JP2606386Y2 - キャップ嵌合構造 - Google Patents

キャップ嵌合構造

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JP2606386Y2 JP1993058211U JP5821193U JP2606386Y2 JP 2606386 Y2 JP2606386 Y2 JP 2606386Y2 JP 1993058211 U JP1993058211 U JP 1993058211U JP 5821193 U JP5821193 U JP 5821193U JP 2606386 Y2 JP2606386 Y2 JP 2606386Y2
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は筆記具に関する。さらに
詳細には、キャップの内周面の前後位置に環状圧接部と
周状に適宜間隔を有する複数の点状突起を設け、一方、
軸筒の外周面の前後位置に環状平滑面と環状凸部を設
け、キャップを軸筒に装着した際、前記環状圧接部と前
記環状平滑面が気密嵌合するとともに、前記点状突起と
前記環状凸部が乗り越え嵌合してなるキャップ嵌合構造
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、キャップ嵌合構造として、キ
ャップの内周面の前後位置に環状圧接部と周状に適宜間
隔を有する複数の点状突起を設け、一方、軸筒の外周面
の前後位置に環状平滑面と環状凸部を設け、キャップを
軸筒に装着した際、前記環状圧接部と前記環状平滑面が
気密嵌合するとともに、前記点状突起と前記環状凸部が
乗り越え嵌合してなる構造は、広く知られている(例え
ば、実開平3−42681号公報等)。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】前記従来のキャップ嵌
合構造は、乗り越え嵌合部及び気密嵌合部の2箇所の嵌
合部を有している。しかし、キャップ装着の際の前記乗
り越え嵌合部及び気密嵌合部のそれぞれの嵌合のタイミ
ングが、何ら考慮されておらず、乗り越え嵌合より以前
に気密嵌合の嵌合作用が始まることがある。そうした場
合、使用者は乗り越え嵌合が完了する以前に気密嵌合の
抵抗感によりキャップの嵌着が終了したと錯覚し、キャ
ップの装着行為を中断しがちである。それにより、不完
全なキャップ装着状態(半キャップ状態)で放置される
こととなり、僅かのショックでキャップが容易に脱落し
てしまう。
【0004】また、乗り越え嵌合部は、キャップ装着完
了時に音(いわゆるパッチン音)を発生させ、使用者に
心地よい装着感を与えるものであるが、前記従来の嵌合
構造では、乗り越え嵌合以前の気密嵌合の与える抵抗感
により、勢いよく乗り越え嵌合ができず、気密嵌合部が
乗り越え嵌合部より早い時期に嵌合作用を開始するた
め、嵌合音を伴うキャップのスムーズな装着感を味わう
ことができない。
【0005】さらに、キャップ内にペン先をシールする
弾性体を固定した系にあっては、乗り越え嵌合部の嵌合
作用開始より以前に、ペン先が弾性体に当接する構造に
すると、前記同様、勢いよく乗り越え嵌合ができず、キ
ャップのスムーズな装着感が阻害される。
【0006】本考案は、前記従来の問題点を解決するた
めのものであって、不完全なキャップ装着状態(半キャ
ップ状態)を生じさせず、なおかつキャップのスムーズ
な装着感を得ることができるキャップ嵌合構造を提供し
ようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本考案は、キャップ4内
にペン先をシールする弾性体6を固定するとともに、
ャップ4の内周面の前後位置に環状圧接部41と周状に
適宜間隔を有する複数の点状突起42を設け、一方、軸
筒1の外周面の前後位置に環状平滑面21と環状凸部2
2を設け、キャップ4を軸筒1に装着した際、前記環状
圧接部41と前記環状平滑面21が気密嵌合するととも
に、前記点状突起42と前記環状凸部22が乗り越え嵌
合しなるキャップ嵌合構造であって、キャップ4装着過
程で、前記点状突起42と前記環状凸部22との乗り越
え嵌合開始から乗り越え嵌合完了までの接触移動長さA
が、前記環状圧接部41と前記環状平滑面21との気密
嵌合開始から前記乗り越え嵌合完了までの接触移動長さ
Bより大であり、さらに、キャップ4装着過程で、前記
弾性体6のペン先による軸方向の変形長さCが、前記点
状突起42と前記環状凸部22との接触移動長さAより
小であることを要件とする。
【0008】前記において、環状圧接部41と環状平滑
面21によって気密嵌合する箇所は、点状突起42と環
状凸部22によって乗り越え嵌合する箇所より、前方又
は後方位置のどちらであってもよい。
【0009】前記環状圧接部41は、例えば、環状平滑
面21に線接触する断面円弧状又は断面台形状の環状突
起、または環状平滑面21に面接触する環状段部など、
種々の形状が挙げられる。
【0010】
【0011】
【0012】
【作用】点状突起42と環状凸部22との接触移動長さ
Aが、環状圧接部41と環状平滑面21との接触移動長
さBより大である構成により、キャップ4装着の過程
で、乗り越え嵌合より早い時期に気密嵌合が始まること
がない。これにより、乗り越え嵌合完了以前にキャップ
4の嵌合行為を、気密嵌合の抵抗感により中断させず、
不完全なキャップ4装着状態を防止し、且つ乗り越え嵌
合以前の抵抗感が減少して勢いよく乗り越え嵌合でき、
キャップ4の心地よいスムーズな装着感が得られる。
【0013】
【0014】また、弾性体6のペン先による軸方向の変
形長さCが、前記点状突起42と前記環状凸部22との
接触移動長さAより小である構成により、乗り越え嵌合
以前にペン先が弾性体6に接触しないので、乗り越え嵌
合を勢いよく行なうことができ、より一層、装着感を向
上させる。
【0015】
【実施例】本考案実施例を図面に従って説明する(図1
乃至図3参照)。
【0016】軸筒1は、軸体2及び先体3よりなり、軸
体2の先端開口部には先体3が螺着されている。前記軸
体2は合成樹脂、前記先体3は金属により構成されてい
る。また、前記先体3は、ストレート状の先端孔31が
貫設されている。軸筒1内には、レフィール5(ここで
はボールペンレフィール)が収納され、前記先体3の先
端孔31からペン先を突出させている。
【0017】キャップ4は、合成樹脂より形成され、外
部にクリップ44が一体的に設けられている。キャップ
4内壁には、ペン先をシールする弾性体6が圧入固定さ
れている。さらに、前記キャップ4内壁には、空気逃が
し溝46が配設され、弾性体6圧入時の空気の加圧を防
止し、弾性体6のスムーズな挿着を可能とする。また、
キャップ4頂部には、インキの色や筆跡巾の表示のた
め、インキと同色の合成樹脂により形成された頭冠45
が取り付けられている。
【0018】軸体2と先体3が螺着される螺合部7の後
方の、軸体2外周には、前後位置に環状平滑面21と、
断面台形状の環状凸部22が設けられている。一方、キ
ャップ4内周壁には、前後位置に断面円弧状の環状突起
よりなる環状圧接部41と、周状に適宜間隔を有する断
面台形状の点状突起42(4個)が設けられている。キ
ャップ4を軸体2に装着すると、前記環状圧接部41
は、前記環状平滑面21に圧入されて気密が保持され、
同時に前記点状突起42が前記環状凸部22と乗り越え
嵌合してキャップ4の脱落を防止する。また、キャップ
4内壁の前記環状圧接部41の前方には、テーパ状の当
接部43が形成され、軸体2の前記環状平滑面21の前
端のテーパ面と当接している。(図2参照)
【0019】レフィール5は、主に、ボールペンチップ
51、チップホルダー52、インキ収容筒55よりな
り、ボールペンチップ51を先端に圧入固着した合成樹
脂製のチップホルダー52がインキ収容筒55の先端に
取り付けられてなる構成である。前記インキ収容筒55
内には、水性インキが収容され、その後端には、半流動
物質よりなる逆流防止栓が充填されている。
【0020】前記ボールペンチップ51は、金属製パイ
プを外方から押圧変形し複数の内方突起を形成し、該内
方突起をボール受座としたパイプ方式のボールペンチッ
プ51である。
【0021】チップホルダー52は、後方に、大径部5
3と鍔部54を有しており、該大径部53がインキ収容
筒55先端に嵌入されるとともに、鍔部54がインキ収
容筒55前端縁に衝止してなる。また、チップホルダー
52前部外周には、軸方向に延びる4本の突条(図示せ
ず)が設けられ、該突条がストレート状の先端孔31内
壁に圧接されている。また、鍔部54には、凹溝54a
が設けられ、該凹溝54aと前記突条により、レフィー
ル5を軸筒1内に収納時、先端孔31から軸体2内への
通気路が形成される。これにより、キャップ4装着時キ
ャップ4内の加圧空気を軸体2内へ逃がすことができ
る。
【0022】前記レフィール5は、軸体2の先端開口部
より挿入され、その後、先体3が該軸体2先端に螺合さ
れると、チップホルダー52の鍔部54は、後端が軸体
2前端縁に当接されるとともに、その先端が、先体3内
壁のテーパ段部32に圧接され、軸体2と先体3により
挟持固定されている。さらに、チップホルダー52前部
が先端孔31内壁に圧接され、レフィール5は、がたつ
きのなく確実に保持される。
【0023】また、ボールペンチップ51外周及びチッ
プホルダー52先端外周には、金属製の保持筒56が嵌
着され、ボールペンチップ51の曲がりを防止してい
る。
【0024】図2は、キャップ4装着過程における図1
のS部拡大図である。図2の上図は嵌合開始時、下図は
嵌合完了時の状態を示す。点状突起42と環状凸部22
との接触移動長さAは、環状圧接部41と環状平滑面2
1との接触移動長さBより大に設定されている。また、
環状平滑面21の外径は、点状突起42の内接円径より
小に設定されている。これにより、キャップ4の不完全
な装着状態(半キャップ状態)が防止されるとともに、
乗り越え前の抵抗感がなく乗り越え嵌合を勢いよく行な
うことができ、キャップ4の心地よい装着感を得る。
【0025】図3に、ペン先による弾性体6の変形の様
子を示す。キャップ4装着過程において、ボールペンチ
ップ51が、弾性体6の中央の薄肉変形部に当接してか
ら、キャップ4嵌合完了まで、前方へ移動する距離、つ
まり弾性体6の変形長さをCとする。前記変形長さC
は、互いに乗り越え嵌合する点状突起42と環状凸部2
2との接触移動長さAより小である。これにより、乗り
越え嵌合開始以前に、弾性体6にペン先が接触しないの
で、乗り越え嵌合を勢いよく行なうことができる。その
上、軸筒1がキャップ4に対して斜めに挿入されても、
乗り越え嵌合時にボールペンチップ51が弾性体6の中
心部にガイドされ、ボールペンチップ51が前記の如く
ガイドされた後に弾性体6に接触するので、ボールペン
チップ51が弾性体6表面を滑ることがなく、チップ先
端のインキ汚れを防止できる。
【0026】図4に他の実施例を示す。環状圧接部41
と環状平滑面21が互いに気密嵌合する箇所が、点状突
起42と環状凸部22が互いに乗り越え嵌合する箇所よ
り後方位置に設けられている。作用は図2のものと同様
である。
【0027】図5は、環状圧接部41の他の実施例であ
る。環状圧接部41は、前方に当接部43が連接された
環状段部形状を有し、環状平滑面21に面接触して気密
嵌合がなされる。他の構成は図2と同様である。
【0028】
【考案の効果】本考案キャップ嵌合構造は、前記構成に
したことより、キャップ装着の際、不完全なキャップ装
着状態とせず、なおかつキャップのスムーズで心地よい
装着感を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案実施例の要部縦断面図である。
【図2】キャップ装着過程におけるキャップ嵌合開始時
及び嵌合完了時の状態を示した図1のS部拡大図であ
る。
【図3】図1の弾性体及びペン先の拡大図である。
【図4】他の実施例を示す要部拡大図である。
【図5】環状圧接部の他の実施例を示す要部拡大図であ
る。
【符号の説明】
1 軸筒 2 軸体 21 環状平滑面 22 環状凸部 3 先体 31 先端孔 32 テーパ段部 4 キャップ 41 環状圧接部 42 点状突起 43 当接部 44 クリップ 45 頭冠 46 空気逃がし溝 6 弾性体 7 螺合部 5 レフィール 51 ボールペンチップ 52 チップホルダー 53 大径部 54 鍔部 54a 凹溝 55 インキ収容筒 56 保持筒 A 点状突起と環状凸部との接触移動長さ B 環状圧接部と環状平滑面との接触移動長さ C 弾性体のペン先による軸方向の変形長さ

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 キャップ(4)内にペン先をシールする
    弾性体(6)を固定するとともに、キャップ(4)の内
    周面の前後位置に環状圧接部(41)と周状に適宜間隔
    を有する複数の点状突起(42)を設け、一方、軸筒
    (1)の外周面の前後位置に環状平滑面(21)と環状
    凸部(22)を設け、キャップ(4)を軸筒(1)に装
    着した際、前記環状圧接部(41)と前記環状平滑面
    (21)が気密嵌合するとともに、前記点状突起(4
    2)と前記環状凸部(22)が乗り越え嵌合しなるキャ
    ップ嵌合構造において、キャップ(4)装着過程で、
    記点状突起(42)と前記環状凸部(22)との乗り越
    え嵌合開始から乗り越え嵌合完了までの接触移動長さ
    (A)が、前記環状圧接部(41)と前記環状平滑面
    (21)との気密嵌合開始から前記乗り越え嵌合完了ま
    での接触移動長さ(B)より大であり、さらに、キャッ
    プ(4)装着過程で、前記弾性体(6)のペン先による
    軸方向の変形長さ(C)が、前記点状突起(42)と前
    記環状凸部(22)との接触移動長さ(A)より小であ
    ることを特徴とするキャップ嵌合構造。
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