JPH057715B2 - - Google Patents

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JPH057715B2
JPH057715B2 JP59234780A JP23478084A JPH057715B2 JP H057715 B2 JPH057715 B2 JP H057715B2 JP 59234780 A JP59234780 A JP 59234780A JP 23478084 A JP23478084 A JP 23478084A JP H057715 B2 JPH057715 B2 JP H057715B2
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roller
fixing
rubber
layer
fluororesin
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Tsukasa Kuge
Masahiro Goto
Isamu Sakane
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Description

【発明の詳細な説明】
〔本発明が属する分野〕 本発明は複写機、印刷機、フアクシミリ、プリ
ンター或いはこれらの複合機等の画像形成装置に
用いられる。加熱ローラ、加圧ローラ又は加熱加
圧ローラ等の定着用ローラ(ベルト状のローラを
含む)及びそれを有する定着装置に関する。 〔本発明に係わる従来技術〕 従来、この分野では、トナー像に接する加熱ロ
ーラとして芯金に四弗化エチレン樹脂を被覆した
ローラを、トナー像の加熱加圧時間を増すため加
熱ローラに圧接する加圧ローラとしてゴム層を被
覆したローラを、用いるのが一般的である。 しかしながら、トナー像側に設けられた加熱ロ
ーラ表面は、剛体に近いものであるため、トナー
像を加圧して熱を伝達する際の熱伝達速度が遅
く、トナー像の凹凸に対してのなじみも少ない。
従つて、得られる画像性、定着性はゴムローラを
トナー像側に用いた場合に比べて悪く、トナー像
が定着されるシートのカール発生量も大きい。逆
にトナー側ローラにゴムローラを用いた場合は離
型性が悪いためオフセツトが増大し、耐摩耗性が
低いため当接部材(分離爪やセンサー等)によつ
て摩耗し部分的定着不良及び部分的オフセツトも
増大してしまう。 このようにゴムローラ、樹脂ローラは、いずれ
も長所短所があり、これらの長所を兼ね備えた弾
性ローラが望まれていた。 これに対して提案されているローラに、特開昭
58−2864号、特開昭58−5770号及び特開昭58−
27175号がある。これらの提案は、前者が金属ロ
ーラ表面に弗素ゴムと弗素樹脂との混合塗料を塗
布してなるローラを、後者はゴムローラ表面に弗
素ゴムと弗素樹脂との混合塗料を塗布してなるロ
ーラを、夫々開示している。 しかしこれらは特開昭57−135871号公報に開示
された上記混合塗料を希望するローラに適用する
ことを開示するものであるため、実際の定着使用
条件に適する定着ローラを得ることはできなかつ
た。具体的に上記技術開示に基いてローラを作成
したところ、混合層表面に樹脂成分を多く得るこ
とはできず、せいぜい2μ程度が限度であつた。
又、このローラは表面の樹脂層が十分な焼成を受
けていないために摩耗性が激しく、数千枚の通紙
さえもできない。定着用ローラ自体にとつて上記
混合層は極めて薄い層しか形成できず、所望の弾
性を得るためには特開昭58−5770号に開示のよう
にこの混合層の下層に新たにゴム層を必要とする
ことも既に知られている。 ところが、ローラの基体にゴム層を設け、その
上層に上記混合層を形成し直接400℃の高温下で
30分高温焼成すると、確かに混合層表面には弗素
樹脂がわずかに多くなる(3μ程度)が、その下
層にあるゴム層が解重合を起こして弾性を失つて
しまう。 従つて、ローラとしての特性を得ることは、混
合層表面に樹脂成分を多くすることと相反してお
り、両特性を満足した弾性ローラを長期使用に耐
え得るように得ることは困難であつた。 特に定着装置に用いられる定着用又は加圧用又
は加熱用の弾性ローラとしては、ゴム層の弾性と
混合層表面の樹脂成分増大化は、定着性や加熱、
加圧等の諸目的を満足する上で極めて重要である
が、現実的には長期実用に耐え得る離型性及び弾
性を有するローラを得ることは願望の域を出なか
つた。 一方、単純にゴムローラを形成し、その表面に
樹脂層を形成するものとして実用化されているも
のに特公昭47−20747号公報に開示されたローラ
がある。このローラは、シリコーンゴムローラの
表面を研磨した上に接着剤を塗布し、予めゴムロ
ーラ径より大径の熱収縮性チユーブ(FEP:弗
素化エチレン・プロピレン)をかぶせ、104.4℃
で加熱収縮させた後182.2℃で1時間加熱したも
のである。しかし、この方法では、熱収縮量が均
一にならないために所定形状のローラを得ること
が困難であり、樹脂チユーブを予め形成した後、
内面の清掃を極めて良く行わなければならない。
又、現在の技術では熱収縮性チユーブの肉厚を
50μ以上にしか形成できないので、下層のゴム層
の弾性を相殺してしい、この方法では弾性を生か
したローラができない。つまり、この公報による
ローラは、精度が悪く、しかも製造工程が多いた
めに高価であり、適切な定着効果を奏することも
できない。 又、特開昭57−89785号公報に開示されたロー
ラ及び特開昭59−74578号に開示されたローラが
あるが、いずれも製造されたローラの構成を示し
ていず、前者、後者とも焼成温度が300℃である
点及び前者はフツソ樹脂材質が4弗化エチレンー
6弗化プロピレン共重合体であることを考慮する
と、このローラは表面の樹脂層が十分な焼成を受
けていないために摩耗が激しく、数千枚の通紙さ
えもできず、定着ローラとしては使用できないも
のである。 なぜならば、これらは、シリコーンゴムローラ
表面に弗素樹脂液を塗布したものであるが、弗素
樹脂液が4弗化エチレン樹脂の場合、弗素樹脂の
結晶化は327℃(結晶融点)以上の高温(好まし
くは340℃〜360℃)に、又、弗素樹脂液が4弗化
エチレンーパーフルオロビニールエーテル共重合
体の場合、306℃(結晶融点)以上の高温(好ま
しくは320℃〜340℃)に加熱された後に得られる
ものであつて、300℃の低温では弗素樹脂は溶融
せず、乾燥された粉末状態のままで残り、フイル
ム化しないため樹脂特性が得られないからであ
る。しかもこれらの公報には希望的数値として、
前者ではフツ素樹脂が0.1μ〜50μ、後者では樹脂
が0.1mm以下で良いと挙げられているだけで、実
現性の根拠はどこには見られない。このように
300℃のような結晶融点以下の低温焼成では樹脂
特性が得られないばかりでなく、ゴム層と樹脂表
面との接着性が悪く樹脂強度も弱いため、簡単に
剥離してしまう。 ゴム層と樹脂表層との接着性が悪いと、定着用
ローラがシートを挟持搬送した際に生じる局部応
力によつて、これらの層間にすべりが生じ簡単に
剥離し、像乱れや定着不良を起こすばかりでなく
オフセツトが発生し、樹脂層が分離爪等で破けて
しまう。ことに300℃の低温焼成では樹脂として
の耐摩耗性がないために、特開昭59−74578号に
示されたように、紙づまり等がないとしても2〜
3万枚の搬送ができる程度であり、実用化されに
くい。 〔本発明の目的〕 本発明は定着ローラ及びそれを有する装置にと
つて画期的な定着用ローラ及びそれを有する定着
装置を提供するものである。 本発明の目的は表面樹脂特性を有し、全体とし
て弾性が適度にあつて、定着性、耐摩耗性、離型
性を従来より優れたものとできる定着用ローラ及
びそれを有する定着装置の提供にある。 本発明の別の目的は、オフセツトを減少でき、
定着画像の鮮明さや画質を向上し、未定着像が定
着される記録材の曲画(カール)の発生を防止
し、しかも通紙性の良い定着用ローラ及びそれを
有する定着装置の提供にある。 本発明のさらに特別の目的は実用化でき、安価
で特性的に格別に優れた定着用ローラの提供にあ
る。 〔本発明の要旨〕 本発明は上記目的を達成するために、定着用ロ
ーラは製造時シリコーンゴムに300℃以下の温度
が付与され弗素樹脂には結晶融点以上の温度、特
に弗素樹脂液が4弗化エチレン樹脂(以下PTE
と称す)では、弗素樹脂の結晶化は327℃(結晶
融点)以上の高温(好ましくは340℃〜360℃)
に、又、弗素樹脂液が4弗化エチレンーパーフル
オロビニールエーテル共重合体(以下PFAと称
す)では、306℃(結晶融点)以上の高温(好ま
しくは320℃〜340℃)にが十分与えられている。
従つて、弗素樹脂は、結晶化度95%以下で引張強
度50Kg/cm2以上の樹脂特性を示す焼成樹脂であ
り、このシリコーンゴムは、室温ゴムJISA硬度
が30〜80度の充分なゴム弾性を有するものであ
り、本発明はこの特徴を備えた定着用ローラ及び
それを有する定着装置である。 本発明はこの特徴により、優れた定着性を奏
し、しかもその耐久性が通常の定着で20万枚から
30万枚以上の高寿命であり、定着における種々の
問題を解決できるものである。 以下本発明のさらなる特徴は実施例の説明によ
つて明瞭にされるであろう。 〔本発明の実施例〕 第1図は本発明の定着用ローラを有する本発明
定着装置の実施例説明図である。 第1図中1は、未定着のトナー像と接する側の
定着ローラで、2は定着ローラ1に圧接回転する
加圧ローラで、共に本発明の定着用ローラの一例
である。具体的構成は以下のとおりである。 定着ローラ1は、アルミ等の熱伝導の良好な芯
金11上に、シリコンゴム、の比較的薄い(本例
では0.3mm乃至0.8mm範囲内の所定厚)弾性体層1
2と、その上層13にPFA(四弗化エチレン樹脂
−パーフロロアルコキシエチレン樹脂の共重合
体)、PTFE(四弗化エチレン樹脂)等の弗素樹脂
を弾性体層12よりも薄く(本例では10μm乃至
30μm範囲内の所定厚)樹脂層として有している。
同様に加圧ローラ2はステンレス、鉄等の芯金2
1上に、シリコンゴム弾性体層12の厚さより厚
く比較的厚い(本例では、4mm乃至10mm範囲内の
所定厚)弾性体層22と、その上層にPFA,
PTFE等の弗素樹脂を厚い弾性体層22の厚さよ
り薄く(本例では5μ乃至50μ範囲内の所定厚)有
する。 これらのローラ1,2は第3図に示した製造方
法又はそれの目的に合致した方法によつて形成さ
れたものである。簡単に説明すれば、次のような
行程を含むものである。 芯金の上に加硫成型したゴム層(熱伝導度1.4
×10-4〜1.5×10-3)を形成して所望形状のシリ
コンゴムローラを作る。好ましい形状は中央部が
両端に比較してわずかに小径の逆クラウンタイプ
である。このゴムローラ表面に未焼成の弗素樹脂
例えばデイスパージヨン(水に弗素樹脂粉末を界
面活性剤により分散させたもの)、エナメル又は
粉末状態の弗素樹脂を、ゴムローラ全長にわたつ
てスプレー塗装、静電塗装、粉体塗装等の方法に
より均一厚に塗布する。このデイスパージヨンは
弗素樹脂の結晶融点のガラス転移点327℃以上に
加熱されることでフイルム状の樹脂被膜を形成す
る。そのため未焼成の素樹脂が塗布されたシリコ
ンゴムローラは、結晶融点以上(PTFEが327℃
以上、PFAが306℃以上)に加熱される必要があ
る。ところがシリコンゴム自体は反撥弾性率や圧
縮永久歪等のゴム特性に優れているものの300℃
以上に、ましてや306℃、327℃以上に加熱される
と、発煙や解重合を起こす。これらは、良質な弗
素樹脂層の形成を妨げるばかりでなく、シリコン
ゴム自体のゴム特性を失なわせてしまう。従つて
ゴム層の加熱はローラをゴム層の機能がなく、樹
脂層の特性もないために、定着に適した条件を全
く失う。 これらの理由から本発明においては、シリコン
ゴムローラ自体には発煙や解重合を起こさせない
ような低温(最高でも300℃以下)の加熱下に維
持しながら弗素樹脂の塗布層にはその結晶融点以
上の高温状態を与える焼成方法を採用した。 具体的には、芯金内部からゴム層を急冷却しな
がら、表面の未焼成弗素樹脂を急激に加熱する方
法又は、液状弗素樹脂(デイスパージヨン、エナ
メル)自体の誘電正接がゴム層の誘電正接より大
きいことを利用した誘電加熱方法(第3図参照)
の他、この趣旨に適合するものであれば、本発明
に適するものである。 この方法によつて、実質的にシリコンゴムには
その厚み方向に熱的勾配を形成するものの260℃
〜280℃程度が、未焼成弗素樹脂にはその結晶融
点以上の温度(具体的にはPTFEで327℃以上の
340℃〜380℃の焼成温度が5分乃至10分程度与え
られる。この焼成を行つた後、このローラは急冷
される。この急冷によつてシリコンゴムローラ上
に結晶化度が95%以下で引張強度50Kg/cm2以上、
水に対する接触角100度以上の樹脂特性を示す焼
成弗素樹脂表層が、ゴムローラに対して強力な密
着状態で、しかも従来より厚く形成される。 従つて、上記定着ローラ1、加熱ローラ2は、
下層のシリコンゴム自体が所望のゴム特性を樹脂
層形成前とほぼ同様に示し、表面の弗素樹脂層は
完全に焼成された樹脂特性を示し、これらの層の
接着性が強固である。具体的にそれらの特徴を本
発明にとつて必要な条件と共に列挙すれば、 ・ シリコンゴム12,22は ゴム硬度(JISA)……30度以上80度以下 *反撥弾性率……65〜85% 100%引張り応力……10Kg/cm2以上 伸び……150%以上 酸化劣化係数……2以下 ・ 弗素樹脂13,23は 樹脂膜厚……5μm以上30μm以下 *接触角……100度以上 *伸び……50%以上 *引張り強度……50Kg/cm2(/μ)以上 *結晶化度……95%以下 ・ シリコンゴムと弗素樹脂は接着剤用プライマ
ーを介さない時で *密着強度……20〜120g/10mm巾である。 尚、*印は後述の測定法によるもので、これら
の数値の意味についても後述する。 まず、ゴムの*反撥弾性率、*引張応力、*伸
びに関してはJIS K6301による測定法に準じて測
定されたものである。 具体的には、まず試験片は5mm(幅)×20mm
(長さ)×3mm(厚み)のダンベル状の加硫シリコ
ーンゴムに弗素樹脂デイスパージヨンを塗布し本
発明の実施例に基いた加熱処理を施したものをさ
らにシリコーンゴム単体にしたものとした。 つまり、その弗素樹脂塗布層には327℃を越え
た高温状態を与えつつ、シリコーンゴムには300
℃以下の加熱下に維持することにより、シリコー
ンゴム上に焼成した弗素樹脂被膜(この樹脂被膜
の特性は前述の接触角100度以上、伸び50%以上、
引張り強度50Kg/cm2以上の物性を有している)を
形成した試料を作成する。その後、表層の弗素樹
脂層をはがした後のシリコーンゴム試験片をJIS
K6301に記されている測定法により引張応力、伸
びを測定する。 反撥弾性率については、12.7±0.13mm(厚さ)
×29.0mm(直径)のシリコーンゴム試験片を作成
したのち、上述したのと同様な加熱処理を施した
後でゴム単体としJIS K6301に準じて測定する。 また、本発明の実施例に基づいて作成した定着
ローラ上のシリコーンゴムに関しては、表層に弗
素樹脂の焼成被膜を有するシリコーンゴムを芯金
から5(幅)×20(長さ)×0.3〜0.5mm(厚み)の大
きさで剥離した後、弗素樹脂層をシリコーンゴム
からはがし、JIS K6301に記されている方法で引
張応力、伸びを測定する。 尚、このとき、シリコーンゴムの厚みは均一に
近いほど望ましいが、試料作成が難しいため、実
際には均一になりにくいので、測定値は前述の試
験片を用いた測定値に比べて約70〜80%の値を示
ものとして比較する。 反撥弾性率65〜85%は、定着ローラが紙の凹
凸、トナーの有無による変形に対して短い定着時
間の間に復帰する能力を示し、これにより、紙ト
ナーの凹凸に定着ローラが変形し、熱と圧を有効
にトナーを与えることができる範囲のものを規定
する。 実験では、表層に5〜30μの弗素樹脂層を有す
る定着ローラでは下層のシリコーンゴムの反撥弾
性率が65〜85%であれば、良好な定着性を示すこ
とがわかつた。 引張応力、伸びの数値に関してはゴムの基本的
な物性を示し、定着ローラの耐久性および定着性
に寄与するパラメータである。 100%引張り応力10Kg/cm2、伸び150%のシリコ
ーンゴムを使用した上記定着ローラでは約20万枚
の耐久性能を示し、また反撥弾性率も十分もつて
いるため定着性も良好である。また、100%引張
り応力20Kg/cm2、伸び300%のシリコーンゴムで
は30万枚以上の耐久性能があり定着性も良好であ
る。 一方、100%引張り応力7Kg/cm2で、伸び200%
のものは、途中、紙詰りなしで15万枚もつたが、
その後10度の紙詰りで爪によりゴムがけずれてし
まつた。同様に100%引張り応力15Kg/cm2、伸び
80%のものでは途中、紙詰りなしで約10万枚も
ち、その後ジヤム5回でけずた。また、これらは
いずれも本願の物性値を外れた状態のゴムで反撥
弾性率を測定すると40〜60%の値であり、定着性
もよくなかつた。 次に、上記製造後ローラの樹脂に測定方法につ
いて説明する。 まず、樹脂の結晶化度は、赤外線吸収スペクト
ルで測定するが、X線や比重によつて行つてもよ
い。接触角は測定方法として滴形法(金属表面技
術17,NO7 1966年)を用いて行なつた。実際の
測定では接触角(水に対する値)は、前進接触角
118°、後退接触角91°であつても、どちらか、又
はその平均が100°以上あれば良い。 次に、樹脂の伸び率及び引張強度は、製造後ロ
ーラより樹脂膜のみを、幅15mm×長さ100mmのタ
ンザク型の試料として取りだし、これをチヤツク
間20mm、引張速度250mm/分で引張りテストを行
うことで測定した。例えば、引張強度95Kg/cm2
伸び率80%のものは、最小値が72Kg/cm2、60%
で、最大値が180Kg/cm2、120%の夫々の平均で示
される。 樹脂の剥離強度は、ロールの円周方向に幅10mm
の間隔でカツタナイフによる切り目を入れ、一部
剥離した弗素樹脂層をテンションメーターで引張
り、最大の値を剥離強度とする。 ここで第1図にもどつて、定着装置の他の構成
を説明する。 3は、定着ローラを内部から加熱するための、
ハロゲンランプ等のヒーターであり、定着ローラ
表面温度はヒーター3と、温度検出素子4と、制
御手段31とにより、常にトナー溶融可能な最適
温度(具体的には160℃乃至200℃)に維持され
る。 5は、定着ローラ表面にシリコンオイル等のオ
フセツト防止液を塗布するための、クリーニング
手段をも兼ねているオフセツト防止液塗布手段で
ある。塗布手段5としてはフエルト様のものでも
良いが、本例ではウエブを用いている。オフセツ
ト防止液を含有したウエブ51は、シリコンスポ
ンジ等の弾性押圧ローラ52により、定着ローラ
1に当接させられ、定着ローラ1表面に、微量の
オフセツト防止液を塗布する。また、ウエブ51
は、巻取りローラ53により、供給ローラ54か
ら徐々に巻取られ、定着ローラ1へのウエブの当
接面が、不図示の制御手段により逐次わかる構成
となつている。 未定着トナー像Tを担持した記録紙Pは、入口
ガイド6にガイドされながら、ローラ対1,2の
間を通過することによつて、トナー像Tは、記録
紙Pに永久定着される。ローラ1表面に当接する
分離爪41は、ローラ表面1から記録材を分離す
るために設けられている。 このように形成した定着用ローラ1,2は、従
来では存在しなかつたローラ特徴、即ち、シリコ
ンゴム特性を熱劣化させずに、弗素樹脂を完全に
焼成しているため十分な反撥弾性を有し圧縮永久
歪の少ないシリコンゴムの利用を可能にし、表面
離型性、耐摩耗性に優れ、弾性を十分備えた耐久
性の高いものである。しかも、記録紙にトナー像
を定着する際に生じる応力がシリコンゴム層と弗
素樹脂層との間に集中しても、弗素樹脂層の強度
が高く、これらの密着性も良好なため、従来のよ
うな急激な剥離が生じることも無くなり、使用耐
久枚数も数段向上された。 具体的実施例を挙げる。 定着ローラ1として、0.5mmシリコンゴム上に
25μmPTFE樹脂層を有し、中央部の外径が39.8
mmで両端が外径39.8mm+100μm(逆クラウン量が
100μm)のローラを用いた。 このローラは以下に示すように製造した芯金と
して、中央部の径が39.65mmで、逆クラウン量が
100μのアルミ芯金を用意し、その表面をサンド
ブラスト処理して脱脂・乾燥させた後、プライマ
ーを介してシリコンゴムシートを巻きつけ、150
℃で40分間プレス加硫して、次いで、200℃で2
時間2次加硫をした後、ゴム肉厚0.5mm厚に一様
に研削した。 次いで弗素樹脂デイスパージヨンを25μ厚だけ
スプレー塗布により塗布し、ゴムに260℃〜280℃
の温度を与え樹脂には350℃が与えられるように
10分間、赤外線外部加熱を併用した誘電加熱で焼
成した。 加圧ローラ2として6mmシリコンゴム上に
20μmのPFA樹脂層を被覆した外径39.9mmのロー
ラを用いた。 このローラは以下に示すように製造した。 芯金として、外径が27.85mmの鉄芯金を用意し
その表面をサンドブラスト処理して脱脂・乾燥さ
せた後、プライマーを介してシリコンゴムシート
を巻きつけ、170℃で30分間プレス加硫、次いで、
200℃で1時間2次加硫をした後ゴム肉厚6mm厚
に研削した。さらにこのゴムローラにPFA樹脂
粉末を20μm厚に塗布し、上記定着ローラと同様
に10分焼成して、外径39.9mmの加圧ローラを製造
した。 これらのローラ1,2を用いて、定着ローラ表
面温度を170℃に温調しながら定着したところ、
格別の定着性を示しオフセツトトナーの発生は従
来の中でも良いものに比較して1/5以下であつて、
清掃部材の交換期を5倍以上に延命できる。さら
に上記によると画質は良く画像の飛び散りもほと
んどなくなり、耐久使用枚数は20万枚を越え、30
万枚の定着でも安定した定着性を示した。 上記構成において、重要な構成は第2図に示す
ように、定着ローラの弾性層12の厚みt1、定着
ローラの樹脂層13の厚みt2、加圧ローラの弾性
層22の厚みt3、加圧ローラの樹脂層23の厚み
t4には以下の関係がある。 即ち、ローラ1で t1>t2 ローラ2で t3>t4 又、好ましくは t4<t2<t1<t3 この構成により、基本的には定着ローラ、加圧
ローラ相互の相剰効果により、互いの欠点を補い
互いの利点を向上させ、得られる画質や定着性を
優れたものにでき耐久性に優れたものとなる。 次に前述した装置構成を用いたローラの耐久
性、定着性、オフセツト性の実験結果について説
明する。 フツ素樹脂の結晶化度、引つ張り強度はフツ素
樹脂の焼成状態に依存する物性値であり、膜の削
れやすさ、通紙による摩耗のしやすさに影響する
重要な要因である。 下記の表に実験結果を示す。
【表】 定着ローラのゴム硬度が固すぎると、ゴム層の
クツシヨン効果が失われ、定着性、オフセツト
性、耐久による爪等の当接物によるローラー傷が
発生しやすくなる。 一方、柔らかすぎるとゴム層の変形量が大きく
なり、更にゴム中のフイラーの量が少なくなるた
め熱膨張が大きくなり、また熱伝導が悪くなる。 このため熱膨張の繰り返しに加え爪等の当接部
の圧力による変形量が大きくなり、フツ素樹脂層
とゴム層とのはがれが生じやすく、また熱伝導が
悪いことにより定着性も悪くなる。 次にゴム硬度を変えた実験結果を示す。
〔本発明の効果〕
本発明定着用ローラ(ベルト状のローラを含
む)として共通する効果は、耐摩耗性表面離型性
に優れ、弗素樹脂層の表面特性とシリコンゴムの
弾性特性を充分発揮させて、トナー像や他のロー
ラへのならい効果にも優れ、寿命が極めて長いこ
とである。 本発明定着装置は、状態定着用ローラを記録材
料を挟圧する一方のローラ(ベルトを含む)へ適
用するとき、記録材のカール発生を防止し、定着
画像を鮮明でしかも定着性が良いといつた効果
を、従来よりも長期にわたつて維持できる。しか
も、定着の熱効率が良く定着に必要な温度を低減
(例えば20℃程)できるので消費電力を少なくし、
電力配分の少ない高速定着記録を達成できる。 本発明の定着用ローラは、表面がかなり平滑と
なり、研磨の必要度を減らすことができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の定着用ローラ(ベルト状のロ
ーラを含む)及びそれを有する定着装置の実施例
の説明図、第2図は定着用ローラの部分拡大説明
図、第3図は定着用ローラの製法の実施例説明図
である。 1は定着ローラ、2は加圧ローラ、12,22
はシリコーンゴムの弾性体層、13,23は弗素
樹脂層。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 シリコンゴム上に未焼成の4弗化エチレン樹
    脂もしくは4弗化エチレンーパーフルオロビニー
    ルエーテル共重合体を、結晶化度95%以下で引張
    り強度50Kg/cm2以上、且つ、シリコンゴムが30〜
    80度の室温ゴムJISA硬度が得られるように結晶
    融点以上で焼成後、急冷したことを特徴とする定
    着用ローラ。 2 シリコンゴム上に未焼成の4弗化エチレン樹
    脂もしくは4弗化エチレンーパーフルオロビニー
    ルエーテル共重合体を、結晶化度95%以下で引張
    り強度50Kg/cm2以上、且つ、シリコンゴムが30〜
    80度の室温ゴムJISA硬度が得られるように結晶
    融点以上で焼成後、急冷した定着ローラと、この
    定着ローラと圧接する加圧ローラと、を有するこ
    とを特徴とする定着装置。
JP59234780A 1984-11-07 1984-11-07 定着用ロ−ラ及びそれを有する定着装置 Granted JPS61113083A (ja)

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DE19853539377 DE3539377C2 (de) 1984-11-07 1985-11-06 Vorrichtung zur Bildfixierung

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