縮し、かつ歩留まりを向上させ、
さらに製造後の検査をし易くする。 【構成】 A工程で感光性ガラス板1の表面に、インク
ジェットヘッドのインク射出口2,加圧室3,インク溜
り4,インク供給口5などを連通するインク流路となる
溝部の露光パターンと、その周囲に遮光部とが形成して
あるフォトマスクを配置して、感光性ガラス板を露光
し、熱処理し、エッチングして溝部を形成する。B工程
で感光性ガラス板1の表面の全体にわたり、SiO2
被膜形成用塗布液をコーティングしてコーティング膜6
を形成する。このようにしてインクジェットヘッドの流
路基板10を形成し、C工程で振動板7を流路基板10
の表面に対接保持して熱処理する。熱処理の一例として
500℃で30分間加熱すると、コーティング膜6が接
着剤となって作用し、基板10と振動板7とが確実に接
着される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、インクジェットヘッド
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来よりインクジェットヘッドは、流路
基板の素材としてガラス基板を用いて、その表面にイン
ク射出口,加圧室,インク溜り,インク供給口などが連
通するインク流路となる溝をエッチングにより形成す
る。この様な溝を設けた基板に、ガラス製の振動板を熱
融着し、加圧室に対向する位置の振動板の表面に圧電素
子を接着して製造している。流路基板の素材としては、
近来、複雑な流路の形成が容易な感光性ガラスを用いる
ことが提案されており、この場合、感光性ガラス板の表
面に溝を形成する方法は、まず溝の形状のパターンが形
成されているフォトマスクを通して紫外線を照射して露
光部を形成し、露光部を熱処理して結晶部を形成し、こ
れを所定の深さまでエッチングして溝を形成する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記のように流路基板
の素材として感光性ガラスを用いると、表面に形成され
る溝は、露光,熱処理によって結晶化した層を、フッ化
水素酸溶液などのエッチング液で所定の深さまでエッチ
ングしたものであるので、溝の内面は結晶部の粒界の影
響もあり、表面粗さを小さくすることができない。イン
クジェットヘッドの溝の表面粗さが大きいと、インクに
混入した気泡が溝内で停滞し、インク射出特性に悪影響
を及ぼす問題がある。
【0004】また感光性ガラス製の流路基板にガラス製
の振動板を熱融着により接合する場合には、800℃以
上に加熱しなければならないので、その昇温及び降温ス
ピードに制約があり、工程に時間がかかる。また全体を
均一な弱い圧力で押えなければならないので、未融着部
分を生じて歩留まりが悪いなどの問題がある。
【0005】更にこの熱融着時には、上記のエッチング
のための熱処理温度よりも高温で加熱するので、露光の
有無にかかわらず、エッチング加工時とは別の結晶が感
光性ガラスに形成される。この結晶化によって溝の内部
が見え難くなり、製造後の種々の検査がやり難くなると
いう問題がある。
【0006】そこで本発明の目的は、感光性ガラスを用
い、エッチング面の表面粗さを改善し、工程を短縮し、
かつ歩留まりを向上させ、さらに製造後の検査をし易く
することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明のインクジェットヘッドの製造方法は、感光
性ガラス板の表面に溝部を形成すべき部分に露光し熱処
理しエッチングしてインク流路となる溝部を形成し、溝
部が形成してある感光性ガラス板の表面を、SiO2
被膜形成用塗付液を用いてコーティングし、その後で振
動板をコーティング膜を介して感光性ガラス板の表面に
熱溶着する。
【0008】
【作用】SiO2 系被膜形成用塗付液を用いて形成した
コーティング膜によって、エッチング面が平滑となり、
振動板の接合に際してエッチングのための熱処理温度以
上の高温加熱が不要となり、しかも確実に接合し、内部
も見易くなる。
【0009】
【実施例】図1を参照して本発明の製造工程を説明す
る。まずA工程において、感光性ガラス板1の表面に形
成する溝、即ち、インクジェットヘッドのインク射出口
2,加圧室3,インク溜り4,インク供給口5などを連
通するインク流路となるための溝の露光パターンと、そ
の周囲に遮光部とが形成してある図示しないフォトマス
クを介して、感光性ガラス板1の表面に紫外線を照射
し、感光性ガラス板内に露光部を形成し、熱処理して結
晶部を形成し、エッチングして上記の溝を形成したもの
である。溝の面は、結晶部の結晶粒により表面が粗くな
っている。
【0010】そこでB工程において、感光性ガラス板1
の溝の内面及び溝が形成されていない表面の全体にわた
り、SiO2 系被膜形成用塗布液をコーティングしてコ
ーティング膜6を形成する。SiO2 系被膜形成用塗布
液としては、例えばOCD(東京応化工業(株)の商品
名)を用いることができる。OCDはケイ素化合物およ
び添加剤(拡散用不純物、ガラス質形成剤、有機バイン
ダ)を有機溶剤(アルコール主成分、エステル、ケト
ン)に溶解したものである。OCDのコーティングは、
スピンナー、ディッピング、吹き付け、刷毛塗りなどの
方法で簡単に塗布できる。SiO2 系被膜形成用塗布液
としては、OCDの他にも、被膜形成性と接着性とを具
備し、かつ感光性ガラスとの密着性の良いものが選択さ
れる。このB工程によって、インクジェットヘッドの流
路基板10が形成され、図2にその平面を示している。
流路基板10は溝の内面を含む基板全表面がコーティン
グ膜6で覆われて平滑な面となっており、表面には共通
のインク溜り4から複数のインク射出口2へ至る複数本
のインク流路である溝10a…が設けられている。
【0011】その後でC工程において、表面にSiO2
系被膜形成用塗布液によるコーティング膜6が形成され
た流路基板10と振動板7とを対接保持し、熱処理を行
う。この熱処理は、例えば500℃で30分間加熱する
ことにより行われるもので、これによりコーティング膜
6が接着剤となって流路基板10と振動板7とが確実に
接着する。なお、振動板7は感光性ガラスを素材とする
ものや通常のガラスを素材とするものなど、種々の素材
のものが適用可能である。
【0012】図3に示すように、流路基板10に振動板
7を接着した後で、振動板7の表面であって加圧室3と
対向する位置に、圧電素子8を接着することによってイ
ンクジェットヘッドの製造が完了する。
【0013】このインクジェットヘッドは、図示しない
インク供給手段からインク流路内にインクが充填され、
圧電素子8に電力が供給されたとき、振動板7が内方へ
変形して加圧室3内のインクが加圧され、インク射出口
2からインクが射出される。
【0014】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明のインク
ジェットヘッドの製造方法では、インク流路となる溝部
が形成してある感光性ガラス板の表面を、SiO2 系被
膜形成用塗付液を用いてコーティングし、その後で振動
板をコーティング膜を介して感光性ガラス板の表面に熱
溶着するので、溝部の面が平滑となり、工程が短縮で
き、また振動板の接合を確実にできるので、歩留まりが
向上する。更に接合のための加熱温度をエッチングのた
めの熱処理温度よりも低くすることができるので、感光
性ガラスが結晶化することがなくなり、製造後の検査を
し易くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)乃至(C)は本発明の製造方法の工程を
示す説明図である。
【図2】インクジェットヘッドの流路基板を示す平面図
である。
【図3】同上の流路基板を用いて製造したインクジェッ
トヘッドの断面図である。
【符号の説明】
1 感光性ガラス板 2,3,4,5 インク流路となる溝部 6 コーティング膜 7 振動板

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 感光性ガラス板の表面に溝部を形成すべ
    き部分に露光し熱処理しエッチングしてインク流路とな
    る上記溝部を形成し、 上記溝部が形成してある上記感光性ガラス板の表面を、
    SiO2 系被膜形成用塗付液を用いてコーティングし、 その後で振動板を上記コーティング膜を介して上記感光
    性ガラス板の表面に熱溶着することを特徴とするインク
    ジェットヘッドの製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06262761A (ja) * 1993-03-11 1994-09-20 Rohm Co Ltd インクジェットプリントヘッド及びそれを用いた印刷装置
US6789319B2 (en) * 1996-10-18 2004-09-14 Seiko Epson Corporation Method of manufacturing an ink jet print head
US7213339B2 (en) * 2000-12-12 2007-05-08 Gyros Ab Method of manufacturing a microscale nozzle

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