JPH0575424U - 水冷式排気マニホールドの構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 熱交換器を備えた水冷式排気マニホールドの
排気通路と冷却水通路を別部材で構成してコストを低減
する。 【構成】 シリンダヘッド１に結合される排気通路４を
備えた排気マニホールド３と、この排気マニホールド３
との間に冷却水通路５を画成するように排気マニホール
ド３の外側に水密的に取り付けられるカバー２と、この
カバー２の内部に冷却水通路５と連通する熱交換器用水
路６を備える。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、熱交換器を備えたエンジンの水冷式排気マニホールドの構造に関す る。

【０００２】

【従来の技術】

船舶用のエンジンなどにおいては、排気系の過熱防止及び機関室の温度上昇を 防止するために水冷式の排気マニホールドを採用して高温の排気管の温度を低下 させ、さらに排気マニホールドなどを冷却した清水を海水で冷却した後に再循環 させるための熱交換器を採用しており、図３に示すように一体鋳造により排気通 路４０、冷却水通路５０及び隔壁２０Ｂで仕切られた熱交換器用水路６０を形成 した排気マニホールド２０を締結手段によりシリンダヘッド１に結合するものが 知られており、また、同様の構造をもつ排気管構造として実公昭５０−４２９０ ６号公報に開示されるものが知られている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、上記排気マニホールドを一体鋳造により製造すると、排気通路 、冷却水通路及び熱交換器用水路の各空間を形成するためには鋳型が複雑となっ て製造コストが上昇し、また鋳造の際の歩留りが低下するという問題が発生した 。

【０００４】 そこで本考案は、排気通路と冷却水通路及び熱交換器用水路とを別部材で構成 し、安価かつ容易に製造できる熱交換器を備えた水冷式排気マニホールドの構造 を提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案は、シリンダヘッドに結合される排気通路を備えた排気マニホールドと 、この排気マニホールドとの間に冷却水通路を画成するように排気マニホールド の外側に水密的に取り付けられるカバーと、このカバーの内部に前記冷却水通路 と連通する熱交換器用水路を備える。

【０００６】

【作用】

排気通路をもつ排気マニホールドと熱交換器用水路を備えたカバーとを別体と し、排気マニホールドの表面とカバーの内面で冷却水通路を形成したため、複雑 な鋳型を必要としていた冷却水通路を鋳造する必要がなくなる。

【０００７】

【実施例】

以下、図面に従って本考案の実施例を説明する。

【０００８】 図１において、１は船舶用エンジンのシリンダヘッドで、図示しない燃焼室と 連通する排気ポート１１が開口する。

【０００９】 ３は一体に形成された排気マニホールドで、内部には排気ポート１１と連通す る排気通路４を備え、排気マニホールド３のフランジ部３Ａをガスケット８を介 してボルト３１によりシリンダヘッド１に締結する。

【００１０】 ２は排気マニホールド３の外側に所定の間隔をもって取り付けられるシリンダ ヘッド１側を開口した断面形状のカバーで、カバー２の内部上方には隔壁２Ｂに よって独立した熱交換器７を収装する熱交換器用水路６を形成している。熱交換 器７の内部は船外から取り入れた海水などで満たされ、この熱交換器７を取り巻 く熱交換器用水路６にはエンジンなどを冷却した冷却水が流れる。

【００１１】 カバー２の下方の開口部周囲にはフランジ部２Ａが形成され、このフランジ部 ２Ａと前記フランジ部３Ａを接合した状態でボルト２１によってカバー２はシー ル部材９を介して締結され、カバー２の内面と排気マニホールド３の表面との間 に前記熱交換器用水路６と連通する冷却水通路５が形成される。

【００１２】 以上のように構成され、次に作用について説明する。

【００１３】 エンジンから排出された高温の排気ガスは排気ポート１１から排気通路４に流 入して排気マニホールド３を加熱するが、冷却水通路５に満たされた冷却水によ り排気マニホールド３及び排気ガスは冷却される。

【００１４】 排気マニホールド３を冷却して暖められた冷却水は図示しないポンプにより循 環して熱交換器用水路６に入り、熱交換器７の内部を流れる海水などに吸収した 熱を放出して温度を低下する。

【００１５】 この場合、排気マニホールド３と熱交換器用水路６を備えたカバー２を別体と し、排気マニホールド３の表面とカバー２の内面で区画形成する空間を冷却水通 路５としたため、従来複雑な鋳型を必要としていた冷却水通路５を鋳造する必要 がなくなり、簡易な構造の鋳造品で構成できるため歩留りも向上し、製造コスト を低く押えることができる。

【００１６】 図２は第２の実施例を示すもので、前記第１の実施例における隔壁２Ｂを撤去 して冷却水通路５と熱交換器用水路６を連通したもので、隔壁２Ｂに代わって所 定の位置に中空の支柱２Ｃを設けてボルト２１を挿通させてフランジ部３Ａに締 結するもので、その他の構成及び作用は前記第１の実施例と同様である。

【００１７】

【考案の効果】

以上のように本考案は、排気マニホールドと内部に熱交換器用水路を備えたカ バーとを別部材とし、排気マニホールドの表面とカバーの内面で冷却水通路を形 成してたため、冷却水通路のための複雑な鋳型が不要となって、製造コストを低 く押えることができ、また、鋳造に際しての歩留りを向上させることもできると いう効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例を示す断面図である。

【図２】他の実施例を示す断面図である。

【図３】従来例を示す断面図である。

【符号の説明】

１ シリンダヘッド ２ カバー ２Ａ フランジ部 ２Ｂ 隔壁 ３ 排気マニホールド ３Ａ フランジ部 ４ 排気通路 ５ 冷却水通路 ６ 熱交換器用水路 １１ 排気ポート

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁵ 識別記号 庁内整理番号 ＦＩ 技術表示箇所 Ｆ０２Ｆ 1/36 Ａ 8503−3Ｇ

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 シリンダヘッドに結合される排気通路を
   備えた排気マニホールドと、この排気マニホールドとの
   間に冷却水通路を画成するように排気マニホールドの外
   側に水密的に取り付けられるカバーと、このカバーの内
   部に前記冷却水通路と連通する熱交換器用水路を備えた
   ことを特徴とする水冷式排気マニホールドの構造。