JPH0575559B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、表面基材を粘着剤を介して剥離シー
トに張り合わせた粘着シートにおいて、剥離シー
ト又は表面基材のいずれか一方が長方向にスリツ
トされている製品を得るためのスリツト加工装置
に関するものである。

（従来技術） 表面基材を粘着剤を介して剥離シートに張り合
わせた粘着シートにおいて、その張り合わせ層の
一方、例えば剥離シートのみを長さ方向にスリツ
トしてある製品を得るための従来方式の一つは、
粘着シートを一旦粘着剤層を有する表面基剤と剥
離シートとに分離し、次いで剥離シートのみを長
さ方向にスリツトした後、再び表面基材と張り合
わせる方式がある。

この剥離シート分離方式においては、一対の接
触ロールを通過させる際に表面基材と剥離シート
とを互いに分離させるものであるが、分離位置を
出た後も表面に粘着剤層を有する表面基材の方に
剥離シートが貼りつく傾向があり剥離位置が一定
せず、また断続的に引き離し衝撃が働くため、表
面基材または剥離シートに皺が寄り、ある場合に
は、その皺が長く続くという不都合があり、後に
おいてスリツトされた剥離シートを表面基材に再
び貼り合わせた場合に、所望どうりの美しく仕上
がつた製品が得られない欠点があつた。

また、粘着シートの剥離シートのみを長さ方向
にスリツト加工する他の方式として、表面基材と
剥離シートが貼り合わさつたままで連続的に送り
出し、固定刃又は回転刃を剥離シート側から押し
つけてスリツト加工する方式があるう。この方式
では粘着剤の厚みの変化による表面基材又は剥離
シートの上下動又はバツク支えロールの振れ等が
原因で正確に剥離シートのみをスリツト加工する
のが難しい。また多数の並列刃で多条にスリツト
加工する場合にも各刃物において均一な深さにス
リツト加工することが極めて難しく、更には回転
刃を使用する場合には、その製作に置いても精度
のよい真円刃の制作は極めて難しく、そのため回
転刃を使用して高精度にスリツト深さを調節する
のは難しいという問題がある。

（発明が解決しようとする問題点） 本発明は、粘着シートの表面基材又は剥離シー
トの一方を長さ方向にスリツト加工する場合、粘
着剤の厚みの変化による粘着シートの厚みの変動
又はバツク支えロールの振れがあつても、そのこ
とには影響されずにそれに対応して常に均一な深
さでしかも他方のシートを傷つけることなく表面
基材又は剥離シートのいずれか一方のシートのみ
を確実にスリツト加工し、しかもスムーズにその
作業を行うことの出来る粘着シートのスリツト加
工装置を提供することを目的とする。

（問題を解決するための手段） 本発明は、粘着シートの表面基材又は剥離シー
トのいずれか一方を長さ方向にスリツト加工する
装置において、バツク支えロール１に粘着シート
Ａを介して接する回転体２がフレーム３に支持さ
れており、且つフレーム３に設置されている微調
節装置４によつて回転体２に対する相対位置の調
節が出来るようになつているスリツト用固定刃５
が該微調節装置４の先端部６においてバツク支え
ロール１に沿接する粘着シートＡに接しスリツト
加工しうるように回転体２に側設されていること
を特徴とする粘着シートのスリツト加工装置であ （作用） 本発明の装置は、回転体と固定刃が共にフレー
ムによつて支持されていて、固定刃は回転体との
間で相対位置が調節し得るようになつているた
め、一度粘着シートとの関連でその相対位置を決
めてやれば、その相対位置は変更調節しないかぎ
り常に保持され、粘着シートをスリツト加工する
に際しては、固定刃は回転体との相対位置を保つ
たままでスリツト加工することになる。従つて例
えば粘着剤の厚みが変動し、その為粘着シートの
厚みが変化したり、或いは粘着シートを繰り出す
為のバツク支えロールの振れが生じても、これら
の要因によつてスリツトの深さが変化するという
こともなく、常に一定の深さにスリツト加工する
ことが可能である。

（実施例） 本発明の実施例を図面を用いて説明する。

図中１は、回転式バツク支えロールであり、２
は回転体であつてフレーム３に回転可能に支持さ
れている。この回転体２はスツト加工のため繰り
出されてくる粘着シートＡを介しバツク支えロー
ル１に押しつける状態で接し、粘着シートＡの移
送に伴つて回転するようになつている。この回転
体２がフレーム３に支持されている状態は、例え
ばフレーム間のスペースに設置されている溝付き
ロール７によつてリング状の回転体２が嵌合（図
では４ケ所）支持した構造とすることも出来る
し、また中心軸をもつた回転体（図示していな
い）の場合は、軸部分がフレームによつて支持さ
れるような構造とすることも出来る。

なお、回転体２の幅は特定するのではないが約
１cm幅位のものを使用することになる。

図中５は、スリツト加工用の固定刃であり、回
転体２が粘着シートＡと接する部分で粘着シート
をスリツト加工するもので、回転体２に対する相
対位置が調節できるようになつており、回転体２
に側設されている。この固定刃５の回転体２に対
する相対位置の調節は、フレーム３にとりつけら
れている微調節装置（例えばマイクロメーターＢ
によつて調節する）４によつて行われるようにな
つており、その取りつけ位置は該微調節装置４の
先端部６に設置している。なお固定刃５の材質は
特に限定するものではないが、摩耗が少なく、粘
着剤が付着し難しいものとしてセラミツク製のも
のが好適である。

図中８は、回転体２に接し、回転体の振れを防
止するための支持ロールである。因みに、回転体
２に振れが生じると、固定刃５の回転体２に対す
る相対位置の精度が出せない。そのためスリツト
加工する場合、均一なスリツト深さを確保するこ
とが出来ず、表面基材又は剥離シートのいずれか
一方のシートのみを確実にスリツトすることが出
来ないことになる。

従つて、この支持ロール８は回転体２の振れ防
止のために設置することは望ましいが、回転体２
が振れないように十分な精度をもつて支持される
ならば必ずしも必要とするのではない。

而して、本発明に係わるスリツト加工装置は、
回転体２及びスリツト用の固定刃５が共に同一の
フレーム３に設置されていて、しかも固定刃５の
回転体２に対する相対的位置が極めて精度よく調
節出来る構造になつているため、フレーム３の支
持軸９を支点とし、粘着シートＡを介しバツク支
持ロール１に押しつける状態に接してやれば、粘
着剤層の厚みの変化が原因で粘着シートＡの厚み
が変動しても、またバツク支持ロール１の振れが
生じても、そのことには影響されずに常にその場
の状況に対応して確実に均一な深さでスリツト加
工が出来ることになる。

本装置によりスリツト加工した後の粘着シート
は、巻取ロールに巻取られるまでの間に必要があ
れば別のスリツター機構により全体が定幅に切断
され、それらの単位ストリツプが各々巻取りロー
ルに巻取られることになる。勿論、スリツターに
よる全体の切断は同じ支持ロール上でもできる
し、又スリツト位置とはことなつた位置で行われ
るものである。

（発明の効果） 本発明に関わるスリツト加工装置によれば、粘
着シートをスリツト加工するに際し、わざわざ粘
着シートを粘着剤層を有する表面基材と剥離シー
トとに分離することなくスリツト加工することが
でき、更に固定刃は回転体との間で相対位置が調
節しうるようになつているため、一度粘着シート
との関連でその相対位置を決めてやれば、その相
対位置は変更調節しないかぎり常に保持され粘着
シートに接しスリツト加工するに際しては固定刃
は回転体との相対位置を保つたままスリツト加工
することになる。従つて例えば粘着剤層の厚みの
変化が原因で粘着シートの厚みが変動しても、ま
たバツク支持ロールの振れが生じてもそのことに
は影響されずに常にその場の状況に対応して確実
に均一な深さで美しい仕上りのスリツト加工が出
来るものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明に係わる粘着シートをスリツ
ト加工する装置で、フレームの一方側を部分的に
切除した状態の側面説明図であり、第２図は、本
発明に係わるスリツト加工装置の斜視的説明図で
ある。 １……バツク支えロール、２……回転体、３…
…フレーム、４……微調節装置、５……固定刃、
６……微調節装置の先端部、７……溝付きロー
ル、８……支持ロール、９……フレームの支持
軸、１０……本装置に取り付けるための部分、Ａ
……粘着シート、Ｂ……マイクロメーター。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 粘着シートの表面基材又は剥離シートのいず
   れか一方を長さ方向にスリツト加工する装置にお
   いて、バツク支えロール１に粘着シートＡを介し
   て接する回転体２がフレーム３に支持されてお
   り、且つフレーム３に設置されている微調節装置
   ４によつて回転体２に対する相対位置の調節が出
   来るようになつているスリツト用固定刃５が該微
   調節装置４の先端部６においてバツク支えロール
   １に沿接する粘着シートに接しスリツト加工しう
   るように回転体２に側設されていることを特徴と
   する粘着シートのスリツト加工装置。