JPH0576661U - スライドバルブ装置用プレート煉瓦 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 摺動面の面荒れ及び異常溶損防止を図り、寿
命の延長を可能とするプレート煉瓦の提供。 【構成】 スライドバルブ装置用プレート煉瓦１０，１
１の摺動面側に、溶鋼流通孔１２を囲繞して不活性ガス
吹込み部材を設けたことを特徴とするプレート煉瓦にあ
り、前記吹込み部材はポーラス耐火物、プレート煉瓦と
同様の耐火物に多数の細孔を穿孔したもの又は該煉瓦自
体に多数穿孔したものでよく、更にガス吹出範囲をプレ
ート煉瓦の摺動方向に延在させる場合もある。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案はスライドバルブ（以下Ｓ．Ｖ．と言う）装置用プレート煉瓦、特にプ レート煉瓦の溶鋼流通孔を囲繞して摺動面側に不活性ガス吹込み部材を装着した プレート煉瓦に関する。

【０００２】

【従来の技術】

ＳＶ装置の閉鎖時の溶鋼の固化防止のために上プレート（ボトムプレート）煉 瓦の溶鋼流通孔の停止位置に対応するスライドプレート煉瓦の摺動面にガス吹込 み機構を配設することは知られている。しかしながら、上プレート煉瓦及びスラ イドプレート煉瓦の双方の溶鋼流通孔を囲繞してガス吹込み機構を設けることは 提案されていない。

【０００３】 プレート煉瓦の摺動面、特に溶鋼流通孔の周囲についてはプレート煉瓦の絞り 動作により、溶鋼に対してむき出しになり、ここに溶鋼がぶつかって流れるため 、摺動面が荒らされ寿命低下の要因となっている。

【０００４】 この対策として材質の検討、煉瓦内へのピッチ含浸、摺動面への個体潤滑剤塗 布等がおこなわれているが、寿命アップは頭打ちの現状である。

【０００５】 又、絞りにより溶鋼流通孔内部が負圧となり、外気を吸引して異常溶損の要因 となり、この対策としてプレート煉瓦外周に不活性ガスを吹き出してガスシール を行っているが、充分で無いことも当業者に知られているところである。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は前述の如き従来方式によるプレート煉瓦の摺動面の面荒れ防止及び異 常溶損防止を図り、プレート煉瓦の寿命アップと安定なＳＶ装置の使用を目的と している。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

本考案者等は前述の諸欠陥を解決すべく種々検討かつ実験の結果、本考案を開 発したものであり、本考案の技術的構成はスライドバルブ装置用プレート煉瓦の 摺動面側に、溶鋼流通孔を囲繞して不活性ガス吹込み部材を設けたことを特徴と するプレート煉瓦にあり、前記吹込み部材はポーラス耐火物、プレート煉瓦と同 様の耐火物に多数の細孔を穿孔したもの又は該煉瓦自体に多数の細孔を穿孔した ものでよく、更にガス吹出範囲をプレート煉瓦の摺動方向に延在させる場合もあ る。

【０００８】 本考案の具体的数例を示す添付図面に基いて以下に詳述する。なお、本考案に おいてプレート煉瓦とは、上プレート（ボトムプレート）煉瓦、スライドプレー ト煉瓦及び下プレート（シールプレート）煉瓦を言う。

【０００９】 図１及び図２はポーラス耐火物を溶鋼流通孔を囲繞して摺動面に嵌着した一例 を示す縦断面図及び上プレート煉瓦の下面図である。図示の例は２層式ＳＶ装置 であり、１０は上プレート煉瓦、１１はスライドプレート煉瓦であり、それぞれ に溶鋼流通孔１２が設けてある。１はポーラス耐火物であって、何れも溶鋼流通 孔１２を囲繞して、夫々のプレート煉瓦１０、１１の摺動面側に嵌着してある。 これらポーラス耐火物１にはガス吹用パイプ２からそれらの背面に設けたガスプ ール３を介して不活性ガスを吹込む機構としてある。

【００１０】 前記ポーラス耐火物１の嵌着範囲は図２に示す如く上プレート煉瓦ではその摺 動方向の一側に延長して設けてあり、この場合、プレート煉瓦の嵌着範囲は上プ レート煉瓦と反対側を延長した範囲とすることにより、絞り注入に当っても溶鋼 流と接する部分は常にガスの吹出しているポーラス耐火物となり、異常溶損防止 が図れる機構となっている。

【００１１】 図３及び図４はポーラス耐火物を嵌着した例であるが、この例ではプレート耐 火物の摺動方向に嵌着範囲を均等とした例（溶鋼流通孔を囲繞して円形とした配 置）であり、この例ではポーラス耐火物１を摺動面側でなく、プレート煉瓦を貫 通した例であり、同一符号は前記例と同一部材を示す。

【００１２】 図５及び図６は細孔４を穿孔した耐火物５を摺動面側に嵌着した例を示す前例 と同様の機構としてあり、穿孔部の１側を延長した形状としてあり、図１及び２ のものと同等の作用、効果を意図する技術的構成とし、同一符号は前述の例と同 一部材を示す。

【００１３】 図７および図８はガスプール３を設けたプレート煉瓦の摺動面側から穿孔加工 により多数のガス吹出し細孔４を設けた例であり、前記細孔４の配置範囲を図８ に示す如く、プレート煉瓦の摺動方向に延長した例である。

【００１４】 以上各具体例で説明したように、溶鋼流通孔１２の周囲では常に吹込まれた不 活性ガスによりシールされた状態を保持できる構成となっており、溶鋼の絞り注 入に際しても摺動面の異常溶損を防止することになる。

【００１５】 以上２層式ＳＶ装置に本考案機構を適用した例について説明したが、周知の３ 層式ＳＶ装置にも前述の記述に基づき適用しうることは当業者であれば明白なと ころであり、更に本考案は前述の具体例に限定するものでなく、本考案の要旨内 での変更、改変は当然本考案に包含されるものである。

【００１６】

【考案の効果】

溶鋼にさらされていたプレート煉瓦の摺動面の溶鋼流通孔の回りが不活性ガス でシールされたことにより： １）面荒れによる寿命限界が従来の２倍以上に延びた。

【００１７】 ２）外気吸入による異常溶損が半減した。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一例を示す縦断面図

【図２】図１の例の上プレート煉瓦の下面図

【図３】本考案の他の例を示す縦断面図

【図４】図３の例の上プレート煉瓦の下面図

【図５】本考案の他の例を示す縦断面図

【図６】図５の上プレート煉瓦の下面図

【図７】本考案の更に他の例を示す縦断面図

【図８】図７の上プレート煉瓦の下面図

【符号の説明】

１ ポーラス煉瓦 ２ ガス吹用パイプ ３ ガスプール ４ 細孔 ５ 耐火物（細孔を有する） １０ プレート煉瓦 １１ プレート煉瓦 １２ 溶鋼流通孔

Claims (5)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 スライドバルブ装置用プレート煉瓦の摺
   動面側に、溶鋼流通孔を囲繞して不活性ガス吹込み部材
   を設けたことを特徴とするプレート煉瓦。
2. 【請求項２】 前記ガス吹込み部材が嵌着したポーラス
   耐火物からなる請求項１記載のプレート煉瓦。
3. 【請求項３】 穿孔した耐火物製ガス吹込み部材を溶鋼
   流通孔を囲繞して嵌着した請求項１記載のプレート煉
   瓦。
4. 【請求項４】 前記ガス吹込み部材がプレート煉瓦に多
   数の細孔を穿孔した構造である請求項１記載のプレート
   煉瓦。
5. 【請求項５】 前記ガス吹込み部材のガス吹出範囲を、
   プレート煉瓦の摺動方向の少なくとも一側に延在した請
   求項１記載のプレート煉瓦。