JPH0575936B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は特に給湯設備に巾広く利用できる太陽
熱利用装置に関するものである。

従来例の構成とその問題点 第１図に従来の方式を示す。まず集熱回路は圧
縮機１、熱交換器２、膨張弁３、集熱器４、を配
管で接続し内部に冷媒を封入し形成されている。
従つて冷凍サイクルを利用して太陽熱、大気熱の
両者を集熱できる。また給湯回路は蓄熱槽５、循
環ポンプ６を配管で接続して形成している。この
場合の熱交換器２は、通常２重管方式が用いられ
ている。

以上の従来方式では、風呂加熱機能及び廃熱回
収機能は全くなかつた。従つて実用にあたつては
別途風呂釜など他の熱源機が必要となり非常に高
価なものになつていた。

発明の目的 本発明は以上の従来の問題点を改良する新規な
太陽熱利用システムを提供するもので、特に太陽
熱を給湯以外に風呂の追焚きにも利用し、さらに
太陽熱以外に風呂廃熱をも利用して集熱する高効
率化を図るものである。

発明の構成 本発明は互いに接触した３つの通路を有した熱
交換器を用いて、太陽熱と風呂廃熱の２者の加熱
源と、蓄熱槽と浴槽の２者の負荷とを各々任意に
組合せて運転するよう構成している。

実施例の説明 本発明の一実施例を図面に用いて説明する。

第２図において、集熱回路は圧縮機１、熱交換
器７、膨張弁３、集熱器４から形成している。加
熱源の冷媒は冷媒入口１７、冷媒出口１８間を循
環する。

給湯回路は蓄熱槽５と熱交換器７を第１循環ポ
ンプ８を介して給湯水が循環するよう形成してい
る。蓄熱槽５は下部に給水口９、上部に給湯口１
０を有している。給湯水の循環は給湯入口１１及
び給湯出口１２間で行なわれる。

風呂回路は浴槽１３と熱交換器７を第２循環ポ
ンプ１４を介して浴槽内の水が循環するよう形成
している。この水は熱交換器７の入口１５、出口
１６間を循環する。

次に熱交換器７の具体的な構成について第３図
を用いて説明する。銅バイプ等の熱伝導の良好な
材料から成る３本のパイプから構成され、各々密
着しやすいよう偏平な断面形状に成形されてい
る。まず、下から給湯回路の水が通過する第１水
通路１９、次に集熱回路の冷媒が通る冷媒通路２
０、その次に給湯回路の水が通過する第２水通路
２１の順に上へ重ねられ、この３本のパイプをラ
セン状に巻付けて円筒状の形状にしている。

従つて、この３者の回路はいずれも各々他の２
回路に接触するよう密着しているので、いずれの
通路間の熱交換も可能である。

次に本発明の動作について説明する。

制御器２２の運転スイツチをONにすると、蓄
熱槽５内の水の加熱が始まる。つまり、圧縮機１
と第１循環ポンプ８が運転し、集熱器４で集熱し
た太陽熱は蓄熱槽５に蓄熱される。そして湯温が
設定値まで昇温すると温度センサ２３により運転
を停止する。

そして夕方、浴槽１３に水栓２４から給湯する
と風呂温度センサ２５がこれを検知し、風呂の追
焚きが開始される。この時には圧縮機１と第２循
環ポンプ１４が運転し、太陽熱で風呂加熱を行な
う。

そして、風呂温度センサー２５が設定値以上を
検知すると運転を停止する。

家族の入浴が終了した時に、制御器２２の操作
により廃熱回収を選択すると、圧縮機１は停止
し、第１循環ポンプ８と第２循環ポンプ１４の両
者が運転し蓄熱槽５内の水対浴槽１３内の水の熱
交換が始まる。そして、温度センサー２３と風呂
温度センサー２５を比較しこの差温が約５℃程度
になるまでこの運転を継続し、差温がなくなると
自動的に第２循環ポンプ１４が停止し、圧縮機１
がONし太陽熱による集熱運転に切換わる。

以上のように、冷媒→給湯水への熱交換、冷媒
→風呂水への熱交換、風呂水→給湯水への熱交換
が１個の熱交換器で実施できる訳である。

発明の効果 (1) 太陽熱、大気熱の利用が給湯水だけでなく風
呂追焚きにも活用でき、従来、都市ガス等の他
のエネルギーを使つていたのが不要となり大巾
に経済性が向上する。

(2) 風呂に湯を入れると以降、自動的に追焚きが
可能で、常に一定の湯温に維持でき使い勝手が
向上する。

(3) 従来は完全にすてられていた風呂の廃熱が回
収でき、蓄熱槽５のプレヒートとして翌朝まで
の昇温に役立つ。

〈例〉 風呂の湯45℃、湯両200、蓄熱槽内
の水温５℃、水量300とした場合、 （45−Ｘ）×200＝（Ｘ−５）×300 従つて、廃熱回収後の蓄熱槽内の湯温Ｘは21℃
で、冬でも約20℃で夏なみの水温まで加熱でき早
朝の炊事などでも使用可能となる。

(4) 熱交換器は複数のものを制御弁などで切換え
て使用する方法ではなく、１個で済むため非常
に簡単なシステムが提供でき安価で、故障も少
ない。

(5) ３者の通路は各々完全に独立した構造となつ
ているため、万一、いずれかのパイプから洩れ
が発生しても他の回路に流入する、という危険
性がなく安全で衛生的な給湯装置が提供でき
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来方式の太陽熱利用給湯装置のシス
テム図、第２図は本発明の一実施例の全体構成を
示すシステム図、第３図ａ，ｂは本発明の一実施
例の熱交換器の構造を示す上面図、縦断面図であ
る。 １……圧縮機、３……膨張弁、４……集熱器、
５……蓄熱槽、７……熱交換器、８……第１循環
ポンプ、１３……浴槽、１４……第２循環ポン
プ。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 圧縮機、熱交換器、膨張弁、集熱器から成る
   冷媒利用の集熱回路と、蓄熱槽、第１循環ポン
   プ、前記熱交換器から成る給湯回路と、浴槽、第
   ２循環ポンプ、前記熱交換器から成る風呂回路と
   を各々前記熱交換器を中心にして連結し、太陽熱
   による給湯水加熱、太陽熱による風呂加熱、風呂
   廃熱による給湯水加熱の各々の熱交換を行なうと
   ともに、前記熱交換器は集熱回路の冷媒通路を中
   央に、給湯回路の第１水通路と風呂回路の第２水
   通路をその両側に各々熱的に密着して配置し、こ
   の３者の通路をラセン状に巻付けることにより、
   前記３者の通路は必らず他の２者の通路に熱交換
   可能な構成とし、さらに３者の熱交換の順序は、
   給湯水加熱が第１に、第２に風呂加熱、第３に風
   呂廃熱による給湯水加熱の順に行なうよう、圧縮
   機、第１循環ポンプ、第２循環ポンプの発停を
   各々制御する太陽熱利用給湯装置。