JPH0575918B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は空気圧縮機からの圧縮空気を一時的に
貯溜するのに好適に用いられる空気圧縮機用タン
クに関し、特に、圧縮空気の脈動等によつて振動
したり、共鳴音等を発したりするのを低減化でき
るようにした空気圧縮機用タンクに関する。

〔従来技術〕

第５図ないし第８図に従来技術の空気圧縮機用
タンクが設けられたパツケージ型圧縮機を例に挙
げて示す。

図において、１は防音箱を示し、該防音箱１は
基板となる下壁１Ａと、該下壁１Ａからそれぞれ
上方に立設された側壁１Ｂ，１Ｃと、該側壁１
Ｂ，１Ｃ等の上端側に架設された上壁１Ｄとから
大略構成され、略長方形の箱形状に形成されてい
る。そして、該防音箱１はメンテナンスのために
側壁１Ｂ，１Ｃ等が開閉可能となつている。２，
２は防音箱１の下壁１Ａ上にゴム等の防振材３，
３，……を介して設けられたＬ字形状の支持板、
４は該各支持板２間に取付部４Ａ，４Ａを介して
架設されたフレームを示し、該フレーム４には各
取付部４Ａ上に位置して台枠５が設けられ、該台
枠５およびフレーム４は各支持板２上にボルト等
によつて締着されている。

６は台枠５上にゴム等の防振材７を介して据え
付けられた圧縮機本体を示し、該圧縮機本体６は
低圧側のシリンダ６Ａと高圧側のシリンダ６Ｂと
を備え、該シリンダ６Ａ側の吐出ポートとシリン
ダ６Ｂ側の吸込ポートとは空気配管８Ａによつて
接続され、該シリンダ６Ｂ側の吐出ポートは空気
配管８Ｂを介して後述の空気タンク１２へと接続
されている。そして、該圧縮機本体６のクランク
軸（図示せず）にはプーリ９が設けられ、該圧縮
機本体６はプーリ９を介して後述のモータ１０に
より駆動され、これによつてシリンダ６Ａ，６Ｂ
内で順次空気を圧縮して、圧縮空気を空気タンク
１２内へと送込むようになつている。

１０は台枠５内で図中右側寄りに位置して、フ
レーム４上に取付けられたモータを示し、該モー
タ１０の出力軸にはプーリ（いずれも図示せず）
が設けられ、このプーリと圧縮機本体６のプーリ
９との間にはベルト１１が掛渡されている。そし
て、該モータ１０はベルト１１およびプーリ９等
を介して圧縮機本体６を駆動するようになつてい
る。

１２は台枠５内で図中左側寄りに位置して、フ
レーム４上に取付けられた空気タンクを示し、該
空気タンク１２は第６図中に示すように、円筒状
に形成され、両端が閉塞されたタンク本体１３
と、該タンク本体１３をフレーム４上の所定高さ
位置に支持すべく、該タンク本体１３に設けられ
た一対の脚部１４，１４とから大略構成され、タ
ンク本体１３は円筒状の胴部１３Ａと、該胴部１
３Ａの軸方向両端側を閉塞している一対の側面部
１３Ｂ（一方のみ図示）とからなつている。そし
て、各脚部１４はタンク本体１３の胴部１３Ａ両
側に位置して、軸方向に伸長し、該各脚部１４の
上端側には胴部１３Ａの外周面に溶接等の手段を
用いて接合されている。また、該各脚部１４の下
端側は外側へとＬ字形状に屈曲されて載置部１４
Ａ，１４Ａとなり、該各載置部１４Ａはフレーム
４上にボルト等によつて固定されている。なお、
該空気タンク１２およびモータ１０は台枠５と直
接接触しないようにフレーム４上に取付けられ、
各防振材３を介して防音箱１の下壁１Ａに防振支
持されている。

１５はタンク本体１３の胴部１３Ａ上端側に突
設された圧縮空気の流入口を示し、該流入口１５
は空気配管８Ｂを介して高圧側のシリンダ６Ｂの
吐出ポートと連通され、該シリンダ６Ｂからの圧
縮空気をタンク本体１３内に導入するようになつ
ている。１６は胴部１３Ａの側面に突設された圧
縮空気の流出口で、該流出口１６はタンク本体１
３内に一時的に貯溜された圧縮空気を所望の空気
圧機器（図示せず）へと流出させるようになつて
いる。また、１７は流入口１５から所定寸法離間
して、胴部１３Ａの上端側に突設された調圧口
で、該調圧口１７は安全弁１８等に接続され、タ
ンク本体１３内を所定の圧力状態に調圧するよう
になつている。さらに、１９はタンク本体１３の
胴部１３Ａ下端部に設けられたドレン口を示して
いる。

従来技術によるパツケージ型圧縮機は上述の如
き構成を有し、モータ１０によつて圧縮機本体６
を駆動して、低圧側のシリンダ６Ａからの圧縮空
気を高圧側のシリンダ６Ｂでさらに高圧化すべく
圧縮し、この高圧の圧縮空気を空気配管８Ｂを介
して流入口１５からタンク本体１３内へと流入さ
せ、該タンク本体１３内に圧縮空気を一時的に貯
溜するようになつている。

〔発明が解決しようとする問題点〕

然るに、上述した従来技術では、空気タンク１
２の各脚部１４がタンク本体１３の軸方向に伸長
して、胴部１３Ａの外周面両側に接合されている
に過ぎないから、圧縮空気を流入口１５からタン
ク本体１３内に流入させるときに、この圧縮空気
の脈動、フレーム４を介したモータ１０からの振
動および空気配管８Ｂを介した圧縮機本体６から
の振動等によつて、タンク本体１３は胴部１３Ａ
が径方向に拡縮径を繰返すように振動してしま
う。即ち、胴部１３Ａの中央横断面におけるモー
ダル解析を行なうと、第７図および第８図に示す
如く、それぞれ異なる周波数で該胴部１３Ａの中
央部分は径方向に大きく振動することが確認され
た。

このため、従来技術では、前記振動が胴部１３
Ａの固有振動数と一致して、タンク本体１３が共
鳴体となり、大きな共鳴音を発生させるという欠
点がある。

本発明は上述した従来技術の欠点に鑑みなされ
たもので、本発明は各脚部によつてタンク本体の
振動を抑えることができ、共鳴音を確実に低減化
できるようにした空気圧縮機用タンクを提供する
ことにある。

〔問題点を解決するための手段〕

上述した問題点を解決するために本発明が採用
する手段の特徴は、脚部をタンク本体の周方向に
伸長させ、該タンク本体の少なくとも下端側外周
面に接合する構成としたことにある。

〔実施例〕

以下、本発明の実施例を第１図ないし第４図に
基づいて説明する。なお、実施例では前述した第
５図に示す従来技術と同一の構成要素に同一の符
号を付し、その説明を省略するものとする。

而して、第１図および第２図は本発明の第１の
実施例を示している。

図中、２１はタンク本体を示し、該タンク本体
２１は従来技術で述べたタンク本体１３とほぼ同
用に構成され、円筒状の胴部２１Ａと、該胴部２
１Ａの軸方向両端側を閉塞している一対の側面部
２１Ｂ，２１Ｂとからなつている。そして、該胴
部２１Ａには流入口１５、流出口１６、調圧口１
７およびドレン口１９がそれぞれ突設されてい
る。

２２，２２は該タンク本体２１をフレーム４上
の所定高さ位置に支持すべく、該タンク本体２１
の胴部２１Ａに設けられた一対の脚部を示し、該
各脚部２２は胴部２１Ａの周方向に伸長する金属
板によつて形成され、下端側にはフレーム４上に
ボルト等によつて固定されるＬ字形状の載置部２
２Ａ，２２Ａが設けられている。また、該各脚部
２２の上端側には胴部２１Ａの外周面に対応する
円弧状の凹部２２Ｂがそれぞれ形成され、該各凹
部２２Ｂ内には胴部２１Ａの下端側外周が、例え
ば150〜170度程度の角度範囲に亘つて収まるよう
になつている。そして、該各脚部２２は胴部２１
Ａの軸方向両端側寄りに所定寸法離間して位置
し、各凹部２２Ｂは胴部２１Ａの下端側外周面に
溶接等の手段を用いて接合されている。

本実施例による空気圧縮機用タンクは上述の如
き構成を有するもので、その基本的作動について
は従来技術によるものと変わるところはない。

然るに、本実施例では、各脚部２２をタンク本
体２１の胴部２１Ａ周方向に伸長する金属板によ
つて形成し、その上端側には該胴部２１Ａの下端
側外周が、例えば150〜170度程度の角度範囲に亘
つて収まる円弧状の凹部２２Ｂをそれぞれ設け、
該各凹部２２Ｂを胴部２１Ａの下端側外周に接合
したから、シリンダ６Ｂからの圧縮空気を流入口
１５からタンク本体２１内に流入させるときに、
この圧縮空気の脈動やモータ１０および圧縮機本
体６からの振動等がタンク本体２１に伝播された
としても、該タンク本体２１の胴部２１Ａが径方
向に拡縮径するように振動するのを各脚部２２に
より凹部２２Ｂを介して確実に規制することがで
き、この振動によるタンク本体２１の共鳴音を大
幅に低減化することができる。

一方、胴部２１Ａの肉厚を厚くすれば前記振動
をある程度抑える効果は得られるものの、本実施
例では、各脚部２２により凹部２２Ｂを介して胴
部２１Ａの振動を抑えることができるから、該胴
部２１Ａの肉厚を可及的に薄肉に形成することが
できる。さらに、各脚部２２によりタンク本体２
１を補強できると共に該タンク本体２１を確実に
支持することができ、材料費の削減化、構造の簡
素化等、種々の効果を奏することができる。

第３図および第４図は本発明の第２の実施例を
示し、本実施例では前記第１の実施例で述べたタ
ンク本体２１をそのまま援用するものとする。

然るに、本実施例の特徴は、各脚部３１を胴部
２１Ａの周方向に全周に亘つて伸長する金属板に
よつて形成し、その下端側にはフレーム４上にボ
ルト等によつて固定されるＬ字形状の載置部３１
Ａ，３１Ａを設けたことにある。ここで、該各脚
部３１には各載置部３１Ａの上方に位置して、胴
部２１Ａの外周面に対応する大径穴３１Ｂがそれ
ぞれ穿設されている。そして、該各脚部３１は各
大径穴３１Ｂを胴部２１Ａの外周面全周に亘つて
溶接等の手段を用いて接合することによつて、該
胴部２１Ａの軸方向両端から所定寸法離間した位
置に固着されている。

かくして、このように構成される本実施例で
も、前記第１の実施例とほぼ同様の作用効果を得
ることができるが、特に本実施例では、各脚部３
１の大径穴３１Ｂをタンク本体２１の胴部２１Ａ
外周面に全周に亘つて接合したから、該胴部２１
Ａが拡縮径するように振動するのをさらに確実に
規制できる。

なお、前記第１の実施例では、各脚部２２の上
端側に150〜170度程度の角度範囲に亘る円弧状の
凹部２２Ｂを形成するものとして述べたが、これ
に替えて、各凹部２２Ｂを170度を越える角度範
囲に亘る円弧形状に形成してもよい。

また、前記各実施例では、タンク本体２１等を
防音箱１内に収納したパツケージ型圧縮機を例に
挙げて説明したが、本発明はこれに限定されず、
パツケージ型圧縮機以外の種々の空気圧縮機用タ
ンクにも適用できることは勿論である。

〔発明の効果〕

以上詳述した通り、本発明によれば、脚部をタ
ンク本体の周方向に伸長させ、該タンク本体の少
なくとも下端側外周面に接合する構成としたか
ら、タンク本体内に圧縮空気を流入させるとき
に、この圧縮空気の脈動や外部からの振動等がタ
ンク本体に伝播されたとしても、該タンク本体が
径方向に拡縮径するように振動するのを脚部によ
つて抑えることができ、該タンク本体が共鳴体と
なつて共鳴音を発生するのを確実に低減化でき
る。また、タンク本体の肉厚を可及的に薄くで
き、材料費の削減化、構造の簡素化等を図ること
ができる。

【図面の簡単な説明】

第１図および第２図は本発明の第１の実施例を
示し、第１図は空気圧縮機用タンクの正面図、第
２図は第１図の右側面図、第３図および第４図は
第２の実施例を示し、第３図は空気圧縮機用タン
クの正面図、第４図は第３図の右側面図、第５図
ないし第８図は従来技術を示し、第５図はパツケ
ージ型圧縮機の全体図、第６図は第５図中に示す
空気タンクの斜視図、第７図および第８図は第６
図中のタンク本体をそれぞれ異なる周波数で振動
させた状態を示すモーダル解析図である。 ２１……タンク本体、２１Ａ……胴部、２１Ｂ
……側面図、２２，３１……脚部、２２Ａ，３１
Ａ……載置部、２２Ｂ……凹部、３１Ｂ……大径
穴。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 筒状に形成され、両端が閉塞されたタンク本
   体と、該タンク本体を支持すべく、該タンク本体
   に設けられた脚部とからなる空気圧縮機用タンク
   において、前記脚部をタンク本体の周方向に伸長
   させ、該タンク本体の少なくとも下端側外周面に
   接合する構成としたことを特徴とする空気圧縮機
   用タンク。 ２ 前記脚部は上端側に前記タンク本体の外周面
   に対応する円弧状の凹部が形成された金属板によ
   つて構成し、該凹部をタンク本体の下端側外周面
   に接合してなる特許請求の範囲１項記載の空気圧
   縮機用タンク。 ３ 前記脚部はタンク本体の外周面に対応する大
   径穴が穿設された金属板によつて構成し、該大径
   穴をタンク本体の外周面に接合してなる特許請求
   の範囲１項記載の空気圧縮機用タンク。