JPH0576791U - ノック式筆記具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ノック部材を１部品で構成して、且つキャッ
プに対して落下しないように組み付けることができる低
コストのノック式筆記具を提供する。 【構成】 後端開口１より少し前方位置の内周面にリブ
２を突設すると共にそのリブ２の所要箇所に切欠部２
ａ，２ｂ，を設けたキャップ３に対し、外径が前記リブ
２の内径より大きくてリブ２より後方のキャップ内部で
軸方向に移動自在なノック頭部４と、ノック頭部４の前
面に一体的に突設されてリブ２を貫通する外径の小さい
首部５，６と、更に首部５，６の前方に肩部７，８を介
してリブ２の内径より外径が大になるように一体的に連
設され且つその幅が先端から後方へ次第に拡大するよう
にテーパ状となってその先端幅βが前記切欠部２ａ，２
ｂの幅αより狭く後端幅γが切欠部２ａ，２ｂ，の幅α
より広く設定されてリブ２の切欠部２ａ，２ｂ，を弾性
変形によって後端部が幅を縮小させながら通過すること
によってリブ２より前方のキャップ内部に軸方向に移動
自在に配されるノック伝達腕部９，１０とから成るノッ
ク部材１１を取付ける。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、軸筒本体に対し着脱自在なキャップにノック部材を取付けたノック 式筆記具に関する。

【０００２】

【従来の技術】

着脱自在なキャップに対してノック部材を取付ける場合は、キャップを外した 状態でノック部材が落下しないようにする必要がある。

【０００３】 従来は図５に示すように、キャップ１２の後端開口１３より少し前方位置の内 周面にリブ１４を突設し、また、リブ１４の内径より外径が大きい頭部１５の前 面にリブ１４の内径より外径が小さい継ぎ筒部１６を一体的に突設したノック操 作体１７と、リブ１４の内径より外径が大きい太径筒部１８の後端にリブ１４の 内径より外径が小さい細径筒部１９を一体的に連設したノック伝達体２０との２ 部品によってノック部材２１を構成し、そのノック伝達体２０の細径筒部１９と ノック操作体１７の継ぎ筒部１６とを、リブ１４の前後からリブ１４の内径部に 挿入して互いに嵌合することによってノック部材２１をキャップ１２に対し組み 付ける構造となっていた。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

前記従来例のようにノック部材２１をノック操作体１７とノック伝達体２０の ２部品で構成すると、成形及び組立のコストが高くなる問題があった。又、ノッ ク操作体１７とノック伝達体２０の嵌合部位がクリープ現象等により弛緩した場 合に互いに外れて落下する問題もあった。

【０００５】 そこで本考案は、ノック部材を１部品で構成して、且つキャップに対して落下 しないように組み付けることができる、低コストのノック式筆記具の提供を目的 とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

上記の目的を達成するために、本考案のノック式筆記具は、後端開口１より少 し前方位置の内周面にリブ２を突設すると共にそのリブ２の所要箇所に切欠部２ ａ，２ｂを設けたキャップ３に対し、外径が前記リブ２の内径より大きくてリブ ２より後方のキャップ内部で軸方向に移動自在なノック頭部４と、ノック頭部４ の前面に一体的に突設されてリブ２を貫通する外径の小さい首部５，６と、更に 首部５，６の前方に肩部７，８を介してリブ２の内径より外径が大になるように 一体的に連設され且つその幅が先端から後方へ次第に拡大するようにテーパ状と なってその先端幅βが前記切欠部２ａ，２ｂの幅αより狭く後端幅γが切欠部２ ａ，２ｂの幅αより広く設定されてリブ２の切欠部２ａ，２ｂを弾性変形によっ て後端部が幅を縮小させながら通過することによってリブ２より前方のキャップ 内部に軸方向に移動自在に配されるノック伝達腕部９，１０とから成るノック部 材１１を取付けたことを特徴とするものである。

【０００７】

【作用】

ノック部材１１は、ノック頭部４，首部５，６、肩部７，８、及びノック伝達 腕部９，１０を、一体的に形成した１つの部品であるので、成形及び組立の手間 が軽減する。又、ノック頭部４とノック伝達腕部９，１０は、キャップ３のリブ ２の内径部を通過できないので落下が防止される。

【０００８】

【実施例】

以下、図１から図４に示した実施例について説明する。尚、この実施例はノッ ク式シャープペンシルを示したものである。まず、キャップ３は軸筒本体２２に 着脱自在で、軸筒本体２２の内部に備えた芯ケース２３に対してキャップ３を外 して芯を補充するようになっている。尚、芯ケース２３に芯を補充する場合は、 芯ケース２３の後端に嵌着した消しゴム２４を抜き取って行う。

【０００９】 キャップ３は図３に示すように後端開口１より少し前方位置の内周面にリブ２ を突設している。このリブ２には、図４に示すように、２箇所に幅がαの切欠部 ２ａ，２ｂを設けている。

【００１０】 ノック部材１１は図２に示すように、ノック頭部４と、一対の首部５，６と、 一対の肩部７，８と、一対のノック伝達腕部９，１０とが一体的に形成された構 造となっている。そのノック頭部４の外径は、前記キャップ３のリブ２の内径よ り大きく設定されている。又、一対の首部５，６の外径はリブ２の内径より小さ く設定され、更に一対のノック伝達腕部９，１０の外径はリブ２の内径より大き く設定されている。そして、ノック伝達腕部９，１０はその幅が先端から後方へ 次第に拡大するようにテーパ状となっていて、その先端幅βは前記切欠部２ａ， ２ｂの幅αより狭く、その後端幅γは切欠部２ａ，２ｂの幅より広く設定されて いる。ノック伝達腕部９，１０はその後端幅γを弾性変形によって縮小可能であ る。

【００１１】 ノック部材１１をキャップ３に組み付けるには、ノック部材１１をそのノック 伝達腕部９，１０の側よりキャップ３の内部へその後端開口１から挿入すればよ い。ノック伝達腕部９，１０は寸法の関係上、リブ２の後面にその先端縁を当接 させるが、ノック伝達腕部９，１０をリブ２の切欠部２ａ，２ｂの位置に合わせ て挿入すると、ノック伝達腕部９，１０が途中まで切欠部２ａ，２ｂを通過して 後端部がつかえることになる。そこで更にノック伝達腕部９，１０を押し込むと ノック伝達腕部９，１０の後端部が弾性変形により幅を狭めながら前進して最後 に切欠部２ａ，２ｂを通過してしまう。リブ２の切欠部２ａ，２ｂを通過したノ ック伝達腕部９，１０は弾性復元して、逆に後方へは切欠部２ａ，２ｂを通過す ることが不可能となる。

【００１２】 なお、上記の実施例では、切欠部２ａ，２ｂを２箇所に、又、ノック伝達腕部 ９，１０も２本設けているが、これらの数は任意でよい。

【００１３】

【考案の効果】 本考案は上記の通りであり、キャップ３を軸筒本体２２から外した状態におい てキャップ３からのノック部材１１の落下を防止できると共に、ノック部材１１ を１部品で構成したので、従来例に比べて部品数が減少して成形及び組付のコス トを削減できる効果がある。又、前記従来例のようにノック操作本体１７とノッ ク伝達体２０の嵌合部位がクリープ現象等により弛緩して外れるというような問 題も解消する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案実施例の一部を断面とした全体の側面図
である。

【図２】本考案実施例のノック部材の斜視図である。

【図３】本考案実施例のキャップの一部破断斜視図であ
る。

【図４】本考案実施例のキャップをリブの位置で切断し
た横断面図である。

【図５】従来例の一部を断面とした全体の側面図であ
る。

【符号の説明】

１ 後端開口 ２ リブ ２ａ 切欠部 ２ｂ 切欠部 ３ キャップ ４ ノック頭部 ５ 首部 ６ 首部 ７ 肩部 ８ 肩部 ９ ノック伝達腕部 １０ ノック伝達腕部 １１ ノック部材 １２ キャップ １３ 後端開口 １４ リブ １５ 頭部 １６ 継ぎ筒部 １７ ノック操作体 １８ 太径筒部 １９ 細径筒部 ２０ ノック伝達体 ２１ ノック部材 ２２ 軸筒本体 ２３ 芯ケース ２４ 消しゴム

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 後端開口１より少し前方位置の内周面に
   リブ２を突設すると共にそのリブ２の所要箇所に切欠部
   ２ａ，２ｂを設けたキャップ３に対し、外径が前記リブ
   ２の内径より大きくてリブ２より後方のキャップ内部で
   軸方向に移動自在なノック頭部４と、ノック頭部４の前
   面に一体的に突設されてリブ２を貫通する外径の小さい
   首部５，６と、更に首部５，６の前方に肩部７，８を介
   してリブ２の内径より外径が大になるように一体的に連
   設され且つその幅が先端から後方へ次第に拡大するよう
   にテーパ状となってその先端幅βが前記切欠部２ａ，２
   ｂの幅αより狭く後端幅γが切欠部２ａ，２ｂの幅αよ
   り広く設定されてリブ２の切欠部２ａ，２ｂを弾性変形
   によって後端部が幅を縮小させながら通過することによ
   ってリブ２より前方のキャップ内部に軸方向に移動自在
   に配されるノック伝達腕部９，１０とから成るノック部
   材１１を取付けたことを特徴とするノック式筆記具。